作品名 作者名 カップリング
バージョン2 518氏 -

「……まいった」
不意の雨に降られ、軒下へと逃げこんだマサヒコ。
「やむかな?……無理か。むしろ激しくなりそうだな」
空の様子からもそれは間違いない様子で、「ならば」と覚悟を決めようとした所で。
「あ!小久保君だ!」
仲良し三人組――ミサキ、リンコ、アヤナ――は皆傘をさしている。
これぞ天佑。
「ちょうどいいや。誰かいれてってくれないか?」
マサヒコの何気ない言葉に三人の空気が代わる。
お互いを牽制する空気。
「小久保君!」
「私の傘に!」
「入っていって!」
「お、おお!??」
三人同時に傘を差し出されマサヒコがびびったその瞬間、
大型トラックが派手に水を跳ね飛ばし、四人を直撃。
あっという間にずぶ濡れだ。
四人はしばらく呆然と顔を見合わせ、そして、
「「「「あっははははっ!!」」」」
大爆笑した。
「あーもうずぶ濡れ!傘なんて意味ないね」
「ねえ、ウチに寄らない?着替えとあったかい紅茶出して上げるわよ」
「わーい!アヤナちゃんちの紅茶おいしいんだよね〜。行こう行こう!」
「小久保君もどう?着替えがスカートになってもよかったら」
「な、なにぃ!!?」
「冗談よ」
よっぽどマサヒコの顔が面白かったのか、三人は笑い転げて。
マサヒコは一人不機嫌そうに眉をひそめて。
四人、雨に打たれながら仲良くアヤナの家へと向かった。

END

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