作品名 作者名 カップリング
アイ先生とマサヒコ君 ホワイトデーver. 518氏 アイ×マサヒコ

ホワイトデー。
誰が言ったかホワイトデー。
白い日。
バレンタインデーのお返しの日なのだそうで。
最近は三倍返しが主流だと!?
舐めんな!!
大体、どこの誰がホワイトデーなんて作ったんだ!!?
そう思ってググッてみたらあっさり見つかった。
公式サイトなんてあるのかよ……商魂たくましいねぇ。
この商魂があれば日本はまだ大丈夫だ!


さて。
そんなホワイトデーも近づいて来た頃。
マサヒコはアイへのお返しで軽く頭を悩ませていた。
つーかバレンタインの際のあれはチョコを貰ったと言えるのかどうか……。
まあかわいいアイが見られたからいいんだけど。
いやしかし…あ〜んと口を開けるアイはかわいかった。
「な〜に百面相してるのかな〜」
「ふぐっ!」
中村に頬を引っ張られる。
「アイのことでも考えてたのかな〜?このこの〜」
「ふぁふぁふぃふぇふふぁふぁい」
大学が春休みに入ったため、家庭教師の授業が無い日でもアイと共に
マサヒコの部屋に入り浸っているのだ。
まあ今日はアイはいないけれど。
……考えてみれば好都合だ。
「ふぁ、ふぁかふらふぇんふぇ」
「ナニ言ってるかわかんないわよ?」
じゃあこの手をはなさんかい!と言わんばかりに手をタップする。

「ああ、ごめんごめん。で、なんなの?」
「ホワイトデーをどうしようかと思いまして」
「あら、上げてもいないのにくれるなんて悪いわねぇ」
「あんたにと違う」
「わかってるわよ。ちょっとボケてみただけじゃない」
そう言って「ふむ」と腕を組む。
「候補はしぼったの?」
「いえ、キャンディーぐらいしか思いつかなくって」
「じゃそれでいいんじゃない?」
「んなあっさりと」
「いや、真面目な話。高い物や気の利いた物は喜ばれるだろうけど、最終的には心だから。
あんたが上げるモノならアイはなんでも喜ぶわよ」
そう言ってウインク。
相変わらず決めるときはビシッと決める女性だ。
だが。
「ああ!しまった!」
「ど、どしたんすか!?」
「あんたらが付き合う前だったら「童貞上げなさい」って言えたのに!」
「……」
本当に。
決めるときはビシッと決める女性だ。
いろんな意味でなっ!!


さて、ホワイトデー当日。
「おかえりなさ〜い♪」
マサヒコが自宅に帰ったらアイがいた。
ここ最近よく家に入り浸っていたが、帰ったら既に居たというのは初めてだ。
流石にちょっとビックリだ。

「早いっすね、今日は」
「あ、うん。だって今日は、その…」
もごもごと歯切れが悪いが。
どうやらお返しをちょっと期待していたようだ。
「まあ期待に沿えるかどうかわかりませんけど、いちおー用意だけはしてますから」
「ほんと!?」
「あんまり期待しないでくださいよ」
そう言ってアイの横を通り、キッチンへ。
冷蔵庫からラッピングされた箱を取り出す。
「…どうぞ」
ちょっと照れながら渡す。
顔が赤いのはご愛嬌だ。
「ありがとう…開けていいかな?」
マサヒコが首を縦に振るのを確認し、アイは丁寧に包装紙を剥がす。
「わぁ〜」
出てきたのはレアチーズケーキ。
「おいしそ〜!ありがとね、マサヒコ君」
「いえ、喜んで貰えてなによりです」
「早速食べよっ!え〜っと包丁にお皿に…」
「あ、俺がやりますから」
その後。
「俺が」「私が」と取り合う様に準備をして。
再び「俺が」「私が」とケーキを切る。
なにがどうなってか、二人一緒に切ることになり「まるでケーキ入刀だね」とアイが言ったばっかりに
これまた二人して真っ赤になってしまったり。
なにをやってるんだか、この二人。
「おいし〜♪」
それでもケーキを食べればそんな恥ずかしさも吹っ飛ぶのがアイがアイたる所以。
趣味、食べ歩きは伊達じゃない。
ぺろりと一切れ食べてしまい、二切れ目に突入。

「ん〜…すっごい濃厚。これどこで買ったの?近所にこんなおいしい店あったっけ?」
「いえ。インターネットのお取り寄せです」
「ええ!?それって、結構高かったんじゃない?」
「まあ安くはなかったですけど…おこずかいも貯めてましたし、お年玉も残ってましたしね」
そう言って笑うマサヒコに、アイもまた笑顔で、
「…ありがとう」
感謝の意を伝えた。
その後お喋りなどしつつケーキを二人で食べる。
大食漢のアイと成長期のマサヒコの二人にかかってはホールケーキもあっという間になくなってしまう。
……女なのに大食漢…どゆこと?どーでもいい?
「ごちそうさま。おいしかったよマサヒコ君。ありがとう」
「いえ。そう言ってもらえれば選んだかいがあったってものですよ」
そうは言うマサヒコなのだが…ちょいと気になることが。
「あの…先生」
「なに?」
「俺の気のせいだといいんですけど……なんか不満そうなんですけど」
「え!?」
そう。
アイが少し不満そうと言うか…物足りなさそうなのだ。
「あ、ひょっとして俺ケーキ食べすぎましたか?すいません。先生が持って帰る分のこと考えてなくって」
「ち、ちがうよ!そんなことないよ!!」
否定するアイだが、
「先生、俺達いちおー付き合ってるんですよね?」
「うん」
「嘘付かれると正直凹むんですけど」
「う…」
マサヒコの指摘に言葉に詰まる。
「言っても家庭教師と教え子って期間も合わせると結構長い付き合いですから。
嘘ついてるかどうかかはわかるつもりですよ、俺」
「ううう…」

「先生」
マサヒコに詰め寄られ、アイは、
「その、不満ってわけじゃないのよ」
白状をはじめる。
マサヒコはその様子を真剣な表情で見つめる。
「ただ、ね。今日は、ホワイトデーだから、そうなのかなって…」
「……言ってる事がよくわかんないんすけど?」
「だから……あのね…」
どうにもアイの歯切れが悪い。
それなりに物事をズバズバと言うアイには珍しいことだ。
と、言うことは。
つまりアイにとって言い辛い事だと言うことで。
ならば自分が言外のうちに察するのが彼氏の役目…とばかりにマサヒコはなんとか理解しようとする。
「ホワイトデーって…白い日だから……」
「……」
「白いから…だから…先輩が……白くなる日だって…」
「……oh」
思わず唸る。
そもそも。
アイの口から先輩=中村の名が出た時点で全て察することが出来る。
中村=エロ。
必要十分条件だ。
んで。
白ってのがなにを表すのか?
簡単だ。
ナニだ。ナニだよ。
「えっと……先生」
「…うん」
マサヒコが悟ったことを悟ったのだろう……ややこしいな、おい……顔が赤いアイ。

「部屋に行っててもらえますか?」
「……うん」
アイがキッチンから出ていく。
マサヒコは皿とフォークを流しに置き、水に浸す。
そして水で簡単にうがい。
玄関に向かい施錠。
これで何人たりとも侵入不能だ。
鍵を持っている母親とて無理だ。
だってチェーンロックもしたし。
さらに一階の各部屋を回り鍵を確認。
大丈夫、全部かかってる。
そして…二階へと上がっていく。


一方その頃。
二階のマサヒコの部屋のアイはベットに腰掛けていた。
今更ながらにキョロキョロと部屋の中を見まわし、ひどく落ち着かない様子。
すると、マサヒコが部屋に入ってくる。
「あ、マサ――」
「マサヒコ君」と声を掛けようとしたら押し倒された。
「マ、マサヒコ君!?」
目を白黒させるアイに、
「先生、今日はホワイトデーですよね?」
「う、うん」
「文字通り白い日にしましょう!」
そう言ってアイの服を脱がせる。
いきなりなことにアイは、
「きゃ〜♪」
悲鳴を上げた。

つーか悲鳴じゃねえ!!
喜んでるやん!!?
「マサヒコ君ったら、ごーいんなんだから♪」
「ごーいんなのは嫌いですか?」
「マサヒコ君にされるのなら好き♪」
な、なんだこのかゆい会話は!!?
「今日は両親は外食ですから。ゆっくりしていって下さい」
「ん〜…ゆっくりさせてくれるの」
「先生次第ですよ」
「じゃあ…ゆっくりしたくないな♪」
にっこり笑うアイにマサヒコは濃厚なキスをする。
舌を挿し入れ、絡めとる。
ピチャピチャと音を立て舌を絡ませているとアイがじたばたともがき始める。
「先生…だから呼吸は鼻でして下さいよ」
「だ、だって…」
どうにもアイはディープキスが苦手なようで。
触れ合うだけのバードキスの方を好む。
しかしなんと言うか…その、高める…と言うか、興奮させるにはディープキスのほうがいいのだが。
だがしかし。
ならば他にやり様はいくらでもある。
小久保マサヒコ、性技に関しては青二才であっても初心者ではない。
まあ若葉マークがとれたばかりの、しかもアイ限定の、だが。
アイの感じる所はいくらでも知っている。
例えば、
「っ!……やぁ……そこ!……ああ!」
うなじはアイの弱点の一つ。
マサヒコの思う通りの純な反応を返してくる。
真っ赤になっていやいやと首を振る。
「かわいいですよ、先生」
「っ!?そんな!…うぅん!」

言葉攻めもまた一興。
特に「かわいい」「きれい」等の誉め言葉は効果的だ。
言われなれてないのだろう。
ただし、これには問題がある。
「マサ……ん!…ヒコ君…も…かっこいいよ……」
「……」
「照れてる?」
そう。
大抵こう切り返されちゃうのだ。
加えて。
マサヒコも「きれい」だなんて言いなれてないから多分に照れてしまう。
言葉攻めは諸刃の刃。
気を付けようと思うマサヒコ。
すっかり下着姿になったアイの胸を下着の上から揉む。
もみもみと。
寄せて上げて圧してつぶして。
「ん……」
指が登頂に掛かる度にアイがピクリと反応する。
ので、わざとなるだけそこを触らないようにする。
するとアイは潤んだ、切なそうな目で見るのだ。
ただしあまり意地悪をすると膨れてしまうし、悪い時は怒らせてしまう。
だから。
マサヒコはアイのブラをたくし上げ胸を露出させる。
形のよい、いわゆるお椀型の綺麗な胸。
「きれいだ」
そう言われ、真っ赤になるアイに更なる刺激。
「ひぁぁ!!」
胸の登頂を激しく吸われ、甲高い声を上げる。
「大丈夫ですか?」
マサヒコの言葉にも反応は鈍く、荒い息を吐く。

アイに申し訳ないとおもながらマサヒコはアイの下着を脱がせる。
「あ、濡れてる」
「……言わ…ないでよ…」
ぼそりと呟いた一言に反応する。
「でももう少し濡らしたほうがいいかな?」
そう言ってマサヒコはアイの下半身に舌を這わせる。
はじめは太ももから、だんだんと秘部に近づき、
「はぁぁ!」
舌を挿し入れる。
既に程よく濡れていたそこを音を立てて舐める。
いや、貪る。
「ひぁ!……あうぅぅ!……」
「先生の味がしますよ」
「そ、ん…あああ!!」
アイは腰を浮かせ、甘い声を上げる。
もっとアイの声を聞こうと舌を激しく動かし、
ついでにアイの…というよりも女体の最も弱い場所を刺激する。
「きゃふ!!」
流石に効いたようだ。
身体を痙攣させるアイを見つめながらマサヒコも服を脱ぐ。
下半身は出番を今や遅しと待っている。
臨戦体勢どころか既に戦闘をはじめている。
ぶっちゃけ先走ってます。
手で押さえつつ、アイの中に埋め込む。
「はあぁぁ!!」
「くっ…」
相変わらずアイの中はきつく、強く閉めつけてくる。
暖かく、得も言われぬ快感がマサヒコの身体を走りぬける。
すぐに動くと達してしまいそう。
なので根元まで納めた所で動きを止め、アイにキスをする。

マサヒコが舌を入れるより早く、アイの方から舌を絡めてくる。
テンションが上がるとディープキスをしてもちゃんと鼻で息をするのだから不思議だ。
普段は緊張しているからだろうか?などと頭の片隅で思いながら、
マサヒコは舌を絡め、アイをじっくり味わう。
しかし、今本当に味わうべきは下半身のほうだ。
マサヒコはゆっくりと腰を動かし始める。
腰を引き、押し入れる度に、
「ひぃん!!」
アイが甘い声を上げてくれるのが嬉しい。
シーツを握り締め、顔を真っ赤にして喘ぐアイの姿がマサヒコの興奮を煽る。
腰をアイに叩きつける様に動かす。
グチャ、ジュプと卑猥な音が部屋に響く。
「あ、ああ…!」
アイの上げる声の間隔が短く、そして甲高くなる。
「マ、マサヒコ君…わ、わたし…もう!」
アイの言葉にマサヒコはよりいっそう激しくアイの中を突き上げる。
「あああー!!」
背筋を仰け反らせ、全身を痙攣させてアイが達する。
同時にマサヒコはアイの中から抜く。
ビクビクと震え、ほとばしる白濁液がアイの腹を淫靡に汚していく。
するとはぁはぁと荒い息をしていたアイ。
「これが…ホントのホワイトデー…だね」
「……」
「…あれ?」
首を傾げる。
マサヒコの反応がない。

おかしいなと思いマサヒコの顔を覗きこむ。
「…お、おぉ!?」
目が合った。
ぎらぎらしたマサヒコの目と。
「先生」
「な、なにかな〜?」
「まだホワイトデーには足りないと思いませんか?」
マサヒコの言葉にアイは、
「えっと……」
嬉しそうに頷いた。
なにしろこうして身体を重ねるのは久しぶりなのだ。
バレンタインの時は邪魔されたし。
「ちなみに、今日はホワイトデーですから。父が母を連れ出してますから。
帰り結構遅くなるんですよ。だから…」
「だから?」
「存分に楽しみましょう」
「うん♪」
こうして。
アイとマサヒコは存分にホワイトデーを満喫することとなった。
翌日マサヒコがダルそうにしていたのは多分そのせいだろう。
そう!
文字通り精気がなかったわけですな。
はっはっはっ!


END

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