作品名 | 作者名 | カップリング |
NoTitle | 518氏 | リョーコ×マサヒコ |
「マサ、マサ起きなさい」 「ん…」 優しく揺り動かされ、マサヒコは目を覚ます。 「おはよう、マサ」 「……」 「こら。人がおはようと言ってるんだ。返すのが礼儀だろう。まったく…」 マサヒコを起こしていた中村は苦笑、 「もうご飯できてるから、下に降りてきな」 そう言って部屋から出ていく。 一方のマサヒコは…… 「……なんで中村先生が朝からうちに?」 寝起きでぼんやりする頭で考える。 はてさてどゆこと?と首を傾げていたのだが…部屋の中の異常に気づく。 微妙に家具の配置、種類が寝る前と変わっている。 一番わかりやすいのがテレビ。 いつのまにか液晶の20インチのモノに、そしてその下にはビデオだがDVDだかのプレーヤー。 他にも棚の中の漫画や小物が微妙に見知った物と違う。 なにより感じるのが…身体の違和感。 マサヒコはベットから起き、自分の身体を見てみる。 「……」 もはやぐうの音も出なかった。 「一晩で伸びたなぁ…身長」 そう。 いつのまにか170はあろうかという背丈に。 身体もがっちりして、完成された感がある。 「……とりあえず下、いくか」 驚く事には慣れてしまっているマサヒコ。 慌てず、騒がず、落ち着いて行動。 着替えもそこそこに一階へと降りていく。 キッチンに入ると母と中村が食卓を囲み、楽しげに談笑中。 先にマサヒコに気づいたのは母。 「やっと起きてきたわね」 「まあまあお母さん、今日は休日ですし。少しくらい遅くなってもいいじゃないですか」 「まあリョーコちゃんがそう言うのなら」 会話になにか違和感を感じながらもマサヒコは席につく。 母がすぐにご飯をよそって渡してくれる。 「はい。今日はリョーコちゃんの手作りだからよ~く味わって食べなさい」 「…なんで中村先生が?」 マサヒコからすればごく当たり前の事を言ったつもりだったのだが、二人には違った様で。 「…どしたのマサ?急に中村先生なんて懐かしい呼び方して?」 「へ?」 「中村先生だなんて何そんな他人行儀な言い方するわけ?あんたの奥さんでしょ?」 「…へ!!??お、奥さん!?」 驚きのあまり汁椀を落としかけるが…耐える。 「な、なんで!?」 「何でってあんた…そりゃこっちのセリフよ。高校卒業して、大学入学決まったと思ったら あんたがリョーコちゃんと結婚するって言ったんでしょ?」 「高校卒業!?大学入学!?あれぇ!?俺今いくつ!!??」 「こないだ19になったんじゃない……あんた、今日はホントにどうしたの?」 心配そうな顔でマサヒコを見ていた母だが、 「…ああ、そっか」 含み笑いを浮かべてマサヒコと中村を交互に見やる。 「昨夜のプレイの後遺症なわけね」 「プレイゆーな!つーかしてねえ!」 「はいはい。わかったから早くご飯食べちゃってね。片付かないんだから」 まったくわかっていない様子の母の様子を恨みがましく思いながらマサヒコはご飯をかき込む。 味はほとんどしなかった。 朝食を食べ終わり、マサヒコはリビングのソファでボーとしていた。 リビングのテレビも大画面プラズマに変わっていた。 その下には…HDDレコーダーだろうか? カーテンもマサヒコの知っているものではない。 「……ど~ゆ~ことだよ」 「なにが?」 「わっ!中村先生!」 後ろから抱きつかれマサヒコは驚きの声を上げる。 一方の中村はどこか嬉しそう。 「ホントにどうしたの一体?中村先生だなんて懐かしい呼びかたして?」 「え、いや…」 なんと言うべきかわからずマサヒコが戸惑っているとそれをどう解釈したのか。 「そうかそうか。つまりマサはおねーさんに甘えたいわけなんだな」 「ち、ちがっ――!」 「照れるな照れるな」 そう言って顔を胸に押し付けられる。 「ふがっ!?」 「どーだ?」 「ふぐふぐっ!」 「すごいはしゃぎ方だな。昔を思い出すよ」 必死なマサヒコとは対照的に中村はとっても楽しげ。 だったのだが。 「…ねえマサ」 「?」 急に声のトーンがくっと下がる。 「あんたにはホントに感謝してるんだよ。前にも言ったけど、うち家庭環境あんまりよくなくってさ。 家族で食事とか、楽しく会話とか、経験した事無かったから。 マサと結婚して、家族の一員になってさ。お義母さんといろんな事話して…毎日、すっごく楽しい」 そう言ってマサヒコの頭を優しく撫でる中村の顔。 マサヒコは今までそんな顔をする中村を…いや、そんな顔をする女性を見た事が無い。 優しく、穏やかな…笑顔。 「ありがとう。私に家族を作ってくれてありがとう。 私を……愛してくれて、ありがとう……」 「……先生」 マサヒコの言葉に中村はちょっと拗ねた様に唇を突き出す。 「その呼び方…やだな」 「え?」 「ねえ…いつもみたいに呼んでよ」 「……」 この時既にマサヒコの頭の中に非日常への疑問など無く。 ただ、中村の期待に沿えるだろう言葉をチョイスするのに忙しく。 そして、選び出された一言。 「…リョーコ」 その一言に中村……リョーコは破顔し、マサヒコに抱きつき、 「ん~…やっぱそっちの呼びかたの方が好きだな、私は」 キスをしてくる。 さらにそれだけに留まらずごそごそと手を下半身へと向かわせる。 「!!? ちょっ!待った待った!」 「いや~ごめん。なんかきちゃったわ」 「いやいやいや!昼間だし!キッチンに母さんいるし!」 「声出さない様に我慢するから。マサも頑張ってね」 「うわぁぁああ!!」 絶叫するマサヒコ。 対照的に…リョーコは嬉しそうだった。 「うわぁぁああ!!」 絶叫しながらマサヒコは飛び起きる。 「中村先生ストップストップ――って、あれ?」 べっとり濡れるパジャマ。 荒い心拍。 マサヒコ、改めて現状を把握。 これはアレか?ひょっとして? 「……夢オチ!!??」 ベッタベタな展開にマサヒコはそのまま後ろに倒れこむ。 後ろは布団だ。倒れようとも問題ない。 「そーいや、ご飯の味全然しなかったもんな。アレで気がつけばよかったんだよ」 なっはっはっと笑う。 「さて、起きる――」 ふと何気なくテレビ台の方を見て…絶句する。 そこに置かれているのはブラウン管の古臭いテレビでなく、液晶の物で。 「……」 全身に再び汗が流れ落ちる。 「マサ~…ってあれ?もう起きてるの?」 「!!??」 夢は……終わらない? END
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