作品名 作者名 カップリング
「こんな私に誰がした」 弱味☆氏 -

「ちょっと、小久保君!廊下は走らないでって言ってるでしょ!」
 師走の寒々しい廊下に、若田部アヤナの声が飛ぶ。中学生最後の年も押し迫り、
何となくみんながそわそわしていても、実質上のクラス委員の態度は変わらない。
寒いから教室移動など早く済ませようと考える中学生男子が、
ついその足を速めてしまうというのもよくある話、無理からぬことではあったが、
この場合、正義はマサヒコに味方しなかった。
「あ、その……ゴメン」
 素直に頭をさげるマサヒコ。しかし、正義はまたもマサヒコを突き放した。
「廊下を走ったらぶつかった時危ないでしょ?小久保君の運動神経がいくら良くても、
不慮の事態が起こらないとはいえないの。第一音がうるさいし―――
大体アナタ最近たるみ過ぎ!この間の数学の宿題も天野さんに見せてもらってたじゃない!
ちゃんと知ってるんだから―――いくら英稜A判定だからって、そんなことじゃ落ちるわよ?
そうならないように、ふだんから生活態度を―――」
 そこまで言いかけて、自分の声のほうがうるさいことに気づいたのか、
コホム、と誰かに似たような咳払いをして、
「と、とにかく、廊下は走らないでよね。わかったわねっ!」
 マサヒコをひとにらみすると、くるりと背を向けて、足早に教室の方へ向かっていってしまった。



「お前も災難だなあ」
 マサヒコは最近、同じクラスの友人に同情される。
「何が?」
「若田部さんのことだよ。お前にはやけにつらく当たるだろ。よっぽど嫌われてんのな」
 そう言った友人の顔には、『小久保が若田部さんに好かれてなくて、本当によかったなあ』
という描き文字が浮かんでいたが、マサヒコは気づかない振りをして、
「ああ……」
 とあいまいに返事をした。
「若田部さんもな、あれでもう少し性格が女の子っぽけりゃなあ。
アレじゃ将来、異性関係は苦労するんじゃないのか」
 友人の顔の描き文字に、『もしそうなったら、俺が若田部さんの全てを受け止める!』
というのが増えていた。
(そうか、あいつ、案外モテるんだな……)
 今頃になって気づいているマサヒコ。相変わらずそういうことには鈍い。
「しょうがないだろ、あいつもあいつで大変なんじゃないのか。……色々と」
「お、度量の大きいとこ見せるなあ。まさか本当は狙ってるんじゃないだろうな?」
「バーカ、そんな訳ないだろ。これ以上ごちゃごちゃ言われたくないだけだよ」
『もう、若田部のことなんかどうでもいいよ』
という描き文字が顔に浮かんでいるはずだと確信して、
この話はこれで終わり、と言わんばかりに、マサヒコは携帯を取り出した。


校庭の脇にある、市でいちばんの面積を誇る東が丘中学校のプール、その女子更衣室。真冬の放課後の今、利用するどころか近寄る者さえいない、
鉄筋コンクリート製の無機質な部屋で、若田部アヤナは白い肌を一層白くさせ、寒さに身を震わせていた。
 それもそのはず、アヤナが今身に着けているものといえば、学校指定の女子用スクール水着一枚だけである。
二十歳といっても通用するほどに女性として成熟した肉体は、もはや中学生用の水着などにはおさまらず、
男の目を惑わすには十分すぎるほどのバストとヒップのラインを、今そのしっとりした紺色のナイロン地にくっきりと浮かび上がらせていた。
寒さに耐えようと、目をぎゅっと閉じて、自身の乳房を両手でかき抱き、腰をくいっと後ろに突き出すようなポーズを取ることで、よりその豊かさが強調されている。
 やがてドアの向こうに聞こえる乾いた足音。感電したかのように身をすくめ、期待と不安の入り混じった表情で
ドアノブについているサムターンの回転を見つめるその瞳に、顔の下半分をマフラーの中にうずめた小久保マサヒコの顔が映った。
 「小久保君……」
アヤナの表情のゲージが、一気に期待の方に振り切れた。他の誰にも見せない満面の笑顔が、マサヒコに向けられる。
「ちゃんと言いつけを守ったじゃないか。いい娘だ」
 この寒空の下、アヤナが水着一枚で、ここにいたのはマサヒコの命令なのである。廊下の一件の後、
アヤナの携帯に入ったメールがそれであった。
 『放課後、プールの女子更衣室。水着で待っていること』
 それを見たアヤナは、その内容に激しく赤面しつつも、なぜか軽い足取りで自宅に取って返し、
水着を持参して、今こうしてマサヒコの来るのを待っていた、というわけである。
 この真冬にプールの施設に近づこうなどと考える者は何かの罰ゲームでもない限りあるはずも無く、
ここにふたりだけの密室が作られた。
「よかった、小久保君が来てくれて。もし来てくれなかったらどうしようかと思ったの」
 うれしそうに、マサヒコの胸にすりすりと頭を押し付けてくるアヤナ。むにっとした柔らかい胸の感触が、厚着を通しても伝わってくる。
「バカだな、アヤナのことを忘れるわけないじゃないか」
 形よくとがった小さい顎をくいっと持ち上げ、いきなり唇を奪う。アヤナにとって、地獄から天国へ打ち上げられた瞬間だった。
 一瞬だけ見開かれた眼は、徐々に力を失い、陶酔の世界へと誘われる。お互いの唇を唾液でべとべとにし、熱い舌をねぶりつくす。
全身全霊で唇をぶつけてくる美少女を、マサヒコは少しもたじろぐことなく受け止めた。
 少し息苦しくなって、唇をそっと離す。唾液で濡れたマサヒコの唇を、アヤナが舌で丁寧に舐め取った。



「さっきはずいぶんきついことを言ってくれたじゃないか。本当に嫌われちゃったかと思ったよ」
「だって……だって、小久保君がみんなの前では俺を嫌ってるように見せて、馴れ馴れしくするなって言うから……
本当は私だって、小久保君とずっと一緒にいたいのに」
 濡れたままの唇を突き出し、今にも泣き出しそうな表情で、上目遣いに見つめてくるアヤナ。
しかしマサヒコは、こんな時決して優しい態度など見せない。
「イヤなら、もうやめるか?そんなに無理強いするのも可哀相だし」
「ひどい……私が小久保君に逆らえないの、知ってるくせに」
 今度は本当に、アヤナの眼から大粒の涙があふれ出した。それをぬぐおうともしないまま、
濡れた視線をマサヒコに向けてくる。実質上のクラス委員は、マサヒコに心の底まで捧げきっていた。
 マサヒコはその反応に満足げな笑みを漏らすと、冷たい指で、頬をつたう涙をぬぐってやる。
「ごめんごめん、アヤナがあんまり可愛いから、つい意地悪を言ってみたくなるんだよ」
 自分で言っても歯が浮くような台詞だが、その言葉でアヤナの美貌は歓喜に満たされる。
世界中でその感想を抱く者がマサヒコただ一人であったとしても、アヤナの笑顔は変わらないだろう。
「小久保君……好き」
 静かに瞳を閉じ、マサヒコを待つアヤナに、マサヒコはもう一度、唇のご褒美を与えてやる。
いじめた直後に優しくするという、どこかのヒモが使っていそうな手口ではあるが、アヤナの心にはそれが福音のように響いている。
 ちゅば。ぴちゅ。ぷちゃ。
お互いの唾液を、二つの舌で攪拌する音だけが響き、何かを捜し求めるように、アヤナの背中とマサヒコの腰に回された手が這い回る。
制服姿のマサヒコと違い、水着一枚のアヤナは、ほとんど直に素肌を愛撫されているに等しい。マサヒコの舌をねぶるストロークが大きくなり、
荒くなる呼吸が、美少女の肉体の変化を如実に物語っていた。
 やがてマサヒコの左手は、背中から背骨をゆっくりと撫で下げ、ヒップの方へと進んでくる。
同時進行の右手は、肋骨に沿って、腋に軽く触れたかと思うと、次の瞬間には綺麗な釣り鐘型の乳房をわしづかみにしていた。
親指を押し上げるように、ゆっくりとした回転で、たわわなふくらみを蹂躙し始めた。
 左手は存分にヒップを堪能した後、ついにマサヒコにだけ独占を許した部分へと移動して行く。
 いつものブラやパンティではなく、スクール水着のごわごわとした生地の脇から進入してくるマサヒコの手指は、
その裸身にいつもと違う電流を流すのだった。
 もはや今のアヤナに出来るのは、マサヒコの肩にもたれかかり、その両手のなすがままに、敏感な反応と嬌声で、
マサヒコの諧謔心をあおりたてることだけだった。
「やぁっ……!くぅん……」
 途切れ途切れの息遣いと、責めを負う女体の甘え泣きが、無機質なコンクリートの塊にこだましていた。

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スクール水着というのは、本来見たり触ったりして愉しむ物ではないが、アヤナが身に着けた水着はマサヒコの眼と手を愉しませるためのものである。
 同様に、本来は外側にある水を、身体の中に浸入させないようにするためのものだが、アヤナが身に着けた水着は、アヤナの体液を外に逃がさないように
するためのものである。
すでに首筋の辺りまで流れ落ちているふたりの唾液、思春期女子の独特の匂いを放つ汗、そしてアヤナのバルトリン氏腺から分泌される粘液、
その全てが気密性の高いナイロン地に閉じ込められ、高濃度のフェロモンとなってマサヒコを刺激する。 
 しかし、15歳の仙人ことマサヒコは、アヤナが与えられた快感の海を溺れ続けた果てに、物欲しげな瞳でマサヒコの貌と下半身を往復させるまで、
ただそ知らぬふりを続けるだけだった。
「こ、こ、小久保君のおちんちん……な、舐めさせてください」
 確かに目覚め始めた女としての欲望を抑えきれず、真っ赤に染まった美貌の、ぬらぬらと光るなまめかしい唇からその台詞が出ても、
マサヒコは自分からズボンを脱ぐような真似はしてくれない。羞恥と期待に震える手でベルトをはずし、ファスナーを下げ、
明らかに飛び出しそうな部分を持っているトランクスにうつろな眼差しを向けて、丁寧に脱がさなければならないのだ。
 やがて、その布の奥から、濃い紅色をした、棍棒のようなペニスが姿を現す。初めのうちは怖いだけだったこの勃起も、
自分とマサヒコをつないでくれる器官だと知った今は、むしろいとおしささえ感じるようになっていた。
グロテスクにも大きくエラを張ったペニスは、アヤナの顔の先数センチで、まるで独立した生命体のように脈打っている。
「小久保君の……すごく、元気………もう、こんなに……」
 愛情と欲情に潤んだ瞳をペニスに絡めながら、東が丘随一のクールビューティと称されるその美貌を、ゆっくりとマサヒコの股間に沈めていく。
 膨張した亀頭にそっと柔らかな美唇を重ね、そのままゆっくりと野太いペニスを呑みこんでいく。
生温かい口腔で包み込み、その下でエラの部分を刺激すると、マサヒコがうめき声を漏らした。
「うっ、アヤナ……上手いぞ」
 足元にひざまずくアヤナの頭を、マサヒコはよしよしと撫でてくれる。まるで犬でも誉めるようにされることが、
アヤナには何よりも嬉しかった。
「うんっ……あむ………好き」
 もっとマサヒコに悦んでもらいたくて、アヤナは執拗にペニスを舐め続けた。玉袋の後ろを爪の先でくすぐりながら、
裏筋に何度も舌を往復させ、そのまま亀頭をためらいなく咥えこむと、尿道口の中まで舌を差し入れる。
すでにマサヒコの股間はアヤナの唾液でべっとりと濡れ光っていた。

「ああっ……もう駄目、欲しい……」
 先に耐え切れなくなったのは、奉仕をしている方のアヤナだった。
ペニスを優しくしごく手は止めずに、いまだ涙の乾いていない瞳で上目遣いにマサヒコを見つめ、
紺色の水着の下の、桜色に上気した肢体を淫らにくねらせながら哀願する。
「お願い……小久保君の立派なおちんちんで、私の、アヤナの恥ずかしい所をたっぷりいじめて……欲しいの」
 ひざと手のひらを床につけ、ヒップをマサヒコの方へ突き出しながら、いやらしく振ってみせる。
マサヒコが四つん這いの女を後ろから犯すのを何より好むのを、アヤナはよく知っているのだ。
「よし、いい心がけだぞ、アヤナ」
 今度ばかりはアヤナを焦らさなかったのは、さしもの仙人も、可愛い同級生が全身から
あふれ出させているエロティックには抗し切れなかったということのようだ。
 アヤナのヒップに手を這わせ、生地の感触と、尻部のむっちりした感触の対比をしばらく愉しんだ後、
マサヒコがゆっくりと腰を前に突き出した。水着の股布をずらし、恥液でしとどに濡れた外陰唇を割って、ペニスが肉穴に突き立てられた。
「ああんっ……小久保君っ……」
 腰を震わせ、アヤナは歓喜の牝声をあげた。アヤナの奥深く突き刺さったペニスを、二枚のビラが招き入れるように吸い付いている。
「いいんっ……もっと……もっとください……」
好きな男のペニスを膣に入れられることがこんなにも気持ちいいなんて。マサヒコの熱い肉体をもっと感じたくて、ついいやらしく激しい突きをせがんでしまう。
「これか?これが好きなのか?」
 ぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅという粘着音とともに、アヤナの子宮めがけて激しい突きをくれながら、マサヒコがアヤナの耳もとで問いかけてくる。
「ああンっ、はああっ……好き…きもちいいから大好き……」
 小久保君のおちんちん、すごく大きい……私を使って射精しようとしてる……びゅる、びゅるってたくさん精子出そうとしてる……
 おちんちんいっぱい動かして、私のなかに元気な精子、たっぷり射精してね……
 背後からの激しい責め。動物と同じように、性器だけをくっつけて性交している。マサヒコも自分も、所詮はオスとメスなのだと思い知らされる。
 瞬間、マサヒコの指がアヤナの女腰をぐい、と引き寄せた。射精が近くなり、アヤナの膣に精液を注ぎ込もうとしているのだ。
それに応えるように、アヤナもヒップを突き出し、より濃い精子をおねだりする。
 ふたりの表情が、申し合わせたように切羽詰ったものになってゆく。
「あくんっ……いい……来ちゃう、来ちゃうっ!」
「おおっ、アヤ、ナ……っ」
 無意識の膣圧上昇に、マサヒコがたまらず声をあげた。アヤナの子宮の直前で、
ペニスが一段と膨張する。
「いいっ……いいですっ……小久保君っ、あんっ、膣内で……膣内でイッてっ」
 「イクよっ……アヤナ!」
  水着の生地が限界まで伸びた。若いペニスの先端から、濃い精液が勢いよく子宮の中へ注入されていく。
かっきり30秒かかった、何日かぶりのアヤナの中への膣内射精。愛するマサヒコの精子をたっぷり注ぎ込まれたアヤナの女性器は、
恥ずかしそうに、しかしちょっぴりうれしそうに、ひくひくと収縮を繰り返していた。



「もう、ぼーっとしちゃって。何考えてたの?」
 ふと我に返ると、アヤナが自分の乳首に舌を這わせていた。
アヤナの柔らかく温かい女体を、スクール水着のぞわぞわした生地で包むと、なんともいえない心地よさがある。
しばらく病みつきになりそうだ。
 でもまさか、アヤナと交わった後の短いまどろみの中で、昨晩のミサキとの濃厚な交わりを思い出していましたなどと本当のことは言えない。
恋愛経験が皆無なゆえか、魂ごとマサヒコに寄り添ってくるアヤナにそんなことがばれたらと思うと、背筋が寒くなる。
とりあえず笑ってごまかし、照れ隠しにアヤナの唇を奪う。アヤナは一瞬戸惑った貌をみせたものの、すぐに受け入れる。
「こういうときのキスって、嬉しい」
 マサヒコにだけ向けられる微笑み。息を抜くマサヒコの耳に、アヤナが囁く。
「でもね、今のキスは……」
 一瞬、間が空いた。
「淫猥!!」

(完)

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