作品名 作者名 カップリング
No Title サブロー氏 マサヒコ×アヤナ

とある部屋。一人の男と一人の女が、ともに制服姿でベッドの前で対峙している。
男は小久保マサヒコ。女は若田部アヤナ。

先に動いたのは、マサヒコだった。アヤナに向けてゆっくりと右手を伸ばす。
そして制服の上からでも十分に柔らかく、大きい胸に手を添えた。
軽くその手に力を籠めて、胸の形を制服に浮かび上がらせた。アヤナの体がビクリと震えた。
マサヒコの表情は至って平常。そのまま撫で上げるようにして胸元から襟元へと右手を這わす。
そして襟に左手を掛けて、両腕で力任せに制服を引き裂いた。
その衝撃に、アヤナはバランスを崩し前のめりになるが、足を一歩前に出して倒れるのを防いだ。
そのせいで制服は前の部分が完全に裂け切った。その裂け目からは透き通るような白い肌。
フロントホックの可愛らしいブラジャーがちらりと見える。
マサヒコの目からは次第に理性の光が消え、欲に駆られた獣の目へと変貌した。息も荒い。

アヤナは軽く眉を寄せた。制服を引き裂かれた際にその白く細い首を、制服の襟が擦ったのだ。
熱を伴う鈍い痛みが、美しい彼女の顔を少し歪めた。
そして、マサヒコの目。理性が消え、獣欲に駆られた牡の視線。
普段のマサヒコからはとても想像できない野生にアヤナは怯え、視線を逸らした。

マサヒコは舐めるような視線でアヤナを見る。制服の裂け目から覗く形のいいオヘソ。
徐々に視線を上げていくと、ブラジャーに包まれた、豊かな質量を誇るバスト。微かに見える鎖骨。
マサヒコの目には全てが美しくみえる。そして白い首元にある、仄かに赤くなった擦過傷。
その傷を付けたのは、自分だ。

ウツクシイモノを、キズモノにする

目も眩むような、倒錯した興奮。彼女の目は怯え、自分から逸らされた。
それと同時に、マサヒコは自らの心の内に棲む、獣の鎖を引き千切った。 -->

とある部屋。一人の男と一人の女が、ともに制服姿でベッドの前で対峙している。
男は小久保マサヒコ。女は若田部アヤナ。

先に動いたのは、マサヒコだった。アヤナに向けてゆっくりと右手を伸ばす。
そして制服の上からでも十分に柔らかく、大きい胸に手を添えた。
軽くその手に力を籠めて、胸の形を制服に浮かび上がらせた。アヤナの体がビクリと震えた。
マサヒコの表情は至って平常。そのまま撫で上げるようにして胸元から襟元へと右手を這わす。
そして襟に左手を掛けて、両腕で力任せに制服を引き裂いた。
その衝撃に、アヤナはバランスを崩し前のめりになるが、足を一歩前に出して倒れるのを防いだ。
そのせいで制服は前の部分が完全に裂け切った。その裂け目からは透き通るような白い肌。
フロントホックの可愛らしいブラジャーがちらりと見える。
マサヒコの目からは次第に理性の光が消え、欲に駆られた獣の目へと変貌した。息も荒い。

アヤナは軽く眉を寄せた。制服を引き裂かれた際にその白く細い首を、制服の襟が擦ったのだ。
熱を伴う鈍い痛みが、美しい彼女の顔を少し歪めた。
そして、マサヒコの目。理性が消え、獣欲に駆られた牡の視線。
普段のマサヒコからはとても想像できない野生にアヤナは怯え、視線を逸らした。

マサヒコは舐めるような視線でアヤナを見る。制服の裂け目から覗く形のいいオヘソ。
徐々に視線を上げていくと、ブラジャーに包まれた、豊かな質量を誇るバスト。微かに見える鎖骨。
マサヒコの目には全てが美しくみえる。そして白い首元にある、仄かに赤くなった擦過傷。
その傷を付けたのは、自分だ。

ウツクシイモノを、キズモノにする

目も眩むような、倒錯した興奮。彼女の目は怯え、自分から逸らされた。
それと同時に、マサヒコは自らの心の内に棲む、獣の鎖を引き千切った。

マサヒコは突き飛ばすようにアヤナをベッドへ押し倒した。
赤く染まった視界の中でベッドに倒れた少女。引き裂かれた制服。
マサヒコはアヤナに馬乗りになり、布切れとなったそれをはだけてブラジャーに手を掛ける。
マサヒコは両手でアヤナの双球を指が食い込む程に揉みあげた。
そしてフロントホックのブラを力任せに引き千切った。
拘束を解かれて飛び出した乳房は、寝ていても崩れず見事な容を保っている。
完全に理性を失ったマサヒコは、むしゃぶりつく様に顔を埋めた。

アヤナは先程の怯えが嘘だったかのように、胸元に顔を埋め乳首に吸い付いているマサヒコを冷めた目で見やっていた。
顔色は若干赤く染まっていたがその目には理性が宿り、観察するような視線をマサヒコに向けている。
眼前の男に為すがままにされながら、抵抗もせずしかし相手からは目を逸らさない。
マサヒコの頭部は次第に胸から下へと降りていく。

マサヒコは、胸とはうって変わり、脂肪の少ない鳩尾から腹部を舌で舐め下げていった。
オヘソのあたりでマサヒコは顔を上げた。スカートが目に移ると、何の躊躇もなくそれを捲る。
先程引き千切ったブラとお揃いと思しきショーツが露わになる。マサヒコはアヤナの足を高く上げてショーツを脱がせにかかった。

ショーツを抜き取られ、力任せに足を開かされ、秘部を晒されてもアヤナは抵抗をしなかった。
ショーツに手を掛けられたときに僅かにビクリと震えたきり、体には力を入れていない。
M字型に開かされた脚の付け根にはマサヒコの顔が突きつけられている。
荒い息が無遠慮に吹きかかった。さすがにここまで肉迫されるとポーカーフェイスを保っていられないのか、顔は大分赤くなってきていた。
そしてなにより。触られてもいないのに、すでにそこは、いやらしく濡れていたのだ。

噛み付くような、秘部への愛撫。その荒々しさに、自分が昂ぶっていくのをアヤナは自覚していた。
理性を失ったマサヒコの愛撫は乱雑そのものだ。
アヤナの陰部に口を吸いつけ、鼻の頭を陰核にこすりつける。
舌が膣内に侵入しアヤナの中を無遠慮に舐め犯す。
相手を全く思いやらない自分勝手な行為にもかかわらず、アヤナのそれは愛液を分泌しはじめていた。

マサヒコは体を起こした。学ランを乱雑に脱ぎ捨てる。
引きむしるようにしたためにボタンが幾つか弾け飛んだ。そのうちの一つがアヤナの頬にあたる。
アヤナは反射的に目を閉じたが、直ぐに、まるで意に介さないかのようにマサヒコを見ていた。
性急にズボンのベルトを外しパンツごとズボンを下ろす。
膝立ちのため完全には脱げなかったが、それよりも目の前の牝に自分の欲望を突き立てることの方が、彼には重要だった。

アヤナの柔肉にマサヒコの陰茎が突きつけられた。
アヤナは、力強く脈打つそれを入り口に感じながら、自分のそれがさらに愛液を垂らすのを感じていた。
自分の心臓の響きが、激しく彼女の性感を煽り立てている。

クチュリ

そんな音が、二人が触れ合っている部分から響いた。
その瞬間。
マサヒコはアヤナを一気に貫いた。

「――――――ッ!」
自分の体内を他人に引き裂かれるような感覚に、アヤナは身震いした。
痛いのではない。他を圧倒する強烈な快感をその体に感じるのだ。一息に体奥を貫かれ、休む間もなく激しく突き上げられる。
マサヒコの熱い陰茎が自分の内部を激しく往復する。擦り上げられる。
ベッドが軋む。結合部から響く水音。欲望に身を委ね自分を突き上げる男。
行為のときにのみ生じる、独特な、蜂蜜色の香り。

「いっ!はぁっ!」

美しく括れた腰をがっしり捕まれ、荒々しく突き上げられる。
豊かな量感を誇るバストが、弾むように揺れている。
体がバラバラになりそうなほどの激しい行為に、無意識に四肢が強張る。
その拍子に、キュゥっと彼女の膣壁がマサヒコの陰茎を絞めああげてしまった。
男を喜ばせるための、淫らな動き。しかしそれは女の快楽を助長する。

「あぁっ!」

まるで陰茎がひとまわりもふたまわりも大きくなったかのような錯覚がアヤナを襲う。
マサヒコの手はいつの間にかアヤナの胸を揉み上げ、撫で回し、鷲づかみにしていた。
アヤナは快楽に耐えるようにマサヒコの前腕を掴む。無意識に爪を立て、マサヒコの皮膚に傷を付けていく。
破けた皮膚から血が流れた。それは汗と交じり合いながら、マサヒコの腕を伝い、アヤナの胸に辿り着いた。
行為前には白く透き通っていたアヤナの肌は、全身が興奮で朱に染まっており、汗で薄れた血の赤は目立たない。
マサヒコはそれを塗りこむような動きでアヤナの乳房を撫で上げた後、そのまま乳首を吸い上げた。
唾液やら汗やら色々なものが交じり合った中に、微かに香る血。その匂いに、マサヒコの陰茎がビクリと奮えた。
急激な高まり。しかし、それを押さえつけるような心は、今のマサヒコにはかけらも残っていなかった。

ただでさえアヤナの中を満たしていたマサヒコの陰茎が、ブルっと震え、ひとまわり大きくなる。
感覚が鋭敏になっているアヤナは、それが射精の予兆であることを正確に捉えていた。

「あぐぅっ!あああああああああっ!」

その陰茎で膣壁を、陰核を擦り上げられて、アヤナは絶頂に達した。

ビュッ!
第一撃が体奥で放たれる。
ビュクッ!ビュルッ!
二撃、三撃が弾ける。
射精の最中にも関わらず、マサヒコの腰の動きは止まらない。一撃毎にアヤナの体奥を突き上げ、噴き上げる。

「ひっ!あっ!あぁっぅ・・・」

絶頂に達して敏感になった体を熱く吹き上げられ、ヌルヌルと動かれて。
アヤナは自分が途方もなく淫乱であることを自覚した。

諦めにも似た感覚で自分の性癖を認めた。

それならば、流されてしまえ。
目の前の、忘我の境地で爆ぜた男を見据える。自分の淫らな牝の器官に割り込んだ牡の器官は
まだその力を失っていない。

アヤナはこれからもまだまだ続くであろう快楽に、その身を委ねた。

「それこそが、お前にとって正しい選択だ」

どこかで聞いたような、そんな声が、どこからか、聞こえた気がした。

頭痛。
それと共にマサヒコは目を覚ました。
最初に目に付いたのは、薄暗い部屋の見慣れぬ天井だ。
ただ、その天井は何度かこの目で見た記憶がある。
程なくしてここが若田部アヤナの部屋であることを思い出した。
ゆっくりと体を起こす。
ズキリと両の腕に痛みが走る。見れば、綺麗に並んだ引っかき傷が4本づつ。
真新しいそれは、すでに血は乾いていたが、酷く痛む気がした。
隣を見やる。
服の成れの果てである布切れを纏わりつかせた少女が、規則正しい寝息を立てていた。

ああ、そうか―――

茫洋としていた意識が覚醒した。
自分が何をやったのか。記憶は曖昧ながら、思い出したのである。
フラッシュ・バックする記憶の断片。

絡みつく手足
揺れる乳房
何事かを叫ぶ、彼女の顔―――

ズキン!

「つっ!」
鋭い頭痛が後頭部を襲う。
痛みに顔をしかめる。
無意識に両手で膝を抱え込む。

こんなことは、以前にもあった。
そう
忘れもしない
あの時、俺は―――

大雪が降ったあの日。
わざわざ携帯のストラップを届けに来た彼女を、押し倒してしまった。

目に涙を溜め

「バカ」

―――そのとき
どこにどうスイッチが入ったのだろうか
普段強気な彼女の、か弱い姿を見たからか?それとも、単に自分の欲求が爆発しただけか?
彼女の唇を、無理矢理、奪ってしまったのは。
目を見開き、抵抗する彼女を押さえつけて、我武者羅に唇を押しつける。
次第に大人しくなっていく彼女の口内を蹂躙した。
そしてそのまま、無理矢理部屋に連れ込み、彼女の着衣を引き裂き、彼女を犯したはずだ。
記憶は断片的にしか残っていない。
しかしその欠片を繋ぎ合わせれば、自分がどれ程愚かで取り返しのつかないことをやってしまったのかなんて、すぐに判る。
我に返ったとき。
何もかもが恐ろしかった。今すぐ逃げ出したかった。
だが、自分に安住の地が無いことも判っていた。
逃げ出すことも開き直ることもできず、部屋の隅で震えていた。
そんな俺に一目もくれず、彼女は去った。
俺には泣くことしかできなかった。
そんな資格は無いだろう。
でも。本当に、縮こまって泣く以外に何も出来なかったのだ。
程なくして―――
恐れていた事態は起こらず、ただ、携帯電話に一通のメールがきた

「家に来て」

ただそれだけの文面。
送信元は若田部アヤナ。
ここから全てが始まったのだ。今思うに。

メールを送信して一つため息をつく。
私は一体何をやっているのだろう
若田部アヤナの偽らざる本心だ。

自分を力ずくで犯した男を、自分の部屋に呼び出してセックスをするのだ
はっきり言って、どうかしている
それも、今となっては何回目なのか定かではない

ただ体の方は。
これから起きる事に対して高ぶっているのだ。
彼を呼び出すたびに繰り返される、答えの出ない自問自答。
暫くして、玄関の呼び出しベルが鳴った。
自分の求めに、彼は必ず応じてくれる。
それはきっと、罪悪感なのだろう。
じゃあ私は?

そんなことを考えながら、アヤナは玄関に向かう。彼を出迎えるために。

セックスというものを自覚したのはいつだっただろうか。
アヤナには、ほんの些細なきっかけがあった。
シャワーを浴びようと全裸になり、浴室のドアを開けようとしたその時。
脱衣所のドアが開き、彼女の兄にあたる人物が入ってきたのである。
予想外のバッティング。二人の動きが止まる。
先に再起動したのは、兄だった。

「あー…、お前エロい体してんなー」

直後、アヤナの兄だった物体が、吹き飛ばされて壁に叩きつけられ、フロアに崩れ落ちた―――

きっかけといえば、まさしくこれだろう。
その後、紆余曲折(アヤナ兄の秘蔵裏ビデオ紛失事件等etc…)を経てアヤナは「一人遊び」をするようになった。
特定の個人を好きになったことが無いアヤナの「相手」は
胸の無い、男根を生やした、まるで双子のように自分にそっくりな人物だった
そいつは、アヤナが想像もしたことも無いような淫猥な要求を突きつけてくる。
そしてそれに答え、頭の天辺から足の爪先まで余す所無く犯される自分。
アヤナはそんなことを妄想して、毎晩のように快楽に耽溺していた。
自分はどうしようもなく淫乱なのだと感じたのは、その時が初めてだった。
そして、捧げられる全ては、この時この瞬間に全て捧げてしまった、と。そう意識していた。

そんな折。現実でも犯された。
それも、ごく身近な人物である、小久保マサヒコにだ。
荒々しく「現実におけるファースト・キス」を奪われ。
されるがままになるのは嫌で、抵抗した。その時。
自慰の直前に感じるような高ぶりが心を焦がし始めたことに、アヤナは気づいた。

これは、マズイ
はやくこの男を退けないと、(私の体が)取り返しのつかない事態になる

結局、抗いきれず。

アヤナが、行為の最中に思ったのは

やはり自分は相当の淫乱だ

という再確認だった。

それ以来、アヤナはマサヒコを呼び出し、セックスに耽っている。
理由は単純。「一人」では満足できなくなったからだ。
「一人遊び」の相手をしてくれるはずの「相手」は、何故か出てきてはくれなかった。
ただ、それだけでは無い。
何かが心の中で鬱積しているのは、アヤナも自覚していた。


「いらっしゃい」
玄関のドアが開く。そこには、なんとも言い難い複雑な表情をしたマサヒコがいた。


マサヒコは「呼び出し」の度に、アヤナとセックスをしていた。
マサヒコを支配しているのは、漠然とした恐怖だった。
アヤナが何を考えて自分と行為に及ぶのかが、マサヒコには全くわからない。
少なくともマサヒコに出来るのは、可能な限りアヤナに尽くすこと。
彼女の求めに応じ、逆らわないこと。それだけだった。
そして、それが正しいのかもわからない。アヤナは何も言ってくれない。
尋ねれば答えてくれるかもしれない。だが、自分はアヤナに何かを尋ねる権利があるだろうか。
あんなことをしておいて。

わからないわからないわからないわからないわからないわからないわからないわからない何一つ
わからない彼女のことは

そんな不安が、極限に達しからだろうか。
ある日、いつものように呼び出され、アヤナを抱いた。
行為が終わり、アヤナは隣で眠っている。
マサヒコは膝を抱え、呆けたように壁を見つめていた。

ポタリ…ポタリ…

膝の上に何かが落ちるのを感じ、視線を落とす。膝が濡れていた。
マサヒコは顔に手をやると、目から涙があふれているのがわかった。
マサヒコは驚いた。
何故自分が泣いているのかわからなかった。
何度も目を擦るが、次から次へと溢れてとまらない。
その内に、本当に泣きたくなってしまい、マサヒコは低く嗚咽を漏らし始めてしまった。
何故泣きたいのか、何で泣いてしまったのか判らずに、ただひたすらに泣き続けた。

その時

「…辛いのなら…無理して私なんかに、付き合わなくてもいい…」

そんな声がした。
驚いてマサヒコが振り返ると、アヤナが天井を見上げていた。
いや、視線は天井を向いていたが、どこか焦点の合っていないその瞳は、一体何を見ているのか。

その日マサヒコはアヤナの胸の中で泣いた。
何故そうしたのか。マサヒコにもわからない。

アヤナはマサヒコが泣きつかれて眠るまで、彼の頭を撫で続けていた。
何故そうしたのか。アヤナにもわからない。

「制服なんて、少し切れ目をいれればあっさり破けるものね…」

そう声を掛けられ、マサヒコは隣に目を向けた。
眠っていたと思われる彼女はいつの間にか目を覚ましていた。
自分の体に纏わりつく布切れをヒラヒラと揺らしてマサヒコに同意を求める。
マサヒコは何も答えなかった。

二人とも無言だった。
引き裂かれた布切れを見ると、嫌でも「あの時」のことが思い出される。

「私…あなたのことが好きかもしれない」

アヤナが呟いた。

マサヒコの表情は動かない。マサヒコ自身はそのアヤナの気持ちに以前から感づいていた。
そしておそらくアヤナもそのことに気づいてるだろう。
マサヒコ自身、それをあえて無視していた。そういう立場に立ってはいけないと、自分を戒めていた。
ただ、どうしてもわからない事があった。

「どうして」
「私は」

マサヒコの言葉を遮るように、アヤナが話す。

「私は、好きでもない男に無理矢理されて、泣き寝入りする程弱くなんかない。
もし本当にあなたのことが嫌いだったら…あの時、あなたの舌が無くなってるわ」

「今日は…今日は『今まで』にけじめをつけたかったの…」

マサヒコはそれで納得ができた。
今までセックスの際にこれといったオプションはつけなかった。俗に言う「〜プレイ」のようなことは一切してこなかった。
今日は。「卒業の記念」ということで制服引き裂きという行為に走ったのだが、彼女はどうやらマサヒコの「スイッチ」の入れ方を心得ているらしい。

ただ…彼女はそれで吹っ切れるのかもしれない。
しかしマサヒコは自分があの冬から何も変わってないことを、まざまざと自覚させられたにすぎない。
そしてマサヒコには、そのまま彼女の好意に甘えることはできなかった。


アヤナの胸で泣いたあの夜―――
なんとなくだが、彼女に許してもらったような、そんな気がした。
その後の「呼び出し」は、無視しても良かったのだ。それでも彼女の家に、彼女の部屋に行ったのは
きっと彼女のことを好きになってしまったからなのだろう。
だがそれ故に。
マサヒコは自分のことが許せないでいた。そんな彼女のことを、乱暴に扱った。
それが許せないのだ。

「俺は…」

アヤナの視線がマサヒコのそれと絡む。

「俺は…


END

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