作品名 作者名 カップリング
NoTitle サブロー氏 リンコ×マサヒコ

「何も考えていない人間の発想と行動力には、時々驚かされる」
と、マサヒコがリンコを評して言ったことがある。
人間には多かれ少なかれこういう性質が、ある。
そしてそれは、マサヒコにも当て嵌まるのだ。
「典型的現代っ子」「我関せず」「超受け身」「事なかれ主義」
マサヒコを評すれば、このような感じだろうか。
しかしそれと同時に、彼は類い稀なる「ツッコミ」を持っている。
更に、普段の「受け身」な姿勢からは想像できないほどに「ノリ易い」性質なのだ。

特に場の流れが自分を中心にまわっているときほど、その流れに「自らノる」。
例を挙げるなら、右手を怪我した時のことだ。
バク転という、出来もしないことに挑戦した揚句、怪我までした。
普段の彼からは想像出来ない行動である。
このようなマサヒコの性質とリンコの性質が二人の結んだ関係に、大きな影響を与えていたのかもしれない・・・。

給食を食べ終え、女子は校庭でバレーボールをしている。
男子は、女子の横でサッカーをしたり、体育館でバスケをしたり、屋上で昼寝をしたり、色々だ。
マサヒコはというと、給食のときに牛乳を飲み過ぎたため派手には動けず、
教室の窓からぼんやり校庭を見ていた。
秋も半ばだが、ぽかぽか陽気で皆楽しそうだ。
「マサヒコー」
教室でたむろしている男子達から声が掛かった。
「暇だからゲームでもしようかと思うんだが、お前もやる?」
「お、やるやる」
快諾した。

ゲームとは、具体的には牛たんゲームやセンダミツオゲームのような
体を使ったミニゲームである。
皆が慣れるに従ってバトルは白熱し
罰ゲームも過激になっていくのがこの手のゲームの不思議なところだ。
昼休みが残り僅かになったころには、一同のテンションも大分上がってきていた。
「おーし。ラストの勝負だ。負けた奴ぁ、的山に好きです、付き合って下さい、って言え!」
「いいね!賛成!ところで何故に的山?」
「リアクションが気になるだろ」
一同納得。
「よし、いくぞ!センダ!」
「ミツオ!」
「「ナハナハ!」」

負けた。
負けてしまった。
マサヒコはここ一番の大勝負で致命的なミスを犯した。
隣の奴に吊られて
「ナハ・・・あぁ?!」
手まで上げてしまっていた。
そして・・・間違い無く、この瞬間、マサヒコを中心にして「場の流れ」がまわり始めたのである。
「き、キター(・∀・)ー!!」
「っしゃぁ!コクれ!衆目の面前でコクるのだ!」
唸るマサヒコ。
しかしそこは、出来もしないバク転に挑戦、怪我までした漢だ。
ノセられる事なく、自らノッた。
「オーケー・・・やったろうじゃねーか・・・!」

妙に芝居臭いセリフだが、マサヒコの本気の目を見て空気が変わった。
リンコの天然ボケは周知の事実だ。
罰ゲームの発案者も、それに期待して、リンコを選んだ。
「告白」に対し「何か面白い返し」を期待したのだ。
しかし。
それをマサヒコがやる。となると、話が変わってくる。しかもマサヒコは本気。
リンコとマサヒコが仲が良い(委員長、天野とも)のは皆知っていた。
家庭教師の件も含め、大体の事情は把握している。
(これは・・・ひょっとして、ひょっとするかも・・・)
リンコがマサヒコの「告白」を、「受ける」。
その可能性が、高い!

一同が期待している。
最初の予想を裏切る、シリアスな展開に、期待している。
一方マサヒコは突然の空気の変化に困惑していた。
皆が期待しているのはシリアスな告白に対するボケた返答だ。
それくらいマサヒコにも解っている。
自分を憐れなピエロにする
やると言ったらやる
その覚悟をしただけだ。
なのに、皆が何かを期待して自分を見ている。
目に真剣さが帯始めている。
な、なんだ?この流れ・・・?

・・・そう。正しく流れは変わっていた。
マサヒコを中心に「ギャグ向き」に渦巻いていた流れは、急激に「シリアス向き」へと逆巻き始めた。
その渦中で
マサヒコは困惑している。

期待と困惑の狭間で無言の時が過ぎる。
その沈黙を打ち破ったのは、教室の扉を開ける音。
一同扉をみた。
入ってきたのは
リンコだった。
役者は揃った。
マサヒコは、これをチャンスだと理解した。
今なら、ギャラリーはゲームの参加者のみだ。
後に延ばせば延ばす程、ギャラリーは増える。
今しかない!
「的山!お、俺と付き合ってくれ!」

言った・・・!
言ってしまった。
急激に恥ずかしさが込み上げてくる。
冗談、洒落、ネタと解りながらも、やっぱり恥ずかしい。
マサヒコは首まで赤くなっているのを自覚している。一方ギャラリーはマサヒコの速攻に面食らった。
こいつは、ガチだ!
両者の視線は、リンコへと注がれる。
「いいよー。ところで、どこに行くのー?」
マサヒコは、ほぼ予想通りの結果に満足した。
こうなることは解っていたのだ。
後は、惨めなピエロとして後ろのギャラリーに笑われるだけだ。
さぁ!俺を笑え!
自信満々で後ろを振り返る。

そして凍りついた。

ギャラリーはものの見事に期待を裏切られて、ムカついていた。
さっきまでの俺達のテンションは何だったのか!
このままじゃ、納得できねぇ!
マサヒコ!テメェ「好きです」って言ってねぇだろ!約束が違う!
このままで終われるのか、マサヒコ!
各々が強烈な殺気を放ち、マサヒコの背中を睨む。
マサヒコが自信あり気な表情で振り返る。
その目に
「ま だ 終 わ ら せ る な!」
という強烈な「気」を送り込んだ。

「それで?どこにいくの?」
凍りつくマサヒコにリンコが話し掛ける。
マサヒコ再起動。
何だ?!こいつらの異常な殺気は??!!これではダメなのか?!お前らの意にそぐわないとでも???
ギシギシと首を軋ませ、リンコへと向き直るマサヒコ。
「あぅ・・・いや・・・その・・・そそそそういう意味じゃなくて・・・」
ギャラリーをチラリと見る。
「 言 え !」
強烈な無言のプレッシャー。
マサヒコは覚悟を決め直した。
「的山」
リンコの目を見る。
「お前が好きだ。こ、恋人になってくれ」

マサヒコの露出している肌という肌が真っ赤になっている。
しかし、リンコから目を離そうとはしなかった。

ギャラリーは、固唾を呑んだ。
もう天然ボケの入る余地は無い。
皆が「脈あり」と踏んでいる。
仮にダメであったとしても、マサヒコを尊敬こそすれ馬鹿にしたりはしない。

「うん。いいよ。小久保くんなら」
そういうリンコの表情に特に変化は無い。若干うれしそうだ。

一方マサヒコ。
目が点になっている。
半開きの口からは湯気がもくもくと立ちのぼり、真っ赤だった顔は髪まで真っ白になっていた。

ギャラリーはあまりに期待通りの結末に逆にフリーズしていた。

一方リンコには訳が解らない。
一方は燃え尽き、もう一方はフリーズしている。
両者を見比べながら、取り敢えず恋人であるマサヒコに話し掛ける。
「もうすぐチャイム鳴るし、もう皆帰ってくるよ。席に着いたほうが良いよ?」この言葉に、一方はギシギシと、もう一方はまるで幽鬼のようにフラーッと各々の席に向かった。

激動の昼休みはこうして幕を閉じた。

尚この事が噂になることはなかった。
真実を知るギャラリー達には燃え尽きたマサヒコの姿があまりに不憫に見えたし
罰ゲームの結果という負い目があった。
また、意外というか、リンコ自身が周囲に何も言わなかった。
実に普段通りに昼休み以降を過ごした。

そして放課後。
アヤナやミサキがマサヒコに話し掛けたりしたが、
真っ白なマサヒコは反応しない。
アヤナは呆れて、ミサキは半怒りで帰ってしまった。
昼休みのギャラリーは一人ずつマサヒコの肩を叩き帰っていった。

「小久保くーん。おーい。大丈夫ー?」
リンコが真っ白なマサヒコに話し掛ける。
教室に残っているのはマサヒコとリンコだけだ。
マサヒコは無反応。
リンコは考える。
(小久保くん真っ白・・・呪われたみたい・・・呪い・・・眠り姫・・・目覚めのキス?)
燃えカスを見て呪いと解釈するあたりは流石に天然だ。
ともあれ答えを見つけたリンコ。早速実行に移す。
だらりと両手をたらし、椅子の上に座る
というか乗っかっているマサヒコの顎を支え、上を向かせる。
そのまま覆い被さるようにして
リンコは
マサヒコに
キスをした。

マサヒコは何も無い世界を漂っていた。
体が軽い。
無味無臭無色無音無重力。
ある意味で完璧な世界。
マサヒコが心の中で作り出した逃げ場所。
そこに歪みが発生した。
香りがする。
現状では拒否したい。
もう少しここで漂っていたい。
しかし、この香り。
初めて感じる、甘い香りだ。
母親のそれに近いが、微妙に異なる。
もっと、この香りを感じたい。
マサヒコの意識は覚醒し始めた。
体が重くなり始める。
聴覚が戻り、触覚が戻る。
唇に何か触れている。
香りもそこからしているようだ。
最期に視覚が戻り始めた。

まず最初に飛び込んできたのは、眼鏡ごしにこちらを観察する「目」。
唇は柔らかい何かで塞がれている。
鼻から息を吸い込む。
甘い甘い香り。
他人の目をこんな至近距離で見たのは生まれて初めてだ。
そう・・・初めて・・・初めて?・・・初めて?!
急激な覚醒。
マサヒコは今まさに状況を理解した。

リンコはマサヒコとキスしている間中、彼の目を見ていた。
変化が顕れたのは10秒程たった頃だ。
目に光りが戻り始めた。
鼻から息を吸い込んでいる。こそばゆい。
夢見心地な、とても可愛い「目」。
ずっと見ていたい。

リンコがそう願ったその瞬間。
マサヒコの目が驚愕の色を浮かべ大きく見開いた。
「ん〜〜っ!」
唇が外れ、マサヒコは椅子から転げるようにしてその場を脱出した。
思わず手の甲を口にあてる。
「呪い、解けた?」
「の、呪い?!何のこと・・・いやそれよりも!お、お前なんてことしてんだ?!」
「だって小久保くん、反応無いんだもん。キスしたら解けるかな、と。
恋人同士だもん。普通でしょ?」
「こ、恋人・・・」
「そうだよ。小久保くんは私が好き。私は小久保くんが好き。ね?」
「・・・orz」

取り敢えず今日はマサヒコがリンコに手を握られ
恥ずかしさで真っ赤になりながら、リンコを家まで送り届けた。

多少の問題を孕みながら、二人の時間は流れ出した。
この二人を取り巻く「流れ」は、まだ流れ始めたばかり。
この渦は、二人を中心にますます大きくなるだろう。
今はまだキス止まり。
そこから先にはどんな「流れ」が待っているのか。
二人にはわからないし、作者にもそれはわからないのである(笑。


苦悩する少年がひとり。
名前はマサヒコ。
彼は自分でも自覚していなかった性分に振り回され、偽りの告白をしてしまった。
それだけでも問題なのに、相手の返答が
「私もあなたが好き。付き合いましょ」
である。大問題だ。
ベッドに寝転がり、手を天井の照明にかざす。
先程までこの手は女の子と繋がれていた。
思い出すだけで頬が赤くなる。
ゆっくりと手を降ろし、甲を口元に当てる。
さらに前に、この唇は、その女の子の唇と重ねられていたのだ。
顔中、真っ赤になってしまう。
気を落ち着けるために、深呼吸をする。

鼻腔の奥にまだ、異性特有の、まだ知り初めたばかりの、甘い香りが残っていることに気付く。
体が、熱くなってくる。
心臓が、高鳴る。
余計に事態が悪化してしまった。
高鳴る心臓の音を聞きながら、マサヒコは考える。
自分自身は的山リンコという存在をどう思っているのか?と。
嫌いなのか。
・・・違う
では、好きなのか。
・・・わからない
この高鳴りは何なのか。
・・・好きだという証拠なのだろうか

この気持ちに、何らかの決着をつけなければならない。
そう決意を固め、マサヒコは眠りへと落ちていった。

一方、リンコは。
マサヒコと同じように、今日の出来事を反芻していた。
遅まきながら、放課後に行った解呪の儀式が
ファースト・キス
だった事に気付き・・・喜んでいた(笑)
誰もが望み、憧れる「恋人とのファースト・キス」。それを成就した。
それをただ純粋に喜ぶ。
唇を舌でそっと、舐めてみる。
例えられない、他に形容することが出来ない、甘美な味がする。
また明日もキスしよう。
今日はじっくり味わえなかった。恋人同士だもん。何回でも、キスしたい。
そんなことを考えながら、リンコは眠りへと落ちた。

翌日。
マサヒコの家は朝からバタバタしていた。
理由は、マサヒコの両親が旅行に行くからである。
たまたま出した懸賞に、たまたま当たってしまったのだ。
その結果としてマサヒコはこれから二日間、留守番することになった。
「いい?なんか困ったことがあったら、ちゃんと連絡すんのよ?」
「うん。わかってる」
「天野さんの奥さんにも事情は話してあるから。
あとご飯は・・・」
「オーケーわかってるよ!それより早くしないと新幹線間に合わないんじゃない?」
「あーもう!何でこんなときに寝坊するのかしら?!」

慌ただしい朝だ。
ダッシュで駅へと向かう両親を見送り、学校へ行く準備をするマサヒコ。
やたらと気が重い。
昨夜の決心を忘れていない。
リンコと二人きりになる機会をつくり、自分の気持ちを確かめなければ。
マサヒコは今日成すべきことを確認し、決意も新に学校へ向かった。

リンコも、二人きりになる機会をつくることを考えていた。
二人きりで、いっぱいキスをしたい。
甘くて美味しいキスを。
恋人同士で。

朝からそんなことを考えている割に、リンコの表情は至って普通。
しかし足取りは軽く、学校へと向かった。

結局、学校では二人きりになるチャンスは掴めなかった。
昨日の今日である。
例の昼休みのギャラリーの視線を、ひしひしと感じるのだ。
彼等が周囲に噂を広めないことだけは、マサヒコにとって救いだった。

下駄箱でリンコを待っている(待ち伏せ)マサヒコに、ミサキが声を掛けた。
「小久保くん。一緒に帰んない?」
「あー・・・。悪い。これからちょっと用事があるんだ」
「・・・そっか。じゃ、私帰るね。またあした」
「おう。またなー」
普段なら一緒に帰るところだが、今日はやらなければならないことがある。

現状で一番他人に邪魔されずに、二人きりになれる場所。
それはマサヒコの家である。
マサヒコはリンコを自宅に誘った。
この申し出に対し、同じように(意味合いが大分違うが)二人きりになりたかったリンコは、快諾した。
「んじゃ、行こうか」
まだ目を合わせると赤くなってしまうマサヒコは、先に歩きだした。
自然とリンコが追い掛けるかたちになった。
気恥ずかしさであまり後ろを振り向けないマサヒコに対し、リンコは・・・
不意に、マサヒコの手を握った。
ビクッとして、マサヒコが振り返る。
「恋人同士だもん。ねっ?」

そういって、本当に「ニコリ」と笑うリンコ。
マサヒコは真っ赤になりながら、若干急ぎ足で自宅に向かう。リンコが歩調を合わせた。
繋がれた手が離されることはなかった。

リンコを自室に通し、マサヒコはお茶をいれて持っていった。
リンコの向かいに座る。
そこまでしたとき、マサヒコはフリーズした。
自分の気持ちが知りたくてこの状況をつくったのだ。リンコに直接どうこうしようという訳ではない。
(ま、間が持たない・・・)
「な、なんか音楽でも掛けるか?いや、ゲームでもしようか!?」
妙にテンパってしまう。

「そうだ!予習しよう。家庭教師の!」
マサヒコはよほどテンパっているらしい。
オーディオにスイッチを入れたかと思ったら、テレビとゲームの電源を入れたりテキストを開いたり。
その様を見ながら、リンコはマイペースでお茶を啜る。
飲み干して、立ち上がりベットに腰掛けた。
「こっち来て、ここに座って?」
「え?あっ?!うん・・・」マサヒコもベットに座った。手にはオーディオのリモコンを持ったままだ。
リンコは隣に座ったマサヒコをみながら、またニコリと笑った。
「それよりも昨日の続き・・・しよ?」
「へ?」

リンコは明確な目的があって、小久保家にやってきたのだ。
ベッドから降りて、マサヒコを見下ろす。
「訳が解らない」という表情で自分を見上げるマサヒコに「ニコリ」と笑い掛けて素早く唇を重ねた。

その様子は、初めてマサヒコとリンコがキスした時の再現のようであった。

突然のキスにマサヒコはうろたえた。
リンコが覆い被さるようにキスをしてくるので、思わず後ろに手を着く。
その時、握っていたリモコンのボリューム調整のボタンが押された。
オーディオから流れる音楽が、段階的に音量を増す。

音量が増すにつれてマサヒコの心臓が高鳴る。
MAXまで音量が高まったとき、マサヒコは動いた。
リンコの腰の辺りに腕を回し、ギュッと抱きしめる。顔はリンコの胸元に埋めるかたちになった。
その弾みで、二人の唇は離れてしまった。

「あっ・・・」
唇が離れてしまい、リンコは名残惜し気な声を出す。
しかしその後の抱擁の圧迫感と制服の胸元に顔を埋めるマサヒコに
キスとはまた別の心地よさを感じた。
リンコはマサヒコの頭を抱えるように、やんわりと抱きしめた。

マサヒコはリンコの心臓の音を聞いていた。

最初はそれほど大きくなかった、リンコの心臓の音。
だんだん高鳴り始めている。
最初のキスの時も、今のキスの時もリンコは特に赤くなったりはしていなかった。
今は、どんな顔をしているんだろう。
マサヒコは抱きしめている手を緩め、リンコを見上げた。

リンコはマサヒコと抱き合いながら、自分が高まっていくのを自覚した。
心臓がドキドキしている。自分の腕の中に、好きな人がいる。
その事実がリンコを高ぶらせる。
今この状態でキスをしたら、私は一体どうなってしまうのだろうか。
リンコはマサヒコを見下ろした。

二人の目が合う。
リンコはベッドに座り直した。
今まではリンコからキスをしていたが、今度はマサヒコがキスをする。
マサヒコはリンコの頭に手を回し、リンコはマサヒコの体に手を回した。
そして互いの唇を触れさせあう。

マサヒコはリンコの表情を見たとき、素直に
可愛い
と感じていた。
座り直して正面から見据えると、余計に可愛いく見える。
ほんのりと上気した顔。
初めて見る表情だ。
この娘と、キスしたい。
マサヒコは初めて、自分からリンコにキスをした。
(「好き」って、こういうことかもしれないな)

リンコはマサヒコが積極的にキスしてくれたことに感激していた。
キスする
のではなく
キスされる
ということが、これほど甘美だったとは。
抱き合う腕に力を込める。
しかし、お互いに座ったままだと、先程のように密着出来ない。
リンコはマサヒコを押し倒した。

マサヒコはリンコが押し倒してくるのを素直に受けた。
マサヒコ自身も、もっと抱き合いたいと思っていたのだ。

互いに横になり、抱きしめ合う。
キスをする。
唇が触れ合う、バードキス程度のものだが、確実に二人の理性を熔かしていった。

一旦、唇が離れる。
離したのはリンコだ。
眼鏡を取り、見つめ合う。熱い吐息が二人の頬を撫でる。

リンコはぺろりと自分の唇を舐めた。
この甘美な味は、マサヒコがもたらしたものだ。
(小久保くんの唇が甘いのかな・・・?)
好奇心に誘われて、リンコはマサヒコの唇へと舌をはわせた。

ぺろりぺろりと唇を舐められる。
キスよりも遥かに淫靡さを感じさせる行為に対し、マサヒコは興奮した。
リンコの舌をちゅるりと吸い込み、激しくしゃぶる。

「んんっ?!」
マサヒコの突然の行動にリンコは驚いた。

マサヒコの口内で何が起きているのかは解らないが、そこから大量の快楽が与えられてくる。
「んっ!んぅっ!んぁっ!」
舌がとろけて吸い込まれそうだ。
(あぁっ!おかしくなる!狂っちゃう!)
リンコは、快楽の本流に飲み込まれていった。

マサヒコは我を忘れてリンコの舌を吸いしゃぶっていた。
ここが、快感の発生元だ。
夢中で吸い尽くす。
その様子はまるで、甘い蜜を吸う羽虫のようでもあり、また全てを貪ろうとする獣のようでもあった。

二人の秘め事はまだ始まったばかりだ。
初めて同士。
大人への階段を確実に登っていた。

オーディオが鳴り響く部屋で抱き合う二人。
お互いの唇は重ねられ、その口内では舌が絡み合う。唾液が混ざり合い、その混合液が体内に流れ込む。
初めて同士の二人にとって、これ以上の媚薬は無い。

マサヒコの下半身はいきり立ち、ズボンを硬く押し上げていた。
腰を前進させて、リンコに密着させる。
無意識に、ゆっくりと擦り付ける。
ズボン越しに快楽を得ようとして、腰が動きだしていた。

リンコは自分の下腹部に、初めて感じる妙な疼きを覚えていた。
股間で何かが「触れてくれ」と主張している。

疼きを堪えきれず、自分の手で触れようとしたとき、マサヒコの下半身が密着した。
下腹部に何か硬いものが擦り付けられているのを感じる。
それが、制服越しにリンコの股間を撫でる。
ビリビリと体が痺れ、抱きしめる腕に力がこもる。
「んっ!んぁっ!んむぅ!」
くぐもった嬌声が二人の頭の中で反響し、それに合わせて行為が過激になっていった。

マサヒコの手はリンコの腰から尻へと移った。
そのままグイッと引き寄せる。
互いの下半身がさらに密着する。
腰の動きが段々速くなる。マサヒコの体はゴールへ向けて加速していった。

マサヒコの動きに対しリンコは無意識にそれを受け入れた。
マサヒコに足を絡ませ、より密着を深く、マサヒコが動き易いようにする。
足が開いたことで、下腹部の快楽が加速する。
リンコは、自分がどこか知らない高みへと到達しようとしているのを自覚した。

マサヒコの下腹部はリンコに押し付けられ、リンコの下腹部を激しく擦り上げる。
頭の中で電気が走る。
いったん唇が離された。二人の唇から銀の糸が引く。
リンコが荒い息を吐き出す。目はトロンとし、吐息に混じって喘ぎ声が聞こえる。
マサヒコも熱い吐息を吐き出した。

二人の目が合う。
互いに熱っぽい視線が交錯した。
その瞬間。
マサヒコが動いた。
リンコの腰と尻に回した手に力が入り、腰が激しく動く。顔をリンコの首筋に埋め、腰の動きに集中する。
ラストスパートをかける。

マサヒコの動きに、リンコは身もだえした。
先程とは較べものにならない激しい動き。
それがもたらす圧倒的な快楽に、腰が跳ねる。
口からは喘ぎ声が漏れる。「あっ!あぁっ!んあっ!あぁっ、ん!」
頭の中が真っ白になる。
真っ白な意識を電撃のような何かが貫いた。
「んぅ・・・あぁーーっ!!」

マサヒコは動きながらリンコの嬌声を聞いていた。
跳ねる腰を押さえ付ける。
リンコの声色が、どんどん切羽詰まるのを感じ、また自分の絶頂が間近であることを自覚した。
そのとき、リンコが悲鳴にも似た喘ぎ声を上げた。
リンコがきつく抱きしめてくるのと同時に、腰が跳ねる。
フルフルとした痙攣が伝わり、それが伝染する。
「うぁっ!くぅっ!」
最後に強烈に腰を突き上げて、マサヒコは達した。
ズボンの中で性欲が弾け、暴発する。
こんなに強い射精感は初めてだ。
頭が真っ白に染まる中、夢中でリンコを抱きしめた。

激しい息遣いが部屋に響く。
ステレオが喧しく鳴り響いている筈だが二人の耳には聞こえない。
互いに発する音だけが、二人の認識できる音であった。
強烈な快楽の嵐は過ぎ去ったが、まだその残滓は残っている。

マサヒコの股間は達してもなお勢いを失っていなかった。
すっかり弛緩し、手から力が抜けたリンコから離れ、仰向けにする。
軽く足を開かせ、その隙間に体を入れた。両手をリンコの頭の横に着く。
自分の体の下にリンコを組み敷く。
リンコはまだ快楽から抜け出せないらしく、時折ピクンピクンと動いている。

リンコの目が開く。
快感にふやけた表情で、頬は真っ赤だ。
マサヒコは体重を掛けないようにリンコに被さりキスをした。
舌を入れ、まさぐる。
激しくはせず、ゆっくりと、味わうようなキスだ。
リンコもそれに合わせるように舌を絡ませる。
マサヒコの唾液が流れ込み、リンコの口内でリンコの唾液と混ざり合う。
それを、飲み下す。
あぁ・・・もう私は、溶けてしまってもいい・・・
これ以上無いほどの幸福感。
全てを熔かす勢いで、下火になっていた快楽の炎が再燃し始めていた。

のんびりとしたキスだが確実に二人を高めていった。

欲望が再燃してくる。
それはマサヒコも感じていた。
先程はそのまま暴走、暴発してしまった。
今度はもっと落ち着いて、したい。
一旦唇を離す。
そのまま起き上がり、シャツを脱ぎ、上半身裸になる。ベルトを外したところでリンコが起き上がった。
「・・・私も・・・脱ぐよ」
ゆっくりと制服を脱ぐ。
まだブラジャーは付けていないらしい。ノースリーブの薄いシャツ(なんて名だ?) を脱ぎ、両手で胸を隠した。
その恰好があまりに可愛いので、マサヒコはリンコをゆっくり押し倒した。
胸を隠しているので、リンコは抵抗できない。

胸を隠そうとする手をどけようとすると、リンコは抵抗してくる。
「ダメっ・・・!恥ずかしいっ・・・!」
何が恥ずかしいのだろうか。先刻まであんなに恥ずかしいことしてたのに。
リンコの手首を掴み、ゆっくり優しく、しかし力を込めて、引きはがす。そのまま脇に組み敷いた。
目の前に、リンコの無防備な上半身が晒される。
「あぁ・・・恥ずかしいよぅ・・・見ないで・・・」
半泣きで目を閉じるリンコ。
対称的に、マサヒコは食い入るように見つめる。
「・・・キレイだ・・・」
慎まやかな膨らみだが、頂点は桜色に色づき、女性であることを主張する。

「・・・キレイだ・・・」
眺めながらもう一度言う。リンコがイヤイヤをするように首を振った。
「私の・・・ち、小さいもん・・・アヤナちゃんや中村先生みたいに・・・おっきくない・・・」
「でも、キレイだよ・・・」恥ずかしがっていた理由が解ったが、マサヒコは特に気にしない。
慰めるようにリンコにキスをした。
何度か唇をつつき、そのまま顎から首筋へと移動する。少し舌先を出し、細い唾液の跡を付けていく。
「あうっ・・・んっ!くすぐったいよぉ・・・」
首筋をゆっくりと舐めながら下へと降りていく。
鎖骨の辺りで、リンコが暴れた。

マサヒコが何をしようとしているのか、読めたのだ。「ダ、ダメッ!ちっちゃいから!恥ずかしいよ!」
マサヒコは一旦口を離す。「大丈夫。ちっちゃくても可愛いし、キレイだ。」
「で、でもっ・・・!あっ!あぁん!」
リンコがまた何か言いかけるや否や、マサヒコはリンコの乳首を口に含んだ。
チュッと吸い、ぺろりと舐める。
「わっ!あっ!あうっ!」ちょっとした刺激で体が跳ねるのは敏感だからだろうか。
ちゅーっと吸い上げ、ちゅぽんと離す。
「あーっ!あぅん!」
反応が面白いので、いろいろと思い付く限りの愛撫を行った。

そのうち、リンコの反応が落ち着いてきた。
顔は真っ赤、快楽を感じているようだ。
(もう大丈夫かな?)
押さえ付けていた手を離し、リンコの胸に添える。
するとリンコはマサヒコの頭を抱え込んだ。
「はぁ、はぁ、ん・・・うぅん・・・」
空いてる胸を揉む。
豊満という感じではないが、男のそれとは明らかに違う。
柔らかい。
桜色の頂点を、キュッと優しくつねったり、カリカリ爪で掻いてみたり。
「あっ!あふぅ!あっあっ!」
前歯で甘噛みしてみたり。「あぅっ!うぁん!」
マサヒコの脳みそをとろけさせるような、甘い声を上げる。

リンコの喘ぎを聞いていると、マサヒコもおかしくなってくる。
体を起こし、視線をスカートに移した。
邪魔だな、これ。
「・・・スカートって、どうやって脱ぐの?」
「ん・・・こうやって・・・こう」
リンコの教えた手順で脱がす。
パンティ一枚になったリンコ。
「えっ!う、嘘っ?!」
慌てた様子でリンコがパンティに手を当てた。
・・・グショグショに濡れてる。
「中村先生の言った通りだ・・・」
なにやら感心しているリンコをみながら、マサヒコもズボンを脱いだ。
互いに布キレ一枚の姿で向き合う。
互いの視線が布キレに落ちた。

「なんか・・・すごいね。それ」
「お、お前だって、すごいことになってるぞ」
マサヒコの股間ではペニスがパンツを突き破りそうになっている。ついでに言うと、暴発のせいで濡れている。
リンコはリンコで、はっきりと解るくらいパンティが濡れていた。

照れ隠しにキスをしながらマサヒコはパンツを脱いだ。
リンコが後ろに手を着くように体重を掛ける。
パンティを摘んでツンツンと引っ張る。
脱がすぞ、と合図を送る。リンコが腰を浮かし、OKサインをだした。

互いに生まれたままの姿で抱き合い、キスをしている。

先程の射精の快楽が頭をもたげはじめる。
頭と体が、異性と繋がることを求めている。
興奮でぼやける頭の片隅で僅かに残った冷静な部分が、ひとつだけやり残したことがあることを告げた。
女の子の部分を見てみたい
という願望だ。
マサヒコはどうにか頭と体を宥めすかし、顔をリンコの下腹部へとずらしていった。

唇から上半身へと愛撫される。リンコの頭の中は快楽がひしめいていた。
左右の胸への愛撫が終わり
いよいよひとつに・・・
と期待していると、何やらマサヒコの様子がおかしい。
唾液の細い跡が臍へと向かっていく。

マサヒコが何をしたいのか、大体わかった。
・・・私のアソコ・・・見たいのかな・・・
丁寧な愛撫。臍をクチクチと舐められさらに太腿の内側に手を掛けられるが、あえて抵抗はしなかった。
胸の件で過剰な羞恥は消えていたし、マサヒコがそうしたいのなら、受け入れようという心理が働いていた。
股が開かれる。
あぁ・・・今私は。
大好きな人に、私の全てを見られているんだ・・・

マサヒコの目の前にリンコの性器が開かれた。
なんて妖しい眺めなんだろう。
テラテラと濡れ、輝いている。
そっと指を添えると、ビクリとリンコが震えた。

優しくゆっくりと上下になぞると
「・・・うんぅ・・・あっ・・・はぁー・・・あん・・・」
控目な喘ぎがかえってくる。
少し力を入れて擦る。
「・・・んっ・・・くぅっ・・・はぁっ」
反応が上回る。
そうしているうちに、つぷっと指が入る場所を発見した。

ここが、そうらしいな・・・

大体の見当をつけることができた。
試しに少し深く入れてみると
「あっ、あっ・・・あぅっ!」
何かがつっかえ、大きな反応が返ってきた。
さっと指を退く。
リンコの性器はすっかり濡れている。
マサヒコも、頭と体にごまかしが効かなくなってきた。

抵抗らしい抵抗はなかったが、やはり恥ずかしかったようだ。
リンコは顔を手で隠していた。
マサヒコはその手にキスをした。
リンコが手を退ける。その表情は羞恥と快楽に彩られ、マサヒコを魅了した。
キュッと抱きしめる。その際にペニスをリンコの下腹部に押し付けた。
女の子の柔らかさを直接感じ、勃起がビクリと震える。
ああ、俺はこの娘が好きなんだ
と、今更ながらに意識する。
思いを込めて、キスをした。

幾度かしたキスのなかで、最も熱いキスをする。
押し付けられた勃起の熱さがリンコを燃え上がらせた。

「いくぞ・・・。
痛かったら、無理するなよ・・・」
「うん。大丈夫・・・だから、して」
マサヒコは先程確認したリンコの入り口に、先端を合わせた。
再確認のために、軽く押し当て擦り付ける。
間違いない

ゆっくりと、腰を進めた。「んぅ・・・ん、んっ・・・あぁっ!」
ペニスが何かをつついた。・・・恐らく処女膜ってやつだろう。
「大丈夫か?」
リンコに返事を返す余裕は無いらしく、しかし首を縦に振る。
マサヒコはさらに奥へと進めた。
こじ開けるような感触がペニスに伝わってくる。
リンコはふるふると震えていた。

「あ・・・あぁ・・・っ!あぅっ!」
・・・全部、入った。
狭くて熱くて訳がわからない。
気持ち良いとか悪いとか、そんな余裕は全く無い。
「うっく・・・!全部、入ったぞ・・・」
リンコは震えながら、シーツを強く掴んでいた。
閉じていた目がゆっくり開く。
「だ、大丈夫か?痛くしてないか?」
「ん・・・っ!い、痛くないっ・・・けど・・・うぁっ!あ、熱いの・・・!」
「俺も・・・熱いよ・・・」
リンコが下から手を伸ばしてマサヒコの腰に添えた。マサヒコはゆっくりと上体をリンコに重ねる。
極力腰を動かさないようにしたが、多少動いてしまった。

マサヒコがリンコの中を、軽く擦った。
「んくっ!あうぅっ!」
「ご、ごめん!痛いか?」「ち、違うの。何か、ビリッとして・・・あ、アソコが、もっと熱く、なるの・・・!」

一度、気を落ち着けるために抱き合ってキスをする。
閉じられたリンコの目尻に涙が浮かんでいるので、それを舐め取った。

「・・・動いても、いいか・・・?」
マサヒコが抱き合いながら、耳元で囁いた。
リンコは抱き合う腕に力を込めて
「んっ・・・いいよ・・・」
と言った。

ゆっくりと腰を引く。
ズルリとペニスが抜かれていく。

リンコの膣壁を擦る。
マサヒコの頭の中にビリビリと電気が走る。

「あぅッ!うぅぅーっ・・・」
リンコが、苦痛とも快楽とも取れる声を上げる。
ゆっくりと腰を突き上げる。
「あッ!うぁッ!はっ、はっ、はぁぅっ!」

だんだん、マサヒコの動きが速くなってくる。
リンコの胸とマサヒコの胸板がこすれ合い、ピリピリと小さな快楽を二人に与えた。

初めては「痛い」らしいので、覚悟していたリンコだが、実際に今感じているのは「熱い」という感覚と、膣内をこすられるたびに流れる、電気のような何かだ。

この電気が流れると、無意識に声が出てしまう。
しかも、だんだんマサヒコの動きが速く、激しくなってきている。
それににつられて、頭の中が白くなりだした。
パチパチと、何かが弾ける。その度に、腰が跳ねる。
「あっ!あぅっ!ああっ!」
リンコはマサヒコに最奥を突かれ、頭の中で、これまでで最大の何かが弾けようとしているのを感じた。
「あっあっあっ!すごいのっ!な、何かきてる!あぅッ!ダメッ!動いちゃ・・・あぁんっ!」
夢中でマサヒコに抱き着く。足をマサヒコの腰に絡ませる。
突かれる度に、「何か」は確実に大きくなる。

そして、遂に、それが弾けた。
「ッ!あぁぁーっ!!」
全身が硬直し、痙攣する。頭の中が真っ白になる。
意識が途切れる最後の一瞬、マサヒコに名前で呼ばれた気がした。
最後の最後に駄目押しの幸福感を手に入れて、リンコは意識を手放した。

リンコの嬌声を聞きながら、マサヒコは夢中で腰を振っていた。
唇を貪り、乳首を吸い上げる。
リンコの声がどんどん切なくなっていく。
それに伴い、ただでさえきつい膣内が収縮を繰り返してマサヒコを搾りあげた。リンコの手足が絡み付く。リンコがひときわ高い声を上げた。

その瞬間、マサヒコのペニスは今までで最大の締め付けを受けた。
もう限界だ。
締め上げてくるリンコの狭い膣の奥へ、強烈に突き上げる。
そして、リンコの体奥で勢いよく精を飛沫かせた。
ドクン!ドクン!ドクン!
体が放出の快感で震える。
急速に頭の中は白く染まっていく。
ドクン!ドクン!
二度目とは思えない量と勢いだ。
「うぅっ!リンコッ!リンコォッ!」
リンコの体をきつく抱きしめる。
マサヒコは無意識に、リンコのことを名前で叫んでいた。
そしてそのまま、快楽の白波に飲み込まれていった。

・・・果てしなく続くかと思われた射精が終わり・・・
マサヒコはリンコの胸に突っ伏した。
リンコの体は弛緩して、胸だけが激しく上下している。
お互いに呼吸が荒い。
激しい快楽がまだ尾を引いているのだ。

呼吸がようやく治まってきたマサヒコは、顔をあげてリンコの表情を覗き見る。
リンコの目が、うっすらと開いた。
「・・・大丈夫か・・・?」
「・・・ん・・・すごかったよぅ・・・小久保君の、すごいの・・・」
マサヒコは赤面する。
「最後に・・・名前で、呼んでくれたよね・・・とっても、嬉しかったよ・・・」

「・・・!
あれは・・・何でだろうな・・・」

「無意識に叫んでたんだ・・・
的やm・・・いや、リンコ。
俺、お前のこと、大好きだ。愛とかって、俺にはよくわからないけど、これだけは確かなんだ・・・」
「うん・・・私も大好き。小久b・・・マサヒコ君のこと、大好きだよ」
互いに抱き合い、キスをした。

マサヒコとリンコ。
きっかけこそ、くだらない冗談だったが、こうして抱き合う二人はれっきとした恋人同士だ。

取り敢えず今は、二人きりの幸せな時間を満喫している。
はた迷惑な年上二人と、思春期真っ盛りな二人の美少女たちはどう動くだろうか。
二人の前途は多難のようだ(笑)

ちなみに。
若い二人だ。一回で終わるわけがない。
そのまま若さに任せて暴走し、気が付けば真夜中。
的山家で、ちょっとした騒動になったのは言うまでもない。

終わり

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