作品名 | 作者名 | カップリング |
受験生の夏 | 277氏 | - |
受験生の夏 「どうしても……………し、したいの?」 「………うん………………………したい」 ベッドに腰掛けているマサヒコ。その前に床にクッションを敷いて座っているアヤナ。 肩幅よりも少し開いているマサヒコの足の間に、顔を真っ赤にして俯かせているアヤナがちょうど収まっている。 若い男女が二人っきりでこの体勢。 喩え前後の会話を知らなくとも、マサヒコがアヤナに何を望んでいるのかは、誰でもわかるはずだ。 それでもわからないという人は仕方がない。 アヤナが恥ずかしげに、しかし熱っぽい視線を向ける先を見てみるといい。 我慢できずに直行でアヤナの部屋に来たマサヒコの制服のズボン。股間の辺りが元気一杯、内側から押し上げられている。 「あっ!? でも、その、若田部が嫌なら止めるけど…………」 この言葉に嘘はないだろうが、マサヒコの声には明らかな落胆が滲んでいた。 意識はしていない。それはわかる。それはわかるが、マサヒコにそんな風にしょんぼりされたら、アヤナには断れようはずもない。 「目を………目をつぶってて……………」 「えっ!?」 「お願い…………だから……いいって言うまで…………お願い……………」 「う、うん、わかった」 搾り出すようなか細い掠れた声に、鈍感なマサヒコも何かを感じ取ったんだろう。すぐに目を思いっきりぎゅっとつぶった。 視覚が完璧に閉ざされる。 だがそれで得られる情報がなくなったわけではない。逆にエロい情報は、何といったらいいのか………………そう、鋭さを増していた。 しゅるりと衣擦れの音がする。カチッと鳴るホックの音がする。ドンドコドンドコと心臓の音が連打されている。 聴覚の方は限界値を振り切るいい仕事をして、せっせと頭に妄想の材料を放り込んでいた。 それはそのまま、遅まきながら目覚めた逞しすぎる思春期のエロパワーへと、そりゃもうとてもスムーズに変換されていく。 ヤリたい盛りの少年の頭の中では、某・家庭教師に無理矢理吹き込まれた知識を元に、なんだかアヤナは凄い格好になっていた。 「いいよ…………目、開けても………………」 言われてマサヒコは、渾身の出来の妄想を切り上げて目を開ける。――――そして打ちのめされた。ズガンッと。 いかに蒼いエロスのパワーをもってしても、目の前にいる少女のインパクトには敵わない。 アヤナは両腕で胸元を覆っている。 でも、だが、しかし、そんな程度で中学生平均を大きく上回る乳房を、とてもではないが隠しきれるわけがない。 乙女の恥じらいで、両腕にぎゅっと力を入れているのが返って仇になり、アヤナの意図に反して白い乳房の谷間をより深いものにして、 マサヒコの熱すぎる視線を誘っていた。 「…………………………」 そして上半身は何一つ身に着けてないのに、女の子座りの下半身は制服のスカートを履いたまま…………。 この世で全裸が一番エロいと思っていた少年には、上半身だけ裸のままモジモジしている少女は、まさにディープインパクトだった。 「あの…………小久保くんも………………」 「えっ!? あ? あ、ああ、う、うん!!」 ぼーーっとアホの子みたいに見とれていたマサヒコは、赤い顔のアヤナの声にまるで石化が解けたかのようにチャックを慌てて下ろす。 その動きは誰が見ても嬉々としていて、その上とんでもなく素早かった。 「あっ!? …………………ん………」 アヤナが目を逸らす。だけどすぐにまた、モロバレなのにチラチラと、恥ずかしさと興奮の入り混じった目で見たりする。 ちょっと前まではED疑惑もあったというのに、マサヒコの勃起はカチカチのビンビンになっていた。 「えっと、じゃあ、その………………………お願いします」 「うん…………」 と、言って軽く五分以上経ってから、アヤナは白い乳房を覆う両腕をゆっくりと、マサヒコの情欲を煽るように解いていく。 抑えつけられていたふくらみが、戒めを解かれてふるるんと揺れるのが、思春期の男子には妙にエロく感じられた。 「そ、それじゃ………………するね」 腕を乳房からどけるときと比べると、アヤナが次の行動に移るのは大分早かった。決心が鈍らないようにと思ったのかもしれない。 コンプレックスの源である大きな乳房を捧げ持つと、元気の有り余っている勃起に寄せて、深い谷間に挟み込んだ。 「お…………………………おおおおっ!!」 しかし、さすがというかなんというか、アヤナの乳房に包まれると、自慢するほどではないが、小さくもないだろうマサヒコの勃起が 先っちょしか見えなくなる。 消えてしまう自分の勃起の大きさについては、とりあえず置いといて、マサヒコは率直にジ~~ンと感動した。 いまマサヒコはアヤナを凄く近くに感じている。 トクントクンと早鐘を打っている心臓の鼓動。自分の勃起の脈動とシンクロするその音に、精神まで溶け合うような錯覚を覚えた。 まだアヤナの身体はぴくりとも動いてはいないのに、マサヒコの呼吸はすでにハァハァと荒くなっていた。 「…………………………」 もちろんアヤナの息遣いもシンクロする。 切ない潤んだ瞳でマサヒコを上目づかいで見上げると、身体を少しずつ少しずつ揺らしはじめた。 “シュニ……シュニシュニ………シュニ……シュニ…………” 知性の欠片もないような、女性にとっては屈辱的とも取れる行為だろう。 正直マサヒコには、アヤナに対する罪悪感のようなものもある。だが正直マサヒコには、同時にアヤナに対して高揚も感じていた。 「はぁ……んぁッ……ぅああッ……あ!?……んぅ………ああッ………」 優しい摩擦に昂ぶりを抑えられない。 単純に肉体的な刺激だけだったら、手や口でしてもらった方が気持ちいいだろうが、精神の力は偉大だった。 なにしろこのパイズリと呼ばれる行為は、女性の積極的な、主体的な協力がないと成しえない。 おそらく人間にとって感動とは、地球上に存在する最高の媚薬だろう。これに魅了されたら抗う事はまず、特に少年少女は不可能。 「ううッ………くぅんッ……んンッ………ん………はぁッ……ン……んふぁ…………んぅッ!!」 それは酩酊したようにトロ~~ンと、だらしなくも可愛い顔したアヤナも同じらしく、僅かに先っちょだけ覗かせている勃起の鈴口を、 尖らせた舌先でくすぐったりしてくる。 そしてタイミングを取るのが難しいようだったが、これぞ愛の力、アヤナはそれにもあっという間に慣れてみせた。 でもだからこそ、 「ンッ、ンッ……ふぅッ……はぁ……んぁッ……ぅああッ……あ!?………………ああッ………ふぁッ!!」 “びゅッ・びちゅッ!!” アヤナの顔が、乳房が、マサヒコのよって汚される。 “びゅッ・びゅぐぅんッ!!…………” 暑い夏にアヤナへとしつこいほど白い花火を打ち上げながら、マサヒコはガクガクと仰け反ってベッドに倒れ込んだ。 終わり
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