作品名 作者名 カップリング
No Title 160氏 -

「ミサキ、今日も来るのか?」
「うん、数学でちょっとわからないところをアイ先生に聞きたくて」
「んじゃ待ってるよ」
「ごめんね、毎回押しかけて。 私はアイ先生の教え子でもないのに」
「気にすんなって」
と、晩秋のとある日。 ぼーいみーつがーる的な会話から数十分後、マサヒコと学校から二人で帰宅してすぐに
小久保家を訪問し、他の面子が集まるまで『マサちゃんを独り占め〜vvVv』とか、準変態的妄想に
浸りながら小久保家に到着したミサキの妄想を打ち砕いたのは、既にインターホンを押していた中村リョーコだった。
他の誰かが来るまでマサちゃんとの逢瀬(と、ミサキ本人は確信している)を堪能しようと思っていたのに〜!と、
ミサキは思ったが、そこはさすがに顔には出さず。玄関に出てきたマサヒコに迎え入れられ、二人してマサヒコの
部屋に腰を下ろしてからいきなり仕掛けられた攻撃だった。

「しっかし、アンタも余程マサのことが好きなのねぇ」
リョーコはテーブルの向かいに座るミサキに予期せぬ攻撃を掛けた。
「な、な、なにお、い、いきなりっ」
「いや、アンタと二人っきりでマサの部屋にいるなんて滅多に無いチャンスだしね」
「下にマサちゃんがいるじゃないですかっ」
マサヒコは一階の台所でお茶を入れてくれているが、そんなに時間が掛かるわけでもなく、いつ二階に上がってくるか
分らないので、こういう話をするにはデンジャラスな状況かもしれない。
「聞こえやしないって、アンタがデカい声を出さなきゃ」
リョーコに言われて確かに今の声は大きかったかもしれないと、ミサキは少し顔を紅潮させる。
「ま、別にアンタとマサのことをからかおうってことじゃなしにさ」
「え・・・・・・?」
真面目な顔をして語り掛けるリョーコに戸惑いを覚えるミサキ。
「アンタ、本当は一人で勉強するほうが集中できるタイプでしょ。 それなのにわざわざ脱線するのが分りきっている
アタシ達の授業に毎回毎回時間を割いてくるなんてね」
「そ、そんなこと……」
そうなのかもしれない。 なにせ小久保家での集まりの後、別に時間をとって勉強しているほうが集中できるのは
確かで、ただ単にこの集まりに来るのはマサヒコと少しだけでもお喋りしたりできれば、なんて思春期特有の行動で
しかないのは自分でも分っている。



「リンやマサも、少しづつ勉強のやり方ってのを覚えてきたんだけどね。 それでもまだまだかな。 多少脱線してでも
やらないとあの子たちは集中力が維持できない。 でもアンタは違うでしょ。 あれだけの成績なんだから集中力の
維持の方法、時間配分のやり方、そして、覚えなきゃいけないところと切り捨ててもいいところも分ってい・・・・・・」
話の行き先が見えたような気がして、思わずミサキはリョーコの話を遮るかのように呟いた。
「それは私にここへは来るな、ってことなんですか?」
まずい、これ以上話が自分の思い通りに進んでいってしまったら、リョーコに大きな声で反論してしまうかもしれない。
でも、リョーコが自分のことを気に掛けてこんな事を言っているのだという事も分っている。 何せ自分の志望校は
あの聖光なのだ、自分の成績であっても油断すれば不合格という結果は分りきっている。 本来ならマサヒコ宅で
勉強の真似事などせず、自分の机に噛り付いていなければならないのかも知れない。
「アンタ、やっぱり頭の回転が速いのね。 でもその答えは間違えている」
一瞬微笑を浮かべたがすぐに真面目な表情に戻りリョーコはさらに続ける。
「アンタがここに来ることが悪いなんて、一言も言っていないのに。 そのせっかちさは直したほうが良いわね。
問題文を最後まで見ないで、いきなり回答を記入して引っ掛け問題に思いっきり引っ掛かるタイプでしょ、アンタ」
「うぐ・・・・・・」
自分の弱点をズバリと衝かれ思わず声に出してしまう。
「アンタがここに来る事は悪い事じゃない。 むしろストレスが発散できているんじゃないのかな。 無意識のうちに
それが出来ているんだから、やっぱり勉強の才能があるってことよ。 ただ・・・・・・」
「ただ?」
そこでリョーコは初めてニヤニヤと笑い、先を続けた。



「マサとセックスしよう、なんてまだ思っちゃダメよ」
「な! ななななにを」
この人はどうして、こう直球勝負な言葉を掛けてくるのだろうか。
「告白とか、そのぐらいなら良いけどね。 アンタは意外とそっち方面に溺れちゃいそうなタイプだから」
「そそそそそんなこと!」
「今までどおり、マサをオカズに一人エッチするくらいで我慢しておきなさい。 本命は後に取っておけば
楽しみも快感も倍増するってもんよ」
図星を衝かれたのかミサキの顔はもう、真っ赤だ。
「あ〜、もう、アンタは分りやすいわね。 ベッドの上とかじゃなくて勉強してたら急にその日のマサの行動かなんかを
思い出しちゃったりして、机に向かいながらひとりでに手が変なところに伸びちゃってさ」
「ちょ、中村先生! 勝手に変な想像しないで下さい!」
「最初は下着の上からだね。 うん。 ゆっくりと中指で割れ目に沿って擦っているうちに我に返っちゃってさ」
「(だ、だめ、そんなところ触っちゃ。ショーツ汚しちゃうよぉ、じ、じゃなくって勉強中でしょ)とかなんとか」
「罪悪の意識に駆られちゃってるんだけど、結局そのまま続けちゃって下着の中に手が入ってね〜」
「それでもまだ遠慮がちに湿り始めた割れ目に沿って指が動くんだけれど、物足りなくなって一番敏感なところに
指が触れた瞬間に、声が出ちゃうの」
「あ〜。 アンタ割とアニメ声だから、かわいい声で鳴いちゃうんだろうね〜。 『くっ・・・ンん・・・・・・・・・ふあっ!』とか」
ヤケに物真似上手なミサキヴォイスで喘ぎ声などあげながら、話し続けるリョーコ。
「で、段々と目の前が白くなってきちゃって、何にも考えられなくなっていくんだけど、あるヴィジョンだけは鮮明に
なってくんだわ、これが。 そのヴィジョンってのがマ・・・・・・・・・ん?」
いつのまにか立ち上がっているミサキ。 その手にはマサヒコが先日の修学旅行で買ってきた木刀(おいでやす京都と
草書金文字で刻印)を握り締めている。
「ま、まあそう言うことはほどほどにねって事で・・・・・・。 アタシはアンタとマサのこと、応援してるから、うん。」
ワザとらしく親指を立ててポーズをとるリョーコだが、目の前の人物は既にリョーコを見ているかのようで見ていない。
と言うか瞳が黒一色で塗りつぶされているって感じ。
「中村先生、人は恥ずかしいことで的確に図星を衝かれると・・・・・・」
「あ、そんなに的確なん・・・・・・、じゃなくって、ええと『怒る』?」
「そいつを殺してアタシも死ぬしかない・・・・・・って、思う事ありません?」
「あ、アタシちょっと台所行ってマサの手伝い・・・・・・」
そそくさと部屋をようとするリョーコに向かって、怒りの闘気が押し寄せる。
「ちょっとでも真面目な話かもしれないと思ったのにィ〜!!」

数分後、二階に上がってきたマサヒコは、正座したままで、えぐえぐと泣きべそをかいているリョーコを見つけたが、
一階に居たときに聞こえてきた怒声と悲鳴、そして今、無表情のまま座っているミサキのことが怖くて何も
手助けをする事が出来なかった。

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