「最近寒いよねー」

日の落ちるのも早くなった12月の初め。
影の長く伸びる教室の窓から、下校途中の女学生の会話に目をやる。
『寒い寒い』と連呼するその子の足には、靴下とはまた違う履物をしていた。

確か、ストッキングとかいう奴だ。
とある女学生が本来なら校則違反である女性雑誌を持ってきていたのをこっそり読ませて貰って、名前位なら何とか判った。
私は寒さなど感じはしないのだが…何となく、履いてみたい気もする。

そういえば、横島君も『ストッキングは人類の宝である』とか何とか言っていた様な…

「真似事をしたいって意味じゃないけど、ああいうちょっと変わったものを履いてみたいと思うのも…また青春よねっ!」

日が落ちて、誰も居ない教室。もう慣れっこになってしまった私の独り言が寂しく木霊していた。


GS美神短編「履いてみたいっ!」


「えっと、こんな感じだったかな? ちょっと違うような…」

思うのは簡単だが、実行するのは難しい物である。
机の九十九神である私は、市販のストッキングを履く事が出来ない。
そもそも、あーだこーだと言っている悩ましくも麗しい美少女の姿(横島談)も仮の姿であり
ずっと座っている机自体が本体なのだ。

取り敢えずは幾つかストッキングらしきものを作ってみるが、どうも質感という物が分からない。
霊力の篭った物であれば触れるのだが、普通の市販物にそんな大層な物があるはずもないわけで…

「ま、外見は大体あってるはずなんだし…触り心地とかは教えて貰うしかないかなぁ…」

『教えてもらう』と自分の口から出た瞬間に脳裏に浮かぶ横島君の顔。
女性物の話なのに、何で彼の顔が浮かぶのだろうか。
そんな疑念を振り払うように、私は靴下を脱いで『自製ストッキング』を履いてみる。

…やはり肌触りは靴下だ。
丈の長いハイソックスでも履いている気分になる。
一人ではコレが限界なのかも知れない。

「やっぱりダメよねー。こう、霊力の篭ったストッキングとか無いのかな」

あったとしても、市販の物よりは高いだろう。
元よりお金の類は持った事が無いのだ。つまりは買って貰う位しか無いわけで。
買ってくれそうな人…と頭に思い浮かべてみる。

霊力関係な訳だから、霊能力者とかその辺りでないとダメだろう。
となると、殆どの生徒が無理になる。

「ピート君か、タイガー君か…横島君…かな…あはは…」

口に出してすぐに、失意混じりの乾いた笑いが出てくる。
ピート君ことピエトロ=ド=ブラドーは故郷にお金を仕送りしているらしいので殆ど持っているとは思えないし
タイガー君ことタイガー寅吉は毎日のお弁当を見れば、余裕のある生活をしているとは到底思えない。

横島君こと横島忠夫だってそうだ。ほんの1年前なんてお弁当が無くて、友達のピート君からお弁当を分けて貰っていたりしていたのを未だに覚えている。

でも…それでも

「横島君なら…私を救ってくれた彼なら何とかしてくれるかも…なんちゃっ…え?」

自分で言ってて気恥ずかしくなり、照れ笑いをしながら自製ストッキングを脱ごうとした瞬間
目の前に居る人影に気付いてしまった。

一体いつから居たのだろうか。
私の履いているストッキングや、もっと奥の方を凝視しながら粗い息を吐いているのは
確認する必要も無い。さっきから私の頭の中に出てきた彼だった。


「愛子、ちょっと足組んでくれないかな…こう、こっちに流し目をしながらとかっ!!」

私の顔がみるみる熱くなっていくのが分かる。
手は脱ぎかけたストッキングを掴んだまま。
つまりスカートがずり上がっていて、下着が彼に丸見えで…


「あぁっぼかぁもうっ! ぼかぁもぉっ!!」

既に彼の理性は吹き飛んでしまっているのだろうか。
私が机の九十九神だということを忘れているのだろうか。
『机相手にヤっちゃった男』等という後世にまで語られそうな事を、今まさに彼は実行しようとしていた。

普段の冷静な私ならカウンターパンチなり教科書で殴り飛ばすなりしていただろう。
しかし、頭に思い浮かべていた横島君が実は目の前に居て
しかも…私のスカートの中を見て興奮していたという事に頭は完全に混乱していて

声も出ず反応する事すらも出来ずに飛び掛られ、抱きしめられていた。
しかし、元は机である。

彼の体重を支えきれる筈も無く、そのままにしておけば間違いなく彼は顔面から教室の床に叩き付けられる事は想像に難しくない。
寸前の所で口の中にある亜空間に入れたのは僥倖(ぎょうこう)といえるだろう。

「ちょ、ちょっと横島君…お、落ち着いてっ!」
「ストッキングプラスパンモロまで見せられて、落ち着いてなんか居られるかー!!」

私の本体の口の中にある亜空間。
かつては何人もの生徒を閉じ込めて、学校紛いの事をやっていた場所。

現実世界とは違い、机の上に縛られることも無く

「やーらかいなー、気持ち良いなー。愛子って結構胸大きいんだなぁっ!!」
「ま、待っ…くんっ…や、あっ…」

彼の触れる感触がダイレクトに伝わってくるのだ。
私の胸の谷間に顔を埋め、胸を揉みしだきながら乳首を人差し指で引っ掻いてくる。

本来なら、私は彼を無理矢理にでも引き剥がしたほうが良かったのか知れない。

「はぁっん…よこひ…ちゅっ…んんっ…」

でも、彼の熱烈なキスが
私を見る彼の瞳が

私から抵抗という言葉を奪っ…

「って、ストッキングかと思ったらニセモノかよコンチクショー!?」
「はぁ…はぁ…あ…えと…」

突然の彼の叫びは、私の太股を撫で擦った瞬間に上がった。
興奮していた感覚が、まるで冷水を浴びせかけられた様に一気に静まる。

そう、彼の言うとおり私の履いているストッキングは偽物。
別にストッキングを履いている所を彼に見せたかった訳ではない。
でも、彼に真っ向から否定されるのはとても…

「ということは、今度愛子に本物を履かせれば二度美味しいことにーっ!!」
「えっ…ちょっ…急に…ひぁっ…再かっ…きゃうっ!」

どいういう事を考えていたのだろうか。
勝手に自己完結して、続きを始めたのだ。

いや、続きどころではない。
『コレはコレで良(え)ぇやないかー』等と言いながら、私の両足を抱き上げて
足の裏の臭いを嗅ぎながら、器用に私の下着を脱がせたのだ。

勿論両足を抱きかかえられているので、下着は太股の所で止まって…
むしろそこでわざと止めたのかも知れない。

もしかしなくても、横島君は変態なのだろう。
人間とは違って、臭いなどあるはずもない私の足の裏を荒い息を吐きながら嗅ぐなんて。


「ひっ…や、何か熱いのが…」

突然熱くて硬い棒の様な物が太股と股間の間を通ってきたのだ。
しかも秘所を絶妙な角度で撫で上げながら。

それが、彼のアレだと気付くのに数秒を要していた。


「やっ…こんな…太股とあそこが…んっ…擦れ…あぁっ」

自慰もした事はある。
自分の指で触ったり、机に擦り付けたり色々してはみたけれど
横島君の興奮しきった顔と、彼のアレが私のあそこに擦り付けられている感覚は
自分でした時よりもはっきりとした快感が身体に走らせていた。

「今回は太股とあそこの感触を楽しんで、次はストッキングの感触を楽しむ。これぞ一粒で二度美味しいという奴やなぁっ」

ストッキングとはそんな使い方をする履物なのだろうか。
きっと違うだろう…多分。

それよりも…その…

「ん? 愛子は膣内(なか)の方が良いのか?」
「ひぇっ!? そ、そそっ…そうじゃなくて…こういう変態っぽいのよりぃっ…って、いきなり入れっ…くぁっ…っは…」

まるで私の考えていることなどお見通しと言わぬばかりに、私の考えている事を彼は言い当ててしまう。
そんなに、私は『入れて欲しい』という顔をしていたのだろうか。

さっきまで太股に、あそこに擦り付けられて…私の愛液でぬるぬるになった横島君のが私の膣壁を割って入ってくる。
横島君のから霊力が零れているのだろう、『ビリビリ』とした強い快感が下から一気に頭の先まで貫いてきたのだ。

『横島君、ごめんね』と心の中で一応謝っておいた方が良いのだろうか。
これで彼は『机とヤっちゃった男』として、後世に語り継がれる事になるのだから。


「やっ…はっ…横島っ…く…んんっ…耳元っ…で、囁くのだめぇっ」

横島君ので膣内をかき回されるだけでも意識が保てなくなる程に凄まじい快感が走っているのに
耳元に熱い吐息を吐きかけながら『愛子…愛子…』って囁いてくるのだ。

意識がぼやけてくる。
強い悦楽に意識が翻弄されて、それに呼応するかのように

亜空間の教室が崩れ始めてきたのだ。
この空間全ては、私が管理しているのだ。その管理している私が意識を失えば…

いけない、このままだと亜空間の歪(ひずみ)に横島君が引きずり込まれてしまう。
そう思って、何とか力を振り絞って彼を実空間に吐き出そうとしているのに

「はぁっ…はぁっ…もう、もうそろそろ…出るぞっ…」

周りの景色が変わって来ているのに全く気付いていないのだろうか
亜空間から実空間に移動している最中ですら彼の腰の動きは止まるどころかさらに激しくなって

「な、何とか…間に合っ…やっ…深っ…出て…んぁぁぁっっ!!」

闇に沈む亜空間から寸前で出たは良いものの、場所も考えずに吐き出したので横島君は思い切り尻餅をついてしまい
さらに私を強く抱きしめていたので彼が床に落ちた瞬間、彼のが私の子宮口を思い切り押し上げていた。

私の本体である机が倒れる凄まじい音に紛れながら、私の絶頂の嬌声が教室に響いていく。
同時に彼も射精(だ)していたのだろう。
『びくびく』と震えながら、熱い精液を私に膣内射精(なかだし)していた。


「あ…あははは…すみませんお楽しみの所…ご、ごゆっくりぃー!!」

既に暗くなった外とは裏腹に、電気で明るく照らされた教室。
言い訳を言う暇も無かった。
私と目が合った瞬間…バツの悪そうな苦笑いをしらながらピート君は、『ボクは何も見てないーっ!』と叫びながら走り去ってしまっていた。


「夜の密会…そして不純異性交遊。これも青春よねって…横島君どうしたの?」

ピート君に見られたからだろうか。それとも、一回…出しちゃったからだろうか。
横島君は『ヤっちまった』と小さく呟くように連呼しながら、はらはらと涙を流していた。


もしかして、横島君が経験豊富な理由って
こうやって暴走して抱きついてくるのを、彼の事を好きな子が抵抗せずに受け入れているからかもしれないなと、そう思えるのであった。



それから暫くして、横島君が『クリスマスプレゼント』と言って私にも履けるストッキングを持ってきたのは想像する必要すらない話である。
もちろん…

「やっ…ストッキングが汚れちゃうからぁっ」
「なはははっ、えぇやないか!えぇやないかっ!!」

私と横島君の、夜の不純異性交遊は続いている。
やっぱり、してはダメって言われる事をしたくなるのも青春よねっ!



はしがき

愛子のストッキングをお送りしますゆめりあんでござります。
女子高生のストッキング…良いですねぇ。
私が高校の時はストッキング禁止だったので、寒かった寒かった…

過ごし易い世の中になったものです。


…え? 良いの意味が違う?
きっと気のせいですよ?


では、また次回に。

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