些細な普通 |
「おかえり」と「ただいま」がある冬の日の君の瞳の色した夕焼け 透明な光ふりそそぐくつくつとスープが煮立つ君のいる朝 やわらかな光を反射する霜がガラスをうめるとなりには君 「少し風邪ひいた?」君のあたたかできれいな指が額にふれる ひとりじゃない 例えばおなじはみがきのコップに2本ささった歯ブラシ 今晩はなべを作ろう白菜をひと玉買ってふたりで食べる 寒ければ君のベッドにもぐりこむ 人の膚ってあたたかいんだね
手に入れてはいけないはずのたくさんの些細な普通を 君は、くれたよ。
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