信(てがみ)



霙降り寒き夜すがら赤々と

埋火起こし独り居る

その窓の辺に忍ぶ草

且つ繁りつつ徒に

うつろはんかな きみ待ちがてに


唐突に生まれた海より偶然に生まれた我ら長き信(てがみ)書く

「頑丈に誰かに遭うまで壊れずに」武骨に作られる信(てがみ)託す船

一生をその船のボルト一本に捧げるような人らの見る夢

地球という場所ではもっとも安定な元素で鍍金されゆく信(てがみ)

旅人と名付けられたる鉄塊は例えばイオに海を見つける

1立方メートルに原子2.3個の密度の中を漂う鉄塊

原子力電池は寿命とうに尽き最後のスイング・バイは天王星(ウラヌス)

加速せず減速もせず晴れ上がる宇宙(そら)で誰かと出遭う日を待つ

原子力電池もつきて金色の信(てがみ)も絶対零度で漂う

敬礼で見送る誰も肉眼でとらえられなくなったその船



我々が絶滅の種となりし日も旅人は二人旅を続ける




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