□HAPPY MERRY BIRTHDAY TO YOU□


 何でナミがあんなに怒っているのか少しもわからない、といった風でルフィは腕を組み頭をひねりながら、月明かりの甲板をなんとなく歩いていた。とりあえず散歩をしたい気分だったから散歩をしているのだが、狭いゴーイングメリー号はあっという間に一回りだ。

 サンジのメシはうまいと思う。
 最高のコックを手に入れたとルフィは確信していた。

 勝手なことばかりして(その最たるはドラムだ!あの白熊が助けてくれなかったらもっと大変なことになっていた)いるサンジだから、今回も勝手なことをしそうだとルフィは思った。

 ナミの誕生日だってそうだ。
 サンジの料理が豪華じゃなければあやうく気付かずに通り過ぎるところだった。
 だからサンジの誕生日にサンジは絶対に自分でご馳走作ったりしないだろうから、せっかくサンジがこの世に生まれた日というのをそのまま通り過ぎることになるだろうのがルフィにはいやだったのだ。
 この船のクルーに出会えたのは、この船のクルーがこの世に生まれてきてくれたからだ。

 ゾロも、ナミも、ウソップも、サンジも、チョッパーも、ロビンも。

 この世に生まれてきてなければルフィと出会うこともなくこの船に乗ることもなかっただろう。

 それだったら。
 そんなクルーが生まれてきてくれた誕生日という1年に1度しかこない日は徹底的にお祝いしたいのだ。
 しかもサンジのうまいメシがついてくる。
 お祝いせずにはいられようか。

「んじゃーちょっくらプレゼントでもみつくろうかな」

 ルフィの口からそういう言葉が出るとは全く驚きだったが、本人は口笛を吹きながら、目的の方角に歩いて行った。
 ちなみに、ルフィがサンジの誕生日を3月2日だと知ったのは、というよりサンジの誕生日だと決めつけたのは、勿論その語呂からだった。

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 サンジの誕生日まで毎日更新しますです。

2004年2月24日



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