ランバート×茉理⇒始×茉理 (あとのまつり(3-233)さん&偽あとの氏(3-436)さん)




「ククク、竜王たちはまんまと罠に嵌ったようだな」
ランバート(を乗っ取ったもの)は含み笑いをしながらグラスに入ったウィスキーを飲み干した。
核ミサイルを止めるため竜身に変化した竜堂兄弟は幌金神縄という宝貝で絡めとられた白竜王を追って
月面まで誘導されたのだった。
「こちらはこれで良い、よし行け!これで竜王たちはやつらの救援はできん」
ランバートは香港にいる部下に命令した。命令を受けた部下は異形の怪物たちを解き放った。
香港の夜景には不似合いの怪物たちが標的のいる亜南飯店に向かって飛び立っていった。

「始さんたち、大丈夫かしら」
半壊状態の亜南飯店の一室で茉理が呟いた。
「心配ないさあの4人なら、きっと無事に帰ってくるさ」
心配そうな茉理に蜃海が慰めるように言った。
気休めだな、と思いながらも虹川も水池も同じ気持ちであった。

ガシャン!!!
窓ガラスの割れる音が部屋中に響いた。割れた窓からは異形の怪物が何匹も入ってくる。
「飛天夜叉!!」
茉理が声をあげると同時に水池が持っていた銃を飛天夜叉に向けて撃った。
弾は飛天夜叉の左肩に当たった。水池は何発も飛天夜叉に向け発砲し何とか1匹を倒した。
「逃げろ!茉理君!!」
蜃海が叫んだ。だが飛天夜叉の数は多く、虹川、蜃海、水池はすでに自分たちのことだけで手一杯の状態となってしまい
茉理とはだんだん引き離されていった。
「きゃあぁぁぁ!!!」
茉理を追い詰めた飛天夜叉が茉理を2匹がかりで押さえ込みそのまま飛び立った。



「ん、ここはどこ」
豪華なベッドのなかでようやく茉理が目を覚ました。そして今までのことをゆっくりと紡ぐように思い出していく。
「・・あのとき亜南飯店で、さらわれて・・注射を無理矢理打たれて・・・」
ガチャ、思考の途中で部屋のドアが開き見知った(知らなくてもよかったが)男が入ってきた。
「やあミス・トバ、久しぶりだ会えて嬉しいよ」
ランバートがあきれるほど陽気な声で茉理に挨拶をする。
「やっぱりあなただったの、だんだんやることが日本の政治家のように下劣で強引になっていくわね」
「なにあの3人と1匹なら無事なようだよ。飛天夜叉たちは無数の鳥に追い払われたっていうから」
信用できるかどうかはわからないが蜃海たちの無事を聞いて茉理は安堵した。
「それでここにわたしを連れてきたのはどういう用件なの」
「なに簡単さ、もうじきここに竜王たちが乗り込んでくる。正義の味方のようにね、となるとここは悪のアジト
悪のアジトには囚われたお姫様が定番だろう」
身振り手振りをまじえながらのたまうランバートにあきれながら茉理が問い返した。
「人質って訳、あまり効果はないわよ残念だけど」
これまでも竜堂兄弟のやり方を見ている茉理には滑稽としか思えないが、ランバートの笑いの底に不気味なものを感じていた。
「・・・効果はある・・」
ランバートの口からランバートではない者の声がした。
「・・効果はある!!」
もう1度叫ぶとランバートは頭を抱え苦しみだした。まるでその者の出現を拒むように必死のように見える。
(同じだ)と茉理は感じた。香港で見たあの時と同様ランバートが変化していくあの牛頭人身の怪物に・・・


変化が終わったランバート(というより牛男)は茉理に近づきさらに言葉を続けた。
「効果はあるのだ、お前が我らの人質となれば竜王どもはともかく崑崙の連中は手を出せん!
さらにお前をダシに竜王どもと崑崙を切り離すことも可能だ」
牛男が茉理を押し倒しチャイナドレスを引き裂いた。
「何するの!人質は殺したら効果はないのよ!!」
「殺しはせん、お前は俺の慰みものだ」
そう言いながらさらにチャイナドレスを破いていく、茉理の白い肌が牛男に晒された。
「力ずくで女をものにしようなんて最低ね!!」
茉理が牛男を睨み付けながら叫んだ。
「奪い、姦し、殺す、これが我ら牛種の業だ」
茉理の耳に生臭い息をかけながら牛男は茉理の手をベッドに縛り付けた。


牛男の手が茉理の白い乳房を揉み始めた。張りのある感触が牛男を満足させる。
「小娘と思っていたが、良い肉体をしているな」
そう言いながら茉理の胸を揉み続け、さらに舌を伸ばし首筋から耳にかけて舐め回した。
「・・くッ・・うう・・」
おぞましさと嫌悪感で茉理が身をよじる。
さらに牛男の舌が体の下に流れ揉んでいた乳房を舐め始める。茉理は目を閉じ口をつぐんでじっと耐えていた。
「はァ!あァ!」
茉理の体がビクッと跳ねた。牛男の舌がピンク色の乳首に触れ軽く噛んだのだ。
「ククク、乳首が感じるのか、もっといじってやるぞ」
牛男が茉理の乳首を何度もつまみ、舐め、さらに噛んでいく、そのたびに茉理は体をよじらせていった。
「乳首はもういいだろう、今度はここを試してみるか」
そう言いながら牛男は茉理のパンティに手をかけていった。
「そ、そこはいや!」
茉理が脚を閉じ必死に抵抗する。
「フム、仕方ない」
牛男はベッドの柱に茉理の脚を鎖で固定させた。茉理の脚は大股開きのまま閉じることもできなくなった。
改めて牛男は茉理のパンティを切り裂いた。パンティがシーツの上に落ち、牛男の前に茉理の秘密の花園が広がった。



ふっくらとした恥丘に牛男は手を伸ばし黒い森に覆われた場所をかきわけていった。
「やめて!触らないで!!」
茉理が牛男を睨みつけ叫んだ。だが牛男は茉理のアソコに手を触れ周りを弄るように撫でていった。
そして閉じられたままの茉理のアソコを指で押し広げていった。
「クククまだ膜があるな、青竜王とはまだ交わっていないのか」
牛男の卑猥な問いに茉理は横を向いて答えなかった。ただひたすら声を発せず歯を食いしばって耐えている。
そんな茉理をいたぶるかのように牛男の指は茉理のアソコを弄んでいく、やがて牛男の指が隠れていた小さなピンクの豆を剥き出していった。
「ひゃぁ!はぁ!」
そのピンクの豆に触れた瞬間、茉理の体がビクッと弓なりになった。
「ククク、ここが感じるのか誰にも見せたことのないこの部分が、ん〜?」
牛男が茉理の耳に囁くように問いかける。その間もクリトリスへの愛撫を続けていた。
「・・そ・そんなことない・・感じてなんて・・いないわ・・・」
強がる茉理だったが牛男の愛撫を受けるアソコからは意思とは無関係に愛液が溢れるように流れてきた。
「強がるな、ココからはお前が感じている証拠が溢れているぞ」
牛男が愛液で濡れた指を茉理の口に入れかき回した。
「ククク、さらに感じさせてやるぞ」
そう言うと牛男は茉理のアソコに頭部を埋め長い舌を伸ばした。大陰唇、小陰唇を丹念に舐めまわし
溢れてくる愛液を音を出してすすっていった。
(・・あぁ・もうやめて・・なめないで・・)
茉理は声を出さずに耐えていたが体は震えていた。やがて牛男の舌がクリトリスに触れた。
「・・ひゃあ!!はあ!!ああぁぁぁ!!!・・・・・」
クリトリスを舐められ軽く噛まれた茉理は魚のようにビクッと跳ねた。
「・・は・・・始・・さ・・ん・・・」
そう呟いて茉理の意識はだんだん薄れていった。

「グムーーーーーッッッ!!!」
真っ赤に上気した表情から漏れる淫らな吐息をする茉理をみた牛男が雄叫びのような声をあげた。
牛男は表情こそ人間には変わってないように見えたが明らかに興奮して理性を失ったようだった。
ビチッ!ビシッ!ビリッ!ビリッ!ビリーーッッ!!!
牛男の着ていた高級スーツが膨張した体に耐え切れず破れて散っていった。
「ヒィ!いやあァァァァァァァ!!!」
我に返った茉理が全身を黒い体毛で覆われた牛男を見て悲鳴をあげた。手と足以外は本物の牛とまるで変わらない
そして何より茉理が驚いたのは30センチいや40センチはある巨大な男根だった。
「グムーーーーーッッッッ!!!」
牛男は茉理に襲い掛かり強引に覆いかぶさった。だが茉理は身をよじらせベッドのシーツをつかんで必死の抵抗を見せた。
牛男は身を固くして抵抗する茉理をいたぶるかのように長い舌を延ばし茉理の耳を舐め回していった。
「クッ、ンン、いや!やめて!!放して!!」
牛男も意外な茉理の抵抗に辟易していたが、やがて手を茉理の膝から放すとその手で茉理の顎をつかんでいった。
茉理にとって不幸だったのは大声をあげていたため口を開いたままであったことだった。
口を閉じられないように牛男は茉理の顎をガッチリと掴んでいた。やがて茉理の眼前に巨大な男根が迫ってきた。
「ンーー!ウーー!ンンン!!!」
首を振って抵抗する茉理だったが牛男はそれに構わず茉理の口の中へ男根をねじ入れていった。
あまりの大きさに茉理の顎は外れそうになった。さらに物凄い悪臭が鼻を突いた。
「んぶう!んぐう!!んんーーー!!!」
茉理の口腔内の圧迫感とぬくもりで牛男はすぐに射精した。俗に言う「牛の一突き」というやつだ。
だが牛男は茉理を放そうとせず射精の余韻をじっくりと味わっていた。茉理は息苦しさに耐え切れず
牛男の精液を喉の奥から体内へと嚥下していった。




存分に余韻を味わった牛男はようやく茉理を解放した。
解放された茉理は激しく咳き込み嗚咽をもらした。自分の非力と始に対する罪悪感、そして牛男への怒りで・・
そんな茉理の気持ちも知らず牛男は立ち上がるとまた茉理に近づいていった。そのときである。
ガンッッ!!
牛男の頭を茉理が側にあった壷で叩きつけたのだった。これには牛男もたまらず頭をおさえてうずくまった。
その間に茉理は牛男をはねのけ部屋から飛び出していった。薄暗い廊下を茉理は必死に走っていった。
廊下はただの一直線であり身を隠す部屋などは一切なかった。つまり敵を迎撃するには絶好といえた。
だが茉理にとっては少しもありがたくない、全裸で走っているので替わりの服を調達したいところなのだ。
ベッドのシーツでも奪えばよかったのだがいまさら言っても仕方がない。
「こんなとき映画やドラマならドレスの入ったクローゼットのある部屋があるものだけど・・・」
だが現実は薄暗い廊下が延々と続くだけ・・四人姉妹の荘園の広大さに呆れるばかりであった。

何度目かのドアを開けたときに視界が開けた。といっても外に出たわけではなくそこはサンルームだった。
だが先程まで何十分も走った廊下に比べるとはるかに明るく開放感はある。
そのサンルームはいくつかの部屋に通じているようだった。まず茉理は服と靴を調達するため
その部屋のひとつへと入っていこうとした。
「きゃあァァァ!!!」
ドアを開け室内に入ろうとした茉理の目に怒りに震える牛男が立っていた。
「な、何でどうして・・・」
あまりのことに茉理もそれ以上言葉が出ない。おそらく先回りしていたのだろう。なにしろここは牛男の城なのだから。
茉理は身を翻し走ろうとしたが躓いて倒れてしまった。牛男は茉理に迫ると押さえつけ手錠をかけた。
そして手をふさがれた茉理の股を開かせそのまま持ち上げるといまだに怒張している男根を茉理のアソコにこすりつけた。


手錠を掛けられた両手はそのまま室内の飾り彫刻に引っ掛けられ
茉理は軽く爪先立ちをさせられる格好となってしまった。

目の前には猛り狂う牛男、そして股間に押し付けられるおぞましい一物、
さすがの茉理もとうとう意識を手放す寸前にまで追い詰められていた。
「は、じめ…さん…」
せめて心だけは最後まで折れないように、愛しい男の名前を小さく呟く。


ッガーーーーン!
重厚なマホガニー製の扉がベニヤ板のようにたわんだかと思うと
蝶番と木片を盛大に撒き散らしながら内側に大きく吹き飛ばされた。
涙の膜の向こうに見えたのは幻ではない、何度も何度も繰り返し
その姿を願っていた人―竜堂始。

「茉理ちゃん!無事か!」
「始さん、始さん、始さん!」
いま自分がどんな格好でいるかなんて意識はすっかり飛んで、
始への絶大な信頼感と安堵とで茉理の心には生気が一気に蘇った。

「っほ〜う、王子様のご到着だね」
先ほどまでの本能をむき出しにした様子から一転して似非コメディアンの
口調に戻った牛男は始にバカ丁寧にお辞儀をして見せた。

「彼女から離れろ!お前の目的は俺たちだけだろう!」
始の怒声をまったく意に介さないまま、牛男はダラダラと言葉を続ける。
「これが映画なら王子はお姫様を助けてハッピーエンドとなるわけだが…
 もし、王子様がここでご乱心したらどうなるんだろうね?
 なかなかに斬新な展開、見ものだとは思わないかね?ウウン?」
「お前、いったい何を言って―」
「まあまあせっかちなジャパニーズ、今から退きますよ。クク…」



確かに牛男は茉理からおとなしく離れた。
だが巨体の牛男の体の後ろで、茉理がいったいどんな姿にされていたのか
茉理が拉致されたと知って矢のように飛んで救いに向かった始は
そこまでの予想をしていなかった。

牛男の真黒な巨体が横にずれると、茉理の姿が徐々に見え出す。
奴との十分距離が開いたら、即座に彼女を安全な場所に逃がそうと
待ち構えていた始は目にした光景に目の前がぐらりと揺れた気がした。

いや気ではなく、実際に始は床に膝をがっくりとついていた。
自分が自分でないような、そんな制御しきれない感情が衝動的に沸く。
頭を振ってその悪寒から逃れようとするが、うまくいかない。
だが彼女は早く逃がさねばならない。始の中に残る意志がそう告げ、
どこか神経が食い違ったままの体で茉理の方へと歩き出した。

「始さん…」
一瞬膝をついてしまった始にヒヤリとしたものの、こちらに迷いなく
まっすぐに向かってくる姿に今度こそ安心を覚える茉理であった、が
その余裕が出た分、自分の姿を恥じらう感情が戻ってきた。
果たしてそれが通じたのか、全裸の茉理の前に立った始は
シャツのボタンを外し、袖を抜き、上半身裸の状態となった。
そのシャツを羽織らせるつもりか…と思ったらそれを床に放り投げ
茉理は両手を上に吊られたまま始に強く抱きしめられていた…!


「は、はじめ、さん??!!」
「無事で…良かった」
「や、あの、ちょっと待って?ねえ、始さんってば!」
「茉理ちゃん…」
「始さんじゃないわね!あなた誰なの!!」
「俺は俺だよ」
「違うわ!」

きっぱりと言い切った茉理であるが、始の状態を見て愕然とした。
目の焦点は合っておらず、身体は異常に熱っぽいが顔は満面の冷や汗で青ざめている。
口元は固く噛み締められ、時おり震えさえしている。
(これは…一体どういうこと?!)
音声ではない、脳に直接入ってくる軽薄な口調が茉理の疑問に答える。
「クク…さすがに聡いねミス・トバ。なに、たいしたことじゃないさ。
 彼の高潔な人格とやらをね、まあ君たちが下種とやら言う牛種の方へ
 少々、スライドさせただけだよ。仕掛けるチャンスが君の姿を目にする
 その一瞬というのが難所だったけど、まあ今回は上手くやれた方だね。」

「なんでそんなことを!」
「これまでの経験則を踏まえてね、うん。君たち一族の結束は非常に固い。
 なにより、長兄の統率が抜群だ。彼が堅牢である限り、物量的な力で
 君たちを叩こうとしても、それはより強く弾き返される。そうだろう?」
茉理の返事を待たず
「―だから、彼の精神を潰すことにした。
 彼の自信と自負は彼自身の理性への信頼感からきている。
 もし、彼が自分の暴走を知っていながらも止められなかった
 そんな、失敗を冒してしまったとしたら…どうなるだろうね?クク…」



精神をコントロールされているといっても、始が自分を抱きしめている状況に
呆然状態の茉理であったが、そんな陰湿な計画を聞かされて黙ってはいられない。
「そんな酷い!止めて!いますぐ術を解きなさい!」
「彼の一番の理解者である君がそういうのだから、これは極めて有効と
 いうことかな?それにね、私はたとえて言うなら銃の安全装置を解除した
 だけであって…つまり彼の今の行動はより本音に近いといえないかね…?」
「鍵を壊して車を盗んでおきながら、事故の責任は車の持ち主にあるだなんて
 そんな詭弁、通るもんですか!」
「まあ、そう言わないで。君も楽しんだらどうだい?ここで初体験というのは
 レディにとっては不満だろうけどね。でもご希望通りの男だろう?」
声がするには牛男はまだこの場にいるのだろうか、姿は茉理の視界からは確認できないが
牛男がニヤリと口を歪めて笑っているような気配はこの部屋に満ち満ちている。

(とにかく、始さんを正気に戻さなくっちゃ)
気は焦るものの両手の自由は利かないし、始にはしっかりと抱かれたままだし
打つ手なしと思われたが、茉理は諦めはしなかった。
だが、その間にも茉理の身体に始の手はのびていく。
背筋を優しくあやすように撫で擦られ、うなじにそって唇が沿わされるまでは
まだ耐えられた。身体を固くしてなんとか快感をやりすごしていると
始の腕がゆるんで、茉理の身体はいったん解放された。
(始さんの意識が戻った…のかしら?)

と思ったのもつかの間、より茉理の心は追い込まれる事態となった。
―見られている。
恥ずかしさのあまりとうとう顔を横に背ける。始の意志ではないと分かっていても
目の前にいるのは始その人なのだと思うと心臓が勝手に走り出す。
ほどよい豊かさの胸、それに続く優美なウエストのくびれ、その下の柔らかな叢まで
にも目は走らされる。
(いや…初めて男の人に…そんなに見、ないで…)


そして磁力に引かれるかのように胸に手がのばされ、包み込まれた。
逃げることも出来ず茉理の身体は軽く反応してしまう。
牛男がそこにいるというのに乱れてなるものか、という固い気持ちはかえって
奥から湧き上がってくる快感の出口を失わせ内側の圧力ばかり高まらせていく。
さらに追い討ちをかけるのが始の声で囁かれるまさかの言葉。
「こんなに綺麗だなんて…驚いたよ」

指を食い込ませるようなことはなくやわやわと膨らみをもみしだかれ
ついに押し殺したような声が茉理の口からもれる。
「んん…ぁぁ…」
その声に反応したか、始の頭が下がり彼の口が彼女の桜色を吸い始めていく。
「あっ」
今まで必死でこらえていたが、たまらず茉理は声を上げる。

「くっくく…」
牛男の冷笑を聞いて、必死に理性で踏みとどまろうとする茉理であったが
始の攻めはそれを押し崩すかのようにさらにエスカレートしていく。
乳首を吸われたまま、さらに舌でそれを舐め上げられ身を捩っている隙を狙って
指が下腹部にのばされていく。
けっして乱暴ではなく、密やかに反応を探るように股間を探っていく。
先刻まで牛男に弄られていたせいもあって、始の手ということも手伝ってか
あっという間に茉理の谷間は湿り気を増していく。

幾度も敵を叩きのめしてきた手ではあるが、それは節くれだった指でなく
貴重な古書を丁寧に扱うのが習いとなっているその手。
書庫にこもって活字に熱中する始に、軽食の差し入れをしながら幾度となく
古びたページを丁寧にめくる手つきをひそかに眺めたりしていたものだ。
その手が、自分に触れている…ひょっとしたら本よりも繊細な手つきで。
今の状況から意識をそらそうとしたはずなのだがまるで逆効果になるとは
茉理自身、快楽に流されつつある証拠であったかもしれない。


耳をふさぐことも出来ず、湿った音とそこが熱く潤む感覚とで
自分がいまどんな状態にあるか嫌でも思い知らされる。
さらにこうも乱れた自分を始に知られてしまっているのだという羞恥は
さらに茉理の官能を煽り、今はただ唇を噛み締めて耐えるしかなかった。
が、その辛く耐えるような表情でありながらも時おり洩れる甘い吐息は
図らずも火へ油をそそぐような格好となってしまっている。

一方、始の方も死に物狂いでちりぢりになった己の精神を元に戻そうと
欲望の激流に押し流されるギリギリの淵で必死の努力を重ねているのだが
あまりにも甘く蠱惑に満ちた目の前の光景は幾度も彼を躓かせる。
「あ…だめ、よ」
それは始にとってすでに制止の声ではなく茉理の性感帯を教える声。
逆にこじ開けたいという欲望を掻き立てる、閉じられた両膝。

脳内に充満する黒く熱いモヤが途切れる合間合間に茉理の様子が
断片的に思考に飛び込んでくる。
今、彼女は唇を白くなるまで噛み締めてかすかに首をふっている。
ときおり鼻にかかる息で、彼女が懸命に声をこらえているのを覚った
始は、乳首から唇を離すと今度は茉理の耳元に口を寄せて囁いた。
「声…我慢しなくていいから」



茉理の固く強張った唇を解きほぐすように舌で軽くなぞり、
唇で唇を割って入りこんで吐息を全部吸い取るかのように深く吸う。
茉理の反応に次第に柔らかさが増し、くぐもった、しかし明らかに
快感に濡れている声が上がりはじめている。
(いっそのこと俺の舌を噛んでくれたら…)
牛男の意のまま墜落へ引き落とされるのを断固拒否、抵抗し続けている
一筋ほど残った理性がそんなことを思わせる。

だが…果たして彼女はそうするだろうか…否。
自分の状況よりも、相手の事情に重きをおくような子なのだ、
本来の意志―かどうかは保留としても―こんな状態の俺に攻撃を
しかけて是とするような価値観は持ち合わせていない女性なのだ。
その結論に始はほのかな満足感を覚えたが、それよりもあとどれほど
正気を保っていられるのだろうか…それも時間の問題のような気がして
その時初めて、絶望という言葉が始の脳裏にゆらりと立ち上がってきた。

(もう、このまま流されたい…)
初めて与えられた深い口付けと、快感の中心点をゆっくり撫でられる指に
ややもすると意識を飛ばしそうになる寸前にまでいっている。
膝を閉じ合わせる気力も体力もとうに尽き、それでも耐えているのは
始を想うがゆえの心である。
元に戻った後、始は己を責めて許せないであろうことは容易に想像できる。
そうやって彼の精神に亀裂を生じさせるのが牛男の卑劣な目的なのだから
私が、ここで頑張らなくてどうしようっていうの!
けれども身体の方が先に心を裏切っていく。いまだ両手を上に吊られて
自由の利かないままの茉理の身体は、始の愛撫に一層熱を帯びていった。





身体は確実に快感に震えているのはとうに知れているというのに
茉理の心は崩落を頑なに拒んでいる。
(…崩してやりたい)
じわりと始の中の黒さが勢力を増し濃くなっていく。
彼女の膝の裏に手を差し入れ片足を持ち上げると中に指を差し入れた。
「〜〜〜〜〜〜!」
ふさいだ口から声にならない声が洩れる。
滴るほど濡れているそこに、もう一本追加する。
「いっ!」
瞬時眉をしかめた茉理を見て膝を付き、愛撫にすっかり綻んだ華の頂点に
舌を這わせると、茉理の口から紛れもない喘ぎ声が絶え間なく漏れはじめた。
その様子にようやく始は満足したが、この心境の変化に始自身、愕然としていた。
(もう俺は、俺じゃなくなっているのか…?)
己の躊躇を置き去りにして、始の指と舌は茉理を追い上げる。
「あ、んんッ! はぁ、ああああアアアっ!」

くたりと体の力が抜けた茉理の身体を支えるのは宙に吊られた両手首だけ。
ついに陥落した茉理をその目と指に伝わる痙攣とで確認しながらも
この獰猛な気持ちは一向に治まる気配を見せない。


(…違う。“俺”が彼女に欲情しているんだ)
生まれたときから知っているという幼馴染という状況がそれを思うこと自体
回避させてきたのかもしれないが、そのストッパーが外れた今では
目の前の幼馴染の女の子は、瑞々しい色気を湛えた女へと変わっていた。
茉理をそんな目で見たのは初めてだが、その衝撃は始にとって不快なものではない。

上気してピンク色に染まった肌と、さらにその色が凝縮したかのような
脚の付け根に淫靡に開いた華。白く滑らかな脚を伝った愛液は床に染みを作っている。
なんて、綺麗で淫らな姿なのだろうか。
凶暴なものではない、別の違う気持ちが始の中で勢力を拡大しつつあり、体内の熱は
変わらぬまま一つの目的に向かって体が動きはじめる。
前を緩め窮屈であった自身を解放すると、熱くそそりたった剛直が露になった。

「やあやあ、とうとうクライマックスだねえ、ククククク。どうだいお二方、
 今の気分は?」
得意の絶頂にあふれた牛男の声にも始はもはや動じはしない。
いまだ精神は暴風に荒れているが、始は己の腹を決めていた。
その覚悟を指針として、始はじりじりと正気に向かって歩きだした。

「茉理ちゃん、辛くなかった?」
「辛くなんかない、わ。手がずっと…優しかったもの」
「君が、欲しい。これは俺の、本当の気持ちだ」
先刻とは違い、いくぶんか生気が戻った始の目に迷いはない。
腰を抱え上げられ、浮いた両手首が彫刻の引っ掛かりから外されると
茉理はそのまま両手を始の首におろし自分からそっとキスをした。
「始さんと一緒なら何も怖くないわ。私も…始さんが、欲しい」
「すごく嬉しいよ」



これまでに経験はないが、頭にはある知識と今の体験とでこれから
どうすればいいのかは分かる。そのままクチリと入り口に押し当てる。
茉理を滑らかな彫刻に持たせかけて、下から掬い上げるように貫く。
一番太いところがゆっくりと飲み込まれた後は、すんなり奥まで収まった。

「フハハハハハ!!とうとう竜王も地に落ちたか!ざまもない!
 取り返しのつかない後悔に苛まれ苦しむがよい!!
 ……なにぃ!!」
ここで牛男は愕然となった。
二人の嘆きと怒りが部屋に満ちると思われたのだがそんな気配はみじんもない。
性の交わりはすべからく劣情から生じてくるものだというのが牛種の価値観であり、
至高の恋情で結びあう性愛というものが存在することを知らなかったのである。
「こ…これは一体…!?」
二人の心に満ちる光は四肢の隅々にまで行き渡っていく。
始の精神の片隅に入り込んで巣食っていた牛男の精神体はその光に引き剥がされ
牛男の影響力は熱した鉄の上の水のように、あっというまに蒸発していった。

牛男の驚愕をよそに、始と茉理は己の感覚に向かって二人で走り始める。
熱く融けた茉理の中を突き回したい衝動を押し殺し、柔肉が馴れるまで
深く口付けながら、始は茉理の胸の先端をきゅっと摘んでは押しつぶす。
「ん、ふううっ」
茉理の身体がピクンと跳ねる。すでに痛いほどに尖った乳首を嬲られる快感は
体の奥底まで届き、甘い疼きが全身を廻っていく。
茉理の腰がかすかに揺れているのを知って、始も腰を大きく動かし始める。
腰を大きくまわしながら、浅く、深く、何度も突き上げる。
茉理のたおやかな身体は反りしなって強烈な快感に震えていた。


「あっはあっ、は、じめっさん!」
始の瞳が一瞬深いブルーに光り、首の後ろに片手を回すと手錠の鍵を指でひねり潰した。
そうして茉理の背中を支え、くるりと後ろを向かせ深く幾度も抜き差しをする。
茉理の胸には再び始の手が伸び、揺れる胸をもむと同時に片手は前に回って、
熱く濡れた突起を探りあて、なぞり上げる。
「ああっ…あ、あ、あん……やっ……ああっ!始さん、始さん!」
「くぅ…はっ……」
自分の嬌声を聞きながら、すぐそばで苦しそうな始の声を聞いた茉理の中で
熱いものが脈打ちながら弾けた。
膝がくずれ、始とつながったままその場に茉理は座り込んだ。


「ランバート様!竜が三匹、赤白黒そろっていま上空に!」
始から弾き飛ばされていた牛男の精神体は、室内のスピーカーからの
部下の悲鳴によって床に寝ていた身体に引き戻された。
「西A棟より出火!風に煽られさらに拡大の模様!!!」
鳴り響く非常ベルと脱出口へのランプが点滅し、牛男に早くの避難を促す。

目論見が外れただけではない、確実に別の苛立ちが牛男に湧き上がるが
これ以上ここに粘っていてはこれからの作戦に支障をきたしてしまう。
どたどたと廊下を走り、隠し通路に姿を消した。
最後に振り返った牛男の肩越しには床でさらに絡んでいる二人…
「勝手にやってるがいい!」




幾度も歓喜の波にさらわれて、茉理は始の胸にしがみつく。
自分の中で始が膨れあがるのが分かるほど研ぎ澄まされた感覚の中
今自分が感じているのか感じさせられているのか判別もつかなくなり、
二人の意識は白く炸裂した。
まるで射精をうながすようにきゅううっと収縮する茉理の中を、始のものが
びくびくと律動しながら熱いもので満たしていく。
その感覚に、茉理はさらなる高みへと舞い上げられていった。



―冷たい水が全身に降りかかる感覚に始の意識はクリアになる。
屋敷のスプリンクラーが作動して消火を始めたようだ。
傍らに横たわる茉理を見やると彼女もこれで目を覚ましたようである。
「茉理ちゃん、大丈夫?動けるかい?」
嵐のように荒れた精神状態から完全に立ち直った様子の始を見て
「ありがとう、大丈夫よ」
と、茉理は始を安心させようと微笑んでみせた。
「でも…疲れたかな。ちょっと眠りたい…」
極度の緊張から解放された反動か、暖かい始の胸に抱かれて
茉理は急速に重くなってきた瞼をそのまま閉じた。

脱ぎ捨てた衣服を身に着け、眠っている茉理に手近なカーテンを巻くと
大切に抱き上げて廊下に出た。
「兄さん!茉理ちゃん!無事でなによりです」
延々と続く通路の先から兄弟達が二人の姿を見つけ駆け寄ってきた。
三人ともどこか手近なクローゼットから見つけ出したのか
高級そうな生地の服を身に着けている。
「スプリンクラーで二人ともずぶ濡れかと思って」
気配りのいい続は二人分の下着と服を用意してきていた。



だが始の腕に抱きかかえられた茉理の格好を見て何か察したか
「こっちはちゃんと二人を連れて帰りますから、茉理ちゃんは
 兄さんにおまかせします。キーが刺さったままの車が車庫に
 ありましたよ、じゃあBホテルで落ち合いましょう」
茉理を車の後部座席に寝かせ発車させバックミラーを見ると
壮麗であった屋敷が無残に黒焦げ、崩れ落ちていく様子が映った。
何億という価値だろうが、始には何の感慨も湧かない。
ただ収蔵されてた数々の美術品の不運を思うだけである。

ホテルに向かって車を走らせながら、先ほどまでのことを思い返す。
牛男が謀ったような自己嫌悪に絡め取られるようなこともなく
始は、何も失ってはいない。
だがそれと茉理への気遣いはまったく別物で、現在始の心のほぼ全部は
そのことで占められている。
「ん…」
後部座席の白い肢体がわずかに動き、物憂げな声が上がる。
数十分かの眠りから覚めた茉理に気づき、始は路肩に車を停めた。
「そこに服があるから、どうぞ着替えてて。俺は外に出てるよ」
なんぞのブランドのワンピースを被りながら、いまさらながら
着替えに気を使ってくれる始に、茉理の内は暖かい気持ちで満たされる。
「終わったわよ、始さん」
「うん。」

なにか言いたいのだろうに、上手く言葉が見つからないのであろう
けれども目をそらさずにまっすぐ向かい合おうとする始を見ていると
さっき感じた気持ちは間違いでないことを心から確信する。
(私は、何も無くしてなんかない。それよりももっと…)
「始さんの気持ち、ちゃんと受け取ったからね」
「茉理ちゃん…」
「すごく嬉しかったの。本当よ?」
そうして茉理は花開くように笑って見せた。
気難しい顔をしていた始の顔が解け、笑顔で茉理にうなずいてみせる。

―それで十分通じ合う二人なのであった。これからも、ずっと。



      

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