ラインハルト×ヒルダ  シリアス(1-603さん)



「フロイライン」
「はい、陛下」
「帰らないでほしい。ここにいてくれ」
ラインハルト様の言葉が、私の体をすり抜けていった。
「今夜は、ひとりでいることに耐えられそうにないのだ。たのむ、予をひとりにしないでくれ。」
私の中に「ナイン」という答えはありえなかった。決して、権力者の横暴にひざまづいたわけではない。
未来への打算を思い描いたわけでもない。ただ、ラインハルト様のおそばにあることが、私に与えられ
た使命のように感じただけだった。
「・・・・はい、陛下。仰せに従います。」
長い沈黙のあと、私はベッドの縁に腰かけた陛下のもとへ歩み寄った。自分が、どんな顔をしていたの
かわからない。ただ、私をみつめる陛下の瞳に、これまで見たことのない悲しみが漂っていたことだけを
記憶している。
私は両手を広げ、陛下をゆったりと抱きしめた。アンネローゼ様がかつてしてさしあげていたであろうよ
うに、優しく、慈悲深く、陛下を包んでさしあげたかった。
陛下の白磁のようなほほが、私の胸の中にあった。その頭を柔らかく抱きとめながら、黄金の獅子に例
えられる髪をゆっくりとなでた。
陛下は泣いていた。冷たいダイヤのような涙が白皙の頬を伝い、私の胸を濡らしていく。
「フロイライン・・・。予は、予は孤独なのだ・・・。」
「私は、姉上を守る力がなかった。私は、キルヒアイスを救うことができなかった。姉上も、キルヒアイス
も、私を守ってくれた。だが、私には彼らが去っていくのを止めることができなかったんだ・・・・!」
それは、絞り出すような声だった。陛下の心の奥底にため込まれていた、覇者の孤独。
「私は多くの罪のない民を殺し、ようやく宇宙を手に入れた。だが、この寂寥はなんだ・・・すべてを手に
入れたはずというのに、私はすべてを失ったままだ・・・・」
私はただ黙って、陛下の頭を撫で続けていた。この方のすべてを受け入れよう・・・この方の強さも、弱さ
も、すべてを受け入れてお仕えしよう・・・私のなかに、はっきりとした意志が芽生えていた。



「フロイライン・・・頼む・・・予のそばにいてくれ。 もう、誰も失いたくはない・・・・」
窓の外の雨はいっそう強くなり、時折雷鳴とともに稲光が部屋を照らした。私は、陛下の前にゆっくりと
跪いた。ご安心ください、陛下。この、ヒルデガルド・フォン・マリーンドルフは、陛下のおそばをはなれま
せんから。そう言って差し上げたかった。
そのとき、ひときわ激しい雷鳴がとどろき、部屋のなかのすべてのものが、真っ白に輝いた。その瞬間、
私の唇にやわらかいものが押し当てられた。陛下の、唇だった。
体から力が抜ける。甘く、とろけるような口づけ。それは同時に、孤独を畏れ、救いを求める、悲しいキ
スだった。陛下が求めるままに、私は自分をひらいていった。陛下の舌先が私の中へとさしいれられ、
やがて私の舌とからみあった。柔らかく、あたたかく、愛おしくさえあるその舌の動きにすべてをゆだね
るうち、陛下は、私をきつく抱きしめていた。
雷鳴は、孤独を恐れる陛下への叱咤であったか。だが、孤独を恐れる者の心を、叱責によってひらくこ
とは出来ない。陛下の唇がはなれ、私の体が宙に浮いた。柔らかなベッドの上にふわりと横たえられた
のは、さらに二度、鋭い雷鳴がとどろいた後だった。
私を見下ろす陛下の目に、もう涙は浮かんでいなかった。そのかわり、あの戦場で見せるグリフォンの
目と、弱い者を踏みにじろうとする自らの横暴に対する嫌悪の目が渾然一体となって私を見下ろしてい
た。
私は、出来る限りの優しさで微笑んだ。私は、踏みにじられるわけではありません。私にできるすべてを
もって、陛下をお救いもうしあげたいと思っているのです。もしあなたが孤独を少しでも癒すことができる
のならば、私などどうなっても構わないのです・・・・。どうぞ、私を好きになさって下さいませ。
陛下の手が、スーツの上から私の胸を包み込んだ。感触を確かめるように、陛下がゆっくりとそれを揉
みはじめた。



「・・・・・・・ん・・・・」
それは不思議な感覚だった。今まで経験したことのない、淡くて甘い感覚が、私の中にひろがっていく。
陛下の指先に力がこもるたび、私の胸が少しづつ熱を帯び、それはやがて全身へとひろがっていった。
長く美しい陛下の指が、私の乳房のすべてを包みこみ、まるで楽器を奏でるようにゆったりと、リズミカ
ルにうごいていた。私は目を閉じ、名手に奏でられる楽器に心があるならば、きっと今の私のような心地
よさに包まれているに違いないと、ぼんやりと思い浮かべていた。もっと、もっと近くで私に触れてほし
い・・・。スーツの厚い生地ごしではなく、もっと肌にちかいところで・・・。私は、首に巻いたオレンジ色の
スカーフを自らの手で取り去った。
「フロイライン・・・・」
「・・・陛下・・・・」
陛下の声は、少し震えているようだった。私は目を閉じたまま、乳房をもんでいる陛下の手をブラウスの
ボタンに導いた。
「フロイライン・・・・いいのか?・・・・」
答える代わりに、私は自らスーツのボタンをはずした。そしてゆっくりと目を開け、戸惑う陛下の目を見
つめ、少し微笑みながら言った。
「・・・・・はい。」
「フロイライン・・・」
不器用に、だが、流れるように、陛下がブラウスのボタンをはずしていく。首筋から鎖骨、乳房へとの
ぼっていく胸の丘、そして、それを覆う薄く儚いブラジャーとスリップがあらわになっていった。
ボタンをすべてはずし終えた陛下が、私の上半身を抱き起こし、ブラウスをはぎ取るようにして脱がして
いった。繊細なイメージからは想像もつかないほどがっちりとした腕に炊き止められながら、私の体はど
んどん熱を帯びていった。スリップとブラジャーの肩ひもに、ラインハルトの指先がかかった。私は一瞬
身を固くして、男性の目の前に乳房をさらすという、はじめての経験に身構えた。ラインハルトが、私の
肌を覆う最後の薄布を一気に引きずりおろした。




「あ!・・・・・・」
それほど大きくない乳房が、プルンと揺れながら室内の冷たい空気にさらされた。私は恥ずかしさのあ
まり思わず両腕を前に組み、陛下の視線からこの胸のふくらみをかくそうとした。
「きれいだ・・・フロイライン・・・・」
陛下の鼓動が、私の体に伝わってきた。それは私の鼓動と同じように早鐘をうっていた。乳房を覆い隠
した腕に、陛下の手がゆっくりと伸びてきた。
「よく見せてくれ、フロイライン・・・・。そなたの、胸を・・・・。」
ラインハルトの手に促され、私は躊躇しながらも、ゆっくりと腕をおろしていった。徐々にあらわになる乳
房。その先端が、緊張のためか、ツンと痛いほどに立ち上がっていた。
「・・・恥ずかしい ・・・・陛下、恥ずかしゅうございます・・・・」
「いつもは強いそなたが、そのように弱くあるのを見るのははじめてだ。・・・・それに、このような美しいも
のに触れたのは、今夜がはじめてだ。」
陛下の美しい指が、私の小さな乳首を優しく挟み込む。
「あ!・・陛下!・・・・ん!・・・・あ!・・・・」
「フロイライン・・・?」
「あ・・・・あ・・・・ん! ・・・・いけま、せん・・・・ヒルダは・・・ヒルダは・・・・」
私は陛下の腕をしっかりと握りしめていた。爪が白磁のような肌に食い込む。いけないことだとわかって
いたが、だが、その力を抜いてしまっては、口から溢れる声を抑えられそうになかったのだ。
陛下が、手のひらで私の乳房を包み込んだ。ゆっくりと力がこもり、目の前の乳房が美しく形をゆがめて
いった。
「あ・・・ああああ!」
私は、夢の中をたゆたった。陛下の腕の中で、陛下の指先にもてあそばれながら、私は、生まれて初め
て、女として生を受けたことを感謝した。ベルトがはずされ、下着の中に陛下の指がさしいれられたのも、なにか遠い世界のできごとのようだった。私を、一段と大きな快感の波が襲った。



「あ!あ! あん! あ! ラインハルト・・さま!・・・・」
「フロイライン・・・」
今思えば、それは不敬にあたる呼びかけだったはずなのに、陛下は怒気を発することなく、私を愛撫し
つづけた。私は、今、幸せだ・・・・。そう思いながら、私は陛下にもたれかかり、夢の中をたゆたい続け
た。
一体どれほどの時間がたっていたのだろう。快感の波が引き潮のように去り、その余韻があたたかく私
を包んだ。体にまとわりつく布きれと化した服を陛下がはいでいく間も、余韻の中で、私はまるで人形の
ようにされるがままになっていた。下着が、スルスルと脚を抜けていく。生まれたままの姿になって、私
は今、陛下の目にすべてをさらしている・・・・
太股に陛下の手を感じた。ゆっくりと押し出され、私は大きく脚を開いていった。本当は恥ずかしいはず
なのに、そのときの私にとって、その行為すら快楽の一部だった。陛下にすべてを見ていただける。誰
にも見せたことのない、私の一番奥深い場所・・・。 視界に、豪奢な金髪がぼんやりと映り、かすかな穏
やかさを称えたアイスブルーの瞳が私をみつめているのに気がついた。
「陛下・・・・・」
「フロイライン・・・・。そなたに命ずる。この先、予が死するまで、予のそばを離れてはならない。」
「はい・・・・陛下・・・・お約束いたします・・・・」
両脚があわさる場所に、私の知らないものが触れた。
「フロイライン・・・・」
陛下のものが、ゆっくりと私の中へ押し入れられた。
「あ・・う・・・・あああああああああああああ!」
痛み? 灼熱? いや、まるで全身を太い棒で貫かれたかのような、喉から何かが押し出されるような、
異様な感覚が私を襲った。私は全身を硬直させ、弓なりに反り返ってその感覚に耐えた。
陛下は動こうとしなかった。私の体から力が抜け、はあはあという大きな息がおさまるまで、私をみつめ
たままじっと時がすぎるに任せていた。



「フロイライン・・・もう、これ以上そなたに近づくことはできないのか?」
「ああ・・・陛下・・・・」
「あたたかい・・・・フロイラインが、予を包み込んでくれている・・・・こんな感覚は・・・・そう、姉上とキルヒ
アイスがいた、あの頃以来絶えてなかった・・・・」
私の頬を、一筋の涙が流れた。やっと、やっと、私はアンネローゼ様やキルヒアイス提督の足許に手を
かけることができた・・・。陛下を、いや、この孤独な青年の心を、少しだけ温めてさしあげることができ
た・・・・
陛下の腰が、ゆっくりと動き始めた。全身のすべてを引き出されるような感覚、すべてを貫き、押し出さ
れそうになる感覚、そのふたつの感覚が、私を間断なく攻め立てた。口から漏れるのは喘ぎ声ではな
く、苦しみに耐える声だった。
「あ・・・ああ・・・・へ、へいか・・・・ひとつ・・・おねがいが、ございます・・・・」
「なんだ? なんでも言ってくれ、フロイライン!」
「・・・・うう・・・・キスを・・・・キスをしてくださいまし・・・・。 ラインハルト様の唇を・・・・どうぞヒルダにお与
えくださいまし・・・・」
「フロイライン・・・」
それは、甘美な口づけだった。舌と舌がからみあい、私たちは溶け合った。下腹部の感覚は徐々に失
われ、やがて、熱い塊がわたしの中をうごめくのを感じるのみになっていった。
陛下の腰が、すこしずつ速度をあげて私を攻めた。快感というにはまだ不明瞭な、だが、決して不快で
はないその感覚・・・・。
「あ! あ! あん! あ! ああ! あ!・・・」
もっと深く・・・もっと奥まで・・・陛下! 私の一番奥深くまでお進み下さいまし・・・私のすべてを、陛下の
ものに!
小さく熱い塊にすぎなかったそれが、徐々に下腹部全体に広がっていく。腰から下は溶けるように熱く、
全身もまたその余熱にあぶられて、徐々に熱をおびていった。
「あ! あ! ラインハルトさま! ラインハルトさまぁ!! 」


陛下の腰は、今や鋭く深く私をえぐりはじめていた。突き立てられる腰の動きに、わたしは文字通り翻弄
された。意識が飛びそうになるなかで、やっと見上げた陛下の顔が、まるで苦痛にたえているかのよう
にゆがんでいた。ああ、陛下・・・私の中で・・・私の中で・・・・・
「うぅっ!!・・・」
小さく鋭いうめき声とともに、熱いほとばしりが私の内側に放たれた。陛下のものは私の中で幾度も痙
攣を繰り返し、そのたびに、私の体はたっぷりと満たされていった。私の上に崩れ落ちる陛下。その体
は紅潮し、うっすらと汗がにじんでいた。

これが最後かもしれない。二度と、陛下と結ばれることはないかもしれない。だが、それでもかまわな
い。私は、この方のそばにいると誓ったのだ。一生に一度しかない、この初めての経験に誓って、生涯
をかけてこの方を包んでさしあげよう・・・・。私の胸にうずめられた、宇宙で最も豪奢な金髪を抱きしめ
ながら、私の胸に、この重い十字架をしっかりと刻みつけた。



保管庫top

テレワークならECナビ Yahoo 楽天 LINEがデータ消費ゼロで月額500円〜!
無料ホームページ 無料のクレジットカード 海外格安航空券 海外旅行保険が無料! 海外ホテル