所変わってここは都内某所にある安アパート、ここに現在3浪中の浪人生が住んでいた。彼の名は猿山・海記男(さるやま・うきお)、変な名前だが立派な本名である。
「はあ…今年も入れそうに無いな…。簡単に頭がよくなる方法が無いかな…」
有ったら作者が使いたい…、という事は置いといて彼は何で3浪もしているのか、何故なら彼が大の勉強嫌いだからである。『だったら何で大学に入ろうと思ったんだ!!』とおっしゃる方がいるかもしれないが、まさしくその通り!!!(おい!!!!)
冗談はさておき何故彼が大学に入ろうと思ったのか、それはこの話とは何の関連も無いので省略する(おい!!!!!)。
ある日海記男は趣味のインターネットをやっていた。彼は気に入ったページの更新状況を毎日確認するのを日課にしているのである。この日、彼は妙な広告を見つけた。
「『モニター募集』?何のだろう?」
海記男はその広告をクリックした。
「『我社が新開発した製品のモニターを募集しています』か…、バイトに丁度いいかもな。えっと…、商品の内容は…おお!これぞ僕が捜し求めていた物だ!!」
その商品とは、『ピークポイントヘルメット。頭に被るだけで頭が良くなります』なんか違和感が残るが今の海記男には関係の無いことだった…。
数日後、海記男のアパートに荷物が届いた。
「これがピークポイントヘルメットか…、でかいな…」
そのヘルメットは白色の丼の底に工事現場の回転灯を付けたようなシンプルなデザインだった。
「まだ試作品なのかな?あれ?これって何かで見たような…、まあいいか!」
なんか重要そうな記憶を無視して海記男は速攻でそのヘルメットを被った。
「おお!何か色々な事が頭の中に流れ込んでくる…」
海記男はその感覚に酔いしれていた。しかしその時彼の体は次第に毛深くなっていった。だが海記男はその事には気づいていなかった。
「おお…、これは…、凄い…」
そのまま彼の記憶は流れ込んでくる知識の中に埋もれていった…。
「どうだ?新型ピポヘルの調子は?」
「なかなか調子はいいらしい。すでに変身は完了しているみたいだ」
「でも洗脳は終わったの?」
「大丈夫じゃ。わしの作った物に間違いはない」
「そうか?」
「それにしてもなかいい考えだったわね。『人間をピポサルに変えちゃう』なんて…」
その後3度目のピポサル騒動が起きた。これまでと同様すぐにピポサル達が捕獲されたため大事には至らなかった。だがピポサル捕獲に貢献した少年少女には知らされなかった事実があった。ピポサル達の中にはピポヘルを外した途端人間になった者がいるという事は…。