そんなある日、プサンと言う男がこの村を訪れた。
「貴方が勇者、ショウですね?私プサンと申します」
ドランが唸りを発するはずが何かに怯えている。
「貴方は…マスタードラゴン?」
ショウはオーラで感じ取った。
「はい、この世界のマスタードラゴン殿とは親密にお付き合いさせてますが、私が管理する世界で留守中に大変な事が起きましてお力をお借りしたいと……」
ショウはとりあえず彼を家に入れた。
「実は私人間の姿で地上世界を見る事を大事にしてますが、エルサへブンに立ち寄る際に必ずドラゴンオーブに封印するですよ……所が光の教団のゲマと言う男らが天空城を暗黒のオーラで攻撃してしまい、天空城が落ちてしまいまして」
これこそ一大事である。
「幸いにも天空人の血を残す者がいますが、何時ゲマらが先手を打ってくるかもしれません」
ショウは頷くとはぐれメタルの鎧、はぐれメタルヘレム、はぐれメタル盾と剣を取り出した。シンシアも今回は同行する事になった。
翌朝、ショウはエンドールにてトルネコ一家、ミネア、マーミャ、ライアン、偶々エンドール場の武闘大会に参加していたクリフト、アリーナと合流していた。マスタードラゴンが夢枕に出て来て集結させたのである。ブライは寄る年齢に勝てずにサントハイム城の再建に忙しく不参加である。
ミステリータワーに着くとマスタードラゴンの超ド級のルーラにより飛ばされたショウらは妖精の世界にたどり着いた。
「あれ?プサンさんは…」
プサンは油断していたらしく地下遺跡のトロッコの上に乗っていた。
「困りましたね……この場所は妖精の世界ですね」
不思議な地図で確認するネネ。マスタードラゴンが持たせたアイテムの一つである。
「貴方方が異世界の助っ人さんですね、私はポワンで妖精の村を治めています」
耳が尖り緑葉をイメージするかの様なドレスにキャベツの様なブルマ、羽の飾りに杖を見たショウは言う。
「はい、実は……」
ショウはこれまでの経緯を話すとポワンは村の近くある旅のトビラを開けてくれた。
「あの、人間界の出口が迷いの森ですので…気をつけて……」
ポワンに見送られショウらは迷いの森へと出た。ネネは呪文を封じた巻物でサポートし、その息子は子供ながらもアリーナ同様格闘戦にて敵を牽制していた。トルネコはあの後不思議なダンションに何度か足を運んでいるのでこの手の森には慣れており森を脱出した。
サラボナの街にたどり着き、情報収集すると光の教団についてはかなりの速度で浸透していると言う事だった。
「キャー!」
悲鳴が豪邸の方から聞こえ、ショウらが駆けつけるととつげきへいが少女を連れ去ろうとする。アリーナが延髄を決めライアンが落ちてくる少女を抱える。動揺するとつげきへいにマーニャがドラゴラムで巨大竜になりとつげきへいを掴むと投げてしまい塔に命中した。屋敷から重装備した初老の男が見えると少女が抱きつく。親子と直ぐに判った。
「おお、旅のものでしたか、娘の危機を救っていただいてありがとうございます……私はルドマンと言う者です」
ショウらは正体を明かさなかった。
「フローラ、お礼言いなさい」
「ありがとう……ございます」
少女はショウらに礼儀よく頭を下げた。ルドマンもショウらを屋敷に呼び、その夜にある事を話した。
そしてそれが縁でラインバットまでの旅路に同行する事になった。