剛剣無頼ドラゴンソウル作 ソウルキャリバー二次創作


 ここに繰り返し語られる伝説となった1つの物語があった。
それは「双極の剣の物語」と呼ばれたもので、16世紀を舞台に邪剣「ソウルエッジ」と霊剣「ソウルキャリバー」の抗争と、
その剣様々な理由を持つ者達がソウルエッジを追って激しい戦いを繰り広げた物語である。

 剣を追う者達は古今東西様々な国から様々な武器を持ち、西からは貴族や聖戦士や海賊、東からは忍者や巫女や修行僧など、
様々な職に就く者達がその剣を追って激しい戦いを繰り広げた。

 そんな双極の剣の物語に選ばれた者の中に「御剣平四郎(みつるぎ・へいしろう)」と言う日本出身の侍がいた。
彼は豊臣秀吉が織田信長に代わって天下を統一した日本の備前で生まれ、
打倒鉄砲を目標にソウルエッジを求め、世界を旅した男である。
しかし、旅を重ねていつしか打倒鉄砲から強者と戦う事に目標が変わっていった。
確かに彼にとって鉄砲は恐るべき兵器。
しかし、彼は幾多の戦場を駆け巡り、鉄砲だろうが何だろうが立ちはだかる敵全てを打ち破ってきたのだ。
そんな訳で彼は自分よりも強い相手と戦う事しか頭に無かった。
彼が打倒鉄砲の為に求めたソウルエッジはもはや無用の物。
追うべき目標を見失った御剣は苛立ちにじだんだを踏んだ。

「ちくしょう、戦いてぇ、戦いてぇよ。対峙するだけで血がたぎるような相手と戦いてぇ…。」

 そんな彼が祖国日本に戻る事を決めたのは、彼がそんな苛立ちをしてから数日の事であった。
御剣が持つ「ソウルエッジ」の破片を奪おうと現れた日本の忍者数名が彼の前に立ちはだかった。
これをあっさりと返り討ちにあわせた御剣は、忍者達の剣技に見覚えがあった事を思い出した。
その剣技は御剣がソウルエッジの核心に近づくと、姿を現し邪魔をするくの一…。
日本で何かが起こっているのだろうか?
そう考えた御剣は祖国に戻る決心をして帰路を歩いていたのである。



 時は戦国。
 日本各地に点在する諸国大名達は豊臣秀吉の元に名を連ねるか否かの決断を迫られていた。
そんな決断を迫られた内の1つに、御剣がちょっと世話になった「能島村上水軍(水軍は海賊の意味も指す)」はその決断を下した。
それは断固不服の道。
彼等瀬戸内海の覇者村上水軍は、海の者としての誇り高き本名を守り、陸の者達の服従する道を拒んだ。
しかし、その代償は大きいものであった。
秀吉に目を付けられた彼等は、実在した法「海賊禁止令」の発布によって居場所である瀬戸内海を追われる事になってしまった。
村上水軍はこの扱いを承服できず、今まさに最後の抵抗を見せようとしていた。
御剣はこの最後の抵抗の助っ人として戦に参加する事を決める。



 秀吉を後ろ盾に持つ九鬼水軍の強大な戦力を歯牙にもかけず、得意の夜襲と秘伝の陣形と兵法で攻める村上水軍。
法螺貝の音が戦の始まりを合図し、船同士が激突して木っ端が散る。
火矢が飛び交い、刀がぶつかり、戦の声が無数に響く。
それはいつの世も変わる事の無い、戦の音。
御剣は誰よりも早く敵船団に踊りこみ、疾風怒濤、荒れ狂う嵐の様に立ち回り、幾多の敵を斬り倒す。
本能のままに刀を振るい、時として雄叫びを上げるその姿、それは鎖から解き放たれ餌を求めて荒れ狂う猛獣の如き。


 しかし、戦を終えた彼の胸中は満たせれていなかった。
(あんな戦じゃ俺の心は満たされねぇ…。)  褒美を受け取った御剣は、村上水軍の老大将からはるか西方の地ヨーロッパで蒼き鎧をまとった武者が、
荒神とも鬼神とも呼べる無双の強さで暴れまわっていると言う噂を聞いた。
この情報を聞いて一目散に港に向かった御剣は船頭に褒美を全部やると、西へすぐ言ってくれと言って海を見据えた。

 俺の望むもの、それは金でも名誉でもねぇ!魂を削りあうような死闘のみだ…!!

 修羅の境地を求むる彼の胸中、それはソウルエッジを求めて初めて海外に出た時の無鉄砲さに高鳴る。






 あれから数ヶ月が経過した。
蒼き鎧の武者、別名恐怖の代名詞の蒼騎士「ナイトメア」を打ち破り、その直後に現れた怪物を倒し、御剣は祖国日本に戻ってきていた。
彼の左手には神々しくも清らかに見える剣を持っていた。
それは邪剣ソウルエッジと敵対する霊剣「ソウルキャリバー」だ。
彼はナイトメアと怪物と戦った場所に残された剣を持って祖国に戻ってきていた。
しかし、祖国には自分より強い奴はいないだろうと確信したのか、彼は再び海外を流浪していた。


「もうこの世には俺より強い奴はいないかも知れねぇ。」
 彼はいつしかそう呟いていた。
様々な国を旅した御剣だったが、もはや殆ど強いと言える相手は殆どいなかったのだ。
「ちくしょう!このやり場の無い俺の刃と満たされねぇ心を何処に向ければ良いんだ!」
 すると、霊剣が光の粒子となって何処かへと飛んでいった。
その粒子の1つが御剣の前で動いて何処かへ飛んでいった。
「?付いて来いって言うのか…?」

 半信半疑になりながらも彼は粒子の後を追った。

 御剣はその粒子の跡を追ってある場所にたどり着いた。
そこは絶境の大聖堂・破壊後。
それは御剣がナイトメアと戦った場所で、直後に現れた怪物が破壊した場所である。
御剣はそこでナイトメアと戦った場所にたどり着いた。
御剣は目の前で地面に刺さっているソウルキャリバーを見てこう呟いた。
「一体何をやらせようとしてるんだ?」
 そう呟いて御剣がソウルキャリバーを掴もうとした。
「!!?うぉわあ!!」  剣を握った瞬間、電撃が体を走った感覚に襲われた御剣は、剣を手から離し後ずさりして膝を突いた。
「な、何だったんだ!?いった…!」
 ここで御剣はある異変に気付いた。
体の様子がおかしい。
自分の体を見た御剣は驚いた。
何と体から獣のような毛が生えてきているではないか! 「な、なんだこいつぁ!?うおおぉ!?」  すると今度は後ろから痛みが走った! 痛みを確認しようとした御剣だが、今度は顔に異変を感じて気が逸れた。
耳が頭の上に生えて口が少し前に突き出る。
彼の体を覆う毛はオレンジ色で腹は白い。
更にオレンジ色の毛からは縞模様が所々に現れる!
「ぐああぁぁぁ………!!」
 苦痛に声を漏らすが、その声には獣のような雰囲気も混じっていた。


 変身が終わった彼の体は虎獣人になっていた。
明記が遅くなったが、彼が身にまとう服は、上半身右は右腕に小手のみを装着しており、上半身左は武装と、
この時代ではありえないような格好をしている。
「ハァ…ハァ…ハァ。」  息をつきながら彼は袴(?)の背後に、さっきから違和感を感じる所に自分の刀で切れ込みを入れた。
すると、ニョキっと尻尾が姿を現した。
彼はこの姿で少しふるえた息をつき、剣を見据えた。
「テメェ、一体何者だ?俺をどうしてこんな姿にした?」
 するとどこからともなく声が聞こえてくる…。
「お前が戦いを望むからその姿にしたのだ。」
「この格好でかぁ…!?」
「そうだ。お前も感じるだろう?」
「はっ?何を…!」
 そこで御剣は感じた。
全身から力が止めどなく溢れてくる!
「……!おぉ……!!」
「その力ならばよいだろう。存分に力を使うがいい。」  声は聞こえなくなった。
彼は体を丸めた。
うおおぉぉ…!!全身から力がみなぎって来る!!
もう元に姿に戻りたい気がしねぇ。
いや、元に戻ったら後悔しちまう!
「ぐうぅ…ガアァァ…ガァァオオオォォォォーーーーーーーーー!!!」  全身から溢れ出る力を抑えきる事が出来ぬかのように彼は吠えた。
それから暫く吠えつづけた彼は、愛刀「獅子王」とその鞘を改めて腰に下げると何処かへと走り去っていった。
荒れ狂う凄まじい闘気を見にまとい、4つんばいで走るその姿はもはや猛獣そのものであった。





 それから数年が経った。
 獣人化した事で寿命が一気に延びた御剣は、人間だけにとどまらず遂に魔物や神に勝負を挑んだ。
魔物に至っては幾千の魔物をわずか数分で全て斬り倒したと言う話は魔界や天界に届いた。
この噂を知った戦争神アレスは彼に勝負を挑むも、再起不能の重傷を負ったと言う。
彼の力に各国の神が目を疑い、そしてアレスのような目にあわないため、なるべく戦わないようにしたと言う。

 そして彼は、今宵も強者を求めて流浪する。
そして、どこかで誰かが御剣に勝負を挑む。
そして、彼に勝負を挑み、敗れた者に御剣はこう言って去って行く。


「閻魔だろうが釈迦だろうが、俺に勝負を挑む奴は斬り去るまでだ!」


―終―

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