1番と言うこと 冬風 狐作 ポケットモンスター二次創作
「ねぇ、カナコ、カナコ!」
「ああミサちゃん」
 シンオウ地方の南の地域での1コマ、それは学校からの帰り道であった。学校と言ってもトレーナー向けの専門学校とでも言うべき場所なのだがそこからの帰り道、そう2人の少女が言葉を交わした。
「ごめんなさい、遅れちゃって・・・私が誘ったのに」
「良いわよ、私だってさっき来たばかりだから。それにミサちゃんの家に行くの楽しみだし・・・ね」
 その言葉に駆けて来た方、そうミサはホッと顔を綻ばせる。そして軽く体を振って服の乱れを取ると気を取り直す様に声をかけた。
「そう言ってくれるなら良かった、ごめんねぇ急に頼まれ事しちゃってさ・・・」
 そして歩き出す、2人並んで言葉を交わしつつゆっくりと夕暮れ時の田舎道を彼女達は進んでいった。

 落ち合ってから10分ほど歩いたところにミサの家はあった、木々に囲まれた感じの良い小ぎれいな一軒家と言う風情でカナコはミサが鍵を開けている間に好印象を抱いたのは言うまでもなかった。
「今日はお父さん達、仕事でいないからさ・・・前から遊びに来たいって言ってたし、ちょうど良いかなって思ったのよ」
 鍵を開けて招き入れながらそう事情を簡単にミサは説明した、どうして今まで遊びに行きたいと繰り返し言っていたのにいきなり積極的に誘ったのかと。そしてそれにカナコはうなずきつつ入り、ミサの自室へと招きいれられた。
「へぇここがミサちゃんの・・・結構広い部屋なのね」
 外から見た印象ではもっとこじんまりしたイメージを持っていただけに、自分の部屋よりもずっと広いその部屋に感心する様に言葉を漏らす。それに対してどことなく誇らしげとも言える笑みを一瞬浮かべてから、すっと踵を返して部屋の外に彼女は出て行った。一言、お茶を持ってくるねと残して。それに対して肯いて今一度部屋の中を見渡し、ふとある物に注目して近付いて見ていると何時しか戻ってきたミサが隣に立っていた。
「あら気になる・・・?」
「うん、これリーフの石でしょ・・・意外と目にしないから」
「お父さんが前にお土産でくれたのよ、きれいな石だからこうやって飾ってるんだ」
「へぇ・・・良い物プレゼントしてくれたのね」
 そう言いつつ相変わらずしげしげと眺める姿に、ふとミサは声を投げかけた。
「カナコにはこういうのある?」
「うんあるんだけど・・・かわらずの石なの」
「かわらず・・・またそれも面白いわねぇ、あの黒い石でしょ?」
「うん、どうして?って聞いたらパパはカナコが好きだからずっとかわいいままでいて欲しいんだって・・・」
「へぇ・・・好きなのねぇ、あなたが。カナコはどうなの?」
「どうなのって・・・まぁお父さんは大事よ、でも好きなのはポケモンよ・・・」
 わずかにからかう様な具合を混ぜた声に表情1つ、またリーフの石に対して向ける視線を変える事無くカナコは答えのけた。その様をしばらく無言で眺めた後、ふと引き下がって机の上に置いたカップの音をわざとならしてから一口飲んで、彼女はまた声をかけた。
「さ、お茶飲みましょうよ・・・明後日の夜まで私達だけだから。それに学校も連休だもんね」
「あ・・・ありがとうお茶、そうよね・・・あっ着替えとか持ってきてなかったわ」
 一口つけようとしてふと気が付きカナコは声を上げた、それに対するミサは静かなものでもう一口、飲んでから立ち上がるとクローゼットを開けて一着の服を取り出して示す。
「私のを貸してあげるから・・・背格好も似ているもの、ね」
「ありがとう、良いの・・・?」
「良いの、良いの・・・前、試験の時に鉛筆貸してくれたし、さ」
「あああの時・・・もう、じゃあありがたく貸してもらうわ、本当にありがとうね」
「気にしないで・・・ふふ」
 そして一旦、それを閉まってミサは戻ってきた。そしてまた互いに腰を下ろして向かい合いつつお茶を飲んでは言葉を交わす、その話題は様々な、学校での内容やそれぞれの家の事、と多岐に渡って繰り広げられたもので時間を忘れてという表現の似合うひと時となっていた。

  「ふう良いお風呂だった・・・」
「喜んでくれて嬉しいわ、私も好きなお風呂だからね」
 そして日付も変わる頃になってようやく風呂に入った2人は、寝間着へと着替えるとまたミサの部屋で談笑していた。布団はベッドの他には敷かれていない、最もこれは風呂に入る前にミサとカナコが相談して決めたもので、ベッド自体が大きい事から2人して寝てしまった方が楽と言うことでそうなったのだった。そして改めて、今度はホットミルクを飲んでしばらく語らってからいよいよ、寝る時間を迎えたのだった。
「ああ、久々にこんな遅くまで起きたなぁ・・・」
「あっそうなの?」
「うん、私、ほら結構家遠いから・・・朝早いの」
 サエコの家、それは学校から大分離れている。鳥ポケモンで空を飛んでも平均で1時間はかかるだろうし、その道のりを自転車で来るのだから2時間は離れていると言う遠路なのである。だから夜更かしなんて早々出来たものではなかった、だからこそこんな日が変わった後に寝ると言うのは本当に久し振りでそれだけでも楽しい事なのだった。
「それじゃあ電気消すね・・・」
「うん」
 ミサが電気を消し、ほんのりとした明るさだけが部屋に灯る。2人して同じ布団にもぐりこみ、そしてサエコはミサが普段着ている物を身に纏っている・・・そう思うだけで互いにどこか不思議な気分になり、温かさも幾分増してくる様な具合がしたものだった。特にそう感じたのはサエコだろう、初めて来れた仲の良い友達の家、そしてそこで一緒に寝ている。それらの要因から中々寝付けたものではなかった、そう純粋に嬉しく楽しくてならなかったのだから。そしてふと背を向けているミサを見ようとした時、もう寝た筈であるミサが寝返りを打った拍子なのだろうかその体が背中に押し当てられた。
(ミサ・・・)
 その動きに思わず胸が高鳴ったのは言うまでも無い、恐らくわずかに体も動いたのだろう・・・だからか知らないがミサの手が自らの体にかかった時には、天にも昇る気持ちがしたものだった。
(ミサ・・・!)
 明かりがついていたならきっとその方が紅に染まる瞬間が見れた事だろう、そう思えるほどの感情の高ぶりだった。だが次の瞬間、それはふとした疑問へと変わっていく。
(ミサ・・・?)
 その手の動きによるものだった、そう二度目の感情の変化を引き起こした何気ない動きである筈の腕の動き。そのまま下に下り、ズボンの中に入っていくと言う無意識ではありえないその行動にはっとなったまでだった。
(まさかミサ起きてる・・・?)
 そう予感される行動だったのだ、そしてそれを感じた瞬間、その腕はその中にある最も繊細にして敏感な場所。そう秘部へと触れたのだった。

「・・・っ!?」
 流石にその刺激には大きく息を漏らさずにはいられなかった、同時にほんのかすかな喘ぎ声とそれはなった。そして振り払おうとした瞬間、もう片方の手がかけられて身動きが取れなくなり、耳元に熱い息と共に言葉が投げかけられた。
「・・・ふふサエコ、いえナンバーエイト・・・探したわ」
「な・・・ナンバーエイト・・・!?」
「ええそう、まさかこんな所にいたなんて・・・なんでも最初の1番のあなたらしかぬ事ね」
 その声はミサとは思えない声だった、ずっと大人びていて何よりも言っている内容が訳の分からないものだったのだから。だから動揺は当然で、そしてそれを抑えんとするかの様にサエコの手は深く、ミサの秘部へと食い込み・・・いきなりの刺激に悲鳴の様な反応を示すのみだった。
「成績も1番、出席態度も1番、皆からの評判も1番・・・偶然だとしてもとにかく1番しかしないあなたが最後の1番だなんて、なんて皮肉かしら・・・」
 指が食い込み、そしてろくに何も知らないその場所の中へと食い込む。柔らかい、それでいて独特の形を持っているその場所に静かに入って行く度に意識が弾ける様な感覚にサエコは見舞われ、そしてのけぞっては喘ぎ声を漏らすのみになっていた。そして更に追い討ちをかける様にミサは、その片胸をまた揉み出し乳首を際立たせる様に弄る。
「ふふ・・・どうしたの?言葉が無いわね・・・ぇ・・・」
 そんなサエコにミサは腰を擦り付ける、そう布団の中にいると言うのにどこかひんやりとしているその体を押し付けては次第に前身で背中側から弄るのだ。
「あ・・・な・・・なんな・・・のぉ・・・っ」
「何なのって私はあなたを探していたの・・・そう、あの混乱の中で持ち出されて行方不明になった者達を・・・」
「行方不明・・・なんて私は・・・ああっ・・・!」
 否定しようとすれば刺激がまた加わる、そうクリトリスを剥かれると言う・・・若干の痛み、そして続く鋭敏な器官への刺激は能を麻痺させる様な物を一気に感じさせたのだ。大きく肩で息をして弛緩した口元からは涎が垂れる、だがその手を緩める事は無くミサはその首筋を嘗め回す。
「ああ・・・く・・・っ」
「きれいな・・・水色のパジャマでしょ・・・?あなたの為に用意したの・・・」
 そう言った途端、秘部の付近の指が一気に抜かれた。それは激しい動きで、言葉に出来ない刺激とそれによる意識の白濁をサエコへともたらした。そしてそれは大きな隙となった、次の瞬間、ミサは語るのを止めてぎゅっとその体を包み込むように抱きしめて・・・その首下に噛み付いた。
「・・・!!」
 ビクンビクンと包み込まれた体が跳ねたのは言うまでも無い、しかしそれすらも押さえ込まれた時、新たな変化がその体に生じた。
「ほら・・・水色に染まっていく・・・きれいな水色、そして冷たさに・・・」
 ミサの言葉通り、その体は服と一体化していった。いや服の方が溶け込んで言ったと言えよう、水色にそして爪先や腕の先端は藍色へと染まっていく。そしてそれらが落ち着けば、次に起きたのは体の縮小であった。小さな震えがまた起きたかと思うとそれが起きる度に、次第に小柄になっていく。特に顕著な変化を見せていたのは顔と両手足、そして髪だろう。
 まず髪の変化が最も明らかであるかもしれない、元々長いその髪が次第に前へと集中して行き、更に垂れ下がっている部分は米神の辺りから下に向かってまとまって長いもみ上げの様になった。そしてその先端には菱形の藍色に染まった部分があり、更には矢張り菱形の髪飾りのごとく前頭部にその様な藍色の塊が出来ていた。そして耳が左右に伸びる、とは言えそれは最初は紡錘形となり次第に形を、各辺と頂点を明確にした大きな、これもまた菱形の外縁部は水色で内側は藍色に染められたのだった。
 そして顔は口元と鼻の部分が盛り上がり、伸びると言うほどではないが内から拳を入れたらそうなるであろうと言う様な形となって固定される。その間もなお、水色に染まると共に染まったその場から密集した短いながらも濃密な毛に覆われてすっかり皮膚は隠された。両手足も縮み、指もまた短くなりそれはもう前脚に後脚と形容出来る物に変わって・・・全ては静かになった。

 それを見届けるなり、すっとミサは布団を払って立ち上がった。そして布団から下りて床の上に立って、まだベッドの上に横になって瞳を閉じたままのサエコ・・・否、それであったポケモンの頬を優しく撫でる。
「ふふ・・・良かった、ナンバーエイト、いえグレイシア・・・あなたも回収出来て・・・」
 そして電気を灯す、それでもグレイシアは起きず静かにしているとかすかな安らかな、今の今までの現実の物とは思えない光景があったとは思えない様子を見せ付けている姿だった。
「さ・・・今は静かに眠りましょうね、起きたらきっと分かっているはず。そう全てを思い出して真っ更になっている筈だから・・・っ」
 そう言うなりミサはその白の身に纏っているパジャマを撫でて体のラインを強調する様にしていた、そして強く微笑みかけて膝を折るなりグレイシアの頬に自らの頬をこすりつけるのだ。
「・・・・グレ・・・?」
 その刺激でふとグレイシアは目を覚ます、その真っ青な瞳に映るのは・・・そのグレイシアに秘められていた記憶の中にある仲間の姿であった。
「フィ・・・エーフィッ・・・」  額に紅の一点を持つエーフィ、だがその姿はただそのままではなかった。人と同じ体つきをしている、エーフィと人を混ぜた、そんな姿でありながら造作は自然その物だった。

「ふむ・・・ようやく回収出来たのか」
「はっ、報告によりますとそうであります」
「なるほど・・・とにかくは一段落と言う事でよろしい」
 数日後、遠く離れた地方。重厚なデザインでまとめられた一室にて1人の男が報告を受けていた。報告をする者の手に握られている書類には「イーブイ」「シンオウ地方」「ナンバーエイト」「グレイシア」と言う文字が躍っているのがふと見て取れる、そして何かを考えるかのように一瞬黙った男はこう指示を伝えた。
「では裏切り者の処分をしてからこちらに連れて帰る様に、何時もの事だが慎重にな・・・」
「はっ、その様に伝達致します、サカキ様!それでは失礼致します。」
 そう言うなり深々と一礼をして退室していく報告者を見届けてから、サカキ様と言われた男は席を立った。そしてブラインドを開けて窓から眼下を見下ろす、広がる巨大都市、そして都市の中心近くにあるリニア駅より折りしも発車していくリニアの姿を見ながらふと漏らした。
「全く、トレーナーの小僧どもにタマムシでイーブイとその研究を破壊されて以来永い時間が経ったものだ・・・」
 サカキ、その名前はこの世界にいる者であれば誰もが知っている組織のボス。一時期は壊滅したと思われていたその組織を再び立て直したその男こそ、ボスであるこのサカキなのだ。そうロケット団と言うその一大組織を率いる男が、視線をずらして見つめた山並みの方角、そうその先にはここ最近、進出を図っているシンオウ地方の大地があるのだった。
「かわらずのいしを持たせていたとは・・・はは、あの男らしい・・・だが守ろうとした存在に倒されるが良い、人とポケモンをあわせた新たなる世代の兵器に、な」
 またふと呟き笑い自信が込められて、表情に少し老けた気配はあるもののその勢いは健全だった。そしてその脳裏では10年前、タマムシシティの地下アジトを破壊された際に失ったイーブイとそれに関する研究・・・イーブイの当時、カントー地方で一般に知られていた進化系以外の存在に関する研究と、その技術を人に応用する技術、最終的には兵器として運用する事に関する研究を連動して失った際の多大な衝撃が、その際の実験体の内、最後の1体が確保されたと言う報告を以って改めて蘇り噛み締められていたのだった。


   完
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