永遠の淵  

 

 

 

交わしたキスは長く、そして深く触れてくる。
侑士の唇が離れて、慈しむように漆黒の瞳が細められ景吾を見つめる。
その瞳も好きだけれど、今はただ彼が生きている証である温もりこそを感じた
くて、景吾は自分から侑士の頭を引き寄せた。
噛み付くように口付けると侑士はすぐに答えてくる。歯列をわって口腔を探る舌に
景吾は必死になって答えた。
漏れる水音とあえかな吐息は快感を煽るばかりで。
侑士はふと唇を離した。ぼんやりとした顔の景吾の額に唇に羽根のように軽い口付けを落とす。
お互いが溺れきる前に景吾に聞いておかねばならないことがある。
「景吾?どうしたら一緒になれるん?」

 

そう聞かれて景吾は我に返る。
侑士の気持ちは嬉しいけれど、この孤独に引き込むにはやはり気がひけた。
今のままでも十分だから、と言おうと思って口を開こうとしたら侑士が額をあわせて景吾の
瞳をのぞきこむ。
「景吾が一緒におるから…その時間も孤独やないんやで?俺には景吾がおるし、
 景吾には俺がおる。だから孤独やない。」
「侑、士・・・」
「景吾ってばオレ様なのに案外心配性やなあ。しつこいで?」
「…るせえよ。」
少しムッとして睨みつけると侑士は笑う。
「景吾がエエねん。お前がおれば他にはなんもいらん。景吾は?」
そう聞くが景吾は答えずに侑士に向かって腕を伸ばす。
「起こせ。」
悔しいことにすでに先ほどのキスで体には満足に力が入らない。
景吾の背と後頭部を支え、宝物かなにかのように扱う侑士が少しくすぐったい。
侑士の膝に乗り向かい合う。すでにはだけている侑士のシャツを肩から落とし、
鍛えられ引き締まった体が姿を露わにする。その首筋を景吾は指で辿る。
鼓動の音。生きている証。
「…俺もお前以外何もいらない。お前は俺のもんだ。だから…諦めろ。」
そう言うと侑士は酷く楽しそうに喉で笑った。
「諦めるわ。逃げられんし、逃がさんよ。」
そう言うと景吾はのぞむところだ、と言うように挑戦的に笑って侑士の首筋に顔を埋めた。
景吾の熱い吐息が首筋にかかり、ゾクリとしたのも束の間。
激痛が走り、そして頭が真っ白になる。
思わず景吾の細い背中に思いっきり爪を立ててしまう。だが景吾は頓着しない。
体中の血が沸騰するように熱い。
たまらなく熱い。

 

熱い。

 

 

「はっ・・・・」
どれくらいの時間だったかはわからない。凄く長かったのかも知れないし、短い時間
だったのかもしれない。
景吾が侑士の首筋を舐め上げて至極満足そうなため息をついた。
濡れた瞳。陶然とした表情で唇を舐める姿は妖艶としか言いようがない。
「…すげえ、甘い…。」
そんな景吾とは正反対に侑士はぐったりとベッドに沈み込む。
クラクラする。まるで高熱に浮かされた時のように体に力が入らずに動かすのも億劫だ。
そんな侑士の状態に景吾はハッとわれにかえって侑士の顔を覗きこむ。
「侑士?おい、俺の血を飲めば多分だるさも消えるぞ。これで終わりだ。」
そう言って自分の首筋を指で指すと、侑士の瞼があがって朦朧としたような瞳が姿を現す。
「ゆう……っ!?」
そして、景吾が身構えるヒマもなく侑士と体が入れ替わり首筋に食いつかれる。
侑士の体は、まるでこれが産まれたときからの本能のように景吾の白く細い首筋噛み付いたの
だった。

 

吸い込んで、流れ込んでくるのは圧倒的な力と熱。
それに
(甘い・・・・)
酷く乾いた大地が水を吸い込み緑を芽吹かせるように、否、それよりももっと貪欲に。

 

しばらくして唇を離した侑士はすっかり息があがっていた。景吾の血を吸い込むたびに
滲むように広がる熱に耐え切れない。
景吾を見下ろすと、彼の白い頬も上気してほのかに染まっており緩く肌蹴た白い肌も同じ
ように薄く色付いて、壮絶に艶やかで。
「・・・っあかんわ、抱くで景吾?」
見つめた漆黒の瞳は綺麗に濡れていて。同じ瞳で、景吾は侑士を引き寄せた。

 

 

 

 

 

 

「――――――っ」
悲鳴は侑士の唇に飲み込まれ、空気を振るわせることはなかった。
一気に貫かれて内壁を激しく擦られ景吾はたまらず甘い声を上げる。
「はっあっ・・・・あっゆ、し・・・っ」
縋るように腕を伸ばし侑士の首にしがみつく。
「景吾…っ」
愛しげに汗で張り付いた前髪をかきあげられて、右目の黒子に口付けられて。
侑士の低く掠れた声にまで煽られて、景吾は侑士を締め付ける。
繋がった場所は溶けるように熱くて、おかしくなりそうな感覚と気の遠くなるような熱に
意識が飛ばされそうになる。
それを打ち払いたくて、それに勝てるはずの唯一の名を景吾は呼ぶ。
「…し…き、」
「・・・っん?」
「ゆ、し好き…っ」
「・・・っ」
それすらも逆効果で。
侑士が息を飲む音が聞こえて、突き上げが箍が外れたように激しくなる。
「あっ、ああっ・・・っもうダメ、や…っ」
縋る肩も、自分の腕も滲む汗で滑るがそれでもきつくしがみ付いて侑士の与える
熱に景吾は身を任せる。
「景、吾、もうイク?」
侑士の切羽詰ったような低いかすれた声に感じて景吾の体が大きく跳ね上がる。
頷いて侑士を見ると、
「俺も、」
と、酷く男臭い笑みを浮かべて景吾に深く口付けて、一端引き抜いた
ものを再度奥まで突き入れた。
「あ、――――――あああ・・・っ!」
甲高い悲鳴のような声を上げて景吾が達すると同時に締め付けられた侑士も
景吾の最奥へと熱を放ったのだった。

 

 

 

力が抜けたように覆い被さってくる侑士のまだ熱い体を景吾は抱きしめる。
侑士も抱きしめて、荒い息が収まるのを待って呟く。
「なんか…えらいよかったんやけど…。」
「・・・・」
「昨日した時も思ったけど、俺と景吾の相性最高やん?やからいいのは当然やったんやけど
 なんかさっきのは違ってたで!なんかクスリ使ったみたいな・・・」
「…結ばれちまった相手の血は…そういう効果もあるって、本に書いてあった。」
母親が景吾のために残しておいてくれた本には色々なことが書いてあった。
暇つぶしに読んでいたのだが、まさか実体験する日がこようとは露ほども
思っていなかったが。

 

・・・・ん?

 

「へえそうなんか…。ま、俺と景吾はそんなんなくても相性ばっちり…って
 景吾?」
不意に黙り込んで俯いてしまった景吾を不審に思って覗きこむと、先ほどとは違う理由で
瞳が濡れていた。心なしか怒っているように蒼の瞳が燃えている。
「え?え?」
「お前…っクスリまで使ったことあんのかよ!?この変態!!触るな!どけ!!!」
「ちが!いや、違くないけど、興味本位やってん!一回しか使ったことないし…景吾!」
「やっぱり使ったのかよ!触るな変態!!」
シーツを手繰り寄せて侑士から離れようとする景吾を抱き寄せる。
「だって全然立たへんかったんやもん!悪いやろ!?でも景吾には使わんし!景吾めっちゃ
 色っぽいし、景吾ん中めっちゃ熱くて狭くて気持ちええし・・・ぶっ」
やや陶酔気味の侑士の言葉を遮ったのは景吾が力一杯投げた枕だ。
「それ以上言ったら殺す!!!」
顔を真っ赤に染め上げて言う景吾に睨みつけられても侑士がこたえるはずもなく。
逆ににやにやし始める。
「えーしゃあないやん、本当のことやしv」
「く・た・ば・れ!!!!」

 

 

 

その夜、夜の森と呼ばれる森の奥に季節はずれの雷が落ちた。
この季節はずれの雷はそれからも度々起こった。
その雷が鳴る時は不思議なことに村の周囲は晴れ渡っていて、森だけに雷は落ちる。
村人たちは、この雷は領主様の怒りだと恐れ季節はずれの雷が森の奥に
落ちた日には領主様のためにワインを供えることになった。
その話は代々受け継がれて、今でもその村で続いてる伝統だということだ。

 

 

 

ある時、どこかの、森の奥のお城の話。
そこには今でも仲睦まじく黒髪の青年と蜂蜜色の髪の青年が暮らしているという。

 

 

END

わいは…もうダメや・・・。
ついにやっちまっただ…。
まあいいや。
これで永遠の淵は終わりかなーと思います。
微エロ…?初だし勘弁してくださいませ。
お互いの血が媚・薬v
お約束設定だ・・・。わたしはっ

お約束大好きなんだあぁぁぁ....

ってことでお目汚し申し訳ありませんでした。
これに懲りずにこれからも皆様よろしくお願いします。(ぺこり)

 

 

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