*戦闘*
T&Tの戦闘はとても単純です。
お互いに自分の武器の威力分サイコロを振り、そこに自分の個人修正を加えた結果で、高いほうが低いほうにダメージを与えるというものです(同じ数値ならお互いにノーダメージです)。
ダメージは、よほど特殊な事がない限り「耐久度」から引いていき、「耐久度」が0になったら、キャラクターは死亡します。
例:AとBが殴りあいます。Aの攻撃力は10、Bの攻撃力は8だと、10−8で2点、Bはダメージを受けます(上記の攻撃力には既に個人修正が足してあります)
もちろん、受けたダメージは防具で減らせます。
「例」の殴り合いで、Bが3点の防具を着ていたら、全くダメージを受けません。
集団戦闘も同じです。
例:AとBのチームと、CとDのチームが殴り合うとします。Aの攻撃力は10点、Bの攻撃力は15点、Cの攻撃力が13点、Dの攻撃力が7点だとすると、
「10+15(AとBの攻撃力の合計)=25」
「13+7(CとDの攻撃力の合計)=20」
「25−20=5点」がCとDの受けるダメージです。
戦闘に参加しているのは二人なので、5点を2で割って2.5点。端数はT&Tでは存在しませんので、3点と2点を二人で分け合って受けてください。
どちらが多く受けるかは、ダメージを受けるキャラクター同士で決めてください(サイコロで決めても構いません)。
ただし、必ずダメージを頭数で割った数字に近いダメージを受けます(少なく受けるとしても減少値は1、2点程度でしょう)
魔法使いは受けるダメージを少なくしようと、離れていたりするかもしれません。が、敵も離れている厄介な魔法使いを攻撃しようとするでしょう!
1戦闘ターンは2分間です(1通常ターンは10分間です。5戦闘ターン=1通常ターンとなります)。
この中でできる行動は、「攻撃する」「魔法を一回使う」等です。
また、「武器を持ち替えて戦う」や「起き上がって戦う」等も1戦闘ターンで行えます。
常識的に考えて、2分間でできなさそうな行動はできません(持っている盾を投げ捨てて、新しい盾を構えてから攻撃、などはできますが、着ている防具を脱ぎ捨てて他の防具を着たりはできないと思ってください)。
*飛び道具*
T&Tには飛び道具があります。石弓、単弓、長弓、手裏剣等の投げる武器、槍に短剣……どれも遠く離れた場所に攻撃できる優れた武器です。
飛び道具は器用度での「セービング・ロール」を使って、相手に命中したかどうか決めます。
まず命中させるべき物が、使おうとしている飛び道具の射程距離内なのかどうかを調べます(GMに聞いてください)。
すると、距離による基本レベル(セービング・ロールのレベル)が決まります。
|
距離(m) |
レベル |
至近距離 |
0〜5 |
1 |
近距離 |
6〜50 |
2 |
遠距離 |
51〜100 |
3 |
超遠距離 |
それ以上 |
4 |
レベルがわかったら、次に狙うものの大きさ(サイズ)の倍率をかけます。
|
倍率 |
だいたいの身長 |
巨大 |
×1 |
3.6m以上 |
大 |
×2 |
1.5m〜 |
中 |
×3 |
60cm〜 |
小 |
×4 |
10cm〜 |
微小 |
×5 |
それ未満 |
大きさの目安としては・・・
巨大:ドラゴン、バルログ、ジャイアント、納屋等
大:オーガー、人間、エルフ、トロール、ゴブリン等
中:ホビット、ドワーフ、オオカミ、人間やエルフの子供等
小:ウサギ、ネズミ、フェアリー、レプラコーン等
微小:コイン、宝箱の鍵等
サイズがわからなければGMに尋ねてみてください。
例:10m先のドワーフにアフリカ投げナイフを命中させる為には、「10m先(基本レベル2)で、サイズは中(×3)ですから、2×3で、器用度で6レベルのセービング・ロールに成功すれば命中します。参考までに、6レベルのセービング・ロールの目標値は45です。
これは戦闘に限らず、普通に弓で射たりする時にも使います(ただし、動かないものを狙う時は、セービング・ロ−ルのレベルは1〜2レベル下がります)
飛び道具は他にも有利な点を持っています。
飛び道具の時は「個人修正は、器用度の修正を倍にして計算する」という事です。
(器用度を倍にして計算しないで下さい。器用度の修正を倍にするのです)
例:体力度15(+3)、器用度16(+4)、幸運度14(+2)のキャラクターの通常個人修正は+9ですが、飛び道具を使った時は3+4×2+2で+13になります。
ですから、上記の場合の攻撃力は「飛び道具の攻撃力分のサイコロ+13(飛び道具の時の個人修正)」になります。
さらに、飛び道具は戦闘ターンで「負け」ていても、指定した相手にそのままダメージを与えます(相手の防具は有効です)……これについての詳しい解説は「戦闘中の魔法」で書いておきます。
お約束ですが、飛び道具は乱戦時、第1戦闘ターンのみ撃つ事ができます(もちろん、飛び道具が撃てる状態である事が条件です)。この場合にも「器用度」でのセービング・ロールが必要です。
第2戦闘ターンからは、敵味方入り乱れているので撃つ事は不可能です。
また、当然ですが、射線上に他のものがあれば、飛び道具を当てる事は不可能です。
特殊な戦闘状況について
「不意打ち」「遠距離からの攻撃」:どちらかが、相手に気付かれないように襲い掛かる、または相手には飛び道具が無い状態で、遠く離れた場所から弓矢を撃つ……といった場合は、攻撃を受けた側は反撃できません。「攻撃力」をそのまま受けてください。
防具は普通に使えますが、魔法は使う時間がほとんどありません。……GMによっては「速度」でのセービング・ロールを行い、「結界」などの魔法を許可するかもしれません。
「素手での戦闘」:武器を無くしてしまった場合、素手でも戦う事もできます。その場合の攻撃力は「1D6+個人修正」になります。
念のために。素手に毒を塗るのは愚かな行動です。
「バーサーカー戦闘」:戦闘の極限状態において、いわゆる「戦闘の狂気」に陥る事があります。この状態を「バーサーカー戦闘」と呼びます(バーサーカーとは北欧神話の「狂戦士(berserker)」、ベルセルクの英語読みだそうです)。
バーサーク状態は、人間と人間型の種族にのみ起こる特殊な状況で、サイコロ2個以上の武器を使っている時に振った目が、2個以上同じ数字だった時に起きます(魔法の攻撃ではバーサークしません!)。
バーサークすれば、同じだった数字のサイコロを振り足す事ができます。
そして、同じ数字が出つづける限りサイコロを振り足す事ができます。
例:サイコロ4個の武器を使っていて、出目が6、3、2、2の場合、2の分、サイコロ2個を振り足せます。出目が6、3、3、3だった場合は3の分、サイコロ3個を振り足せます。
そしてサイコロを3つ振って、また同じ数字が出た場合は、その分を振り足します。
【注意!】出目が6、6、2、2だった場合はサイコロ4個を振り足せますが、6と2の分は別々に振り足します。サイコロ4つを同時に振ってはいけません。
本来、両手に武器を持っている場合は別々にサイコロを振るのですが、今回は面倒なので全ての武器のサイコロを同時に振って判定してください。ただし、上記の【注意!】は守ってください。
バーサークしたキャラクターが、その戦闘ターン以降、サイコロで同じ目が出なかった場合は下から2番目の数字を一番低い目に変更して同じ目を作ります。
例:バーサークしたキャラクターがサイコロ4個の武器で戦っていた場合、出目が6、3、2、1だったら「2」を「1」に変えて1の同じ数字を作って、サイコロを振り足せます。
バーサーカー戦闘はとても有利に戦闘を進められますが、発動には条件とペナルティがあります。
まず、知性度が8以下のキャラクターは、体力度が5以上あって、武器のサイコロの目がいくつか揃ってしまったら必ずバーサークします。
知性度が9〜15のキャラクターはバーサークするかどうかを選ぶ事ができます。
知性度が16以上のキャラクターは、通常の方法ではバーサークしません(魔法の力でバーサークする事はあります)。
バーサークした後にキャラクターから武器を受け取る事はできませんので、手にもっている武器で殴りつけます。武器がなくなれば素手で殴りつけます。
弓や、石弓を持っていたとしても矢を射る事はせず、弓や石弓を棍棒代わりにして敵を殴りつけます。この場合、弓や石弓の威力は2Dになります。もちろん戦闘が終了する頃には、弓や石弓は壊れてしまうでしょう。
普通の盾(バイキング・スパイクシールドとマドゥ以外の盾)を持っている場合は、盾でも殴りつけますから+5のボーナスを得ます。
バーサークしているキャラクターは、敵を全て倒した後でも、立っている者があれば味方にも襲い掛かってきます。
バーサーカーを静める方法は4つあります。
1.
バーサーカーの体力度が5以下に落ちた時は、疲れによって狂気は拭い去られます。
2.
魅力度が15以上の仲間は、戦闘終了後に自動的にバーサーカーを鎮められます。
3.
仲間の中で最も魅力度の高いキャラクターが、一度だけ1レベルの幸運度でのセービング・ロールに成功すればバーサーカーは鎮まります。
4.
魔術師が、魔法によって(「夢紡ぎ」等)バーサーカーを鎮める事ができます。
考えたくはありませんが、全員がバーサーカーだった場合は、全員で同士討ちをはじめる事でしょう。
ペナルティとして、バーサーカーは毎戦闘ターン後に体力度を2点失います。
体力度が5まで落ちると、バーサーカーは疲れきって動く事ができません。
しかし、戦闘で相手が勝っていると、ダメージを受けなければなりません。
バーサーカー戦闘中は、下記の「重すぎる武器」は当てはまりません。
また、失った体力度は魔術師と同じく1通常ターンに1点回復します(詳しくは魔法ルールを参照してください)
「重すぎる武器」:キャラクターは必要体力度と比べて、自分には重すぎる武器を使う事もあるでしょう。
この場合、戦闘ターンが終わるごとに「武器の必要体力度マイナス現在の体力度」分、現在の体力度が減ります。
従って、戦闘が長引けばどんどん武器は重く感じられ、より多くの体力度を消費するはめになります。
体力度を引いていって、ぴったり1になれば、そのキャラクターは気絶します。
引いた結果、体力度が1よりも小さくなるようだと、体力度は1になり、残った分は「耐久度」を減らす事になります(このダメージは防具で引いてはいけません)。
例:戦士Aは体力度9、耐久度6、パイク(必要体力度15)で戦おうとします。
第1戦闘ターン、パイクは彼にとって6点重すぎます(15―9=6)。この戦闘ターンが終わると、体力度は3に落ちます。
第2戦闘ターン、パイクは彼にとって12点重すぎます(15―3=12)。この戦闘ターンが終わると、体力度は1、残った10点は耐久度を減らしますから…彼の耐久度は0になって、戦士Aは現世に別れを告げる事になります。彼とは来世で会いましょう!
「相手が見えない」:相手が何らかの魔法、または生まれつきの能力で姿が見えない状態になっている時は、見る事ができない側は攻撃力を半分にします。また、相手が見えないため、対象を指定する魔法は使用できません(炎の嵐、氷の嵐もそうです)。
闇の中で戦うなど、お互いに姿が見えない時は、普通に戦います。
ただし、モンスターの中には視覚に頼らない奴等もいますからご用心を。
戦闘中の魔法について
戦闘中の魔法は、判断に苦しむ事が多いものです。
T&Tのルールブックにも書いてありますが、戦闘中の魔法のルールについては明文化されていません。
あくまでもその場その場でGMとプレイヤーが協議する、という事で話が進んでいます。
コンベンションというシステム上、こういったルールはきちんと整理すべきなのですが、魔法についての記述が曖昧なのと、処理の多さにおいて明文化するのは非常に困難です。
そこで、とりあえず載っていた事を書いておきます。
ここに書いてある以外の状況になったら、GMと他のプレイヤーによって論議してください。また、GMの裁量にも耳を傾けてください。
その1.「飛び道具」の所でも触れていますが、「魔法」も「飛び道具(セービング・ロールの結果、命中していれば)」もパーティの合計ヒットに加えて計算してください。
その結果、パーティが負けていても「飛び道具」は指定した(弓を射た相手、ナイフを投げつけた相手)にそのまま傷を負わせます。もちろん、相手は防具で防ぐ事ができますし、それ以前に飛び道具が命中している事が最低条件です。
さて、「魔法」も戦闘ターンで負けていても、直接ダメージを負わせるものがあります。
1レベルの「これでもくらえ」、これが5経験レベルまででの唯一の直接ダメージ魔法です
(スモッグも直接ダメージを負わせますが、パーティの合計攻撃力に足さないのでここでは触れません)。
例を参考に説明していきます。
戦士と魔術師のパーティがトロールと戦っているとします。
まず、パーティ側が合計攻撃力で負けている場合。
トロールの攻撃力が40、戦士の攻撃力が20、魔術師が「これでもくらえ」で15点の攻撃力でした。
この場合、40―(20+15)=5で、パーティ側は5点のダメージを割り振りますが、トロールは「これでもくらえ」の15点を全て受けます。
次にパーティ側が合計攻撃力で勝っている場合。
トロールの攻撃力が40、戦士の攻撃力が20、魔術師が「これでもくらえ」で25点の攻撃力でした。
この場合、40―(20+25)=―5で、トロールは5点負けています。
しかし、まず魔法の「これでもくらえ」の25点を引きますので、5点分のダメージは受けないのです。
つまり、合計攻撃力で勝っていても「これでもくらえ」のダメージ以下の「勝ち」だと、それ以上相手にダメージを与えられません。
上記の場合だと、パーティの合計攻撃力が26点以上で初めて戦士の攻撃である分が加算されます。
注意!毒は戦士の攻撃が当たった時に計算してください。
また、「これでもくらえ」は対象が一つなので、余った攻撃力(ダメージ)を他に割り振る事はできません。
これは、大掛かりな乱戦でも同じです。
術者はGMに魔法の対象をしっかりと伝えてください!
魔法が、相手の手の届かない距離から撃てるのであれば、「特殊な戦闘状況:遠距離からの攻撃」に準じて、反撃は受けません(GMが乱戦、と指定している場合は、これに当てはまりません)。
ルールブックには、「結界」の呪文は極端に短い時間ではかける事ができない、となっていますが、今回は「結界」の呪文も他の呪文同様、即座に効果を発揮します。
また、プレイヤーの「状況に対する魔法の選択の早さ」についても同様に、ルールブックには準じません。ゆっくりと魔術書をめくって頂いて結構です。
「魔術師同士の決闘」「乱戦時においての魔法の優越」
魔術師同士がお互いに魔法をかけあった場合の処理について書いておきます。
1.まず互いにかける呪文を、メモ用紙に書きます。
2.互いに書き終えたら、相手にメモを見せます。
3.「魔法破り」などの打ち消す魔法で無い限り、魔法は通常どおり効果を発揮します。
4.呪文の効果によっては、「速度」の対抗判定を行い、呪文がかかった速度を決めます。
5.「速度」の対抗判定に勝った方が、先に呪文をかけるか、後にかけるかを決めます。
戦闘からの逃亡
キャラクターは(もちろん怪物も)、戦闘の際に不利な状況に陥ったら逃亡を試みる事ができます。
逃亡を試みる時は、まず逃げる方向を決めてから(相手側には伝えなくても結構です)、互いの「速度」を使っての対抗判定をします。
本来であれば、一人一人個人で判定すべきなのですが、「今回」は集団の場合「集団で一番速度の低い者同士の判定」を行って頂きます。
対抗判定に勝てば逃げる事ができますが、負けてしまった場合は逃げる事ができません。通常どおり戦闘ターンに戻り、また戦闘の再開です!
逃亡に成功したら、予め決めておいた方向に逃亡を図ります。
この際、逃亡される側は「飛び道具」「魔法」で追撃する事ができます。接近戦用の武器で追撃する事はできません。
以上で戦闘に関するルールを終わります。お疲れ様でした。
追記:「重すぎる防具」:何らかの原因によって、防具の必要体力度がキャラクターの体力度を越えてしまった場合は、キャラクターは動けません。攻撃力を半分にしてください。
また、呪文も使えなくなりますし、逃亡を試みる事もできません。