I HATE YOU

Written by HTIK


ハァ、ハァ、ハァ、ハァ………………

第三新東京市内の、とあるマンション。

ハァ、ハァ、ハァ、ハァ………………

そのマンションは、すでに取り壊しが決定しており、誰も住んでいない―――はずだった。

しかし、とある一室、もう電気さえも通っていない暗闇の部屋に、一組の男女がいた。

ハァ、ハァ、ハァ、ハァ………………

暗闇の部屋に響くのは、男の荒い息。そして体がぶつかる音。

その男女は暗闇の中、まるでケモノの様に身体を重ねていた。

男は闇雲に腰を動かし、女はまるで人形の様に動かない。

そして、男の腰の動きが早まったかと思うと、男は女に強く腰を打ち付ける。

女は、初めて動く時が来たように、両足を男の腰に巻きつけ、さらに男を自分の中に入れようとする。

男が2、3度痙攣する。そして、そのまま女の胸の上に倒れこむ。

女は、自分の胸の上に覆い被さった男の髪を優しく撫でる。

男はそれを嫌がるように、ゆっくりと女の横に仰向けに倒れこむ。

そして、暫くすると男はそのまま寝てしまった。

 

女は起き上がり、隣に眠る男を見る。

ふと男の唇が動く。

それは女の錯覚かもしれない。しかし、女には男があの女の名前を呼んだような気がした。

それまで無表情だった女の瞳に、表情が現れる。それは嫉妬―――

 

女は着替える、そして、男を置いて何処かへ。

場所はネルフ直属の総合病院。あの女がいる場所へ。

 

すでに深夜で静まり返った病院。

灯りは非常口を示す緑の灯りが転々とあるだけ。

しかし、女は何度も通っていたのか、迷うことなく、あの女のいる病室へたどり着く。

その病室はベッドの周りに、様々な機械が並ぶ。そして規則的な音だけが響く。

ベッドには、すべてを拒絶し、身体を丸めたまま寝ている女がいる。

 

この女だ。

私は、この女の代わり。この女がいる限り、彼は私のモノにならない。

いや、この女がいるから、私は彼の傍に居れる。この女の代わりだからこそ、私は彼の傍に居れる。

私が彼のモノになれないことは、初めからわかっていたはず。

それでも彼と身体を重ねるうちに、いつかは彼が私を見てくれると思っていた、信じていた。

でも、それはただの妄想、虚夢。

初めから彼は私なんか見ていない。

 

女は、ベッドに眠る女の方を掴んで、強く引っ張る。

しかし、仰向けになっただけで、ベッドに眠る女は一向に目覚めない。

女はスカートをたくし上げると、下着を脱ぎ捨て、ベッドで眠る女の顔をまたぐ。

そして、自分の指で自分の秘所を広げる。

「どう?今日も彼は此処を愛してくれたわ、一杯に。」

いつしか、女の秘所から彼の出したモノが垂れてくる。

そして、ベッドで眠る女の顔に、白い斑点を作っていく。

「どう?彼はこんなにも私のナカに出してくれたのよ。悔しい?自分じゃなくて悔しい?」

女の問いかけに、ベッドで眠る女は何も答えない。

何か良い夢でも見ているのか。その表情はとても穏やかだ。

それが、逆に女の神経を逆なでする。まるで、余裕の様に思えて。

女はカッとなって、ベッドで眠る女の口を無理矢理こじ開け、顔中についた白い液を、指ですくって口の中へと入れる。

「美味しい!?彼のモノは美味しい!?ねぇ!?」

いくら女が問いかけても、彼女は答えない。

いつしか彼女の顔には透明な斑点が出来ていく。

「貴方は汚い…………汚いわ……………」

そのまま、ベッドで眠る女の上に跨ったまま、項垂れる女。

 

小一時間ほど立っただろうか、女はゆっくりとベッドから降りる。

そして、彼の眠る部屋へと戻ろうとする。

 

「…………私はあなたが………………大嫌い。」

病室のドアを開けた時、女は呟いた。

 

<おしまい>


後書き

ふと、忙しい中思いついたものをそのまま書いて見ましたが、う〜ん………なんなんでしょうね?(笑)。

とにかく全部無視しちゃえと。何時の時なのか?、男、女、ベッドで眠る女は誰か?とか。

多分簡単にイメージできるのは、男と女がシンジ君、レイ嬢で、ベッドで眠るのがアスカ嬢でしょうけど、特にこの組み合わせで書いた訳じゃないです。だから名前出さないわけです。

レイ嬢がすべてを拒絶する可能性だってあるわけだし。男がゲンドウ、女がリツコ、ベッドで眠る女がレイという可能性もあるわけだし。

しかし、これはEVAのFFなのか?(汗)

2002/08/25 HTIK


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