ちゅっ チュッ ぴちゃぴちゃ
休日の朝、今日はアホ姉とセクハラ音楽教師は一緒に飲みに行くと言っていたので、家には誰もおらず、静かに熟睡できる貴重な一日……のはずだった。
俺は寝ていたはずだが、さっきから下半身の一部が異常に熱を発していたため、目が覚めてしまった。
休みの日に限ってツインテール娘やらが突然やってくるのは分かっていたが、騒がれもせずにこういうことがあると、正直どうしていいものかと考えてしまう。
意識は冴えたが、目は開けていない。
ぴちゃ ピチャッペロペロ
むう……、誰か知らんが、やはり下半身のところに誰かがいる。
それも俺のアレを舐めているようなのは、気のせい……じゃないはずだ。
熱い、熱い……と思っていると、
ドピュッ!ビュルッビュるるッ
「……っ!」
あまりの舌遣いの良さに、下半身が震えると同時に射精してしまった。
そしてその瞬間までは気持ちよかったが、こんな、誰がやっているのか分からない行為に対して、俺は深い罪悪感が沸いてくるのを感じた。 ……春香に申し訳が立たない。
行為に気付いた時に止めればよかったんだが、目を開けるのは困難であり、ちょっと恐いというか抵抗があった。
こんな事をするのは誰だ? 美夏はいつもゴロゴロしてくるし耳年増だが、こういった事はしてこないはずだ。春香は……絶対ないだろう。
だとしたら………と、考えるほど想像がつかず、俺は頭に「?」が浮かぶ不気味さに、背筋がブルッとするのを感じた。
下半身が露出状態から、丁寧に下着を戻され、寝巻きも元通りにされる。俺はそのタイミングを見計らって、意を決して目を開いてみた。
「……裕人様、おはようございます」
そこにいたのは、口元から白濁した液体を垂らす、無口メイド長さんだった。
「葉月さん……? 一体何して……」
「……練乳です」
「……は!?」
「……これは、練乳です(ポッ)」
葉月さんはそう言うと、頬を赤く染めた。
そして「失礼します」と言ったかと思うと、恥ずかしそうに部屋から出ていってしまった。
本当にあの人は何を考えてるんだろうか……と、葉月さんが座っていたところにメモのような紙切れを見つける。
『 裕人様へ
春香様や美夏様に劣情を催すといけませんので、微力ながらお手伝いさせていただきました。 葉月 』
大いなる脱力感と同時に、俺は最近やけに疲れる理由を知った気がしたのだった。
おわり