夢を見てるみたいだった。
修二が今、自分の目の前にいる。
しかも、ただ、自分だけを見つめて。
あの時、悲しいと、怖いとつぶやきながら
大声で泣けずにいる修二を思わず抱きしめた。
大丈夫、大丈夫だから。
誰もあなたのことを嫌いになんてならないから。
修二は、何もできない自分の憧れだった。
みんなの中心にいること。
みんなの憧れの人とつきあっていること。
私が飛び越えられずにいるものを、どんどん飛び越えていること。
適当にやればいいんだと修二は言う。
誰も本気なんかじゃないんだと。
そうかもしれない。
でも、自分はそんなにうまくはやれないのだ。
今はただ、目の前にいる修二がそれが全て。
目の前の信子は、さっきからじーっと俺を見つめている。
キスをしても、服を脱がせても、そのあいだずっとずっと。
伏し目がちで、顔を隠してばかりいる信子しかしらない俺は
少し戸惑っていた。
どうしようと悩んで、俺もじっと見つめることにした。
バカみたいだと思いながら、この視線に答えることができる言葉なんて
今の俺には思いつかない。
目、キレイなんだな
そんなことを思いながら、もう一度信子にキスをする。
見つめたまま、顔をそっとちかづけて、
触れるか、触れないか程度のキスだ。
何度か繰り返して顔を離すと、信子が微笑んでいた。
「何笑ってんだよ」
まっすぐ自分を見つめたまま信子が言った。
「ゆ、夢みたいだなって」
「夢？」
「い、今までいいことなんて、ぜ、全然なかったから・・・」
「・・・・・」
「め、目の前にね、修二がいて、私を見てるのが、う、嬉しくて」
修二と呼ぶ部分だけ声が小さくなる。
照れているんだろう。
そんな信子の言葉をかわいいと思うと同時に、ほんの少しいらだちを感じる。
夢？
これが夢？
「夢じゃ、ねぇよ」
そうつぶやきながら、俺は乱暴に信子の胸をつかみ、乳首を口に含んで強く吸った。
小さな悲鳴があがった。
自分を見つめる修二がいる。
自分にキスをする修二がいる。
嬉しくて、愛しくて
ただ、その気持ちを伝えたかっただけだった。
本当に、夢のようだと思ったから。
でも、それが修二の気に障ったのだろうか、
優しいキスは終わり、乱暴に胸をつかまれた。
「きゃっ！」
急激に加えられた痛みに思わず声を出してしまう。
それでも修二は、無表情に私の胸を揉む。
大きく、小さく、円を描くように。
目の前で形を変える自分の胸。
急にこのあらわな格好が恥ずかしくなった。
思わず逃げようと身をよじった瞬間、修二の指が胸の先端をつまみ、軽くひねった。
痛みが走るのと同時に、身体の奥が熱くなる。
「あぁっつ！！」
修二は手を休めない。
ゆっくりと修二の口が私の乳首を口に含んだ。
あたたかい舌。
濡れいてる舌。
自在に動いて、私の胸を味わっている。
はじめは吸うように、そして、舌先で私の乳首を転がす。
手も相変わらず動いたままだ。
舌を突き出して、乳首を舐めながら、修二が私の顔をみる。
見上げるその目が、私をおかしくさせる。
ぞくぞくする。
身体がどんどん熱くなる。
その瞬間するどい痛みが走った。
右の乳首は捻られ、左は強く吸われたあとに、噛まれた。
「い、痛い！」
思わず叫んだ私の唇を修二の唇が塞ぐ。
修二の舌が私の中に入りこみ、口腔内をくまなく舐める。
恐る恐る舌を絡めてみる。
ねっとりとまとわりつく舌と舌。
痛みを忘れ、うっとりと気持ちよくなったころ、胸に、再び痛みが加えられた。
修二の唇から逃げ出し、訴える。
「痛いよ、痛いよ修二」
「イヤ？」
「い、痛いのは、イヤ」
「こんなに濡れているのに？」
修二がいきなり私の脚を左右に開いて、中心に手をやる。
人差し指で割れ目がなぞられるのがわかる。
たっぷりとあふれ出ているものをすくい取られ、目の前に見せられる。
思わず顔を背けてしまう。
「こっち見ろよ」
その声に、おそるおそる修二の顔を見る。
私の目を見ながら、修二がその人差し指をゆっくりと舐めとり、笑った。
恥ずかしさのあまり、まともに修二の顔が見られない。
本当は、自分でも気がついていた。
みっともないほどに、濡れていることに。
これが自分だなんて思いたくないけれど、
修二が加える痛みに、私は感じていた。