階段を、ひらりと駆け下りていった
そういえば前にもこんなことがあったかな。
気まぐれな風は、俺らを動かすけれど
君のまっすぐさは相変わらずで
俺の優柔不断も治りはしない
たったそれだけが、何だかくすぐったくて
いろんな言葉を飲み込んで、俺は屋上へと走るんだ。
「野ブタ〜、おはようだっちゃ」
大好きな君は、僕のものだけじゃ居られない
だけど君が居るなら全部、大好きだ。
「…お、おはよう彰っ」
名前を呼んでくれただけで、もう俺は幸せすぎて
ここで叫んだとしても足りない。
だって
こんな幸せは、どこにも売ってないじゃないか。
「大好きよー、野ブタっ」
「…っ」
言っても言っても足りないくらい、大好き
君の香りが俺の全身に流れる
そんな想い、俺のこんな小さな頭のなかじゃ消化しきれない
だから小さな君を抱きしめずには居られないんだよ?
ごめんね、苦しいね。