雨粒が顔に当たる。  
梅雨入りしたらしいしな。  
用意周到な俺、桐谷修二が傘を忘れるなんてどうかしてるな。  
「修二はきっと雨男なのよーん」  
さっきまで一緒に飯食ってた彰が、別れ際そういったときは、なんとか家まで持つと思ったのに。  
送って行ってあげれば?野ブタがそう言ったのを断ったのは、遠慮したわけじゃない。  
・・・一人になりたかったんだ。でも、俺はそんなことは言わず  
「新婚さんを引き離すのは野暮じゃん」  
とおどけてみせた。野ブタの赤くなった顔。可愛いと思った。  
そして、猛烈に彰とも野ブタとも早く別れて、一人になりたかった。  
 
やきもちじゃない。結局同じ大学に進んだ俺と野ブタと彰だったけど、ずーっと野ブタは彰のものだった。  
俺?俺は、悪いけどモテましたよ、あい変わらずね。  
輝かしくも後ろめたい学生時代でした。若気の至りってやつ?  
鬼畜なことばっかしてたわけじゃない。本気で好きだった子もいた・・・でも、結局今は一人だ。  
就職も、要領いい桐谷君らしく、そこそこの企業へもぐりこんだ。親父さんの会社に入った彰は  
「未来の社長の俺の片腕になるまでの武者修行ってやつよねん」  
なんて脳天気な事をほざいてたが、俺はきっと会社でもうまくやるだろう。  
仕事も人間関係も。  
でも・・・それ以上の何かがあるんだろうか。  
野ブタをとろけそうに見てる彰みたいに、心から幸せな気持ちになる日が来るんだろうか。  
 
「ごめんなさい!」  
誰かにぶつかった。いや、ビルの出口で雨に濡れながら(ちょっとポーズもつけながら?)  
物思いにふけってた僕がいけないんです、すみませんお嬢さん。  
お・・・お嬢さん?  
「ま・・・まり子?」  
「しゅうじ!・・・じゃなくて、桐谷君?」  
「いや、修二でいいから!」  
まり子だった。結局あれから一回も会えずに、野ブタに近況は聞いてたりもしたけど・・・  
「まり子・・・きれいになったね」  
あの頃もめちゃめちゃ可愛かったけど。女らしく、色っぽくなった・・・。  
「きり・・・修二は、変わらないね」  
くすっと笑う。うわ、かっわいー。  
まじで?俺、すごいかっこよくなったと思ったんだけど、駄目?  
「ううん、かっこよくなったよ、ずっと。でも、久々にあっていきなりきれいになったって言う辺りが」  
変わってない、ってか?口ばっか、って感じ?  
・・・傷つくなあ。  
「修二、傘ないの?駅まで行くなら入れていこうか?」  
「相々傘か。高校んとき、一回あったな。いいの?彼氏に怒られない?」  
「・・・いないから」  
やべ。なんか俺地雷踏んだのか?しかし、そのへんは空気読ませたら天下一品の俺。  
さっさと話題を変える。  
「実はさ、さっきまで彰の家行ってたんだよ」  
「あ、そうなんだ?そうだよね、この近くだよね。私、結婚式も二次会も行けなくて」  
「来てたらもっと早く会えてたのにな」  
「・・・そうだね」  
うーん。なんだろうな、この感じ。  
ほっとくのか?なんかいいたげなこの美人を。しかも一応昔の彼女だろ。  
「まり子。時間あるならさ、ちょっと飲まないか?」  
 
 
二人で酒を飲むのははじめてだな。思えば結構真面目な高校生カップルだったわけだ(ほんとか?)  
まり子はアルコールが強そうだ。しかし顔に出るタイプらしく、すぐに目元が赤くなった。  
・・・色っぽい。  
いや、いかんぞ、修二。ヨコシマなことを考えるのは(まだ?)早い。  
「結婚式さ、来なかったのは具合でも悪かったの?」  
ワインをまり子のグラスに注ぎながら、さりげなく聞く。  
「具合?うーん具合っていえば具合だけど・・・」  
視線をそらせた横顔がまたきれいで、なんでこんないい女なんだ?  
「あ、言いたくないなら言わなくていいよ」  
俺はサラダを口に入れた。話を少し急ぎすぎた?  
「手首切ったの」  
・・・トマト丸呑みしちまった。しかも実は俺トマト駄目だし。  
「不倫がこじれて。会社の上司と・・・こころも変になって、しばらく入院してて」  
思い出した。俺がまり子は来ないの、と聞いたときの野ブタの困ったような顔。  
でも、あのとき確か野ブタは言ってなかったか?  
「まり子さんは桐谷君に会いたがってたよ」って・・・。  
「まったく馬鹿な女でしょ」  
わざと悪ぶって言うまり子の大きな瞳に涙がいっぱいたまってた。  
「うん。馬鹿だ」  
俺も強い口調で言った。まり子の目がいっそう大きく見開かれる。  
「でも、俺も馬鹿だから。だから、二人で、もっと馬鹿になりに行かないか」  
 
まり子は黙ってついてきた。俺も、ほとんど口はきかなかった。  
ホテルの部屋に入るなり、俺はまり子を力いっぱい抱きしめた。  
「修二・・・」  
「ごめん、まり子」  
「なんで、修二が謝るの?」  
「助けてやれなくて・・・ごめん」  
「修二・・・」  
まり子には幸せになってほしいって思ってた。  
ずっと忘れなかった、なんて言うつもりはない。忘れてることもあったよ。  
でも、思い出すときはいつも、幸せになってほしいって思ってた。  
俺が傷つけた分、笑ってほしいって思ってた。  
なのに・・・  
まり子の嗚咽が聞こえた。  
俺のシャツの肩のあたりが、まり子の涙であったかく濡れてる。  
俺はまり子を上向かせて、キスをした。きれいな色のルージュも全部舐め取った。  
顔中の涙も、全部俺が吸い取った。細くていい匂いのする髪を指で梳きながら、ゆっくりまり子の  
ブラウスのボタンをはずした。  
「修二、電気消して・・・」  
「いやだ」  
全部見せて。今のまり子がみたいんだ。  
「じゃ、お願い、先にシャワーを・・・」  
「駄目」  
そのままのまり子がほしいんだ。  
 
ブラの上から、ゆっくり胸を愛撫した。強いくらいに力を加えると、まり子の口から吐息が漏れた。  
ブラのホックを片手ではずすと、まり子が驚いたように俺を見た。うまいだろ?w  
右手で乳房全体をもみながら、淡い色の乳首もそっと噛んだ。  
「は・・・あぁぁ・・・修二・・・」  
まり子は立っているのが辛そうだった。オッケー。  
抱きかかえてベッドまで連れて行った。スカートも、ストッキング脱がせて、汚れないように  
ベッドサイドのテーブルにそっと置いた。俺、こゆとこどこまでもマメだな。  
自分の服はわざと荒っぽく脱いで、無造作にそのへんに落としておいた。  
まり子は水色のショーツだけになっていたけど、ショーツはもうすっかり・・・だった。  
まだそれは脱がさないで、上から濃くなったその水色をそっとなぞる。  
「あ・・・ああ・・・」  
感じ始めたまり子の手がシーツをつかもうとするので、片手でその手を包み込んだ。  
両手がいっぱいだけど、俺にはもうひとつ武器がある。  
そう、器用な舌がね。  
じらすように太ももから上へキスをして、ゆっくりとだんだん広くなってきたショーツの濃いあたりに  
息を吹きかけた。触れるか触れないかくらいに、舌で濡れてるあたりをなぞる。何度も何度も往復する。  
「あっ・・・あ、あ、あぁぁあ・・・修二ぃ・・・」  
まり子の声が高くなる。  
「これだけでそんなに感じるの?」  
からかうように言ってみる。  
「だって・・・あ・・・あぁぁ・・・」  
お楽しみはこれからなのにね。  
 
ゆっくりショーツを脱がせた。まり子が恥ずかしそうに顔をそむける。  
それがまたやばいくらい・・・色っぽい。  
すっかり裸にしたまり子を、全部見た。ほんとにきれいで・・・そして、成熟してる大人の女の身体。  
少しだけ心が痛かった。今までの何人男がこんなきれいな裸を見たんだろう。  
でも、それは・・・お互いさまだろ?修二。  
少しだけ足を開かせて、まり子の一番敏感な突起を、今度はじらさずに、いきなり舌でとらえた。  
「くっ・・・」  
「駄目だよ、足閉じちゃ」  
きれいなまり子が見えなくなる。  
蜜がどんどん溢れてくる。舌でそれを掬っても掬っても、蜜は止まらない。  
すっかり膨れた突起を吸う。猫がミルクを舐めるような音が部屋に響く。  
「あ、あ、ああああ!駄目、修二、そんな、だ・めぇ・・・ね、お願い、駄目、もう・・・」  
俺の片手を握ったままのまり子の手に、痛いくらい力がこもる。  
いいよ、いっちゃっていいから。  
俺は指をまり子中に埋め込んだ。きつい。熱くて溶けそうだ。ほんの少しだけ動かすと、まり子が  
締め付けてくる。  
「ああああああっ!駄目、修二、イク、いっちゃう・・・あ!あぁぁぁぁ〜!!!」  
 
目を閉じて息を整えているまり子の唇に、キスをした。  
「修二・・・」  
「黙ってて、ね?」  
まだ、許すつもりはもちろんない。  
首筋にも乳首にもほんの少しだけ久しぶりの挨拶のキスをして、  
すぐに、どうしようなく濡れて光ってる淡いピンク色の、唇と同じ色をしてる亀裂にたどりつく。  
淫らに蜜にまみれて、俺を誘うように口を開けているそこに、舌を強く差し入れた。  
絶頂を迎えたばかりでまだしびれてる?  
「あああぁぁっ!!!」  
まり子の声は悲鳴みたいだった。素敵なBGMは、ますます俺をはりきらせる。  
敏感な突起も大きくなったままだ。指で、円を描くように触れる。まり子自身の蜜が、ちょうどいい  
潤滑油になって、すぐに俺の指がべとべとになってしまう。舌の動きを早くする。  
指も突起をはさむように強く刺激しながら動かす。  
「あ、あ、だめ、修二、だめ、あ・・・だぁめぇぇ!また・・・、私・・・」  
「喋っちゃだめだよ・・・」  
おしおきに、指を二本に増やした。中のざらついた天井に、おしつけながら出し入れする。  
「あ、あぁぁぁ!んっ・・・ん、ん、イク、いっちゃう・・・!」  
それは許してあげるよ。  
まり子の体がのけぞった。俺の指をはじき出すくらいに、中がしまる。  
「ああああ!イク、いく、修二、いっちゃ、う、・・・ああぁぁぁぁぁ!!!」  
まり子のきれいにペディキュアされたつま先が、その瞬間反り返るのが見えた。  
 
ぐったりしたまり子のそこを眺める。とんでもなくいやらしい眺め。  
すっかり開ききって、俺を誘ってる。そろそろかな。俺ももう我慢できねえし。  
うつろな目をしてるまり子の手を、俺の分身に導く。そおっと握り締めて、驚いたように俺を見る。  
いい子だ。喋っちゃだめだって約束だよね。  
ごほうびに、いっぱいまたイカせてあげるね。  
 
あれ・・・?  
何だよ、俺。なんでこんなにドキドキしてんの?やべぇ。なんか体調不良か?  
俺の分身は全然元気で、やる気まんまんなのに。  
・・・緊張してる?今更?あんなにイカしといて?  
 
多分・・・俺は百人とは言わねぇけど、かなりの女の子や、女の人を抱いたはずだ。  
最初の時だってこんなに緊張したか?いや、それは絶対ない。相手は俺の初体験だって気づいて  
なかったはずだ。年上のきれいなお姉さんだったけど。  
・・・その時より、何倍も胸の鼓動が早い。まり子に聞こえちまうだろ!  
俺の様子に気づいたのか、まり子がちょっと不思議そうに下から俺を見上げてる。  
かわいいよなあ・・・。  
なんで、俺何年もこんな可愛い子をほっといたんだ?  
「修二・・・?」  
俺は返事をしなかった。なんか泣きそうだったから。  
俺は黙ったまま、まり子にキスした。ほんとに淡いキス。  
・・・それだけでいっちまいそうだった。  
俺は意を決して、自分の熱い分身をまり子の蕩けそうなそこにあてがった。  
奥まで一気に貫いた。  
「あっ・・・あ・・・修二、すごい・・・」  
「まり子の中、すげぇ熱い・・・」  
ゆっくりとまり子が俺を締め付けてくる。きつい。  
駄目だ、少しでも動かしたら最後、すぐいっちまいそうだ。  
情けない、なんてこった、俺ともあろう男が。  
自分が感じるより、女の子を感じさせるのが大好きだった俺が。  
こんなに早くいっちまうのか?  
「まり子、ごめん、俺、もう・・・」  
「いいの、修二、いいの、だってね、あたしも・・・修二が中にいるって思うだけで」  
まり子がとろんとした、でもやっぱりきれいな瞳で俺のすぐ近くにいた。  
「ん・・・ああ・・・ね?もう、わかるでしょ?もう・・・もう・・・」  
「まり子、ほんとに?」  
 
まり子の途切れ途切れの甘い声を聴いていると、  
何もわからなくなった。俺は激しく腰を打ちつけた。まり子を壊すくらい。  
今までの時間をを取り返すみたいに。  
「まり子、いくよ」  
「修二、うん、あっあ、あ、あ、あぁぁぁぁぁぁぁ!」  
まり子の絶叫を聞きながら、俺は壮絶な快感を吐き出した。  
恥ずかしいことに、俺も絶叫してた。初めてのことだった。  
身体だけでなく、心まで、ここでないどこかへ行ってしまった気がした。  
 
 
電気は消しときゃよかった。泣いてる顔をまり子に見られちまった。  
でもまり子は黙ってる。なんか言ってくれよ・・・って俺、勝手なやつだな。  
まり子の胸に甘えるようにもたれた俺の首を、まり子が引き寄せた。  
「修二・・・好きよ」  
「!」  
やべぇ!!!俺!一回も言ってなくないか?先に言われちまった?  
「まり子・・・俺も、俺も好きだよ」  
まり子が笑った。世界で一番好きな笑顔。俺は夢中でまり子にキスをした。  
初めて女の子にキスするみたいに、胸がどきどきした。  
もう、この女の子以外にくちづけをすることは、生涯ないだろう。そう思った。  
畜生、なんでこんなに幸せなんだ?世界がピンクに見える、ってそれはラブホの照明のせいか。  
ふいにまり子がささやいた。  
「修二・・・今度は修二が黙っててね」  
え・・・?  
まり子が小悪魔的に微笑んで、徐々に顔を俺の下半身に近づける。  
リードされる?そんなの経験ないって!やべぇ、って、今日の俺は一体何回やべぇんだ?  
桐谷修二、一生の不覚。さすがにここからはちょっと話せないな。  
「あぁぁぁぁ!」  
い、いっとくけど、今のは俺の声じゃないぜ?断じて違う!  
 
ってことで、ここから先はわりぃ!バイバイシクー!って、何年ぶりだよ(涙)  
 
終  
 

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