「おはよっ!」  
「ああ・・。」  
修二が駅につくとカスミはすでにそこにいた。修二は一瞥すると改札の中に滑り込んだ。  
「今日ね、お弁当作ってきたんだよ。あとで一緒に食べようね。」  
修二の後ろを小走りで追いかけながら、カスミはいつもどおり笑顔を浮かべる。  
それには応えずに、修二は電車に乗り込む。  
「楽しみだね?動物園。」  
(何考えてんだ・・こいつ・・。)昨日から修二は今日の事を考えていた。長い一日になりそうだ、修二は窓を流れ行く景色を眺めながら、そう考えていた。  
「今日、バスケ部は早朝練習なんだって・・。」  
修二が睨む。  
「なにしたんだよ?」  
「何にもしてないよ?ワタシトシテハ?」  
(着いたみたい。)カスミはそれ以上の質問を許さなかった。足早に電車を降りると、どんどん動物園の中に入って行く。  
「私さ、大好きなんだよね、動物園。皆、狭い折の中でひしめいててさ、人間の言うとおりに、わけも分からず芸をするの。生きるも死ぬも人間の手のうちにあるのに、毎日毎日同じ事を繰り返して。動かすものと動かされるもの。私たちもおんなじだよね?」  
まるで世の中すべてをあざけるかのように、くすっとカスミは笑う。  
「知ってる?豚ってさ、人間が作り出した生き物だって。だから桐谷くんも小谷さんのことプロデュースしてるんじゃないの?」  
「野ブタはただのあだ名じゃん。深い意味はないよ。」  
そうか、それはカスミのいうとおりなのかもしれない。あのときの俺は、ただ何かを作り出したかったのかもしれない、でもそんなのはきっかけの一つにすぎないんだ。野ブタは最初から野ブタだったんだから。  
カスミにはいっても無駄だ、修二は心の中で反論する。  
「小谷さんと草野くんはもう来てるかな?」  
広い園内だ、彰と信子にそうそう会うもんじゃない。でもカスミはきっと探し出す、修二はそう思っていた。  
「あいつらには手ぇ出さない約束だろ?」  
「うん。出さないよ。見てるだけ。」  
そういうとデジカメをかまえる。  
「やめろよ。」  
修二が遮るようにレンズを手で押さえた。カスミが不敵な笑みを浮かべた。  
「結構簡単に見つけちゃったね。」  
カスミが視線を前方に移したので、修二もつられる。  
「この距離なら気づかないかな?」  
檻の前ではしゃぐ彰を楽しそうに見つめる信子の姿が目に入った。はたからみればただのバカップルだ。でも彰と信子は幸せそうで俺はなんとなく疎外感を感じた。そうか、俺はこれを感じたくなくて、彰の恋を素直に応援できなかったのかもしれない。  
(つーか野ブタ、なんだか普段より気合はいってないか?)修二は目を疑う。  
「かわいくない?今日の小谷さん。あたしがプロデュースしたの。出かけるからおしゃれしたいっていうから一緒に買いにいったんだ。」  
友達の振りをして、信子の中にずんずん踏みいるカスミは心底憎らしい。真実は残酷だ。何も知らない信子に胸が痛んだ。  
「転校してきた時の姿からは今の小谷さんは想像つかないよね。桐谷くんのプロデュースはさすがだよ。まっその分自分のプロデュースは疎かになっちゃったわけだけど・・。」  
(皆から存在を否定されるってどんな感じ?)修二が何かいおうとしたが、カスミには答えは必要なかったみたいだ。修二から視線をそらす。  
「見てるだけにしようと思ったんだけど、無理だったみたい。」  
どうやら彰たちは俺たちの存在に気づいてしまったようだ。カスミが挑戦的に修二の顔を見て笑みを浮かべると(小谷さん!)といって近寄っていった。  
修二も仕方なく彰たちの元に走り寄る。  
「コンッ!コンッ!」  
彰が気まずそうにお得意のポーズで挨拶する。  
「偶然だね。小谷さんとこんなとこで会えるなんて嬉しい!私たち考える事も一緒なんて凄い仲良しじゃない?」  
(よくいうよ・・。)修二は、さらに恐怖感を募らせていた。  
「・・なっなんで・・?」  
信子がおずおずと聞く。野ブタも彰も俺の様子を伺ってるのはいたいほどわかった。  
「私たちはその・・ねえ・・?」  
あえてカスミが言葉を濁す。修二がポケットに手を突っ込んで力なく頷いた。  
 
 
カスミと信子が動物の前で楽しそうに話しているのを遠目に修二と彰は広場の階段に腰掛けた。  
「っていうかまり子じゃないのよん。」  
(二股はいけないのよ〜ん。)彰がちらっと視線をなげる。  
「そんなんじゃないよ・・。」  
この状況でホントの事はいえない。彰がキレるのは目に見えている。修二ははぐらかすしかなかった。  
「じゃ、ぬぁんで〜?」  
「それはまだいえない。いつか話す・・。」  
(こんなんじゃ納得できねえよな・・。)修二は彰の反応が怖くて、彰から目を背けた。本当のことを言えないのは苦しかった。修二はただひたすら彰に信じて貰える事を願った。  
「いつかは遠いのよん。」  
(でも待ってるの。)と言って彰が修二の肩にもたれかかる。それは彰の肯定だ。修二は少し安心した。  
「で、お前は?」  
(そういえばこいつの口からまだ何も聞かされてねぇ〜。)不安な気持ちが落ち着いたら、今度は腹が立ってきた。  
「彰なの〜。」  
「いやそりゃ知ってるから!だからさ、なんで野ブタとここにいんだってきいてんの。」  
真意は確かめとかなくては、修二が思いきって聞く。  
「ソレハマダイエナイ。イツカハナス。」  
彰が修二のまねをする。  
「ああわかった、わかった。で、なに?またプロデュースやめようとかいうわけ?」  
修二は軽く聞き流して、一番気になっている事を聞いた。また彰に3人でいる事を否定されないよう、少し願いの入った問いかけでもあった。  
「プロデュースは続けるの〜。」  
続けるといわれた事にほっとしている自分がいた。でも念入りに確認しておかなければ、こいつの心はさすがの俺も読めない・・。  
「いいの?それで。それはお前だけのものじゃないってことだぞ。」  
「いいの、それで。」  
彰が頷く。それは強い意志の表れでもあるかのように修二は見えた。  
(そういやこいつも三人でいる野ブタが好きなんだ・・。)  
「・・そっか・・つーかおまえ・・野ブタ泣かすなよ・・。」  
でもこれだけはいっておかなきゃならない、彰が野ブタをあきらめた意味がなくなっちまう。  
「泣かさないの〜。次野ブタが泣くときは・・・。」  
(やっぱナンデモナイ!!)彰が途中で言葉を切った。  
 
「んでもってプロデュース第二弾なのよ〜ん。修二くんは専務ナノ〜。」  
「はっ?」  
あ〜いらつく。毎度毎度こいつのいってることはわからねえ、いいかげん順序だてて話せ。彰の話を理解するとき、修二の頭はいつもフル回転だ。  
「・・あ〜もう〜どうしようかな〜だから野ブタが社長夫人に・・いやん、もうこれ以上はいえない。」  
(修二くん、スケベ!)彰が何か想像したのか、手で顔を覆う。  
「あ〜わかった。なんとなくわかった。」  
(スケベなのはお前だろ・・。)修二がなげやりに返事する。こいつといると俺はいつでもバカを見る。でも、こいつの底抜けの明るさは俺を安心させる。こんなとき俺は彰に出会えてよかったと思う。蒼井への恐怖心をやわらいでくれる。  
「専務になってプロデュースしりゃいいんだろ?覚えとくよ・・。」  
(・・専務か・・。)大半のものが中間管理職で終わっていく世の中だ。専務ポジも悪くないかもしれない。それは心にとどめておこう。  
「で、告って上手くいって動物園にきてるんだ?」  
もじもじしていた彰の動きが止まった、かのように見えた。  
「それは・・。」  
彰が何かをいいかけた。がすぐ、視界に信子が入り、言葉を続けるのを止めた。  
「あっ蒼井さんがお手洗いに行くっていうから・・。」  
修二たちの会話は聞こえていたのか分からないが、信子は当たり前のように彰の横にちょこんと座った。  
(なんかむかつく。)彰の恋は応援してあげたいがあからさまはなぜか腹が立った。  
「ブッブタを見にきたのぅ〜でもブタが見付からないのぅ〜。」  
少し動揺しているんだろう、珍しく彰がどもりながら、修二の問いかけとイコールにならない答えを出した。  
「まあ普通、動物園にはいねえだろ。」  
「いないの?」  
彰が驚いて声を上げる。信子も顔を上げて目を見張る。  
「いるとこもあっかもしれないけどっ普通いねぇよ・・っていうか・・常識・・じゃん?」  
「だって俺っち動物園初めてなのぅ〜。」  
彰の言葉に信子も頷く。こいつらに俺の常識は通用しない  
(さすがお坊ちゃまと元いじめられっこ・・あなどれない。)修二が言葉を失う。   
「つーか、ぬぁんで豚いないのよ〜ん!!豚だって動物じゃん!差別ハ〜ンタイ!!」  
彰がこぶしを上にあげて騒ぎ出す。  
「ハンタイ!ハンタイ!差別ハ〜ンタイ!SAY!」  
(ハンターイ・・・。)信子も小さな声でぼそっとつぶやく。  
「・・ははっ・・。」  
修二は思わず噴出した。彰のばかにまじめに付き合う信子。(すげーうらやましい・・。)修二は少し嫉妬した。  
でも修二は気づいてた。この嫉妬は彰たちの幸せの上に成り立っているんだということを。それはそれで心地よいものだという事を。  
「ちょっとトイレ・・。」  
席を立つ理由なんてどうでもよかった。こいつらの初デートだ。二人にしてやりたかった。蒼井を無理やりにでも連れて帰ろう、そう決心してカスミの元に歩きだした。  
 
「蒼井っ!」  
「桐谷くん、どうしたの?」  
カスミは修二の顔を見ると、また顔を笑顔に戻した。  
「もういいだろ?帰ろう。」  
修二はカスミの腕をつかんで、引っ張った。  
「まだなにも写してないよ。」  
カスミがかばんの中からデジカメを取り出し、手の中で弄ぶ。  
「それとも楽しそうな小谷さんと草野くんを見ていづらくなっちゃった?」  
修二はカスミに心を見透かされているような錯覚におちいった。  
「友達思いの桐谷くんはそっとしといてあげようって感じ?青春だね。」  
カスミは修二の気持ちを代弁するかのように一方的に話し続けている。  
「・・・つーか、あいつらにとって初めてのデートが嫌な思い出になるなんて、俺がたえらんねぇし・・。」  
しぼりだすようなか細い声で告げるのがやっとだった。  
「ばかみたい。桐谷くんって案外お人よしなんだね。今日のデートだって隠されてたのに、まだ仲良しごっこ?桐谷くんだって、最初は草野くんや小谷さんのこと馬鹿にしてたんでしょ?でも今は大切な宝物ですってそんなの偽善だよ。」  
カスミは修二の顔を見てふっと鼻で笑った。そうだ、これはいつも俺が思ってきた事だ、修二はカスミを通して、過去の自分と対峙している気がした。  
「ていうかほんとに小谷さんは草野くんの事好きなのかな?どう考えたって草野くんより桐谷くんじゃない?抱きしめられたし?普通はあの展開だったら誰でも桐谷くんを好きになると思うよね?桐谷くんもほんとはそれを望んでたんじゃないの?」  
(そうだよ、俺は彰に嫉妬した。野ブタが俺より彰を選んだ理由がわかって少し悔しかったんだ・・。)修二はカスミの言葉を冷静に受け止めていた。  
きっと俺は蒼井に試されてるんだろう。蒼井のいうことをすべて認めれば、蒼井は引き下がるとでもいうんだろうか。いや、それは違う。蒼井の空っぽの心が悪意で満たされちまう。  
(一人残らず幸せになって欲しい。)信子の言葉を思い出した。そんなのは無理、でも俺はそうやって人の幸せを願える人間でありたい。  
「どうしたらおまえは満足するの・・?」  
「満足?満足なんてするわけないじゃない。満足したらそこで終わりなんだから。私はそんな定められた枠なんていらないし。そんな小さく生きているのは面白くないじゃない。人間なんて次から次へと欲望が沸き起こるものでしょ。」  
カスミは修二が自分に向ける憐れみのよう表情に苛立ちを隠せなかった。目じりがあがり、少し早口になる。  
これは蒼井の心の悲鳴だ。なにをしてもどうしても満たされない心の悲鳴だ。こうしていいないと、自分の存在意義を確認できない、世の中の犠牲者なんだ。修二は胸がつまった。  
 
「・・確かにおまえのいうとおりかもしれないな・・。」  
修二は心の中でカスミを救ってやりたいと思っていた。俺が彰と野ブタに出会って変われた様に蒼井も次に進ませてやりたい、そう願っていた。  
「俺はこの世の中なんて、適当に人と付き合ってけば、すべて俺の思ったとおりにいくと思ってた。でも、それは俺をさらけ出して皆に受け入れてもらえないのが怖かっただけだと思う。おまえと同じように・・・。」  
(誰かに必要とされたかっただけなのかもしれない・・。)カスミの顔は笑顔なのに笑ってない。修二はその寂しさに気づいていた。  
「私と桐谷くんはおんなじような人間だから・・私の気持ちはよくわかるから・・こんなことやめろっていいたいの?」  
カスミの表情が暗くなった。鏡を見て俺と話しているようだ。  
「憎んでいいはずの私の気持ちまでいたわってくれるわけだ。立派だね。そうやって俺は皆の事分かってますって、皆のために動いてますって、そういうの、すっごいうざい・・・。」  
カスミの声色が変わる。  
「でもそういう桐谷くん凄い好きだよ。」  
修二はカスミの心から目をそらさないように、カスミを見つめた。  
「・・ムカツクぐらい・・好き。」  
「?!」  
修二はカスミのほほを一筋の涙が伝うのが見えた気がした。カスミが抱きついて修二にキスをしてきた。とっさの事に身動きできず、修二はされるままになっていた。  
もしかしたら俺は騙されたのかもしれない、でも確かに俺はカスミに心を許していた。これは俺の咎に対する報いなのかもしれない。そう思ってカスミを受け入れていた。このキスですべて終わるなら、軽い代償なのかもしれない、と・・。  
「修二・・・。」  
でもそれは決してしてはいけない事だったんだろう。この状況を一番見られたくない奴に見られてしまった。  
俺の大事なあいつは苦痛で顔を歪ませながら、視界から消えていった。何やってんだ、俺・・。  
修二はカスミを突き放す。  
「みられっちゃったね。」  
カスミがにやりと笑う。  
−観客がいなきゃ、面白くないじゃない−  
修二の頭の中をカスミの笑い声が鳴り響く。  
「桐谷くん、いい顔してるよ?」  
パシャッ・・カスミがシャッターを切った。  
修二はカスミを一瞥すると、まり子がかけ去ったほうへ走り出した。カスミは無表情で修二を見送りながら、手に持っていたデジカメを放り投げ、(いった〜い。)と叫んで倒れこんだ。  
「あっ蒼井さん、どうしたの?」  
カスミの声に信子と彰が近寄ってくる。  
「大丈夫?」  
信子が起き上がるのを手伝う。  
「イッタィ・・桐谷くんに突き飛ばされちゃって・・一緒に写真とろうっていっただけなんだけどなんか気に入らなかったみたい・・写真・・嫌いだったのかな・・?」  
カスミが信子に見せるように悲しげな表情を作る。  
「桐谷くん・・・。」  
信子は心配そうに修二が走って行ったほうを見つめた。それを見たカスミの口元が緩むのを、彰は見逃さなかった。  
 
「まり子!おい、まてよ!まり子!」  
修二は夢中で追いかけた。  
「はなして!!」  
「・・はなさねぇ・・。」  
修二が追いついて、まり子の腕をつかむ。この手を離したら、もう二度と俺はつかむ事ができないだろう。  
「修二、なんでこんな事するの?」  
「えっ?」  
「修二が話があるっていうからきたのに、ひどいよ・・私にこんな場面を見せるために呼びつけたの?」  
(やられた・・。)カスミが修二の名を語ってまり子を呼び出したのだろう。  
こうなる事はわかってたじゃんか、まり子を巻き込まないでくれなんてかっこいいことをいってても、まり子は俺の手紙だと思ってやってきた。まり子を呼び出したのは他ならぬ俺なんだ。  
「あの子の事が・・好き・・なの?」  
とても勇気がいったのだろう。振り向いたまり子は歯を食いしばって、静かに涙を流していた。  
(泣くなよ、俺のせいで。)修二は近づいて、まり子の涙をぬぐった。  
蒼井の悪意が流れ込むようなキスとまり子の傷ついた涙で、皮肉にも俺はまり子への気持ちを確信した。  
俺が今蒼井のゲーム盤の上に立っているなら、ゲームはクリアしなきゃいけない。俺のゴールはまり子だ、まり子に気持ちを伝えなきゃこのゲームはおわらない。きっと何よりもこのゲームをあがりたいのは蒼井なんだ。それなら俺が皆をあがらせる。それでゲームセットだ。  
修二は見えないカスミにこの気持ちが届く事を願って口を開いた。  
「・・・俺が好きなのは・・まり子だ・・信じて欲しい・・。」  
修二がまり子の肩を抱く。  
「・・好きなんだ・・。」  
悪意に勝てるのは何事にも揺るがない自分の気持ちだけだ。それはカスミに教えられた事だ。俺は蒼井に笑って礼をいえるように、どうしてもまり子に素直に自分の気持をつたえなきゃダメなんだ。  
何かをためらってる時間なんてなくて、大切なものを大切といえなければこの手から簡単に消えていってしまうものなんだから。  
「・・俺と付き合ってください。」  
修二が深々と頭を下げる。  
俺の声がまり子に届きますように、修二は審判のときを待った。  
「・・信じるよ・・信じる・・。」  
修二は顔を上げた。  
「・・私が見た事よりも・・修二を信じる・・。」  
蒼井、ゲームは俺の勝ちだ、人間は力でどうこうできるもんじゃない。心が大切なんだ。  
(もう泣かさないから・・。)修二はまり子を抱きしめた。  
「デート、しよっか?」  
 
俺たちは今までを取り戻すかのようにいろんな事を話して、いろんな所を歩き回った。それでもまだ物足りなくて、気づくとラブホテルの中にいた。  
「へえ〜ラブホテルってこんななんだ〜。」  
まり子がきょろきょろしている。  
「修二は初めて?」  
まり子が物怖じもせず聞いてくる。  
「・・ああ・・うん・・。」  
修二は面食らった。  
「つーかいいの?」  
「いいって?」  
「だからこういう急な流れっつうの?」  
「うん、平気。」  
(蒼井さんには負けられないし・・。)まり子が修二に聞こえないような小声でつけたした。  
「えっ?」  
「ううん、なんでもない。それに私は前から修二とこうなりたかったよ?」  
(やべえ、もう我慢できねぇ。)修二がまり子に飛び掛ろうとするが、大切な事を思い出す。  
「ちょっとたんまね。すぐ戻ってくっからね。」  
まり子を尻目に玄関まで戻る。(よし、OK!)修二が念入りにチェックする。鍵はちゃんと閉めておかなければいけない。これから起こる事はさすがにカスミに覗かれたらこまる。  
「修二?」  
まり子が様子を伺っている。  
「じゃ、はじめよっか。」  
修二は気合を入れて、まり子の肩に手をかけた。  
「あっでも私シャワー浴びないと・・部活のあと修二に早く会いたくてシャワー浴びる時間がなかったんだ・・。」  
(やっべ、ストライク・・・)まり子の言葉は修二を熱くさせた。  
「いや、それもまり子じゃん・・つーか俺もう我慢できねぇし。」  
修二はまり子をベッドに押し倒した。  
「きゃ・・。」  
意識の遠くで、まり子の声を聞いた気がした。  
俺はまり子の柔らかい唇に俺の唇を重ね合わせた。無我夢中だった。なんせ初めての体験だ。  
俺は頭の中で今まで一人で培ってきたありったけの知識を思い出していた。  
ゆっくりまり子の口の中に舌を入れていった。まり子の舌に絡めながら、俺はブラウスのボタンを一つ一つ外していった。ブラジャーの上から優しく胸をなでる。  
「んんっ。」  
まり子の吐息がもれたので、俺は唇から首筋に舌を這わせた。  
次は難関だ。片手でブラジャーを外さなくてはいけない。実際問題、母親はほとんどいないようなもんだし、男ばかりの家で育ってる。俺はブラジャーなんて近くで見た事や、ましてや触った事もない。  
チラッとブラジャーを見る。ピンクのレースがついたかわいらしいブラジャーだった。  
(よっしゃ、俺好み。)修二のテンションはますます上がる。  
とりあえずスポーツブラじゃなくてよかった・・あれはどういう風に脱がしていいかわかんねぇし・・。  
そんな間抜けな事を考えながら、まり子の上半身にキスをしながら、なんとかブラジャーを外す。  
そんなに時間はかかってないよな・・まあまり子はわかんないか・・  
いや、ちょっと待て。まり子は初めてだっていったっけ?ラブホテルは初めてみたいな事いってたよな・・?  
俺は冷や汗が出てきた。でもここでやめるわけにはいかない、とりあえず胸をもむ。  
 
「あっ・・。」  
まり子が反応した。まり子は俺にされるがまま目を閉じている。  
まり子が初めてだろうがなかろうが人と比べるような子じゃないのは分かってんじゃんか、俺はまり子の形のいい胸にむしゃぶりついた。  
「んぁぁ・・。」  
俺はまり子の反応を見ながら、綺麗な桃色の乳首の周りを舌を這わせたり、勢いよく吸ってみたり、忙しそうに口や手を使いながら、まり子のスカートに手をかけた。今度は上手にスカートのホックを外すと、スカートをずりおろし、パンツの上から秘部をなでた。  
(湿ってる・・。)俺に感じてるんだ・・なんだか修二は嬉しくなった。さて、ここからが本番だ。桐谷修二、腕の見せ所です。修二は奮い立った。  
「・・しゅう・・じ・・。」  
まり子がいとおしそうに修二の名前をよぶ。  
「好きだよ・・まり子・・。」  
俺はそれに呼応するようにまり子の耳元でささやいた。ついでに耳もなめてやれ、修二が耳をなめるとまり子がくすぐったそうにする。  
修二はパンツの中に手を滑り込ませた。暖かいものが手に触れた。女の子ってこんなに濡れるんだ・・修二はさらにその奥に指を滑り込ませた。  
「いやっ。」  
まり子が自分の中の修二の指の感覚につい声を上げる。  
「嫌・・なんだ?」  
ちょっと意地悪してみたくなった。つーか少しは余裕をみせとかないと・・なんか俺はいろいろ必死だ。  
「ううん・・・。」  
目を潤ませながらまり子が首を振る。修二はにやけたいのを我慢して、パンツを勢いよく脱がした。  
修二は顔を秘部にあてがい、舌を這わせた。へえ、ここってこんな綺麗なんだ、それはまり子のだからかもしれないが、なんとなく修二は感動した。心でそう思いながらも修二は一生懸命舌を動かす事を忘れなかった。  
修二の舌がまり子の感じている証と交じり合ってぴちゃぴちゃと音を立てる。修二はその音がとても快いものに感じた。  
「まり子、これ以上待てない。」  
「・・あたしも・・。」  
この中はとても気持ちよさそうだ、まり子のYESに俺はズボンとパンツを一気に下ろして、足で遠くに蹴飛ばした。  
「入れるよ・・。」  
「うん・・。」  
俺は恐る恐る位置を確かめながら、まり子のそこにそっと入れていった。ゆっくりゆっくり飲み込まれていく。  
「いった・・。」  
まり子が苦痛で顔を歪ます。  
「ごめん。ゆっくりいくよ。ゆっくり。」  
(力を抜いて・・。)まり子にキスをする。まり子の力が少し抜けた気がして、ぴったり奥まで収まった。  
「入った・・。」  
俺は今まり子とつながってる、まり子の細い身体を抱きしめながら修二は感動に浸っていた。きゅうきゅうと締め付けられて気持ちよすぎてたまらない。  
無意識のうちに夢中で腰を振っていた。まり子の奥へずんずん突き立てる。まり子はそのたびに悦楽とも悲鳴とも取れるような声を発した。シーツは少し赤く染まっていた。どうやら俺の勝手な思い過ごしだったようだ。まり子、疑ってごめん。  
「まり子ごめん。おれそろそろ・・。」  
修二はまり子の中の気持ちよさに限界を感じた。  
「・・しゅう・・じ・・。」  
愛おしそうなまり子の声を聞きながら俺は絶頂を迎えた。  
 
俺はまり子の綺麗な長い髪をなでながら、(ちょっと早すぎたかな〜。)と初体験を振り返っていた。こなす事に夢中であまりよく覚えてない。(これじゃいけない・・。)そう思って修二は口を開いた。  
「まり子あのさ・・お願いがあるんだけど・・。」  
「なに?」  
まり子が甘えた顔で修二に寄り添う。(もう一回・・。)まり子の前で修二が指を一本立てる。  
「ばか。」  
そういってはにかむまり子をみて、修二はやっと彰が信子と結婚したいという気持が理解できた。  
「・・専務夫人とか興味ある・・?」  
思ったよりも彰に感化されているみたいだ。  
「なにそれ〜?何いって・・。」  
まり子の言葉をさえぎるように、修二はまり子の口をふさいだ。  
 
 
まり子との初体験の余韻に浸りながら、修二は帰途についた。  
「大変!大変!兄ちゃん、大変」  
玄関のドアを開けると、弟の浩二が慌しく出迎える。  
「何が?」  
足で上手に靴を脱ぎ捨てながら修二がきく。  
「お父さん転勤だって!引っ越さなきゃいけないんだって!!」  
「はあ〜?」  
生きていりゃ最良の日も最悪の日もある・・ゴーヨク堂の亭主の言葉が頭の中でこだまする。  
まり子に明日なんて言おう、修二が頭を抱える。(・・ほんとにプロポーズつうのもありかも・・。)  
今日はほんとに長い一日だ。修二はその場にへたりこんだ。  
 
 

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