わ、私は桐谷君がライバルでも絶対にま、負けないから
ワケの分からない誤解をされたのは三日前
全く鈍いにも程がある………でも
そのほうがいいかもしれない
このどうしようもない想いを抑えるには――――…
「くそっ…頭がいてぇ」
今は昼休み。
俺は今、保健室の前にいる
中に入ろうとすると
ぐっ
「!?…開かねぇ?」
いつもなら開いているはずの扉には鍵がかかっていた
どんどん気分が悪くなっていく
いや、正確にいうと機嫌が悪くなっていく…だ
まあ、そんなことよりどうすっかな
屋上だと人は来ないけど
今の季節、風邪をひくのがあたりまえだ
おれがそんなことを考えていると中から声が
聞こえた気がする…いや、確かに聞こえる
俺はドアに耳をあて聞くと
彰と……信子?
「あいつら、何してんだ?」
俺は耳を澄ました…すると
「あ…っ…んぁ…やっ」
「気持ち良い?信子?」
「は、早く…してぇ…お願い」
俺は耳を疑った
「うそだろ?何であいつら…」
いつのまにあんな…
アイツはもう彰と…
あんなにヤラれまくったクセに…
タフなもんだな
…って何考えてんだよ俺は
屋上。
此処にいるのは俺だけ…あたりまえか
俺はあれを見て後悔していた
後悔…?
何だかイライラする
「…き、桐谷くん」
目の前を見るとそこには
前髪をダランと下げた
「信子…何んだよ」
「その、コッチをずっとみてたから…用事でもあるのかなって」
「!!」
信子に言われるまで気がつかなかったが
俺は信子を無意識にのうちに
目で追っていた
「なぁお前…彰のどこがいいんだ?」
ちらっと信子の方を見ると
顔を赤に染めて
ちょっと照れたような顔していた
あぁ…アイツのこと好きなんだ
そう思った瞬間
胸が痛い…気がした
「その、彰くん優しいしカッコイイし」
「桐谷くんは?」
「…いや…べつに…」
キーンコーンカーンコーン
学校が終わりの合図が鳴った
今日はまり子が休みだったから
今、俺は一人でいる
ふと信子が言った言葉を思い出す
彰くんは優しいしカッコイイし
バカバカしい
これじゃただの
つまんねえ嫉妬じゃねえか
…嫉妬?
この俺がか?
「ハッどうかしてるな…俺」
ドンッ
「ッ…悪ィ…」
目の前を見ていなかったせいで
誰かに肩がぶつかった
「修二く〜ん前を見ないと危ないよんw」
よりによって
今一番会いたくねえヤツとは…
「…待てよ」
え?
何なんだ
一体―――…
「修二…」
「そんなに信子が好き?」
は?
「分けてあげようか?」
何言ってんだコイツ
「信子の唇…な〜んちゃって☆」
「冗談だっちゃw」
そういうと彰は笑いながら
帰っていった
翌日。
朝教室に着くと彰がいなかった
「……フー」
…って何安心してんだよ!
くそっ
彰は2時間目の時に来た
アイツが遅れてくるなんて珍しいな
あっという間に昼飯の時間になり
まり子の所に行こうとすると
「ちょ、ちょっといい?」
俺の服を少しひっぱりながら
信子は上目使いで言ってくる
「べつにいいけど」
俺はまり子に『遅れる』とメールに書き
送信する
「んで?…何?」
「…私、桐谷くんの好きな人しってるんだけど」
ぶっ!!
「げほっ、え!え?」
まさか俺が信子の事
好きなのがバレたのか!?
「桐谷くんの、好きな人って…」
「彰くんでしょう?」
ブー!!!!
「けほっ、何でそうなんだよ!!」
「だ、だって私が彰くんと一緒にいると彰くんのこと
ずっと見てたから…」
俺がみてんのは、信子だっつうの!
何が悲しくてあんなヤツ!
「あのなー俺が好きなのは、おま『ピリリリリ…』
突然、信子のケータイが鳴った
邪魔入るのがタイミング良すぎだ
俺は教室の方を見ると
アイツがいた…
ケータイをもちながら
こちらをみている
「ご、ごめん彰くんが呼んでるから」
「あぁ」
信子はアイツの所に向かう
ブーブー…
「ん?メール?」
まり子かと思い中を見ると
『信子は俺のだよ』
ふ〜ん
面白いじゃねえか
諦める気は無えしそれに…
初めての恋を楽しませて貰うか
おわり