「なんだよ…」  
桐谷修二は面白くない。  
野ブタこと信子がクラスだけでなく、学校中から注目されているからだ。  
特に男子からの“あいつかわいくなってきたよな〜”という声が多い。  
確かにあいつを人気者にするようにプロデュースしているのは自分。  
流行の髪型にして、流行の服を着せて…、あいつをかわいくしたのは自分。  
…確かに最近ドキッとするくらい変わったし。  
だけど最近のあいつのかわいさは、見た目だけじゃないような気がするんだ。  
 
「しゅ〜うっじっくん!な〜につまんなさそうな顔してるの?  
おこってる?おこっちゃや〜よっ!つんつん」  
クラスメイトの彰に頬をつつかれる。  
なんでこいつは人をうざがらせるのが得意なんだろう?  
いや、こいつの最近の余裕ある態度が気に食わない。  
 
放課後まり子につかまり、例の『作戦会議』に遅れてしまった。  
前までとは違う、逸る気持ちで屋上に急ぐ。  
階段を上り、屋上へのドアの隙間から夕日が差し込み、修二は目を細める。  
ドアを開けようとした、その時。  
「……」  
声が聞こえる。  
「やぁっ…」  
…! 信子だ…。いや本当に信子か?修二はそっと隙間から屋上を覗く。  
「ぁあん…。」  
そこにはブレザーとシャツの前をはだけさせた信子が、椅子に座った男に跨ぎ座っている。  
手を男の首の後ろに絡ませ…、男の右手は信子のスカートの中に。  
心臓が早鐘を打っている。  
顔を見てみると…。やっぱり彰だった。  
 
「の〜ぶったちゃん、ちょっと触っただけなのに感じすぎだよ〜ん。ホラっ!」  
濡れて光った右手を信子の目の前に差し出した。  
「い、いやだ。は、恥ずかしいんだけど…っ」  
「ま〜だ恥ずかしいの?こんなに何回も愛しあってるのにね〜ぇ?」  
「……」  
信子は彰の肩に顔をうずめ、顔を隠してしまった。  
何回もって…何回もなのか?修二は驚くと同時に、胸がざわついた。  
「どうするの?シちゃう?シちゃわない?早く決めないと修二くんがきちゃうナリ〜」  
「……し…」  
「し?」  
「………し、したいん…だ…けど……!」  
 
最後は消えそうな声で彰の耳元で囁く。信子はますます顔を埋めた。彰はニヤリと笑って  
「よく言えました♪じゃ〜ご褒美に俺っちを…あ・げ・るw」  
そういうと彰は信子の唇にキスをした。右手で胸をやさしく揉み、左胸の先にキス。  
左手は信子の腰を支えている。  
「あぁ…!」  
信子が声を上げる。下を向いているので修二からは表情が伺えない。  
「信子…もう、入れるよ?」  
一度彰の顔を見、こくりと頷く。彰はジッパーを下げ熱くなったモノを出し、  
そして慣れた事の様に信子を上から座らせる。  
「やあああぁぁぁぁ…あっ…あっっ……!」  
 
…いや、野ブタが自分で動いていないか?  
修二は信じられないと思いつつ、自身も熱くなってきてるのを感じた。  
「ああん…ぁあっ」  
彰が少し速度をあげ、右手を再びスカートの中にいれ、下から突き上げるようにした。  
「あ……あ…あ…ぁきらくんっっ……!」  
「…っのぶこっっ!」  
信子は彰を締め付け登りつめた。  
「…っく」  
思わず声が出るほどの快感の波に乗り、その後彰も続いた。  
 
 
すっかえい暗くなった帰り道、修二は自転車を押していた。  
屋上には顔を出さずに逃げるようにその場を立ち去ったのだ。  
あんな場面を見て、信子への気持ちに気づくなんて。  
彰は、自分でも気づかなかった俺の気持ちを知って、あの態度だったのか?  
ブーブー。  
携帯がメールの着信を知らせる。  
 
『しゅ〜じくん、ノゾキはいけないっっちゃ♪』  
 
 

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