「あぁ！あの二人！また話してる！！」
ガヤガヤうるさい廊下の角。
アタシは最凶に不機嫌な声を出し５ﾒｰﾄﾙほど離れたところで何かを話している二人を見つめる。
「ねぇあんたさぁ、あの告白の日からおかしくない？」
「そうそう。」
「だってアタシに告っておいて、なんなのさ。」
アタシの視線の先にいるのは小谷信子。と、この間彼氏とトラブってる所を助けてもらった草野彰。
嫉妬の相手は小谷なのではなく、草野って時点でアタシは自分でも相当ヤバイと思う。
虐めてた人間にこんなきもちならないだろ？
つうか小谷は女だろ？
ってより草野と喋ってる小谷にもむかつくんですけど。
「あぁぁぁ、イライラする。」
「まぁまぁ…おちつけバンドー。」
どうどうとジェスチャーする友人たち。
なんかアタシ動物扱いされてないか。
「ちょっ…草野くん…やめ。」
！！！！！
声のする方を見ると、草野が小谷のうざったい前髪をピンで止めていた。
かっか可愛いじゃないかよ。
ってそうじゃないし。
「小谷前髪止めた方が良いって…ね？バンドーもそうおもうっしょ。」
小谷の肩を押してアタシの前に来た草野はニヤニヤと笑う。
コイツはあの告白の日から何かとアタシにつっかかってくる。
なんなだよ、マジきもちわるい。
ニヤニヤ笑う草野とは対照的に小谷はびみょーな顔でアタシを見てくるし。
「あ、こんな可愛い小谷はバンドーには見せるのやっぱやーめた。」
「は？」
「俺バンドーにジェラシー感じちゃってるし、ケバイんだもん。」
「こら待て、草野逃げんじゃねぇよ！！」
逃げろーと叫んで草野は廊下を駆け出した草野をアタシはとっさに追いかけた。
あ？あ？あ？今なんつった草野。
ケバイ？ジェラシー？
ああ、もうよくわかんねぇっつうの。