ハッピーが最も険悪するゴリラ  
やつは元々は顔も性格もブスのくせして何百回という整形手術を繰り返し顔とスタイルだけの美貌を手にした  
そしニセコイのメインヒロインという栄光の座をつかみ取ったわけだが……  
実は男なのだ、千棘は男である  
整形にかけた金、約2兆円で自分を完全なる女に仕立て上げたのだ  
だが、なぜか性器にだけは手をかけなかった  
 
 
ガンッ!ガンッ!ガッシャァァァン!!  
 
 
「!!?………」  
 
ハッピーが千棘の詳細を書き記している時  
玄関から何かを破壊されるような音が響いた  
そしてノシッ……ノシッ……と階段を上ってくる足音  
ハッピーは恐怖の包まれた  
 
(や、やばい……殺される!)  
 
即座にハッピーは自分の部屋の扉をロックする  
そして自分の部屋に置いてあるベッドの下に身を隠した  
ハッピーの部屋のドアからガチャガチャッという音が聞こえる  
 
ガチャ……バキィッ!!  
 
ドアノブが破壊されたようだ  
ゆっくりと扉が開かれる  
入ってきたのは空き巣か!?殺人鬼か!?  
どちらでもない  
ハッピーの部屋に入ってきたのは毛むくじゃらの化け物……  
いや、あの金髪とでかいリボンは……千棘か!?  
 
「ふぅーーーーっ!!……ふぅーーーーーっ!!……」  
 
なにやら息がそうとう荒い  
ダイエット中のメタボ野郎みたいな息をしている  
どうやら疲れているようでハッピーの机に座りパソコンを見始めた  
変に動揺しているな、それもそのはず  
ハッピーのパソコンに写されているのは六花ちゃんの画像ばかり(エロ画像じゃないぞ!)  
 
「きもちわりぃ……」  
 
(!?……あのゴリラ野郎……よくもハッピーの趣味にケチつけやがったな!)  
 
腹がたちつい舌打ちしてしまう  
千棘がその音に気付いたのか、ベッドに近づいてくる  
ハッピーはもう駄目だと思った  
 
千棘がハッピーのベッドの上に乗った  
ごそごそと音が聞こえるがハッピーは千棘がなにをしているのかわからない  
このまま見つかるのも時間の問題だろう  
ハッピーはただただ息を殺して佇んでいた  
 
 
シコ…シコ…シュッ…シュッ…  
 
頭上から馴染みのある音が聞こえる  
 
 
「楽、楽、楽、楽!」  
 
楽の名前を連呼している  
そしてさっきの音も少しずつ早くなってくる  
ハッピーは確信した、ハッピーのベッドで勝手にオナニーしているのだと  
 
 
「楽!……楽!……楽うううううぅぅぅぅぅぅっ!!!!!」  
 
シャアァァァァァァァァァァッ  
 
ハッピーの周りに異臭が漂う  
これがゴリラの精液なのか……  
ハッピーのベッドがゴリラの精液で汚されたと考えるとゾッとする  
 
「…………ふぅ、気持ち良かった」  
 
ゴリラがベッドから降りる  
そろそろ帰ってくれるのだろうか?  
ハッピーの心境はもうどうにでもなれ状態だ  
 
「さて、だいぶ満喫したし帰ろうかしら」  
 
ハッピーは天にも昇る気持ちになった  
ベッドの掃除は大変そうだがやつが帰ってくれるならどうということはない  
 
 
カサカサ……カサカサ……  
 
生理的に無理な音が聞こると同時に腕がくすぐったくなる  
ハッピーの腕を見るときらめかしいGが這っていた  
 
「うわあああああああああああああああああああああああああっ!!!」  
 
思わず大声をあげてしまう  
不幸は続き帰ろうとしていた千棘の足が止まりベッドのほうを睨んでくる  
ハッピーは体を震わせ目をつむりながらベッドの下で蹲る  
 
 
ガッバアアアア………  
 
上を見上げるとベッドはなくなっていた  
というより千棘が持ち上げていた  
今までの人生が走馬灯のように頭を遮る  
短い人生だったが楽しかったよ……六花ちゃん  
 
80キロほどあるベッドを軽々と持ち上げる毛むくじゃらの化け物に睨まれている状況  
中二病を最終回まで見届けるまで死にたくないと思っていたのに……  
 
「なな、なんだよゴリラ野郎!お前のチンポ噛むぞコラ!」  
 
やけくそで暴言を吐いてみる  
よけいに怒らせてしまうだろうに……  
 
「……チンポを…噛む!?……それってフェラしてくれるって意味?」  
 
 
「………へ?」  
 
千棘の顔がみるみると赤くなっていく  
もしかして助かるパターンか!?と大きな希望を抱く  
 
「……その、フェラしてくれるっていうなら……生かしてやってもいいけど」  
 
こ、これは……助かる!助かるパターンだ!  
やったぜ!中二病をまだ見ることができるぜ!  
 
(…………いや、待てよ?性格の悪いゴリラのことだからな、フェラしたあとに殺されるかも)  
 
その被害妄想が生んだ決断は「殺られる前に殺れ!」  
つまり、チンポを噛みちぎってやるってことだ  
 
千棘が巨大な肉棒をハッピーの顔に近づけてくる  
成人男性の平均のものよりずっと大きいと思う  
口を限界まで開かないと咥えられないほどだ  
 
「ほら!早く咥えなさいよ!」  
 
レイプされているような気分だ  
それに太すぎて噛みちぎれるかも心配である  
 
「ああ!私のチンポに唾液が絡みつく!」  
 
正直黙れ、って思う  
さて、こいつを気持ちよくさせてやる義理はないしそろそろ噛みちぎるか  
ハッピーは全力で顎の力を使い思いっきり噛んだ  
 
「ぐぅあっ!!ぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ!!!!!!」  
 
耳がおかしくなりそうなほど大きい断末魔  
あとで近所に怒られるのは確定だろう  
それよりこの味と匂いがひどい  
口の中が血でいっぱいになり今すぐ吐きたい  
噛みちぎれたのは先端の部分だけだがそれでも恐ろしいほど痛いだろう  
千棘の先端をペッと吐きだし机に置いてあったコンパスで千棘の喉を突きさす  
 
さてと、死体処理はどうしようかな  
今気付いたらハッピーの部屋は血だらけでゴリラが死んでいる状況  
どう見てもハッピー一人の力で処理できるはずがない  
 
「まあ、これは正当防衛ってことで許してもらえるかな!」  
 
 
お・わ・り  
 

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