サケグセ小咲編2回目の翌日というイメージ
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秋晴れの朝、小咲は目を覚まして悶々と布団を被っていた。
昨日の事を思い出し、顔が熱い。
今日も学校が有る。楽とどうやって接すればいいか。
(うっ…ど、どうしよう…)
いつもなら、楽や千棘に会えるのが楽しみなのだが。
昨日、楽をもう一度家に呼んだ。初夏以来の事である。
無論、母親に頼まれて、だ。
何故か知らないが、夕飯も食べていく事になった。
どうも母親に相当気に入られたらしい。
後継ぎがどうとか言われ、二人してご飯を噴いて慌ててしまった。
まあ、そこまではいいだろう。あれはあれで楽しかった。
しかし―
(お母さんのばかぁ…なんで間違えて渡すのよぅ…)
事後に聞いたら、楽に渡したのは特製のカクテルだったそうな。
お茶を渡すつもりだったらしいが。
笑い飛ばしながら、ゴメンゴメンと悪びれずに手をひらひらさせていた。
間違えたなら仕方ない。小咲の中には、母を疑うという選択肢は無いようだ。
それにしても…小咲はカレンダーを見上げた。
昨日・今日を含めた前後の数日間に印が付いている。
(で、出来ちゃったら…どうしよう…)
少し青ざめた。
だが、考えようによっては、それは楽の子供だ。
育てるのは構わない―いやいやいや、やっぱりダメだろうと首を振る。
そもそも高校生で…でも相手が楽なら結婚しても…いやいやいやいや…。
頭の中を天使と悪魔がぐるぐると回り続ける。
「小咲〜!そろそろ起きないと遅刻するわよ〜!」
堂々巡りを母親が破る。
「は、は〜い」
ベッドからのそっと起き上がり…腰がまだ少ししんどい。
(うっ…お風呂でマッサージしたのに…)
疲れが残っていたようだ。
マッサージが足りなかったのか?それとも、それほど激しかったのか?
一体、どんな顔して会えばいいのだろう。
小咲は、顔を赤くしながら部屋を出て行った―。
fin.