――俺は気持ち良い感覚に包まれて目を覚ました。
いや、正確には意識だけだ。目は怖くてまだ開けてない。
ただ肌から感じる情報を整理すると、俺は全裸らしいこと、ベッドで寝ているらしいこと、多分裸の女子二人に抱かれていること、俺のナニが握られていること、俺の指が温かく湿ったところに収まっていること、等々が分かる。
そして耳からは、気持ち良さそうな寝息が左右から聞こえる。鼻からは良い匂いを感じる。
…責任ってどうとるんだろ。つーか俺記憶無いんだけど。今から夢オチでしたってなんねえかなぁ。とりあえず覚悟決めて、目を開けるしかないか。
目に入って来たのは天井。白い。どうやら自宅では無いらしい。
さて。
俺は一体誰の責任をとるのか。
俺は恐る恐る視線を落とした。
視線を落とした先には、小咲と万里花。やっぱり二人とも服着てない。可愛いなちくしょう。
ていうか俺いつの間に名前で…本当に記憶無い間に何があった。
んでもって右手の指は小咲に、左手の指は万里花に突っ込んでた。俺のナニは二人に握られている。ビンビンじゃねえか。そして今気づいたけどぬるぬるしてる。ああ、これ完全にやっちまったな。記憶無いけど。
…ん?記憶が無い?待てよ。もし二人にも記憶が無かったとしたら、まだチャンスあんじゃねーか?二人が起きる前に何食わぬ顔して着替えちまって、んで二人が起きても白をつき通せば、何も無かったことに…?
な、なんか男として最低な気がするが、俺の対応次第でこの街の命運が決まっちまうんだ!さあ指を抜け俺。俺はこの街を守るぞぉぉぉぉぉぉ!!
ピクッ
小咲「はぅん!…気持ち良い、楽くん…。」
万里花「んぁっ!…楽っくん、気持ち良か…。」
キュッ
小咲&万里花「もっと…!」
ふぉぉぉぉぉぉぉっ!!!なんだコレ!?ハードル高過ぎだろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!
だ、だが、諦める訳にはいかねえ!俺にはこの街の未来がっ…!
るり「お、一条くん起きたんだ。」
希望が絶たれた。いや、まだだ。事情を話して、なんとか協力を
るり「責任はとりなさいよね。小咲泣かしたら絶対許さないから。」
まさに絶望。もう俺に生き延びる術はない。
いやまあね。普通に考えたら夢みたいな状況なんだけどね。小咲と結ばれるのは本当に念願のことだし、万里花と一緒になることでどこかほっとしたのも事実だし。
責任とれるものならとりたいさ。とれるものなら。
楽「な、なあ宮本。俺記憶無いんだけど、どうしてここに来て、それで何やっちまったのか、説明してくれねえか…?」
るり「覚えてないの?呆れた…。あんだけやりまくっておいて。まあ私も後半はコレの相手してたから一条くんの方は全部説明できないけどね。」
コレ…?
言われて宮本の足下を見ると、全裸ビンビンの集の姿が。マジで何があった。
――学校にて
千棘「じゃーね、ダーリン!」
楽「あ?今日は一緒に帰んねえのかよ?」
千棘「これからうちで集会らしいのよ。ま、そういうことで私も鶫もいないし今日は好きにしなさい。」
鶫「そんな男に構わず早く行きましょうお嬢!」ガルルルル
ドドドドド…
二人は凄い速さで帰っていった。
楽「さて…俺も帰るか。」
帰ろうとする楽。少し離れた所から小咲とるりが会話している。
るり「ほら、いま一条くん一人だよ。一緒に帰ろうって声かければ?なんなら家に遊びに行くとか誘うとか。」
小咲「え〜っ!?そんないきなり迷惑じゃ…」
るり「行け。」
小咲「ちょ、ちょっとるりちゃん押さないで!」
万里花「あら楽様。今お一人ですの?」
楽「お、橘。」
万里花「もしこの後お暇でしたら、また我が家に遊びに来ません?」
るり&小咲「!?」
るり「これは…。躊躇している場合じゃないわね。行くよ。」グイ
小咲「えっちょっ待って!るりちゃ〜ん!?」
楽「え、でもいきなり押し掛けたら迷惑じゃ…。」(あの親父さん怖えーから会いたくねーなぁ)
万里花「心配には及びませんわ。今日父は仕事で出払っておりますので。」(なんとかこの機に既成事実を…!)
るり「ねえ橘さん。私たちも遊びに行っていいかな?」
万里花「!?」
小咲「あ、あの、私たち学校で話したり勉強会したりはあるけど、一緒に遊ぶって中々無いから、もし良かったらこの機会にお邪魔させてもらえないかな、なんて…。」
るり(小咲頑張った!)
万里花「え、ええ。勿論構いませんわ。」(せっかく二人きりのチャンスでしたのに…!)
かくして楽、小咲、るり、集の4人は万里花の家に遊びに行くことになった。
るり「なんで舞子くんいるの?」
集「まあいいじゃないの細かいことは。」
るり「…。」
万里花(邪魔が増えましたわ…。)ゴゴゴゴ