「はぁ…はぁ…一条君…一条君……!………ああぁっ……!」  
 
「……はぁ…はぁ…また…」  
今夜もまた…『あのカギ』でイってしまった…  
イった後は決まって背徳の念に押し潰されそうになるのに、彼と一緒になれるような気がして、夜になるとやめられなくなる…  
「はぁ…」  
ため息をつきながら、いつものように洗面所でカギを洗っている時、頭に浮かんでくるのは、昨日の放課後のこと…  
「カギ見られちゃったな…匂いとか錆とか、気付いてないといいけど…」  
消臭は丁寧にしているつもりだけど、だからといって突然彼の前に出す自信なんてない。  
とっさに、テキトーに(たしか本棚のカギと言って)ごまかしたけど…あんなに慌てて逃げてしまって、何か不自然に見られてしまったかも…  
「…それにしても、一条君のあの錠、綺麗なままだなぁ…」  
彼は、あの錠を大切にしている。それを考えると、私はこんなにカギを劣化させてしまって…見ていて情けなくなってしまう。まして、あんなはしたないことに使って…  
「〜〜〜!もう寝よ!」  
誰もいない洗面所だが、なんだか恥ずかしくてたまらなくなった。寝て忘れてしまおう。  
布団に入って、睡魔が訪れるまで極力何も考えないように努めると、幸い意識を手放すのにそう時間はかからなかった。  
 
翌朝…  
「やあ、今日も会えて幸せだよハニー!」  
「私も嬉しいわダーリン!」  
「ヒュ〜ヒュ〜!今日も熱いね〜お二人さん!」  
 
…今日も、一条君は桐崎さんと朝からベタベタしてる…当然だけど、私も抱かれたことのない肩を抱いたりして…  
ああ、あんなに近付いて、桐崎さんの胸が一条君の身体に…私がいったいどれだけ、あの図に憧れてきたか…  
…なんて、昨日までは嫉妬を顔に出さないようにしながら眺めているだけだったけど…  
昨日、私は聞いてしまった。二人がカップルであることを「演技」といい、言い争いをしているのを…あれはいったい、どういうことなんだろう。  
そういえば、一瞬どこかをチラチラ見てるような…?  
…私の方も、たまに見てるような…自意識過剰かな。見てほしいって気持ちが強すぎてそんな気に  
なっちゃうだけだよね…  
 
…とにかく事情は、一条君に直接聞けば分かるよね。放課後、声をかけてみよう…  
 
「あ、あの…一条君っ!」  
「…お、小野寺…!?」  
放課後、今日日直の桐崎さんが職員室へ行きに教室を出たところで、一条君に声をかける。  
「あ、あの…その…」  
お、おかしいな。いつもは話し掛けたり会話するくらいなら普通に出来てたのに、秘密を聞くというだけで、喉がつまるような…声が、出ないよ…  
「…っ……き、昨日……その……」  
「ど、どうかしたか?昨日?」  
ああ、一条君が困ったような目をしてる…早く言わなきゃ…桐崎さんが戻ってくる前に……  
で、でも…もし、「なんでそんなことを聞くんだ?」って言われたら…?  
『一条君の秘密を知りたいから』?『本当は彼女がいないのかどうか確認したいから』?そ、それじゃ告白同然じゃ…  
ああ…言わなきゃいけないのに、心臓が破裂しそうで痛い…だ、だめだ…息が苦しい…あれ?  
「………」  
バタッ  
「お、小野寺!?」  
 
………  
「……うう…ん?」  
「よかった、気が付いたか?」  
「ここは…?」  
「保健室だよ、保健の先生はもう帰ったけど、具合悪い人がいるからって職員室から借りてきた」  
「そっか…私、あの時気を失って…でも、どうやってここへ?」  
「俺が運んできた。力に自信はないけど、小野寺は軽かったから俺でも運べたぜ」  
「そ、そう…」  
当然、軽かったと言われて悪い気はしないけど、恥ずかしいことを言われたような気になって口ごもる。  
それに、一条君に運ばれた…!?私、気絶してる間に一条君に持ち上げられて、ずっと密着してたの…!?  
まともに考えると冷静でいられなくなりそうで、慌てて話題を変える。  
「そういえば、桐崎さんは?」  
「倒れた時は本当驚いたぜ?桐崎なら『ダーリンと帰れないのは残念だけど、急病人が出たなら仕方ないわね』って帰ったよ(一人で帰れるのが凄く嬉しそうにな…)」  
「え?じゃあ今ここって…」  
二人…きり?  
「ん…?あ…!わ、わりぃ!運ぶのに夢中で…い、今出ていくから!」  
この慌てぶりだと、一条君は今気付いたのかな…でも、今出て行かれたら…!  
「ま、待って!」  
「お、小野寺…!?」  
「聞きたいことが…あるの…!」  
じ、自分でも信じられないくらい大きな声で呼び止めちゃった…一条君ビックリしてる…恥ずかしい…けど今しか聞けない…  
「あ、あの…!桐崎さんと話してた『演技』って、どういうこと…!?」  
「………!」  
一条君の顔が一気に強張ってるのを見ると、やっぱり聞かれたくないことなのかな…でも、聞かなきゃ前に進めない…私の気持ちが…!  
 
…それから、息苦しい静寂がどれだけ続いたのだろう…おそらく1分弱だろうけど、まるで一時間にも感じた沈黙…  
そして、決して暑くない部屋には似つかわしくない大量の汗を拭った一条君がついに放った言葉は、私が最も恐れていたものだった。  
「…そ、それは…桐崎と俺以外の人に知らせるわけにはいかないんだ…」  
私も目を見て話してくれない。けど、嘘をついている様子もない…  
二人だけの秘密…私は、「他人」として拒絶されているの…?  
でも、きっとやむを得ない事情があって…無理矢理聞き出す権利なんて無いんだから、ここは素直に引き下がらないと…  
…頭の中で自分に言い聞かせて、「そっか、分かった」と笑顔で返そうとした、その瞬間  
 
ポタッ  
 
「…え?」  
「小野…寺?」  
ベッドに染みが出来る。…これは、涙…?どうして?理解を示すことは出来るはずなのに…  
涙が止まらない。笑顔を作ろうとしてみても、上手く笑えない。一条君に秘密事をされるのが、こんなに悲しいなんて…  
 
「い、いや違うんだ小野寺、その…突き放すような意味じゃなくてだな…色々あるというか…聞かれたらまずいというか巻き込めないというか…」  
辺りをチラチラと見渡しながら、何かに怯えているようにも、私を気遣っているようにも見える様子で、歯切れが悪い言葉を並べる一条君…  
私は、彼を苦しめるようなことをしているのかもしれない…  
「ご、ごめんね…気にしないで…ちょっと、目にゴミが入っちゃっただけだから…」  
慌てて取り繕ってみたけど、上手い嘘が思い付かない…「目にゴミ」なんて、バレる嘘の代名詞なのに…何やってるんだろ、私…  
「……ほら……」  
「……え……?」  
ふと頬に伝わる、布の感触。見ると、一条君がハンカチで涙を拭ってくれていた。  
「……あり…がとう…」  
嗚咽を漏らしながら、一言お礼を言うのが精一杯だった…そうだ…私は、いつの間にかこの一条君の優しさに惹かれて…  
「…耳を、貸してくれないか」  
「…え?」  
突然の申し出。私は、意味を理解する前に、反射的に聞き返していた。  
「泣かせっぱなしじゃ…な。まだ黙っとくつもりだったけど、伝えたい想いがあるんだ…」  
「…うん」  
覚悟を決めてもいないのに、気付くと了承して耳を傾けていた。頭より先に体が動くって、こういうことなのかな…  
「…事情は詳しくは言えないし、聞かないでほしいんだが…」  
そんな前置きさえも、頭の中でエコーとなって響き渡る。  
鼓動が速くなる。息が荒くなる。一条君はすぐ脇。荒い息を、聞かれているかも…でも、今度こそ気をしっかり保つんだ…意識を手放さないよう、布団をギュッと握って続く言葉を待つ。  
…まさか、いや、そんなはずは…いやでも、もしかしたら…いやまさか…怖い…でも、聞かなきゃ…でも…  
頭の中が激しく渦巻く。  
しかし彼の一言は、そんな私の脳内を一瞬で真っ白にした。  
「俺が好きなのは、小野寺なんだ」  
 
「………!!」  
ガバッ!  
「お…小野寺…!?」  
思わず抱き着いていた。でも、それに気付いても、離れる気はない。ギュウっと。今は思いっきり抱きしめたい!  
「嬉…しい…!私も…私も一条君が…一条楽君が大好き…!」  
「………!」  
「ねえ…キス…してくれる?」  
「ああ…もちろんだ」  
「「んっ…」」  
『チュッ』だけじゃない…昔夢見たキスはそうだったけど…今望んでるのも、今してるのも、もっと長いキス…  
「はぁっ…んんっ…」  
一条君の舌が、私の舌を捕まえたり、私の口の中に入ってきたり…抱き合ったまま、差し出された私をそのまま貪ってくれる…  
のぼせるような『本気のキス』…私は…一条君と両想いになれたんだ…!  
「ふぅ…キス…しちゃったな…学校で」  
「うん…凄いことしちゃったね…内緒だね、ドキドキするね…」  
キスが終わり、こうして初めてのカップルらしい雑談をしてみて、両想いになれたんだと実感が湧いて来る。  
また涙が溢れ出るのを感じる。でも、止めなくていい。だってこれは、温かい涙だから…!  
「キス…あんな感じでよかったか…?初めてだったんだが…」  
「私も初めてだったよ?でも、すっごくよかったと思う。抱き合ったままで凄くロマンチックだったと思うし」  
「あ…ありがとう、小野寺…で、でも…さっきからその、む、胸が当たってだな…」  
「…あ…!ご、ごめん…!」  
胸が当たっていたと言われ、思わず離れてしまった…さっきはあんなに羨ましく思っていたことなのに…でも、離れてしまった以上、抱き着き直すことは出来ないよね…一条君の鼓動を感じられたのに…  
…ちょっと、残念かも…  
「は…はは」  
「あはは…はは」  
なんだか気まずくなって、なんとなく笑い合う。一応、もうキスした仲なんだけど、こう1回離れちゃうと、こうも微妙な空気になるものなんだ…  
わ、話題振らなきゃ、話題、話題…  
…私が話題を探しているうちに、一条君が先に話し出す。  
「い、いやー、それにしても小野寺の胸って意外に大きくて柔らかいなぁ、驚いたな、ははは…」  
…え…!?  
…あ、一条君、黒目があっち行ったりこっち行ったり、グルグルしてる…以前、桐崎さんと付き合ってるのかを聞いた時も似たような表情だったかも…  
もしかして、今混乱して、自制が利かなくなってる…?これって、チ、チャンスかも…今なら…  
「…も、もしよかったら…一条君なら、触ってもいいよ…?」  
…い、言っちゃった…!  
 
「え……?ほ、本当にいいのか…?小野寺…」  
「うん…好きだから…」  
恥ずかしくてたまらない。でも、これが自分の気持ち。両想いな相手への素直な欲求…  
「じ、じゃあ…触る…ぞ」  
「うん…」  
鼓動が高鳴る。この胸を抑えたくなるけど、今触るのは自分の手じゃない…目の前の…ずっと恋い焦がれてきた、一条君の手…  
スッ…  
添えるように、掌が胸に触れる。そこから撫でるような、包むような優しい動きをしてくる…  
荒々しく揉んだりはしてきそうにない…遠慮がちな…一条君らしい触り方…  
見ると、一条君もだいぶ汗が出ていて、息も少し荒い。  
緊張しているのは、お互い様なんだ…そう思うとちょっと気が楽になって心に少し余裕ができる。  
…ふふ、緊張している一条君って、かわいいかも…  
そうだ…ちょっと、一条君をからかってみたいな…  
ドキドキしたまま、ほんの少しの余裕で大人のお姉さんぶってみたくなった私は、その欲望のままに、挑発に走った。  
「ふふっ…一条君、もっと大胆に触ってもいいんだよ…?」  
微笑みながら、胸の上にある一条君の手に自分の手を添えて、胸に向かって少し押してみる。  
胸が少し形を変えると、一条君の表情はそれ以上に変わった。  
「お、おおお小野寺…!?」  
一条君も、胸の感触をさっきまでよりもしっかり体感したことで、顔が真っ赤になっている。  
…どうしよう、こんな慌てる一条君の仕種も、すごく愛しい…  
彼を誘惑して得た反応が、すごく気持ち良い。こういうのを、『やみつきになる』っていうのかな…?  
も、もうちょっと、もうちょっとだけエッチに…彼に迫ってみたい。もっと彼の表情を、反応を見たい。  
ああ、私って、『S』…なのかな…わるい子になっちゃったのかも…  
でも、胸がチクチクするけど…やめられない…  
 
「い、一条君…どう?掌で私の胸を触ってみた感じは…?」  
「ど、どうって…」  
彼は顔を赤くしたまま、どう返せばいいか分からないといった顔をしている。  
返答に困るのは分かってた。ゴメンネ、一条君…私、困った君の顔も見たいの…イケナイ子だよね…  
でも、もっと甘く甘く、イジワルしたいよ…そうだ…次は『アソコ』に…  
…いや、それはやり過ぎ…かな…?嫌われちゃうかも…で、でも…触ってみたい…大好きな一条君の、一条君だけの『オトコノコ』に…  
「ご、ごめん小野寺…む、胸の感想を聞かれても…『柔らかい』とか『フカフカ』とか、そんなありきたりな返事しか思い付かない…」  
「…いいよ、一条君…私の胸を触ってくれた一条君の気持ちは、ここでわかるから…」  
「……!!!?」  
「うわぁ…おっきぃんだね…それに熱くなっちゃってる…」  
「うっ……!」  
「ふふっ、一条君ったら、ヘンタイさんだね…」  
「ぬぁっ…!」  
一条君の、制服の上からでもハッキリと自己主張しているところを、指でつつき、そして握る。  
一条君が、気持ち良さと苦しさが同居したかのような表情の歪め方をする。初めて見る反応…  
そして、初めて触る…こ、これが男の子の…一条君の…少し硬い…そして、なんだか熱い…  
「凄いよ…ピクピクして…喜んでるみたい…」  
「ちょっと…おの…」  
「一条君の、エ・ッ・チ♪」  
「つぅぁっ…」  
ドキリとさせたくて、挑発に挑発を重ねてみる。一条君から見たら、今の私の顔はどう映ってるんだろう…小悪魔を狙ってみたけど、もしかしたら性悪に映ってたりして…  
そんな私の息も乱れている気がする。今の私は、きっとただの『メス』…欲望のままに動いてる…変態な女の子…  
そして、何かを踏ん張っているような様子の一条君が、突如笑ったような顔になり、口を開く。  
「…ぉ、小野寺…お、俺の反応を…楽しんでるよな…?」  
ビクッ!  
いきなり突かれる核心。大袈裟なほどに跳ねる私の身体。  
バレた…!?き、嫌われる…!?  
ああ、やっぱり自重すべきだったんだ…はしたなく、性欲のままに動いたのがいけなかったんだ…  
物凄い勢いで沸いて来る後悔と恐怖。しかし、続く一条君の言葉は、覚悟していたものとはまるで正反対だった。  
「…その気持ち、分かるぜ」  
 
「……え?」  
分かる…?こんな私の気持ちを…?呆れたり、気持ち悪がったり、引いたりしないの…?  
「俺も…反応が見たくて言いたかったけど、我慢して言わないでいたことがあるからな…」  
「そ…そうなの?」  
「例えば…さっき倒れた拍子にかわいらしい白のパンツが見えたとかさ」  
「え!?み…見られてたの?や、やだ…凄い恥ずかしい…あはは…」  
それ自体も恥ずかしいけど、そんな恥ずかしいことも知らないで、誘惑したり挑発したりして翻弄してるつもりになってたことも恥ずかしいよ…!  
で、でも、なんだか嫌われなくて済みそう…そう思うと、なんだか安堵のあまり力が抜けてくる。  
こうやって、今もフレンドリーに話せてるんだし…  
「それに…」  
そんな私の前に、一条君がスッと何かを握った手を出す。  
「…?それは?」  
私の質問を待っていたかのように、一条君がその手を開くと、出て来たのは…古びた鍵だった。…あれ?なんだか見覚えがあるような…  
…鍵!?  
「そ、それって…」  
「倒れた小野寺を運ぶ時に、持ち上げたらポケットから落ちてさ。やっぱり気になったから、返す前にいくつか聞こうと思ってな」  
「………な、何を聞きたいのかな?」  
イジワルそうな顔をする一条君。さっきのお返しをしてやるぞといわんばかりに生き生きとした表情…や、ヤバい…?  
「この鍵、『古い本棚の鍵』なんて言ってたけど、それにしてもこの古び方は、何か変じゃないか…?」  
「へ、変って…?」  
うぅ…なんか一条君のスイッチ入っちゃったかも…  
「時間が経っただけで、こういう錆び方はしないと思うんだよな…こまめに洗ったりしたような…本棚の鍵にしちゃ妙な気がするんだよな」  
「うっ…」  
「なぁ…これは本当に本棚の鍵なのか…?」  
ど、どうしよう…?まだ嘘つけばごまかせるかもしれないけど…  
いや、正直に言おう…!  
 
「ご、ごめん…!私、嘘ついてた…!ほ、本当は、これ、あの約束の鍵なの…!」  
「…!や、やっぱりな…そうじゃないかとは思ってたぜ…でも、子供の頃のあれしてはやっぱり古びすぎだよな…?」  
「それは…えっと…それは……」  
「それは?早く言っちゃえよ、楽になるぜ…小野寺…いや、小咲…」  
私の頬や顎に手を添えて、微笑みながら急かしてくる…まるで、私がこれで何をしていたのかを知っているみたいに…  
そのままの勢いで、さっきまであんなにあたふたしてた一条君が、急に強気に私の胸を揉む。  
あぁ…手が、服の中に入ってくる…ブラの上から指で刺激が来る…ど、どうしよう…考えがまとまらなくなってきた…  
ずるいよ、こんな場面で名前を呼ぶなんて…意地悪…私が言えたことじゃないかもだけど…  
「そのトロンとした目も、必死に何かを考えてる姿もかわいいぜ、小咲…さぁ、言っちまえよ。そして続きを愉しもうぜ」  
…あれ…そういえば、なんで私ってこれ隠してたんだっけ…?あぁ…もうよく分かんないなぁ…そうだ、もう言っちゃえばいいんじゃ…  
そうだよ、一条君の手、こんなに気持ち良いんだから…早く楽になって…一条君と…  
「こ…ハァ…これは…ね…?夜に…この鍵を一条君だと思って…毎晩…自分を満たしてたの…」  
「…やっぱりな、悪いコだな、小咲は…でも、そんなとこも含めて好きだぜ(カマかけてみたけど、まさか本当にそうだったとは…)」  
「そんな、恥ずかしいよ…でも凄いね…一条君は…頭いいもんね…あんっ……っ…お見通しだったんだね…」  
「頭は関係ねーだろうけど…ま、まぁ…大好きな小咲のことなら、なんだって分かるぜ(嘘)」  
「すごぉい………けど…こんなことしてた私のこと、気持ち悪いとか思わないの…?」  
「思うもんか…むしろ、毎夜俺のことを考えてくれてたなんて嬉しいよ。それより、俺のことも名前で呼んでくれよ。俺達はもう、『本物の』恋人同士なんだからさ。人前では隠すにしてもな」  
「…うん、そうだね…楽君…!」  
お互いに下の名前で呼び合うって、なんだかくすぐったさも感じるけど…嬉しい…!  
 
「さて…じゃあ、小咲が毎晩やってたことを、本人とやってみようぜ」  
「…え!?いや…楽君…!?い、一応ここは学校だよ…!?」  
そこまで行くと、万が一のことを思うと学校だとちょっと怖い…かな…  
「何言ってるんだよ小咲…俺はもう、さっきのエロい小咲のせいでもう帰るまでなんて我慢出来ないんだよ」  
「うっ…ご、ごめんね…」  
た、たしかに凄い…私の胸を触ったりしてたとはいっても、だいぶ会話とか挟んだのに、一向に楽君のアソコは小さくならない…  
「ごめんじゃないだろう…?そんなド変態な小咲には、お仕置きだ!」  
ボフッ!  
「きゃっ!ち、ちょっと楽君…!?」  
ノリノリでベッドの中に潜り込んできた…!いったい楽君のどこからこんな積極性が…  
「おじゃましま〜す♪」  
モミュッモミュッ  
「ひ、ひゃああっ!」  
「ああ、やっぱり凄く良いよ…小咲の柔らかい感触も、その声も、この表情も…大好きだ」  
「やんっ…エッチ」  
「満更でもないくせに」  
スカートの中でお尻を揉みしだかれて、思わず声を出す私。その耳元で息を吹き掛けながら囁く楽君。  
「ほら…さっきみたいに俺を翻弄しないのか?小悪魔ぶってみないのか?」  
グイッ…ムニッムニッ  
「やあぁん…」  
「俺に攻められっぱなしでいいのかい?このままじゃカラダを支配されちゃうぜ?」  
サッ…ムニュムニュ  
「ひやぁ…」  
「もうヤられっぱなしかい…?そんな小咲もすごくかわいいけどな」  
上も下も、制服は開かれスカートは捲られ、私の隠す手などもろともせずに私の身体のあらゆるところを愉しむ楽君。  
「ほら、パンツがこんなに濡れてるぜ小咲…小咲は淫乱だよな…さっきから攻められっぱなしで気持ち良いんなんてなぁ」  
ヌチュ…  
「ああああんっ!イ…イジワル…」  
もう私からの再度の攻めになんて転じられないのは分かってるくせに…私にひどい言葉を浴びせながら、私の反応ひとつひとつを堪能してる…  
でも…気持ち良くて…ダメ…攻められっぱなしなのに…もう身体の自由も楽君に取られた気がする…快感に溺れちゃうっ…  
ああ、私…こんなひどい楽君も好きだよっ…もっと、私をイジめてっ…  
 
「ここ、味わわせてくれよ」  
プルンッ…ペロペロ  
「んっ…ぁ…」  
ビリビリっと、まるで快感が電撃のように私の身体を駆け抜ける。  
「…ふうー、ふぅー」  
レロレロ…チュッ  
「ひやぁあぁああぁっんっ!」  
ブラをずらすと、私の胸に獣のように襲い掛かる楽君。  
興奮は、人をこんなにも肉食にするんだ…なんて冷静に考える間もなく、吸い付かれて激しい快楽に恥じらいも忘れて喘ぐ私…  
あぁ…楽君が私の身体を味わい尽くしてくれてる…私、もうどうなってもいい…幸せだよ、楽君…  
 
「はぁ…はぁ…よし、下げるぞっ…はぁ…もう俺も、早く入れたくて仕方ないんだ」  
「ふぁい…」  
なんだかもうトロリとしちゃって、なんとなくOKしちゃう。  
楽君がパンツを掴んだかと思うと、下半身のヌルヌルした感覚が、股から脚まで走り抜ける。  
そしてこのヒンヤリとした感覚。  
ああ…今初めて…私の入り口を彼に曝しているんだ…  
「こ、これが、小咲の…い…いいんだよな…?」  
「うん…」  
「怖いか…?」  
「ちょっとね…でも、なんだろう、ワクワクする…いいよ…大丈夫」  
「そっか、俺もかな…ゴクッ…よし…いくぞ…!」  
私も初めて。多分楽君も初めて。  
でも、そう思えないほど楽君の躊躇いは短く、私の受け入れも早かった。  
そして…  
 
「っ、うっ…」  
 
「い…痛いか…?」  
 
「えへへ…大丈夫、最高だよ…」  
 
「俺もだ…でも、小咲が無理なら一旦抜くから、遠慮しなくていいからな…」  
 
「あはは…楽君、あんなに意地悪してたのに、やっぱり最後は優しいんだね」  
 
「ふっ…一時はあんな黒い表情してた小咲に言えたことかよ」  
 
「えー?楽君こそ、さっきまでの表情なんて『独裁者!』って感じだったよ?」  
 
「はは!なんだそりゃ!」  
 
「あはは!」  
 
「ははは……っ……よし、入ったぞ」  
 
「えっ!?」  
 
「小咲と笑ってる間にな…意識させて苦しませたくなかったから…」  
 
「凄い…!ホントに痛みとか忘れてたよ…」  
 
「まあ…既に小咲が濡れてたからスムーズに入ったのもあるんだろうけどな」  
 
「っ…も、もう!そんな分析はいいのっ!」  
 
「はは、楽しいな、小咲イジりは」  
 
「もう…!」  
 
「…いや…でもなんかこう…やっぱほら…処女なんだろ…本当に大丈夫…か?動かしても」  
 
「うん…来て…」  
 
「ふっ、うっ…」  
 
「はぁっ…っ、っ、っあっ…!」  
 
「大丈夫か?フ…ハァ…気持ち良いか、小咲…!?」  
 
「うん、もっと、もっと…!」  
 
「小咲…よし…あむっ…ちゅ…」  
 
「んんっ!ああっ…気持ち良い…気持ち良いよ、楽君…」  
 
「へへ…こう突いてると、小咲の胸の揺れはけっこう目立つからな」  
 
「あんっ…今もそんなとこ見てたの…?ハァ…」  
 
「小咲の胸は最高だからな…」  
 
「恥ずかしい…けど、ありがとう…」  
 
「え?」  
 
「今まで、胸が膨らんできたり、それを見られるのがただ恥ずかしかったけど…んっ…!…でも、楽君が好きになってくれるなら…誇れそう…」  
 
「ああ…その胸だけじゃないさ…ハァッ…小咲…小咲の胸も尻も、唇も…そして、心も…全部俺が独り占めしたい」  
 
「私も…全部、楽君だけにあげたい…あっ…!」  
 
「小咲…?うっ…!」  
 
「イキそう、かも…」  
 
「俺、もだ…!」  
 
「ねえ…最後に、もう1回キスしながら…イこ?」  
 
「…ああ…!」  
 
「ずっと、好きだよ…」  
 
「俺も…大好きだ…」  
 
そして、私達は唇を重ねた。  
 
そのまま、お互い甘美なキスに溺れ、何分にも感じる数十秒が過ぎた後、ついにその時は訪れた。  
 
「ぐっ…でっ…出る!」  
 
「来る…!」  
 
「「あああああああああああああああ!!」」  
 
「ダーリーン!今日も髪から爪先まで素敵だわー!全部愛おしくっていつも隣にいたいくらい!」  
「嬉しいことを言ってくれるじゃないかマイスウィートハニー!僕を褒めてくれるそのビューティフルボイスもとっても素敵だよハニー!」  
「ヒューヒュー!連日熱いねーお二人さん!」  
 
保健室でのことから一夜明け、今日も楽君と桐崎さんはクラスの主役だ。みんなもまるで飽きずに盛り上がっている。  
 
「ふふっ…」  
「あれ?どしたの小咲、笑っちゃって。普段はなんとなく辛そうな顔で二人を見てたのに」  
「ううん、別になんでもないよ?」  
 
友達が不思議そうに私を見てくる。私の機嫌が凄く良いのが気になるみたい。  
ご機嫌なのは当たり前。  
桐崎さんが楽君と手を繋いでも、肩を抱かれても、胸が当たっても、もうまるで気にならない。  
 
なぜなら私と楽君の恋は…演技ではなく、「ホンモノ」なのだから。  
 

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