「終わりか?それともまだ続けるか?」  
ゴウは尋ねた。  
尋ねた相手は喪巣忍者の集団。見ると全員どこかしらに傷を受けている。彼女らは飛鳥忍者のゴウの隠れ家を襲撃する任務を受けていたが、要塞化された隠れ家の防備と優秀な忍者であるゴウ自身、そして何より、大自然の脅威である熊の放し飼いの前に破られたのだった。  
「俺の稼ぎを奪おうなんて考えるからだ。今回は手加減してやったが、次に同じ事をするようなことがあれば命は保証しかねるぞ。」  
「くうっ・・・。みんな、ここは一旦退くわよ!」  
ほうぼうの体で逃げる喪巣忍者。それを漠然と眺めていたゴウはある事を思いついた。  
 
 
キヌが務めを終えて帰ってくると、ゴウが何かを背負って庭から戻ってくるのに出くわした。  
「・・・また襲撃されたの?」  
「ああ、今度は喪巣忍者だ。」  
「昨日は毛伸衆、そのまえは多羅場忍軍。ホント、気が休まらないわねぇ。」  
キヌがため息混じりにぼやく。  
「そういうな。毛伸のときは頭巾だけ残してあとは素っ裸にして帰してやったし、多羅場には鎧の間にヤモリを突っ込んでやった。踊りながら逃げていったぞ。そんな調子だから、しばらくは大丈夫だろう。」  
「そんなことしてたの・・・。」  
キヌはその光景を想像してゲンナリする。  
「まあ過ぎたことはどうでもいい。今回の成果はこれだ。」  
ゴウは背負っていた謎の荷物を降ろし、それがかぶっていた麻袋を取り去った。その中から出てきたのは、  
「むっ、むーっ!!」  
簀巻きにされ、猿轡をはめられた喪巣忍者であった。  
「なにこれ、喪巣のくのいちじゃない?!」  
「知ってる。逃げ遅れたのを捕まえた。」  
「こんなの捕まえてなにするのよ?!」  
「キヌ、お前には分からないのか・・・?」  
呆れたようにゴウは答える。  
「いろいろするに決まっているだろう。くのいちといえば、任務中に敵に捕まってあれこれされるっていうのが定番だろうに。お前ならわかるだろう?」  
「・・・この人を信じて手を貸したのは間違いだったかしら・・。」  
キヌはこめかみの辺りを押さえつつ、うめくようにつぶやいた。  
「とりあえず、そのへんの木にでも縛り付けておくか。」  
ゴウはそう言って簀巻きの喪巣忍者を担いでいった。  
 
 先に隠れ家に戻ったキヌが白湯をすすっていると、ほどなくしてゴウが戻ってきた。  
「さて、薬を調合しなくては。キヌ、手伝ってくれないか?」  
「そうね、次の任務遂行の助けになるものね。」  
キヌも同意する。  
「いや、今回作るのは任務用の薬じゃない。」  
「?」  
「媚薬だ。」  
「・・・は?」  
「わからんか。女子を狂わせ、淫乱にする薬だ。」  
「そんなの知ってるわよ!何に使うのよ!」  
「あのくのいちで実験する。効果があったら、煙玉につめて任務に持っていくことも考えている。特に喪巣には効果があるだろう。見ていて楽しいだろうしな。」  
「そんなことするためにあの子を捕まえたのね・・・。」  
「なんなら、お前が試してくれてもいいんだが。」  
「いやですっ!」  
「そう言うと思っていた。ではせめて作るのを手伝ってくれ。」  
「あーもう、わかった、わかったわよ。手伝えばいいんでしょう?」  
「助かる。」  
 
 ゴウは隠し棚からいそいそと新品の壷を取り出した。  
「キヌ、今から俺の指示する品物を棚から取ってくれ。」  
「・・・はーい。」  
「まず、気絶草。」  
「はい」  
「火薬きのこ。」  
「はい」  
「赤目汁。」  
「ええっ!?」  
「聞こえなかったか?赤目汁だ。」  
「どうなっても知らないわよ・・・」  
そんなキヌのぼやきをスルーしつつ、ゴウは瓶の中身をなみなみと注ぎ込む。  
「次、鮭」  
「・・・はい」  
「カラクリ。」  
「・・・」  
「武士と女。あと余っているから武士物語・上も入れよう。」  
「薬じゃなくて闇鍋じゃないの・・・」  
そんなこんなで完成した薬は未だかつて経験したことの無い匂いと煙を漂わせていた。おまけに中身は溶けきらなかった巻物やらキノコ手裏剣やらがドス黒い液体の中をぷかぷか浮かんでいるという、地獄絵図のような状態になっている。鼻を摘むキヌを尻目に、  
「うむ、上々だ。」  
ゴウは嬉しそうにそうつぶやいた後、空の瓶に薬液を詰め込み、くのいちのもとに向かった。  
 
ゴウは先程捕らえたくのいちを縛り付けた木にやってきた。彼女は両手を縛った縄で木に宙吊りにさせられ、  
足首は丈夫な木の棒に、肩幅くらいに開脚した状態で結び付けられている。完璧な配置。逃れるのは不可能である。  
ゴウはくのいちの猿轡をはずしてやった。  
「ぶはっ、あんたどういうつもりなのさ、こんなことしたら仲間たちが黙ってないわよ!!早くほどきなさいよっ!!」  
「そうかそうか。」  
「ちょっと、あんた聞いてるの!?」  
「聞いてない。」  
「聞きなさいよっ!!」  
ゴウはその抗議を無視して、くのいちの豊満な乳房を着物の上から揉みしだく。  
「あん・・・。」  
ゴウは絶妙の力加減でくのいちの胸をマッサージしつつ、無防備なわきの下に舌を這わせる。  
「はあっ!」  
さらにゴウはくのいちの着物を左右に開き、その乳房を露出させる。  
「ちょ、ちょっとっ」  
そしてゴウは直に乳房を揉み込んだ。着物の上からとは異なる強い刺激に、くのいちは耐え切れず声を漏らす。  
「ああん、や、やめてぇ、離してぇ・・・。」  
「下準備はこんなところか。」  
ゴウは一旦手を休めると、懐から先程の薬を取り出した。  
「飲め。」  
「うっ、クサっ、そんな薬なんか、飲めるかっ、んんんうううっ!?」  
「そう嫌がるな。じきに良くなる。」  
「んぐっ、ごほっ、はぁ、はぁっ….」  
無理やり薬を飲まされたくのいちは自分の体が熱くなってゆくのを感じた。感覚も鋭敏になっている。  
「なによこれ・・・。なにを飲ませたのよ・・・。」  
ゴウはその問いに答える代わり、露わになったくのいちの乳首をつついた。  
「ひゃあうっ!!」  
「これで何だかわかっただろう。・・・ふむ、予想以上の効果だな。」  
「あっ、はっ、やめっ、ひあああっ」  
ゴウは尖ったくのいちの右乳首を口に含み転がす。余った左乳首も指で愛撫し、断続的に刺激を与えてやる。くのいちは逃れようともがくが、それはただゴウの被虐心を煽るだけであった。  
「こちらのほうの按配も見てみるか。」  
ゴウは胸に対する愛撫を中断し、屈んで顔をくのいちの股間に近づけた。  
「!!!」  
そこからのゴウの責めはくのいちに壮絶な忍耐を強要した。ゴウは足の指から愛撫を開始し、  
長い時間をかけてふくらはぎ、膝頭、すねと舌で舐め回し、後は太腿を手で軽く撫でるだけの愛撫が二刻ほど続いた。  
その間、くのいちは悶え苦しみ続け、股間は愛液を迸らせ続けて布をぐっしょりと湿らせた。  
そしてついに、  
「も、もう堪忍して、焦らさないで…」  
くのいちは負けた。快楽に。  
「そうか、秘部を責めて欲しいのだな?」  
「・・・。」  
「わかった、責めて欲しくないのだな。」  
「待ってっ、お願い、触ってっ、ぐちょぐちょにしてえっ、き、気が狂いそうっ」  
「いいだろう、ついでだ、これを試してやろう。」  
ゴウは男根に良く似た形の木彫りの彫刻品を取り出した。  
「ゼンマイ仕掛けの張形だ。」  
ゴウは身も蓋もない実にそのまんまな説明をした後、ゼンマイを巻いた後、前触れ無しにくのいちの股間に挿入した。  
「んうううっ!!!」  
くのいちは反射的に体を弓なりに反らせた。  
刺激を全くといっていいほど受けていなかった陰部にいきなりの強烈な一撃。耐えられるはずも無い。  
くのいちは股間の異物を除こうと暴れるがゴウは彼女の下着を利用して張形をしっかり固定していているので叶わない。  
なのでくのいちはまさに怒涛のような快楽責めを受けることになっていた。そして更に、この恐るべき飛鳥忍者はとんでもないことを言い出した。  
「日も暮れたな、晩飯にするか。」  
「ああっ、ちょっとっ、おねがいっ、とってえっ、こ、このままじゃあたし・・・ああうっ!」  
「む?お前は責めて欲しいのだろ?なに、心配するな、三刻ほどで戻ってくる。」  
「さ、三刻?!そ、そんなにっ、うあっ、ほっとかれたらっ、ああん、死ぬっ、ああっ、だめっ、果てるっ、ああああああああっ!!!!」  
くのいちの嬌声を涼やかに聞き流しながら、ゴウは晩飯を食べに隠れ家に向かって歩き出した。  
 
 
 次の日。  
「・・・で、ゴウ、そのあと結局彼女はどうなったの?」  
一通りの報告を聞いたキヌは心配になってゴウに尋ねた。いかな敵とは言え、あまりといえばあんまりな処遇にキヌは若干の同情を持っていた。  
「なに、心配いらん。あいつなら元気に帰っていった。」  
「・・・へ?」  
「調合した薬には副作用として、きわめて強力な滋養強壮作用があったからな。二日は飲まず食わずでもいけるだろう。」  
「赤目汁あたりかしらねぇ・・・。その効能は。」  
「縄を解いた後話してみたら、あの薬が大層気に入ったそうでな。瓶でいくらかくれてやった。」  
「・・・それでよかったの?」  
「無論、善意でくれてやったわけではない。おそらく、戻った彼女はあの薬を仲間に薦めるだろう。  
そしてあの薬に魅せられたくのいち達がこぞって俺の元にはせ参じ、隷従を誓いに来ることになる。そうすれば喪巣の戦力は減少、俺ハーレムでウマーというわけだ。」  
「あれ、なぜかしら?ゴウは味方なのに『血祀りの予感』が・・・。」  
きゅぴーん。ざしゅっ。  
 
終わり  
 

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