風の谷に旅人が立ち寄っていた。
こんな辺境の土地に旅人がやってくるのは稀なことだった。
旅人は、どこか異国の衣服と要所を抑える防具を身に付け、淡い、恐らくは元は深紅であったろう、
既に変色してしまっているマントに包まれていた。
体中が薄汚れ、顔は頬まで髭が伸びきっていた。
しかし、風の谷の人々は暖かく迎え入れ、長旅の労をねぎらった。
城の迎賓用の部屋が用意され、疲れを癒す入浴と、暖かい食事でもてなされた。
綺麗に洗われた体に、長旅の汚れが洗い落とされた衣服、顔から伸びた髭が削られ
旅人は薄汚れた流浪の剣士から、異国の騎士のように見違えていた。
「これは、これは。良くぞいらしてくれました。」
風の谷の王ジルが挨拶をする。
王が旅人に謁見するのは、風の谷では珍しいことではなかった。
腐海に囲まれる風の谷では、周辺諸国の近況や力関係、世界の状況を聞き出すのは容易ではなく、
この風の谷の存命にも関わる重大な事だった。
まして、癒された旅人は、一見すると騎士か貴族のような旨があり、それがこの風の谷まで逃れてきた
ということは、近辺で戦乱が起きたのではないかと、風の谷の話の種だった。
旅人の話しによると、旅人はある小国のそれなりの地位にある騎士で、最近、強国トルメキアの攻撃を受けて壊滅させられ、逃げ延びてきた。親交のある国に亡命する途中に、風の谷に宿を求めるため立ち寄ったとの事だった。
毅然として誠実な語り口は、風の谷の王ジルに好感をあたえ信用できるものと判断させた。
「今宵は盛大にもてなさして貰いますぞ」
ジルの号令と共に、多数の肉や魚の食事と、果実酒が運ばれ騎士はもてなされた。
決して富んだ国では無いのに、これほどまでのもてなしをうけ騎士は恐縮し、感謝するしかなかった。
ジルは一人の少女を騎士に紹介する。
均整の取れた顔立ちに付いた瞳は汚れを知らず、僅かに除かせる素肌は真珠のように白く透き通るようだった。
「ナウシカと申します」
可愛らしく開かれた口から発せられた言葉は、春風を思い起こされるように優しく暖かく、唄うように響きが良かった。
騎士は、ナウシカに勺をされ宴を多いに楽しんだ。酒を飲み、肉を口にし、時折、隣のナウシカに目線を送ると優しく微笑み返してくる。
中央で風の谷の若い女性達が踊りを踊り、辺りには異国の民族音楽と男達の話し声が勇敢さを競い合っていた。
宴は終わりを告げ、騎士は寝室で眠りに落ちようとしていた。
先程とは打って変わって、辺りは静寂に包まれ、風が窓に辺りきしむ音と、風車が回り歯車が擦り合わされる音が静寂の中をさ迷っていた。
不意にドアが叩かれ、静寂を破り、騎士の眠りを妨げた。
「どうぞ」
騎士は寝床から腰だけ起こし、不意に訪れた客人を招き入れた。
ドアが開かれ何物かが入ってくるのは解るが、辺りの暗闇が邪魔をして正体を判別するのは不可能だった。
次第に侵入者が窓から漏れる月明かりによって照らし出され、正体を露わにする。
膝丈までの緩やかな寝巻きは、月明かりに華奢な体のシルエットを覗かせた。
寝巻きから伸びた伸びる手足は透き通るように輝いている。
肩口までの髪を揺らしながら、輝きを帯びた瞳の下に、程好い丘を作る鼻と、軽く濡れた唇があった。
「ナウシカ殿。どうしたね?こんな夜遅くに」
騎士が、部屋の中央まで進んだナウシカに声を掛けるが、ナウシカは可憐な行進を止めることは無かった。
騎士の寝床まで来ると、ナウシカは騎士の胸に崩れる様に吸いこまれていった。
騎士は慌てて受け止める羽目になった。ベットが波打ち揺れた。
「騎士様。このような羞恥をお許しください」
騎士の胸に頬をあてがいながら、目線を向けることなくナウシカは話し出した。
「風の谷はこのままでは衰退の一途です。風の谷の環境では赤子が育つには厳しすぎます。
既に近親者ばかりとなってしまった現状で、風の谷は他の血を欲しています。
どうかこのまま私に新しい血を宿してくださいまし。」
ナウシカの体から騎士の体に優しい温もりが伝わり、手が少し震えていることが判った。
「しかし、ナウシカ。私は汚れた身でありあなたのような高貴な方の相手は・・・」
「判っています。私のような成長しきれていない体では騎士様のお相手が勤まるかどうか。
でも、私の精一杯のご奉仕はさせていただきます。どうか私を抱いて下さいまし。」
初めて目線を交えたナウシカの瞳は、涙がいっぱいに溢れ零れ落ちそうな程だった。
頬は少し赤く染まり、唇が軽く噛み締められていた。
「ナウシカ殿。君は美しくとても魅力的だ。でも私には君を抱く資格は無いんだよ。
私は戦場に置いて、何人もの人を殺めてきた。欲望に女子を買いもした。
薄汚れている私があなたを抱いてしまったら、あなたまで汚れてしまうことになってしまうんだよ。」
ナウシカは軽く顔を振る。
「いいえ。あなたは勇敢で誠実な人。私にも少しは男性を見る目があると思っています。」
そう言うと、ナウシカは騎士の手を握り、胸の中へと誘った。騎士の手は軽くナウシカの胸に触れ柔らかい感触が伝わった。
騎士の中から欲望が湧き上がるのが解った。流浪の旅を続けてきた騎士は久しく女を抱いてはいなかった。
誰も止めることは出来ないような激しい渦となって体が火照ってくる。騎士の理性は欲望の闇に包まれ輝きを失っていった。
「ナウシカ殿・・・」
騎士はナウシカの頬に優しく手を寄せて、指先で輪郭をなぞった。
「ナウシカと呼んでくださいまし」
軽く瞳を閉じたナウシカの顔が騎士の手によって顎が上げられた。唇が触れ合い、お互いにお互いの唇を噛み締めあった。
二人の体はベットの海へと沈んで行った。
騎士の唇がナウシカの体を滑り落ちた。首筋を幾度も突付いている。
ナウシカはされるがままに、騎士が望む様に体が動かされた。
衣服の中に騎士の手が滑り込むと、騎士には温もりが、ナウシカには冷たさが伝わるが、
次第にお互いの体温を奪い合った体は溶け合っていった。
ナウシカの股の間に騎士の片足が挟まれ、両股の感触が騎士には心地よく更に騎士の欲望を誘った。
手に触れる乳房を軽く掴む。小さな丘は柔らかく、騎士の思うように形を変えていった。
衣服を脱がされたナウシカの体は、月明かりに照らされ、まるで体内から輝きを発しているかのようだった。
双方の乳房の頂点に可愛らしく生った果実を口に含むと、ナウシカの顔が歪み、手にシーツが掴まれた。
口からは甘い吐息が漏れた。ナウシカの反応は全てが騎士の雰囲気をかき立てた。
舌先で乳首を転がすと、更に吐息は激しくなる。体が、時折、痙攣し屈折する。
口を離すと乳首は騎士の唾液によって、光り輝き果汁を垂れる果肉のように見え、また口を運ばずには居られなかった。
騎士の手がナウシカの下腹部を過ぎ、下着の中へと侵入する。ナウシカの両足が拒む様に締められるが、
妨げになるような力は入れられていなかった。羞恥心からの無意識の行動だった。
騎士の指先はナウシカの割れ目を往復しさ迷っている。行き交うたびにナウシカの呼吸は更に激しくなっていった。
既に濡れている割れ目に、騎士の指先が分け入る。暖かい潤滑を帯びた液と肉壁が心地よかった。
ゆっくりと出し入れをはじめると、騎士の胸にナウシカの顔が埋められ、腕が騎士の背中に回され引き寄せた。
次第に早くなる指の運動にナウシカの腕にも力が込められた。
小さな呻き声と共に、一瞬、強く掴まれた腕から力が抜けていく。
ナウシカの中から指を引き抜いて、ナウシカの顔を覗きこむと、目が虚ろになり、焦点が定まっていなかった。
再びナウシカに口付けを交わすと、はにかむような笑顔を向けてきた。
騎士の体が押され、二人の立場が反転した。騎士の衣服がナウシカによって脱がされていく。
騎士の物がナウシカの手の中に包まれた。
「ナウシカ、あなたのような方がいけません」
「いいえ。させて下さい。私にはこんなことしか出来ませんので」
騎士の物がナウシカの口の中へと吸いこまれていく。
初めは先を優しく噛むように数回含んで、更に奥まで包まれていった。
薄く閉じられた瞳に、指先で髪を耳に掛ける仕草がとても愛らしく思えた。
騎士の股の間でナウシカの顔が揺れていた。
騎士の物はナウシカの口によって刺激され、体中の血液が集中し硬くなっていった。
騎士はナウシカの体を欲していた。
ナウシカの口を離すように促すと、再び二人の体が反転した。
ナウシカの表情が時を察した様に硬直して行く。
騎士の手はナウシカの足首を持って股を開かせ、肉棒の行き先をさ迷っていた。
当てられた割れ目に、肉棒は吸いこまれていく。
ナウシカの顔が歪み、唇を噛み締めて声が出るのを必死で堪えていた。
騎士の肉棒はナウシカによってきつく締められた。暖かい温もりが伝わり騎士の体中を駆け巡った。
ナウシカの体内で肉棒が動かされる度に、快楽が脳に麻痺を起こした。
騎士の下腹部がナウシカの股の間に当たるたびに、ナウシカの体が揺れ、口からは呻き声に似た吐息が漏れていた。