クシャナの部下に捕らえられ独房にこそ入れられたものの、  
さほど惨い仕打ちを受けた訳ではなかったラステルだったが  
それでも父やペジテの市民、それに兄や自分のこれからの事を考えると心中は穏やかではなかった。  
不安な気持ちのまま何日かが過ぎた後、いきなり廊下が騒がしくなったと思うと  
見慣れぬ格好をしたトルメキアの男達が房に入ると有無を言わさずラステルの体を引きずるようにどこかへ連れていく。  
だが、いずれはどこへ連れられていくのかと言う恐怖も、不安も、  
そしてアスベルを心配する事すらもう無くなってしまう事など、今のラステルには思い及ぶ事ではなかった。  
 
捕らえられた時のままの格好で屈強な男達に連れられたラステルは  
途中で頭から袋を被され視界を奪われたまま、引き摺られるように連れ歩かされた。  
足下に感じる石や土が金属に変わり、艦の中に連れられたのだと分かった時、  
自分は二度とペジテの地に戻れないのではないか、と予感めいたものが脳裏を過る。  
部屋に連れられ腰ほどの高さの台に抱え載せられるとゆっくりと寝そべる様に寝かされ  
両手首を頭の横で縛られ、足首を無理矢理開いて縛ってから男達が出ていった後、  
ラステルはこれからの自分の運命を様々思い、泣いた。  
 
どれほどの時間が経ったのか、重そうな足音と共に視界を覆う布切れが取り外されると  
そこには口元を布で覆い、帽子を被り小奇麗な服を着た太った男が立ち、  
部屋の隅にはあちこちに宝石を縫い付けた服を着た身慣れぬ格好の男が篭を持って控えている。  
太った男は懐から見慣れた宝石を取り出し掲げ見せながら  
「これはペジテ市の王族の姫君が身に付ける石とか、そのような方に拝謁できて光栄です。  
 よろしければお名前などお聞かせ願いたいものですな。」  
慇懃無礼そのものの態度で胸を反り返しながら尋ねてくる。  
男は見返すラステルの強い眼光を一向に気にせず、むしろ楽しそうに見ながら、  
「ホッホッホッ、ろくでなしの第3軍どもには随分と丁重に遇されておられたようですな。  
 私も姫君に相応しい待遇を、と思いましてな。  
 是非とも姫に合わせたいと思って連れてきたのがおるのです。」  
反射的にもう一人の男を見る。  
頭巾で目まで覆い、鼻にも覆いを被せて顔も分からない男を。  
「オホッ、いやいや違いますぞ。  
 いかに私と言えどもペジテ市の王族の姫君に蟲使いの男なぞ。」  
『蟲使い』の言葉にラステルの顔は強張りゆっくりと視線を太った男に戻し、  
その醜くにやけた目許から蟲使いの男が持つ篭に目を向ける。  
「さすがは姫君、お察しが早い。  
オイ、置け。」  
汚らわしいものでも見るかのような目をしながら蟲使いに命令すると  
蟲使いはゆっくり台に近づき、体を左右に振って逃れようとするラステルの開いた両足の間に蠢く蟲を置く。  
 
「ヒッ、イヤァ、止めて、来ないでぇ!」  
手足を縛られている中で必死にずり上がろうともがき、体を左右に振る様を楽しそうに眺めながら男が言う。  
「この蟲は狭い穴に潜り込む習性が有りましてな。  
 とくに人間にある暖かく湿った穴が好きなようですぞ。  
 つまりはこの蟲が姫君の婿殿になるという訳ですな。」  
「ヒィイヤァ、イヤァ、お願い、止めてぇ、そんなのイヤァ。」  
泣き叫ぶ声も全く関係無いかのように蟲はゆっくりと這い進み、やがてラステルの服の下に潜り込む。  
直接は見えなくなったものの、蟲が這い進んだ跡はキラキラと光り自分の脚の間に消え  
服の下を蟲が這い進む盛り上がりは徐々に体に近付いてくる。  
「まずは将来の婿殿の為にも名前を御伺いしましょうか、姫。」  
だが徐々に近付いてくる蟲の恐怖にラステルはそれどころではなく  
ただ悲鳴を上げ、目を見開き、首を左右に振り、譫言のように呟くように繰り返す。  
「ダメ、来ないで、ダメ、ダメ、ダメ、ダメ、来ないで、来ないで、来ないで・・・。」  
そして  
「ヒッ、ヒィイイイ、ダメェ、止めて、来ないで、止めて、グゥゥ、止めてお願い来ないでダメダメダメダメ・・・。」  
おぞましい蟲が肌に触れる感触にビクンと全身を震わせ蟲を振り落とそうと体を激しく揺する。  
しかし手脚を縛る縄は一寸の余地も無くピンと張り、必死で逃げた足首も赤く擦れ  
物言わず這い進む蟲は何の遠慮も無く内股を辿りさらに最奥を目指す。  
「お願い止めてお願いダメお願い止まってそれ以上はだめそこはだめなのダメだめダメなのお願い・・・」  
だが静かに進む股座の物体はラステルの割れ目を掻き分け中へと侵入を始める。  
 
「ヒィーーーッ、止めて止めて止めてダメダメダメダメェー。」  
ゆっくりと入り掛けた軟体は力を込め激しく左右に振り抵抗され振りほどかれそうになる。  
しかしやや抵抗が収まると今度は孔の周囲にしっかりと取り付き、再度這い進む。  
誰も手を触れた事の無い場所におぞましい蟲が触り、なおかつ胎内に入り込もうとしている・・・。  
考えた事も無い、考えるだけで戦慄するような恐怖にラステルはただ気が狂ったように叫び続け体を暴れさせる。  
蟲自身の粘液と蟲が密着し、その繊毛で刺激され、  
体を守る為に何時の間にか分泌されたラステル自身の粘液でそれは唐突に胎内に侵入した。  
「イヤァー、やめてぇー!」  
反射的にそれまでいつしか緩んでいた筋肉に力を込めると入り掛けたそれはヌルリッ、と外に追いやられる。  
それと同時にゾクッとした何か、がラステルの背筋を駆け上がり思わぬ声を溢れさせる。  
「アフゥッ・・・」  
その声を自分で聞き、恥じる間も無く再び蟲が這い進む。  
「ハフゥッ・・・」  
入り込み、追いやる度に背筋を駆ける感触は甘美になり溢れ出る声も大きく、そして逃げるような動きは小さくなっていく。  
そして幾度もそれが繰り返された後。  
いつしか感じ始めた快感を求めて、いつものように力を込める。  
「ンァアッ・・・」  
今までより深くへと入り込んていたそれはラステルの締め付けによってより深くへと誘われることになった。  
そして純潔の証に行き当たったそれは柔らかい体をポッカリと空いた穴に押し付け、  
痛がる少女に頓着することなく、押し拡げながらなおも進んでいく。  
しばしの快楽から現実に引き戻された少女の顔を覗き込むようにして脂ぎった顔が近付く。  
「どうでしょうかな、姫君の婿殿の為にも御名前を御聞かせ願えませんかな。」  
 
虚ろな顔で時折体を震わせる少女は恥辱を重ねる事を怖れるかのように開いた口を堅く閉ざしてしまう。  
「そうですか、仰って頂けませんか。止むを得ませんなぁ。  
 実はですね、姫君。もう一匹、おるのですよ・・・  
 姫君にはもう一つ、後ろにも孔が御在ますれば早速にでもそやつと浮気でもなさいますか?  
 こやつらは姫君も御自身の御体で知られたと思いますがひたすら前へと進むのですよ。  
 這うのが遅いですから喉を通る時などはさぞや苦しかろうと思いますが?」  
小刻みに震えながら口が小さく開かれる。  
「・・・テル」  
「何とおっしゃいました?もう一度大きな声で。」  
「私の・・名前は・・ラステル。」  
「おぉ、ようやく御名前を言って頂けましたか、ラステル姫。  
 それでは婿殿に口付けなどして頂きましょうか。」  
顎で蟲使いに合図すると蟲使いはチッチッ、と独特の音を出しながら  
ラステルの服を捲り上げ、胎内からはみ出た蟲をニチャリ、と引っ張り出す。  
引き出されまいと繊毛が粘膜を掴み、まだ十分に発達しているとは言い難い秘部の周りが丸く盛り上がり  
ジュポッと言う音と共に双の唇が捲り返され、引き出されたそれをラステルの口許へと突き出す。  
「ヒッ」  
目の前に突き出されたおぞましい蟲にはラステル自身の血と粘液に塗れて蠢いている。  
「さぁ、ラステル姫、誓いの口付けをするのです。」  
男の肥った手が頭の後ろに回されると蟲を持った手が近付いてくる。  
「イヤァーッ。ムゥゥ、ムグゥゥム。」  
柔らかくぬめった蟲の体が唇に押し付けられ蠢く気味の悪さにラステルはひたすら耐えるしかなかった。  
「ホッホッホッ、ペジテの王族の姫君は蟲を夫となされるとは。  
これは盛大な婚儀を挙げねばなりませんな。  
それまでに兄上の、アスベル様の行方を調べて差し上げねばなりませんなぁ。」  
 
男達は立ち去ったがラステルは別のものと闘わねばならなかった。  
しばらくはジンジンとした痛みに紛れていたが、時が経つにつれて蟲の粘液がその効果を顕にしてくる。  
初めはじんわりとした痒さだったが次第に耐え難いものになっていく。  
手脚は拘束され掻こうにも掻けず、腰をいくら激しく振ったところ何の足しにもならない。  
唇も最初は擦り合わせていれば痒みも紛れるかと思っていたが  
次第にそれだけでは足らず舌で擦り、軽く歯を立てたりしているうちに  
今度は擦り付けた舌が痒みを持ち、それを紛らす為に上顎に擦り付ける、とどんどん痒みが拡がっていく。  
今や痛みよりも痒みが先に来る性器が乾き始めると痒みは更に増し、  
何とか紛らそうと足腰を動かしていると、そのうち服が股座に垂れ下がり、  
僅かに開いた粘膜に触れ、屹立を覆う粘膜に触れ、先程、束の間感じていた快感が呼び起こされ  
再び湿り気を帯び始め、胎内から粘液が分泌され始める。  
乾き始めていた粘膜に潤いは新たな刺激となり、  
それに混じって感覚の比較的鈍い内奥から外側へと蟲の粘液が追加される。  
そして混ざりあった粘液はやがて溢れ出し糸を引くようにゆっくりと股間を垂れ落ちる。  
 
身悶えするような時間がどれほど過ぎたのだろうか。  
もはやラステルの脳裏からは冷静な思考も奪われ、屈辱的な処女の喪失も  
ペジテ市の事も、兄アスベルの事も、これからの自分の事も忘れ  
屈辱を与えられたなら舌を噛み切って死のうと考えていた事も忘れ  
ただこの痒みを、再現なく続き、拡がり、収めようの無いこの痒みをどうにかして欲しい、ただそれのみを願うようになっていた。  
 
足音が近付き、扉が開く。  
冷たい外気。  
ただそれだけでもラステルには有り難かった。  
「・・・お願い・・・。」  
「あぁ、分かっていますよ、ラステル姫。」  
肥った男の微笑みに邪悪な心根が隠されているとは露とも疑わず、助かったと、この痒みから逃れられるのだと。  
だが男はその期待に答える事なく言葉を続ける。  
「御食事の準備は出来ています。」  
男に続いて入ってきた白衣の男は何も言わず鞄から管を取り出すと  
ラステルの顎を掴み仰向かせるとその管を鼻に通し始めた。  
声にならない声で「違う、そうじゃない」と必死で伝えようとするラステルを後目に  
手早く作業を終えた白衣は管の先に瓶を繋ぐと中の液体を注ぎ始める。  
「また明朝お伺いしますから御心配召されるな。ではゆっくり御休みなされよ。」  
「違う、違うの!待って!お願い、待ってぇ。」  
 
一晩をひたすら痒みと闘いながら朝を待ち侘びて過ごしたラステルだったが  
夜が白み、起床ラッパが鳴り響き、兵士のざわめきが広がり、何かを積み込むような作業の音が始まり  
やがて日が高く昇っても誰も部屋を訪れる事はなかった。  
痒みを何とかしてもらおうと必死で頼み込む内容を考えながら夜が明けるのを待ち  
肥った男の靴音が床に響き、鉄のドアが空くのを待ち侘びたが  
その期待が徐々に薄れるにつれて、昨日からずっと我慢をしていた尿意が耐え難いものになってくる。  
半ば捨て鉢な気分になっていたラステルだったが耐えきれずに漏らした温かい小水が股間に溢れ、  
服を濡らし、太股やお尻の下にまで伝わる感触にラステルは泣いた。  
そしてアンモニア臭と共に意識の外に追いやろうと努めた痒みが再び体を苛み始める。  
流れ出ては途絶え、より増した痒みに再び流れ出す女液は秘部を覆うように被さる服に染み込むと  
小水と共に周囲に拡がり、痒みを鎮めようとするラステルの動きがそれを塗り拡げる助けとなってしまう。  
午後の陽がラステルの体に長い影を落とす頃には  
ただ呻く様な、すすり泣くような声とともに少しでも痒みを静めようと  
睡眠不足と同じ姿勢で拘束され、絶え間無く動かし続けて疲れた体をくねらせる事がラステルの全てを占めていた。  
 
幾人かの兵士の足音が響き淡い希望に縋り付こうとしたラステルだったが、その希望が叶えられる事は無いまま  
聞こえてくるのは何度も漏らしてしまった小水が床に垂れ落ちる水音と  
遥か遠くで響く鉄の扉の開閉音がだけであった。  
夜の帳が下りる頃、疲れ果てた朦朧とする意識のラステルの体を冷たい外気が襲う。  
「・・・お願い、痒いの・・・何とかして・・・このままじゃ・・・お願い・・・」  
ひたすら動かし続け呂律の回らない舌で必死に言葉を紡ぎ出す。  
「御話は後で御伺いしましょう。まずは御食事を。」  
嘲るような口調もニヤリと好色に垂れ下がった目尻ももはや気にならなかった。  
食事が終われば、話を聞いてもらえる。  
この痒みから逃れられる。  
 
背後に居た白衣の男は昨日と同じように鼻に管を挿し、ドロドロした液体を流し込むと小太りの男に一礼して去っていった。  
これで話を聞いてもらえる。  
そう思ったラステルだったが男の鼻を摘まみながらの  
「しかしまぁ、何と言いますか、掃除をせねばなりませんな。」  
という言葉に自分がしてしまった恥ずべき行為に頬を赤く染め俯いてしまう。  
「どれ、立てますかな。」  
ラステルの気持ちに構うことなく手脚の戒めを解いた男は  
一日中同じ姿勢でいたために強張ってしまったラステルを抱き抱えるようにして床に立たせると  
部屋の外に居た蟲使いに掃除を命じる。  
「服は・・・探してみますがしばらくはそのままで我慢しておってください。」  
ラステルの赤い顔を覗き込むように男が言ったが  
彼女はそれどころではなく、ともすれば痒みに負けて股間に手が延びそうになるのを必死で堪えていた。  
(・・・ダメ・・そんなはしたない事・・・人に見せられない・・・。)  
 
「・・・ありがとう・・。」  
掃除が終わり、部屋から出て行こうとする蟲使いに小さくお礼を言うと  
一瞬ビクリ、としただけでそそくさと出て行ってしまう。  
「申し訳有りませんが台の上に・・・。これが規則でして・・・。」  
本当に申し訳なさそうに言う男に虜囚の身なのだから、と自分に言い聞かせて台に上ると男は手早く手脚を縛る。  
「さて、お話を伺いましょう、ラステル姫。」  
「・・・お願い、痒いの、助けて・・」  
「ほぅ、一体どこが痒いので?」  
「・・・口と・・・・。」  
言おうかどうか、人を目の前にして蘇った羞恥心と心と体を苛むあの痒み。  
散々葛藤した挙げ句に口を開き掛けたその時、  
「きっとあの蟲のせいですな。あの蟲にはそのような事も有ると聞いております。  
 しかし弱りましたなぁ、確かに痒みを静める方法はあるのですが・・・、  
 ペジテの王族の姫君には相応しく無い方法でしてな。」  
「・・・この痒みが収まるのなら、どんな方法でも構いません。」  
その言葉を聞くと男は素早く台に上るとラステルの体を跨ぐ。  
「実は姫、あの蟲の痒みの特効薬はですな、男性の分泌液だそうで。  
 それを姫に御塗りするには・・・・これを口中に御含み頂く必要があるのですよ。」  
目の前に現れた男性器。  
幼い頃に見た兄アスベルのものとは色も形も大きさも、全く違う。  
黒っぽいような得体の知れない色でテラテラと光る先端・・・。  
それを口に入れるという事がどういう事か、ラステルは躊躇った。  
 
と  
「いや、これは失礼なものを御見せいたしました。  
 姫の御休みをこれ以上御邪魔する訳には参りません、今晩もごゆっくり。」  
男は最後の部分を強調するように言いながらゆったりとした動作で張り詰めた怒張をしまっていく。  
「待って。お願い・・・。」  
「ん?どうなされました、姫?何を御待ちすればよろしいのです?」  
「・・・お願い・・・お願いだから・・・。」  
「さて?私ペジテの流儀を存じませんので何をお願いされておるのやらさっぱり。  
ここはひとつトルメキア人の私めにも分かるように言ってもらえませんでしょうか?」  
「お、お願いだから・・・その・・・液を・・・。」  
「ははぁ、いまいち要領を得ませんがつまりはペジテの姫はご就寝の前に私のチンポを舐めたい、と。  
そうおっしゃる訳ですな?」  
ズケリと言い難い事を言ってのけられ、頬を真っ赤に染めるラステルだったが  
ここでこの男に去られて再び一夜を明かすのは何としてでも避けたかった。  
「・・・・ハイ・・。」  
「うーむ、お願いの仕方がなっとりませんが、やんごとなき御方ですから仕様が無いですかなぁ。  
本国にお送りするまでに再教育をさせて頂きますぞ。」  
男は言いながらもそもそと手を動かして太い指で自らのものをつまみ出した。  
「では姫、御望みのものです。」  
 
再び目の前に現れたグロテスクな塊に躊躇する素振り見せた時、男が畳み掛ける。  
「私も暇ではありませんでな、さっさとしませんと帰りますぞ。」  
慌てて大きく息を吸い込むと意を決して頬張る。  
・・・頬張ろうとしたその時、手首を縛る縄が張り詰めすんでの所で男の腰がわずかに離れていく。  
必死で顎を反らし、唇を突き出し、舌を伸ばすが僅かに届かない。  
止む無くラステルは男に頼む。  
「お願いします・・・届かないの・・・。」  
と、その様子を楽しそうに眺めていた男は両手でラステルの頭を掴むとグッと腰を突き出し開いた口中へと突き進める。  
「仕様が有りませんなぁ、ペジテの姫というのは随分と手間が掛かる。  
歯を立てたりしたらただでは済みませんぞ。」  
しかしラステルは歯を立てるどころではなかった。  
今まで自分の歯や唇、舌で紛らせてきた痒みだったが  
自分と感覚が繋がっていないもので掻く、その事がこんなに甘美だとは思ってもいなかった。  
ラステルは痒みを鎮める、ただそれだけを考え  
唇の端から溢れ、垂れ落ちそうになる唾液をこぼすまいとすすりあげ  
唇を突き出し、少しでも上顎も擦れるようにひたすら舌を押し上げ絡ませる。  
頭を掴む男の手に力が入り、激しく喉まで突き入れられ涙目になりながらも  
少なくともそうやって動かされる間は痒さが紛れることは確かなのだ。  
 
「では、御望みの、液を、出しますぞ、しっかり、まぶす事だな。」  
強く押し付けられた口中の塊が一段と大きく硬くなったかと思うとビクン、と跳ね上がり熱く粘ったものが放たれる。  
幾度も口の中で跳ね回り荒れ狂った怒張はやがて力を失い柔らかくなると抜き取られた。  
ラステルは唇の痒みを鎮める為に粘る苦く青臭い液体を舌で掬うと唇へと塗り拡げる。  
「まだ終わっとりゃせんぞ、口の中のもんを飲み込んでこれを舌で奇麗に拭うんだ。」  
急かすような男の口振りに慌てて飲み込もうとするが  
粘る液体はなかなか喉を通らずに涙目になりながら何度も必死で喉を動かす。  
「ケホッ、ケホッ。」  
「おら、さっさとしろ。」  
そういうなり男はラステルの鼻をつまみ無理矢理に開けさせた口に銜えさせる。  
「まだ残ってるから最後まで吸い取れ。それが終わったら舌で奇麗に拭えよ。」  
言われるままに必死で男の言う通りにしていると  
「よし、もういいぞ。まぁせいぜい今晩はゆっくり休みな。」  
そういい残すとガチャリ、という鍵の音と共に男は去っていった。  
 
あの男は嘘を付いた訳ではなかった。  
あれほど痒かったのが嘘のように唇からも舌からもカユミは消え去っていた。  
しかし股間の痒みは依然としてそのままだった。  
いや、それどころか一ヶ所のみになり余計に気が紛れる事が無く  
ただそこのみを意識してしまい、その痒みはより増したように感じられてしまう。  
昨晩よりも長く感じられる夜が明け朝を迎えた頃、  
何でも良い、誰でも良い、この痒みを鎮められるならば何でもする、  
ラステルにはただそれだけしか考える事は出来なかった。  
だが今朝も部屋の前の通路には人の気配は全く無かった。  
そのまま昼も過ぎ、夕方になっても相変わらず物音一つせず  
それどころか昨日はあれほど騒がしかった作業の音もほとんど聞こえてこない。  
 
何かあったのだろうか・・・  
ペジテの皆がトルメキア兵を追い払ったのだろうか・・・  
・・・だとしても私はもう皆に会えない、父様の顔を見れない・・  
アスベル兄さんの前に出た時どんな顔をしたら良いのかも分からない・・・  
・・・それともこのまま痒みに苛まれながら見捨てられるのだろうか・・・  
ひょっとしてあの男は私に情けを掛けた為に処罰されているのではないか・・・  
それとも・・・昨日、飲めと言われた時、すぐに飲み込めなかったから気を悪くしたのではないだろうか  
・・・そういえばあの男は昨晩、今日も来る、とは言っていなかったのではないか、  
「ゆっくり休め」確かそう言っただけだった・・・  
・・・ゆっくり休む・・私はこのまま飢え死ぬまで放っておかれるのだろうか・・・  
あぁ、誰でも良い、お願いだから何とかして・・・  
・・私を見捨てないで・・誰かこの苦しみから助けて・・・・  

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