それは一線を越えてしばらく経ったある日、カズちゃんの家で遊んでいたときのこと。
「カズちゃん、眠いの?」
「少しね…最近徹夜で、ごめん」
カズちゃんの瞼は目に見えて重そうに映る。何をして徹夜なのか少し気になるけど…。
「眠いときに寝ないのは体によくないよ。寝たほうがいいって」
「でも成恵ちゃんが来てるのにそんなこと…」
それを聞いて私は間髪入れずに閃いた。
「じゃあ私がカズちゃんと一緒に寝てあげる。それならいいでしょ?」
「…いいの?」
「うん。私もカズちゃんと一緒に寄り添って寝たかったから」
「ありがとう。成恵ちゃんのお言葉に甘えさせてもらうね」
そう言い、カズちゃんはベッドに入って横になる。それまであまり寝ていなかったのか、すぐに
寝ついたみたい。遅れて私もベッドの中に入り眠りにつく。
数分後、当然ながら私が先に目が覚めた。カズちゃんはまだ気持ちよさそうに寝息を立てている。
とりあえず寝ているカズちゃんを起こさないよう、私はそのままでいた。目の前に見えるカズちゃんの寝顔を、私はじっと見てみる。
カズちゃんの寝顔は、年相応なようにやっぱりかわいい。こうしてみたら、カズちゃんもまだ子供。
でもあの日ばかりは、本当に違っていた。同じ歳だけど、どちらかといえば私はカズちゃんのことは
年下のような感じで見ていたのに、あの日ばかりは大人に見えたから…。
カズちゃん、私といるようになってから変わったのかな。私もカズちゃんといるようになってから
変わったって言われるけど、私の2倍か3倍も、カズちゃんは変わったように思える。
…でも、私はそれが本当に嬉しいよ。
(さて、これからどうしようかな)
カズちゃんはまだ寝ている。このまま動かないのも何なので、布団の中にいるままでカズちゃんに
いたずらをしようと私は考えた。
そう考えたとき、即座にひとつのことが思い浮かぶ。
(…カズちゃんの股間に触りたい)
初めてえっちした際は私は受けている一方だったので、ほとんど触ってはいない。
(今触ったら柔らかいかも)
ましてやその時は熱いし、固かった。普通の状態って、どんなものなのだろうか。見てみたい
好奇心がある。
私は改めてカズちゃんが眠っているのを確認し、カズちゃんの股間に手を当てた。
(うわっ、すごい柔らかい)
カズちゃんのズボン越しに手を当て、小さく揉んでみせる。想像していたより柔らかい。
どうして興奮を感じると、これが大きく固くなってくるんだろう。ここにもまだ私の知らない世界があるのかな…。
そう思いながら、私はさらに揉んでみせた。
「ん、んんっ…」
するとカズちゃんが、反応しているかのような声を出す。
(まずい、起きちゃったかも…)
私はすぐさま、寝ているふりをした。カズちゃんの股間にある手は移動させようとも思ったけど、
狙って触ったと思われないために、偶然だと思わせるために、そのままにする。
「んっ…成恵ちゃん」
カズちゃんは私の名前を呼ぶ。喋り方からして、ねぼけて言っているようではなく、起きているようだった。
「…成恵ちゃんはいつから、そんなえっちな子になったの?」
…言われてしまった。寝たふりを続けている自分の顔が赤くなっていくのがわかる。
寝たふりをしても、それを隠すことはできない。狙っているも偶然も、触っていたらそんなことは
関係なかった。
「起きてる、よね?」
カズちゃんに言われ、私は目を開ける。
「ごめんね。でも、私はカズちゃんに触ってみたかった。あの時は触られてばっかりだったから…。
カズちゃんだって、私に触るのは嫌じゃないでしょ?」
「…もちろん触りたい」
「ふふっ、カズちゃんのえっちぃ?」
私はいたずらっぽく笑ってみせた。
「これもお互いさま。もしかしたら、私はカズちゃんが思っている以上にえっちかもしれないよ」
そういって私は、カズちゃんのズボンを下着ごとずり下ろした。
「なっ、成恵ちゃん、何する気なの…」
カズちゃんが驚きを含むような声で言う。普通の状態は、はっきり言って大きくはない。
「私がカズちゃんを気持ちよくさせてあげるね」
私はカズちゃんのものをいじりまわした。
「うっ、成恵…ちゃん……っ」
ひどく反応するのか、何秒ともしないうちに固く、大きくなった。なおもカズちゃんのものを手で上下にさする。
「気持ちいい?」
かなりの快感なのか、カズちゃんは声が出ない。気持ちよさが表情からわかる。
いつもは自分でしてるんだろうけど、今日は私がしてあげるね。
カズちゃんって、ひとりでえっちしてる時に、何を考えてしてるんだろう。カズちゃんが持ってる雑誌の
内容とかなのかな。あるいは…私なのかもしれない。カズちゃんの頭の中で、私、どうされてるんだろう。
…聞くのが少し怖いけど、興味はあるな。
「さてと、ここでいっちゃってもこれからが困るし、止めておくね」
私はさすっていた手を止めた。
「これからって、何なの…」
自分がどうされるのか、何となくわかってるくせに。
「もう、わかってないのね」
そして私は、カズちゃんをベッドに押し倒した。
「っ…!」
再びカズちゃんは驚く。私は上向きに倒れているカズちゃんの上に入り、両手は肩の横、
両足を彼のお尻の横に、カズちゃんと私の股が同じ位置になるように覆い被さった。
「これでも、わからないの?」
私は下半身の服を脱ぎ、陰部をあらわにさせる。
「カズちゃん、あなたが本当に私を愛しているのなら、これから私を楽しませて」
自分の口から出る言葉とは思えない言葉が飛び出す。一線を越えてしまったら、人は豹変するものなのか。
「さあ、早く」
今の私はカズちゃんには妖しく映るのかもしれない。完全に、いつもの私ではない。
抑えていたものの反動は、こんなにも激しい形で私の行動に表れている。
「…やめてなんて言わないでよ」
さっきの言葉でカチンと来たのか、カズちゃんは前置きも何もなしに私の中に挿入していく。
初体験のような、じっくりとではない。
「はあうっ、ちょ、ちょっと…」
早くとは言ったものの、余りにいきなり入れてきたので少し戸惑った。
「でも、私はそれを求めてたから…」
その戸惑いも、すぐに体が感じている快楽へと変わる。
「もっと、もっとカズちゃんの愛が、私は欲しいの」
「…なら、もっと求めさせてあげるよ」
カズちゃんは私の中にあるものを動かしていく。
「あんっ、あっ…はあんっ……」
さらにカズちゃんは、動かしながら私の上の服を脱がせだした。
「え…カズちゃん…」
「さっきの、お返しだから」
…もう、本当にえっちなんだから。でもあなたなら、私は何をされてもいい。
服を脱がせて胸を出させると、カズちゃんは突きながら私のそれを揉みだす。
「あっ、んあっ…」
突いて、揉んで、さっきのお返しとばかりに、私を気持ちよくさせていった。
「私…もう、だめっ…」
神経が高ぶっていたせいもあってか、私の我慢も限界になろうとしている。
「…今回は、中では出さないから」
「え、どういうこ…あっ、ああっ……」
お互いに限界が訪れるその瞬間、カズちゃんは私を逆に押し倒して、私の中にあったものを引き抜いた。
カズちゃんから、私の体や顔を目がけて白く濁ったものが放たれる。男の子にとって、女の子に向かって
出すのは非常に気持ちがいいらしい。
私は自らの体についたものをぬぐおうともせず、カズちゃんに言う。
「…えっち」
「これもお互いさま、って成恵ちゃんさっき言わなかった?」
…そうだった。カズちゃんは私の体についたものをふき取りながらさらに私に言う。
「でも、あんな成恵ちゃんが見れたのは正直嬉しかったけど…」
一気に私の顔が赤く染まる。あんなこと普通の私じゃありえない。
「も、もうっ、カズちゃんのイジワル!」
カズちゃんに私の違う面を出してしまい後から考えて恥ずかしく思う。
でも、一緒にいるといろいろな面が見えてくるもの。決してかっこいいばかりのことではない。
「好き」でずっといることって、そういうものかも。