成恵の世界  

−チョロチョロチョロ…  
「あーあ…」  

誰もいない男子トイレで小便をしながら、僕はため息をついていた。  
僕の名前は飯塚和人、全然フツーの中学生。  
僕の彼女、七瀬成恵ちゃんは宇宙人なんだけど…今日はその成恵ちゃんが学校に来ていないのだ。成恵ちゃんと付き合い始めてからというもの、今まで単調だった生活が急に活気づいただけに、その中心人物がいないとその空白がひどく寂しく感じられる。  
……成恵ちゃん、どうしたんだろ。後で香奈花ちゃんにでも聞いてみようか…。  

水色のタイル地の壁に寄りかかると、ひんやりした感触が寂しい気持ちに寄り添うようだ。遠く始業のチャイムが聞こえるけど、とても授業になんか出る気になれない。たまにはサボりも悪くないと、思う。でも、このシチュエーション、何か前にもこんなことがあったような…。  

−ガサッ  

一番奥の個室から、物音がした。息をひそめて耳を澄ますと、何者かがうなっている声も聞こえる。  
……こ、これはまさか…!  

僕は猛ダッシュで奥の個室まで走り、思いっきりドアを引き開けた。  
そこには、見なれた顔。  

「カズちゃん!」「成恵ちゃん!」  

またしても壁から生えてしまった成恵ちゃんを見て、吹き出しそうになったけど、涙ぐんでいる成恵ちゃんの顔を見て、必死でこらえた。  

「もう!監察庁がここの亀裂すぐに埋めないから、またハマっちゃったじゃない!」  

今までさぞかし不安だったに違いないのに、強がってふくれてみせる表情が可愛い。その顔を見ているうちに、さっきまで僕の心に存在していた空白が何か温かいもので満たされていくのを感じた。  

「……無事でよかった……」  
「カズちゃん……。」  

できることなら、その体をぎゅっと抱きしめたかった。僕には君が必要なんだ、とそう  
伝えるために。でも…そんなことしている場合じゃないのは明らかだった。いくら授業  
中とはいえ、サボりの連中に見つかったら大事だし、成恵ちゃんをこの辛そうな態勢の  
ままにしておくわけにはいかない。  

「えっと、確か後ろから引っ張ればいいんだっけ…?」  
「う、うん……」  

恥ずかしそうに顔を赤らめて俯いた成恵ちゃんを見て、僕は前回のことを思い出した。  
僕が反対側の女子トイレの個室に入ると、転送中のスカートが大きく広がった状態のま  
まで壁にめり込み、成恵ちゃんのお尻が丸出しになっていたのだった。あの衝撃的な光  
景を思い出して、僕まで赤くなってしまう。  

「じゃ、じゃあ行ってくるね!」「急いでっ!」  

僕はさっきの想像で半勃ちになってしまった股間を隠すように、中腰のままでそそくさ  
と個室を飛び出した。廊下に出て、右左を確認する、足音を忍ばせ、女子トイレへ。よ  
し、誰もいない。これで女子トイレに侵入するのは2回目だけど、毎度のことながらこ  
の一面ピンクのタイルには目がチカチカしてしまう。1、2、3、次、奥の個室のドア  
を、開ける。バンッ!  

……!!  

案の定、前回と同じ光景が広がっていた。お腹の中ほどから壁にめり込んだ成恵ちゃん  
の身体、それを中心に同心円状に広がるスカート。そして僕の正面には純白のパンツに  
包まれた丸いお尻とすらりと伸びた長い脚が突き出されている。しかも前回よりもひど  
いことに、脚をバタつかせて暴れたせいかパンツが少し下がって可愛いお尻が半分顔を  
出しているのだ。  

「ブウッ!!」  

お約束通り僕は鼻血を吹き出してしまい、慌ててトイレットペーパーに手を伸ばす。が、動転している上に、突き出された成恵ちゃんのお尻が邪魔をして上手く紙を捕まえ  
ることが出来ない…。やっとのことで紙を鼻に詰めこんだ頃にはワイシャツはおろか制  
服のズボンまで大量の血で汚されてしまっていた。何とか成恵ちゃんを直撃することは  
避けることができたけど、それでも真っ赤な飛沫が太ももや白いソックスに付いてし  
まって意味深な情景を連想させ、余計に興奮してしまう。  

……こんなことしてる場合じゃないぞ…早くしないと…  

でもこのまま作業をしたら成恵ちゃんまで血だらけにしてしまう。そう考えた僕は思い  
きってワイシャツとズボンを脱いでパンツ一丁になることにした。成恵ちゃんに不潔だ  
と怒られてしまいそうだけど、どうせ向こうからは見えやしないし、これは非常事態な  
のだから仕方ない。いそいそと脱いだ衣服を隣の個室とのしきりに掛けて、僕はいよい  
よ成恵ちゃんの救出作業に取り掛かることにした。  

「えっと…まず脚を持ち上げて…僕が間に入って…っと」  

誰も見ていないはずなのに、パンツ丸出しのお尻の前にパンツ一丁で対峙するという異  
常な状況に高揚し、つい独り言が口をついてしまう。しかもまずいことにさっきまで半  
勃ちだった股間のブツは痛いほどに反り返り、トランクスに大きなテントをこしらえて  
いる。  

「脚を両方持って…便器の後ろに…これでよしと…!!」  

……ようやく力が入る体勢についてから気がついた。こ、これはまさかエッチするとき  
のバックの体位なのでは…!いや、もちろん今ここで僕は成恵ちゃんをどうこうする気  
は毛頭無いけれど…何だか相当ヤバイことになっている気が…。  

しかしここでやめるわけにはいかない。もしこのまま休み時間に突入して誰かに見つ  
かったりしたら、それこそ大変なことになってしまう。僕は迷いを断ち切って腰に力を  
入れ、思いきり抱えた成恵ちゃんの両太ももをひっぱった。  

「えいっ!」  

ぷるん、と柔らかいお尻の感触が僕の太ももに残る。しかしまったくと言っていいほど  
身体が抜けそうな手応えはない。そのままの体勢でぐっ、ぐっと力を入れてみるが成恵  
ちゃんの身体は前回以上にキツく亀裂にハマってしまっているらしく、びくともしな  
い。  

……でもあきらめるわけにはいかない…少しずつでも引きずり出すんだ…!  

僕はもっと力を入れるため、より成恵ちゃんの下半身に体を密着させた。ピチピチとし  
た太ももを小脇に抱え、純白のパンツに包まれたお尻の上に勃起したペニスが乗るよう  
な体勢になると、いやがおうでもいやらしい気分になってしまう。ぼくは爆発しそうな  
気持ちを紙一重でこらえ、もう一度力を込めて、引っ張った。  

「はあうっ!」  

……こっ…これは…気持ちイイ…  

僕は成恵ちゃんの体を抜くことが出来ず、しかもあろうことかそのお尻でペニスを扱い  
てしまったのだった。しかもその快感に……虜になってしまった。  

「はっ、早くっ、しないとっ、授業が……あっ…」  

いつしか僕は引っ張るという作業を忘れ、トランクス越しに勃起した股間をぐいぐいと  
成恵ちゃんのお尻に擦りつけることに夢中になっていた。いつしか両手も抱え込んでい  
たはずの両脚を撫でまわし、その白い脚のすべすべとした感触を楽しんでいる。  

……直接、こすりつけたいっ!  

もはや僕は暴走した自分の性欲を止めることが出来なかった。トランクスを脱ぎすて、  
露わになった勃起ペニスを、パンツの脱げかけた丸いお尻にあてがい、擦りつける。成  
恵ちゃん自身は、亀裂の影響で気づいていないのか、悟っているのか、何の抵抗もな  
い。僕にとってはもはやそんなこと問題ではなかったのだが。  

「はあっ、はあっ、成恵ちゃんのお尻がっ……」  

質の良いパンツのつるつる滑るような触感と、ムニムニとペニスを包み込んでくるよう  
な尻肉の感触、二重の快感が脳に伝わってくる。運動を加速させると、僕のペニスから  
漏れ出した先走りがパンツを湿らせ、擦りつけるたびにグチャリグチャリといやらしい  
音をたてる。まるで柔らかなお尻が自らペニスを扱きあげてくるような感触に、僕の我  
慢は限界に達した。  

「お尻にっ、パンツに、出るっ、出ちゃうっ!ああっ!」  

ビュルルル、ビュクッ、ビュクッ………  

大量に黄ばんだ精液を吹き上げ、その動悸がおさまるまで、僕は放心して成恵ちゃんの  
お尻に股間を擦り付けていた。そして、ガックリと腰をおろした。また、ひんやりとし  
た、タイルの上へ。目の前には、ずり落ちてしまった精液まみれのパンツと、心なしか  
痙攣しているように見える、白いお尻と、脚。  

何の気無しに、ぐいと押してみると、脚が亀裂に吸い込まれ、向こう側でドサリという  
音。血まみれのズボンをひっかけて男子トイレに向かうと、成恵ちゃんはごろり横に  
なって、寝息を立てていた。  

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