20 years After...
「小、中、高、大学とずっと付き合いは続いて……結局……こうなっちまったわけか」
「こうなっちまった、じゃないでしょ」
男のつぶやきに、女が苦笑いする。
あれからずっと付き合いは続いた。
そして今、女の腹の中には新しい命が宿っている。
「この子には、私たちみたいな思いはさせたくないよね」
母親たちの身勝手な都合に振り回された幼稚園の頃。
「そうだよ。子供は親を選べないもんな。だからこそ、大人の犠牲にはしたくないよな」
「ほんとね」
「もう悪い連鎖は終わりだ」
男と女は腕を絡ませた。
「ほら、おいてくぞー」
「まってよー、ケンちゃーん」
5、6歳くらいの男の子と女の子が、二人の横を駆けていく。
「ケンちゃん、だって。ケンタだよ、あの時の」
「じゃあ隣はララか」
手をつないだ男の子と女の子……20年前の自分たちが走り去っていった。