「…これで終わったな」  
俺は深くソファーに座り込み、ため息とともに疲労を吐き出す。ここしばらくのごたごたがやっと一段落したところだ。  
時間は深夜を回ってる。  
「…なんとか終わってよかったじゃねーか。この1週間はろくに寝てないんだろ」  
座ったと当時に火をつけようと口にくわえたタバコを横から取り上げながら司が覗き込む。  
「…そうだな」  
フッと笑って司の髪の毛をくしゃくしゃにする。司も笑うがその場からは逃げない。  
後頭部を手で支え軽く唇にキスをおとす。  
一瞬で茹ダコのように耳まで真っ赤になるがかまわず今度は舌で唇をなめる。  
少しあいた隙間から舌を進入させ、司の舌を絡め取る。  
「…っん。…ぅんん」  
たどたどしいながらも俺の動きに合わせて舌を動かしてくる。  
…この段階のキスを二人っきりのときにできるようになってやっと1年。  
もちろんそれ以上のことはまだできていない。しかし、そろそろ俺も限界だ。  
…俺の横に立つのはお前しかいないんだ。  
 
「っん。…んはぁ」  
いつもなら離してやる唇を執拗にむさぼる。舌で口腔内を蹂躙し、  
お互いの唾液を交換する。  
「…!ちょ、りゅうじ…んん」  
やわらかく形のよい唇から俺の名前を言う前にふさぐ。  
そろそろ立ってられなくなったからだを引き寄せる。  
腰から背中のラインにかけてやさしくなでる。唇からは甘さが混じった吐息が  
 
キスの隙間からこぼれだす。ここでやっと唇を解放してやる。  
すとんと俺の膝に腰砕けで座ったかたちになった司は顔を真っ赤にしながら  
潤んだ瞳で俺をにらむ。  
…にらんでるつもりなんだろうがその顔がさらに俺を煽ってるのわかんねえんだろうな。  
「…ん?なんだ?気持ちよかったか?」  
いじわるく耳元でささやく  
さらに真っ赤になった司は右手を振り上げてくるがなんなく捕まえる。  
「…俺は気持ちよかったぞ。……も、限界」  
それだけ言うと司をかかえ、ベッドのほうへと移動した。  
 
唇から耳へ。耳から首筋へ。とめどなくキスを降らせる。  
首筋を下から上へとやさしくなめ上げる。  
「ひゃっ…!…んぁ、んん」  
着ていたシャツのボタンをはずし、鎖骨のラインに舌をはわせる。  
ちう。と吸うとそこにピンクの花が咲く。  
「…ちょっ、りゅうじ、まって…」  
なんとか最後の理性で俺の頭を押しとどめようとする。  
「…俺は今まで待ったぞ。…俺はお前が欲しいんだ」  
ベッドの下に組み敷いた司の顔を覗き込む。  
いつもの冗談ではないことを悟った顔はどうしたらいいのかわからず困惑の眼を俺にぶつける。  
「…俺じゃ嫌か…?」  
「嫌じゃないっ…!…けど、どうしたらいいのかわかんねーんだよ…」  
フッと笑う。…たく。ほんとに。  
「…俺のことだけ考えてろ」  
 
シャツとプロテクターをはずし、目の前にある形のいい胸を揉みしだく。  
唇を胸にはわせ舌でなめ上げながら人差し指の腹で頂上にあるピンクの突起をやさしく触る。  
「っ…ぁ、んん。んぁ、んん」  
触るだけでしなやかな身体はピクンとのけぞる。  
触って硬く隆起した突起を口に含み舌と唇で転がす。  
「っやぁんん…。…ん、りゅう…ん」  
突起を責めるたびにピクンピクンと動く。  
声を出すのを我慢してるように手を口にあてていたのをそっとはずす。  
「…もっと声だして。俺に聞かせて?」  
返事を聞く前に、っつても聞くつもりもないが口をふさぐ。胸を攻めながら舌を吸い尽くす。  
甘い吐息がさらに俺を煽る。  
ズボンはとっくにぬがせていて、下着の上からそっと誰も触れたことのない場所をこする。  
下着の上からでも湿っているのがわかる。  
「!!…ちょっとまって…!!」  
あわてて俺の手を押しのけようとするが力が入らない手では拒絶には至らない。  
「俺のことだけ考えてろっていっただろ」  
口をふさぎ、言おうとする言葉を吐息に変える。その間に下着の上から指を滑り込ませる。  
硬く閉じていたふくらみにそって指を這わせ、少しずつ花芯に刺激を与える。  
「…!んぁんん!」  
声のトーンが上がったのを確認してさらに指を愛液があふれている入り口に進める。  
 
ぬるりと指を差し入れる。  
そこは想像していた以上に暖かく俺を誘う。  
少しずつ指を動かし初めて受け入れる緊張を解きほぐす。  
「っ…、んあ、ぁん、んふぅ…りゅう…」  
「…気持ちいいか?」  
「…!そんな…!んんっ、わかんっ…ない…」  
身体をそらせ、焦点が合わない眼を宙に漂わせる。挿れている指の関節を曲げ、入り口近くの  
 
ざらついたところをこする。  
「ひやっ!ぁんんん…!」  
もっとだ。もっと俺を感じてくれ。下着を剥ぎ取り  
指での刺激を行いつつ唇を腹から下へと移動させ、  
愛撫を受け入れぷっくり膨らんだ花芯をそっとくわえる。  
「……!!やっ…!りゅうじ…。ぁんぁぁあん…!」  
かすれながらさらに上がった声のトーンに煽られる。  
舌でなめ上げ、吸い付き、常に刺激をおくる。  
ぴちゃぴちゃという水音が激しくなる。挿れている指に不規則な収縮が襲う。  
「……!!、っあ、んぁぁん、あん!…!」  
下半身に力がはいり、身体を反らせ俺が与えた刺激で頂までのぼりつめた。  
 
 
「…んん。りゅう…じ…」  
焦点がさだまらない眼で両腕を宙に伸ばし、俺の名前を呼ぶ。  
手早く避妊具を装着し伸ばした腕を絡め取る。  
とろんとした眼で俺を見つめる。キスをすると応じてくる。  
…だから、そんなに俺を煽るな。  
もう限界近くに膨れた分身をそっと入り口にあてる。  
たいぶほぐしたが少し入ったところで締め付けがきつくなる。  
司は入ってきたものが何かわかったのか身体が一瞬こわばる。  
眼を閉じ、苦痛まじりの声をもらす。  
「…少し我慢してくれ。…俺のことだけ考えてろ」  
深くキスを繰り返し、吐息が漏れ、力が抜けたのを見計らって奥深くまですすめた。  
司のなかは暖かく、締め付けが拒絶ではなくさらに奥を誘う。  
一気に下半身に血流が集中するのがわかる。  
 
女の身体は初めてではない。今まで欲求にまかせて何人も抱いてきた。  
しかし、はじめて挿れた好きな女のなかは想像以上に暖かく、  
俺を快楽へと容易につれていく。  
このまま一気に上りつめたい欲求にかられる。  
「…司。だいじょうぶか?」  
なんとか思いとどまると俺の下で苦痛に顔をゆがめながらこくこくとうなずき身体にしがみつく  
 
司のまぶたに軽くキスを落とすとゆるゆると動き出した。  
 
声に苦痛だけではない甘さが加わってきたのを確認して動くスピードを速める。  
俺自信も限界が近い。  
「…んん。ぁんぁんっん、んっりゅう…じ…」  
甘い声のなかに俺を呼ぶ声。  
「っ…つかさっ」  
どくんっ!  
薄いゴム越しに白い欲望を開放した。  
 
横で無防備に安心して眠る司。  
そっと頬をなでると少しくすぐったそうにしてそれでも起きずに眠っている。  
 
これから。なにがあっても俺の横にはおまえだけだ。  
「…覚悟しとけよ」  
いろんな意味をこめて耳元でささやく。  
司は幸せそうに眠っている。  
 
 

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