九竜組応接室にて。  
「………」  
「………」  
 
「何見てんじゃ、てめぇ」  
「…それはこっちのセリフじゃぼけぇ!!」  
 
 
ソファーで船を漕いでいた相方(俺は認めてねぇ)に怒鳴りつけた。  
ついてねぇついてねぇ。何でこいつがここにいんだ。  
 
「信楽、てめぇいつもだったらとっくに寝てる時間じゃねぇか。」  
「そういうてめぇこそ、最近図ったように帰って来るの遅いよなぁ?」  
 
胸ぐらを掴みあったまましばし睨み合う  
「……」  
「……」  
「あれか」  
「お前もか」  
そう言って二人は同時にため息をついた。  
 
 
「どこ行くんだよ?」  
「てめぇに起こされちまったからな。やっぱ部屋で寝るわ。」  
 
 
そう言って背中を向けて歩きだそうとする信楽。いや待てって。だってあの部屋は今……  
 
 
『んっ……やめろよ竜っ』  
『そうかぁ?の割には随分と積極的な下半身だよなぁ?』  
『〜〜っ、このオヤジめっ………あっ…ゆ、指…』  
 
 
 
「大体、俺は初めから気に入らなかったんだ!よりによっててめぇと相部屋なんざな!」  
「俺だってそうだ!しかも……」  
「「風呂場の隣だし」」  
 
 
二人は今自室にいる。当初部屋を割り当てられた時は風呂が近い!と喜んだこの部屋が今は憎い……。  
 
 
簡素な布団二枚が離れて敷いてある。向日はふてくされた様に胡座をかいている信楽にポツリと呟いた。  
 
「まさか坊主が女だったなんてな。」  
 
「お前それ26回目」  
振り向きもせず信楽が答える。  
「毎日こんなの聞かされちゃあ」  
「たまんないよな」  
 
そうして深いため息。  
 
 
しばらくの沈黙の後向日が立ち上がった。  
「寝るんじゃねぇのかよ?」  
「…あ〜…トイレ行ってくらぁ」  
「何だよ、ヌく気ならここでもいいだろーが」  
「ばっ馬鹿言ってんじゃねぇ。んなこっ恥ずかしいことできるかよ」  
「あ〜?別に男同士だし普通だろ。俺もそろそろヤバいんだわ」  
 
そう言ってこっちの布団に移って来やがった。何やってんだこいつは?  
「ホラ、めんどくせえなぁ。とっとと脱げやぁ」  
神様、何デコイツハ 俺ノズボンヲ 脱ガセニカカッテイルノデショウカ?  
 
『っ…ちょっ………何考えてんだてめっ……んぁっ』  
『何って。今日はちょっと趣向を凝らしてだな』  
『んなもん凝らすな!……えっ?えっ?……わぁっ!』  
『ハッハッハ。却下』  
『嫌ぁ!殺される〜〜!だ〜れ〜か〜!』  
 
 
 
 
とまあ、そんなこんなで俺は今ナニをどうこうしているわけだが。  
や、やりにくい。信楽は向こうの壁によりかかってるけど。何だかさっきから視線が…。気のせいか?俺の気のせいなのか?  
……おい、またかよ!絶対ェ気のせいじゃねぇ!  
「〜〜っ、てめぇ何か言いてぇことがあんならはっきりしやがれ!集中できねぇだろうが!」  
 
 
信楽は少し驚いた顔をして言いにくそうに口を開いた。  
「お前さ、カブト合わせって知ってっか?」  
「はぁ!?何だそりゃぁ」  
 
「ま、平たく言うとだな互いのモノ握ったりこすり合わせて先にイった方が負けという…」  
「…悪ぃがそんな趣味ないんで」  
冷や汗を流しながら立ち上がろうとする俺を座らせる。  
「そんなんじゃねぇって。純粋に気持ちいいんだよ」  
「却下だ」  
 
「さてはお前俺に負けたくねぇんだな?ハッ早漏ヤローが」  
 
だからさっきから何言ってんだこいつは?訳わかんねぇ。  
 
「ま、いいからいいから♪」  
言いながら俺のモノに触れてきやがった。  
 
「…くっ」  
「ホラ、半勃ちじゃん。もう観念しろよ。せっかくのズリネタが終わっちまうぜ?」  
 
「…くっ」  
あいつの指が俺の頂上を無遠慮にこねくり回す。手のひらではやわやわとした動きを繰り返している。  
『……あっ、やだっ。何で風呂場にそんなもんっ』  
『俺は準備を欠かさない男だからな』  
 
「……はぁっ……痛っ?」自分とは違う手に誘われて段々ソノ気になって来た俺を信楽が掴みやがった。  
「っ痛〜」  
「お前、なめんなよ?こんな程度で俺がイくと思ってんのかよ。自分ばっかりヨくなってねぇで本気出しやがれ」  
 
別に手は抜いてないんだがな。なら本気出させてもらおうか。  
 
握りの強さを加減しながら先の方をつまむ。筋を優しくなぞりもうどちらのだか判らない先走りを頭になすりこむ。  
 
『……お、願い…抜いてぇ…も、やっ』  
『そうか?オモチャだけでも気持ちよさそうだが?』  
 
 
「…っさっき迄の威勢はどうしたよ…」  
俺はニヤリと笑う。  
「んっ……て、めえだって…感じてんっ」  
眉間に皺を寄せながら信楽は反論する。金髪が月明かりに反射してやがる。こいつって結構……  
 
 
 
『もう……竜二君の意地悪〜〜。僕に何を言わせたいんだい?』  
『(何だか立場が逆じゃないか?)お前は?』  
『は?』  
『お前がどうあろうとも挿れるけどな』  
『いや、ちょっとタンマ!』  
 
 
少し乱れた前髪が顔に影を作っている。  
「…っはっ…」  
…結構面いいんだよなこいつ。  
「…はぁっ……何だよ、まだ硬くなるんか」  
は?いやいやいや!これは坊主達に触発されたんだよな?だよな俺?  
 
『あぁっ………す、げぇへその下あたりに届いてるみたいだ』  
『……お前って色気ねえよなぁ』  
 
 
二人の手はもうかなりヌルヌルしている。しかも手だけじゃなく相手のモノもあてている訳だから……  
「どうよっ?…sexみてぇだろ?」  
信楽が同意を求める。あいつのも俺のも緊張してきている。  
 
『…は、早っ、よぉっ……壊れっ…』  
『…っ大丈夫だ。お前の運動神経ならなっ』  
『…何で…あぁっ…そんなっに、余裕なんだよっ』  
 
 
「……んっ、いい加減イけよっ」  
限界が見えてるのか信楽が虫の息で言う。  
あぁでも確かに気持ちいいな。あいつのモノが熱くて、ぬるぬるで。  
 
 
『やっ……竜二っ…もうっ…あっ……あああ』  
『っ…もう少し我慢しろっ』  
 
 
男でも女でも。耐えてる時の顔は色っぽいと思う。  
「何っ見てんだよっ」  
「…っ。いや、色っぺーなぁと。」  
って俺?何言ってんだ?や、やべぇ?  
「はっ……ま、あんなんでも坊主は女だしなぁ…んんっ」  
信楽……そうだこういう奴だった。ま、いいか。  
 
『…あぁ…あっあっ…んやっ…………んーっ…も、無理ぃっ…』  
『くっ』  
 
 
「……んんっ」  
あいつが俺の手の中でビクッと震えた。  
 
『……あ、あ、……熱いよぉ』  
『早く四代目が生まれるといいな』  
『〜〜っ!!!』  
 
 
「お前の負けだ」  
先にイって多少自己嫌悪している信楽に言い放つ。少し紅潮した頬でキッと俺を見上げた。  
「うるせぇ」  
そう言って俺の尿道?に爪を入れやがった。  
「あぁっ……」  
 
 
 
『てめぇ、明日学校行けなくなるじゃねぇか』  
『そしたら一日中できるよなぁ?』  
『いやだぁ!俺は何が何でも学校に〜っ!』  
『さ〜て、どうしようかな』  
 
 
 
「おい三代目達まだヤるのか?」  
俺が呆れたように呟く。あいつは笑って俺の目を見た。  
「何、年寄り臭い事言ってんだよ。俺だってまだまだだぜ?」  
「ふんっ。まぁ俺がまた勝つけどな」  
 
 
あいつのイき顔を見ながら。三代目達のsexを聞いて。たまには悪くないんじゃないか。と、思ったなんて絶対言えねぇな。  
 

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