「何のマネかな竜二くん?」  
「何って、お前の健康診断だ」  
朝、毎日の恒例行事になりつつある俺たちの乱闘。理由は決まっている。  
牙流会の抗争後、俺はいつの間にか周りの幹部連中から勝手に竜二の聖妻候補に上げられた。よって何故か俺は竜二と同じ部屋で寝る羽目に。もちろんベッドは違うが俺が寝てる隙に服を脱がすことなんか竜二にとっては朝飯前。  
今日も目を覚ますと竜二の前にすっ裸で横になってる俺が居た訳だ。  
「健康診断だ?そう毎日毎日健康チェックの必要がどこにあるんだこの変態野郎!!」  
俺の怒りのスクリューパンチは見事竜二の顔面にクリーンヒット。全く、毎回こうやって俺に痛めつけられても竜二に懲りた様子は無い。確かに竜二の事は好きだし触れたいって思うのも確かだ。  
が、しかぁし!!奴のコミュニケーションは異常だ。俺が少しでも気を許すとすぐに子作り体制に入ろうとしやがる。油断も隙も無ぇ。  
 
俺だってそりゃお年頃だし?そういう事に興味が無いって言ったら嘘になる…けどあの竜二だぜ?1度やっちまったら即妊娠に決まってる。伊達に種馬の名を持ってねぇな。…とか感心してる間に再び俺ってば竜二に組敷かれてるし。くそぅ。力でかなわないなら…  
「ブンさんブンさんブンさ〜ん!!!!」  
竜二の側近渋谷(通称ブンさん)の名を連呼する。  
俺も一緒に居るとは言え仮にもここは組長の寝室だ。呼べば必ず人が来るはず。  
「…」  
しかしいくら呼んでもブンさんの返事は無い。  
「ブンさん聞こえてんだろ!?助けろよ〜!!」  
竜二の下で必死にもがく俺。が、せっかく着直した服を1枚1枚剥がされていってる。  
ヤバイ。このままじゃ俺完全に食われる!!  
「司坊?」  
その時、天の助けかブンさんの声がドア越しに聞こえた。  
「ブンさん!!何してたんだよ〜とにかく入って!!」  
「いや、それが今手が放せなくてな。組員も当分ここには近寄れないと思うから。三代目を頼むぞ」  
頼むぞって頼むぞって…何だよそれ〜!!  
「ブンさんの薄情者〜!!」  
俺の叫び声から逃げるようにして消えていくブンさんの足音。  
 
絶対皆で協力してやがるなぁ〜。そんなに4代目を俺に生ませたいのかよ。俺まだ10代だぞ〜?  
少し涙目になりながら竜二を睨む。すると竜二は困ったように手を止めた。  
「悪かった。大丈夫、無理矢理はしねぇよ」  
そうして俺を宥めるように優しく抱きしめる。こうやって竜二に励まされたこと何度もあったな。  
俺は息をゆっくり吐くと竜二を見上げた。  
「言っとくけど、嫌とかじゃねぇからな?ただ…子供はちょっとな…」  
俺の意図を理解したのか竜二は柔らかく笑った。  
「んな事心配してたのか…。避妊はする。お前の兄弟の事もあるしな。」  
その竜二の一言につい嬉しくなって俺から抱きついた。ちゃんと考えてくれてたんだ、俺のこと。  
「良いか?」  
竜二の問いに俺は無言で頷いた。  
 
俺の了承を得た竜二は微かに口端を上げた。やばい。頷くんじゃなかったかも…。  
「うわぁっ」  
そうこう考えてる間にも竜二は俺の体をひっくり返した。仰向けになった俺の背中に竜二がのし掛かる。  
「確かこの辺りだったよなぁ?アイツに付けられたキスマークは…」  
首元でで凄まれ俺は身を縮める。竜二の息がかかって少しくすぐったい。  
「あ、あれは俺の意志とは無関係にだなぁ〜」  
「問答無用」  
「ひぁっ!?」  
俺の言い訳も聞き入れぬまま、竜二は噛みつくようなキスを体中に降らせていく。うわ…気づけば俺もう裸じゃん。  
 
…それから俺は『お仕置き』と称して竜二に酷い目にあわされた。  
身動きの取れねぇ体制でやられたり、俺から求めさせたり、挙げ句の果てには変な道具まで使いやがって…  
とにかく俺の体は疲労で動けなくなってた。  
 
「りゅっ…も、無理だっ…言ってん…だろっ」  
今現在4度目の行為中。俺は3回も絶頂を迎えてるってのに竜二は余裕そのものだ。  
俺の中で突き動かされる竜二のモノは更に速度を速める。  
無理だっつってんのに…。  
「仕方ない。これで最後にしてやる」  
「うぁぁぁっ」  
意識を失いかけてる俺に対して容赦なく訪れる快楽の波。  
畜生。竜二はこんな時でさえ表情を崩さねぇ。悔しいけど経験に差がありすぎる。  
初めは痛かった結合部も何度という往復によって快感しか感じなくなってる。  
 
「う…ぁ…はっぁ」  
自分でも限界が近いことが分かる。やばい…もう…  
 
「んあぁぁあっ!!」  
「くっ」  
俺の絶頂と共に収縮するソコは竜二のモノをキリキリと締め付けた。  
避妊具によって妊娠しないことは分かってるけど、竜二の中から溢れ出たものはそれさえ突き破って来そうな勢いだ。  
 
「りゅ…」  
 
情けないことに俺が覚えてるのはそこまで。目が覚めると竜二に腕枕されてた。  
「っつ…」  
意識がハッキリしていくと同時に腰に激痛が走る。そりゃな、あんだけやれば体も痛くなんだろ。  
俺は腰をさすりながら起き上がり竜二を見下ろした。  
「今日は初めだからこんなもんだ。次からはもっと愛してやる」  
あ、あああ愛!?  
すでに俺より先に目が覚めていた竜二は俺を見上げて笑った。  
「何なら今からでも良いが?」  
「ふ、ふざけんな〜!!!!」  
無防備な竜二のソコに渾身のトルネードキックをお見舞いしてやった。  
「〜〜〜っ!!」  
声にならない程悲痛な表情の竜二。ざまぁみろ。俺だけ痛い思いするなんて不公平だからな。  
「当分は絶対ぇしねえからなっ」  
ベッドの上でもがく竜二は放っておいて俺はシャワーを浴びに行くことにする。  
奴が調子に乗るといけねぇから気持ち良かった事は黙っておこう…。  
 

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