ああいう偽善者気取りの小娘には腹が立つ――少し痛い目をみせてやるか。  
俺の心に魔がさしたのは、あのヴェネチアの妖しい雰囲気のせいかもしれない。  
気丈に俺に反論する少女を無性に憎らしく、愛おしく感じてしまった。  
行く先々で出会う蜂蜜色の髪の踊り子、ナージャ・アップルフィールド。  
その頼りなげな容姿は、なぜか母親の姿を思い出させる。  
俺は自分でも理解できない妙な感情に突き動かされるまま、運河に浮く無人の小船に  
ナージャを引きずり込んだ。  
「きゃあっ、な、なにをするのっ……」  
少女は激しく抗ったが、こういう時はどうすればいいのか、俺はよく知っている。  
ナージャのあごに手をかけ、俺はその珊瑚のような唇を優しくふさいだ。  
「んんっー……」  
少女の甘い吐息が心地いい。  
俺は舌を唇の間にすべりこませると、そっと少女の小さな歯を舌先でなぞった。  
「ふっ……う……」  
いつの間にかナージャは抵抗をやめ、腰に回した俺の腕の中で大人しくされるがままになっていた。  
なかなか感度がいいじゃないか。  
唇を貪りながら、俺は少女の体を小船にそっと押し倒していく。  
「や、やあっ……やめて」  
 
ナージャは俺を押しのけようとまた抗い始めたが、一度快感を与えられた体はそう簡単には  
元には戻らない。  
強引にスカートの中に手を入れ、白くて柔らかい太ももに指を這わせると、  
再び快感と驚愕、そして恐怖が入り混じった甘い悲鳴を上げた。  
ナージャのふっくらした頬はいつの間にかうっすらピンク色に上気している。  
空のように青く澄んでいた瞳も濡れ光り、俺を誘っているかのようにすら見える。  
しばし俺たちは見つめあった。  
それはほんの一瞬だったが、まるで時が止まったかのように感じた。  
銀色の月光、あたりの民家から漏れる暖かなオレンジ色の光。  
闇を鈍く照らす光に惑わされているのか。  
俺は、二人が永遠の愛を誓った恋人同士であるような錯覚を覚えた。  
俺は怪盗黒薔薇であり、それ以外の何者でない――  
何者であってもいけないということを忘れかけていた。  
そしておそらくナージャも、何かを感じていたに違いない。  
この邂逅が決して恐ろしいものではない、なにか運命的なものだと悟ったはずだ。  
その証拠に、俺がもう一度唇をふさいだ後、ナージャは完全に抵抗をしなくなった。  
俺は優しくナージャを愛撫しながら、その可愛らしい反応を楽しんだ。  
耳朶を甘く噛み、甘い息を吐きかけると、ナージャは甘える子猫のような声をあげた。  
「ひぃ…ん」  
「可愛いよ、ナージャ」  
なんて嗜虐心を煽るんだろう。この踊り子は。  
 
俺はナージャの真っ白で、絹のような滑らかな首筋に下を這わせた。  
「うぁぁ……ん、や、やあん」  
身悶えしながらナージャは俺の体に腕を回してきた。  
だいぶじれてきているな。  
スカートの中に手を入れ、そっと下着に触れてみる。  
そこはしっとりと湿っていた。  
「ああ、濡れているな。いやらしいおチビちゃんだ」  
「や、やだ……恥ずかしい」  
ナージャはそういって体をゆすったが、その声には甘い甘い媚があった。  
「もっと触って欲しいだろ」  
下着の上からつんと膨らんだ箇所を指でこする。  
「ふあああ!」  
敏感な場所を刺激されて、ナージャはわなないた。  
俺はナージャの両足を、自分で大きく開いて持ち上げさせ、じっくりとそこで  
遊ぶ事にした。  
予想以上にナージャの尻はむっちりとしていた。  
そろそろ少女から大人に体が変化してきているのだろう。  
真っ白な下着には染み出した愛液が汚れを作っている。  
そしてその染みの中央より少し上の部分には、とがった小さなクリトリスが布を持ち上げている。  
俺は下着をつまんで布を上下させ、クリトリスを刺激してやった。  
「うう〜」  
くねくねとナージャは腰を踊らせて、快感に必死にたえているようだ。  
 
「綺麗なアソコだな」  
俺は下着を大事な部分だけ横にずらして、ぷっくりとしたナージャのアソコを眺めた。  
ナージャのそこは綺麗なピンク色で、使い込まれた様子はない。  
無毛の性器の周辺に、透明な粘液がぺっとり張り付き、といやらしく光っている。  
処女かと思ったが、右側だけ大陰唇がわずかに肥大している。  
「ふふ、さてはオナニーしているな」  
「え、そ、そんなこと」  
俺は指をナージャの濡れ光る膣に差し入れた。  
「ああ!や、やああ〜…んっ……」  
「もうこんなにぬるぬるだ。指がすんなりはいった…いつも右手でオナニーしているんだろ」  
ナージャは顔を真っ赤にし、呆然としている。  
俺が意地悪くその顔を見つめながら指をくにくにと折り曲げると、  
ナージャは色っぽいため息をついてぶるぶると体を震わした。  
「な、なんでわかっちゃうの〜……?」  
「いやらしいおチビちゃん……」  
俺もだんだん我慢できなくなってきた。  
ナージャのアソコをいじくりながら、すばやく下穿きのベルトを外し、いきり立ったモノをだす。  
すぐにでもナージャの中に入りたかったが、もう少しこの時間を楽しみたかった。  
「気持ちいいか?」  
「うん、うん……頭が……ぼーっとして、何も考えられないの」  
くちゅくちゅとナージャのアソコを淫らな水音をたたせながらかき回す。  
指一本でもきついぐらいだが、もう一本くらい入りそうだ。  
「もっと気持ちよくしてやる。こっちに尻を向けて四つん這いになれ」  
「は、はい……」  
素直にナージャは姿勢をかえ、俺に尻を向けた。  
 
自らスカートをまくり上げ、下着を太ももの半ばまでずり下ろす。  
白桃のような尻を向けられ、俺はごくりと生唾を飲んだ。  
ぶちこんでやりたい……その欲望を必死に抑え、邪魔な下着を脱がすのを手伝った。  
そしてナージャの足の間に俺の体を割り入れ、ナージャの顔の前に自分のモノが  
くるようにし体勢を作った。  
「口でするんだ。俺を気持ちよくさせた分だけ、こっちをいじってやる」  
いいながら、眼前のナージャのアソコに指を差し込んでやる。  
「うああっ!」  
ナージャはその刺激に腰を落としそうになったが、俺は手で支えた。  
「さあ、しゃぶってくれよ……」  
俺は一足先にナージャの股座に舌を這わせた。  
「ひゃあん……」  
ナージャはまた体を大きく揺らしたが、観念したように俺のモノに口に含んだ。  
最初はおののくように亀頭を軽く唇で挟んだだけだったが、  
すぐに舌先を使いはじめる。  
そのつたない動きが逆に俺の性感をたぎらせた。  
「……もっと奥まで咥えるんだ、おチビちゃん」  
「んっぐぐ」  
すっかり従順になったナージャは、俺に言われるがまま、俺のモノを深く咥え込んでいく。  
俺は射精感にたえ、  
ナージャの中に差し入れる指を2本に増やし、狭いアソコに強引に押し広げていった。  
「んぐぐっ……むううーっ」  
「口を離すなよ」  
ぐちゅん、ぐちゅん。  
ナージャの広がったアソコをかき回すたび、とろとろと粘液が溢れてくる。  
 
ナージャも腰をゆすり、快感を貪っているようだった。  
俺のモノを咥える口つきも、徐々に激しくなっていく。  
喉の奥までくわえ込み、唇と舌で男のモノをしごく姿は、娼婦のようだった。  
「んふうーっ……んん〜っもうっだめ〜」  
突然ナージャが口を放し、悲鳴に近い声を上げた。  
「もう、無理だよっ我慢できない……!」  
振り返ったナージャの瞳は、すっかり蕩け切っていた。  
股間に咥えた俺の指をもっと深く欲しがっているのか、突き出した腰だけいやらしいダンスを続けている。  
「やれやれ、しょうがないな」  
俺はできるだけ平静を装っていった。  
本当は今にも出してしまいそうだったんだが、それを悟られないように体を動かし、  
ナージャの股間にはりつめたモノをあてがった。  
「楽にしてやろう」  
「んっ……んん〜っ!!」  
くちゅ、ずっ……。  
亀頭の先が、熱いナージャの膣にくわえ込まれていく。  
そこは予想以上に熱っぽく、狭かった。  
「う……」  
「ひゃああん!」  
俺はその後は一気に腰を突き出し、ナージャの最奥まで突き上げてやった。  
「あーっあああーっ……ひゃあああんっ」  
俺が腰を激しく打ち付けると、ナージャはあられもない淫らな悲鳴をあげはじめた。  
 
「やあ、やあーっ」  
「嫌じゃないだろ」  
俺はナージャの腰を持ち上げるように掴んで、  
さらにナージャの頭の位置を低くするように押さえつけた。  
この体勢の方が、奥までモノが入る。  
ただでさえ狭く、きゅうくつなナージャの膣が、ますますきつく俺のモノを締め上げた。  
ぬるつくひだの締め上げに耐え切れず、俺は思わず気を放ってしまった。  
「ああ、熱いよっ……」  
ナージャの声が遠くに聞こえる。  
しまった、いかせることができずに先にいってしまったか……。  
だが、俺のモノは一度精を放ったくらいではおさまらなかった。  
もう少し楽しめそうだな……。  
「まだ終わらせない」  
俺は震えるナージャの髪に仮面をうずめ、そっと唇をあてる。  
そして再び腰を使った。  
 
俺たちは明け方まで何度も体を重ねた。  
ふと気付くと、夜空が明るく染まってきている。  
俺はその光の白さに、ふと俺は自分が誰だか思い出した。  
俺は怪盗黒薔薇だ。  
ここにいてはいけない……。明るい光の中にいてはいけないのだと思い出した。  
ボートの上で、ぐったりと横たわるナージャは、うとうとと眠りかけているようだ。  
俺は少女の体にマントをかけてやると、静かにボートを岸に寄せた。  
「……おチビちゃん……また会おう」  
その言葉はきっと少女の耳には届かなかっただろう。  
俺は朝日と建物が生み出す薄ぼんやりした影を縫うようにして走り出した。  
 

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