ほんの子供のくせに、妙な色香漂うローズマリーに欲情するヘルマン。
そんな気持ちを「今のうちにこの娘のすべてを私の支配化に置くため」と自分に
言い訳しながらヘルマンはローズマリーを凌辱するのだが…
抱いてみて気付いた。
この未熟な身体は、既に男を知っているらしい。
好奇心と、期待を裏切られた腹立たしさが入り混じるヘルマンは、
「とんでもない淫売娘だ」と吐き捨てながら、少女のちっぽけな乳首をつねり上げた。
「いッ…痛いッ! おじさま許して…!!」
「許して、だと? その哀願する同じ唇で、何人の男のモノを咥えこんだのかね?
正直に言ってごらん。仮にも叔父としては、可愛い姪の過去はいちおう把握しておかんとな」
苦痛に表情を歪めるローズマリー。ふと、悲しげにつぶやく。
「…ずっとひとりぽっちだったから…誰も私なんか見向きもしてくれなかった。
さみしくて…だから時々、優しい言葉をかけてくれる人がいると嬉しくて…」
「……」
ローズマリーの乳首をいたぶっていたヘルマンの指が弱まる。
「分かってるんです、そんなの嘘だってこと。だけど、その時だけはほんとにみんな私を大事にしてくれる…
可愛いね、綺麗だね、お姫様みたいだねって…馬鹿なんです私」
頬に涙の筋を伝わらせながら、自嘲的な笑顔を浮かべるローズマリー。
らしからぬ憐憫の情を感じて、ヘルマンは途惑った。
そんな彼の頬を、いまだささくれが残る、細い白い指がためらいがちに触れてきた。
「…感謝してます、心の底から。叔父さまだけが私を必要だと言ってくださった。
叔父さまがお望みなら、私、何でもします。だから、どうか…
ほんのちょっとで構いませんから、私を……」
「可愛いローズ…いやナージャ。私の愛しい共犯者」
少女の涙を,ヘルマンはそっと舌で拭った。
「お前の飢えを満たしてやれるのは、私だけだ。この世でたったひとり、私だけがお前を理解してやろう」
「ああ、叔父様……もっと強く、何もかも忘れるぐらい強く、私を抱きしめて!」
自ら激しく求めるように、ローズマリーの四肢がヘルマンの身体に絡みついた。
そのしなやかな身体を、ヘルマンは無我夢中で貪るのだった。
弾けるように艶やかな尻を鷲掴み、ローズマリーの陰部を真摯なまでに舐め、
愛撫するヘルマンの頭を、彼女はうっとりと眺めた。
その姿はさながら、貴きものを前に伏し拝む、異教の信徒のようであった。
…私の可愛い、愛しい…下僕。
そう。下僕ごときに私が理解できるものか。
ヘルマンは使い勝手のいい駒に過ぎない。
理解していいのはたった一人の私の騎士だけ。
けれど…その騎士はもういない。姫を裏切るという大罪を犯した。
「……許さない」
小さく、溜息のようにローズマリーはつぶやいた。
もちろんヘルマンには聞こえまい。
月も、星のかけらも見えない夜は、まだ続くのだ。
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