――――― 空は蒼く透きとおっている  
 
―――――― その色はまるで形無く存在する水のように・・・・・・  
 
―――― 水と思い出はよく似ている・・・・・・  
 
―――――― それは悠久に忘れることなく心に残る夏の記憶・・・・・・  
 
 
「みっちょ〜ん!早く〜」  
「ま…待って……」  
「相変わらず体力無いな〜」  
それは記憶の断片 そこにいたのは3人の仲睦まじい少女たち・・・・・・  
炎天のなか3人は公園で遊んでいる。それはその中の一人の少女の記憶。  
運命といえた出会いの記憶・・・・・・   
 
――――― 季節は夏  
――― 蒸暑いというよりは風が吹き抜けて心地のよい日だった・・・  
―――― 3人とも卒園したばかりの小学生ぐらいの年だった。  
――― 一人は明るく陽だまりのような少女  
――― 一人は活発で意志の強そうな少女  
――― そして白いぬいぐるみを抱いた大人しげな少女の3人  
 
「楽しいね〜」  
「ん。半分はみっちょんの世話だったけどな。って・・・みっちょん?」  
ぬいぐるみの少女はそれを抱きかかえたまま公園のベンチで寝ている。  
それは幼くとも人形のような寝顔だった。  
木陰でそこは涼しく心地よかったらしい。二人の少女は少し考えて・・・  
「どうする?そのままでも良さそうだけど・・・のど渇いたからジュース買いに行きたいし・・・」  
「大丈夫だとは思うけど・・・?なんか起すのもなんかかわいそうだし」  
二人はなるべく時間をかけずに戻ってくるという答えを出して急ぎ足で駈けて行った。  
 
暫くして……  
「あれ?私・・・寝て・・・・・・あれ?愛花ちゃんと久美ちゃんは?」  
目の前には誰もいない。寝ているのに気づかれずおいていかれたのだろうか?  
困った。普段あまり出かけたりしない分このあたりの道を知らない。  
今日だって二人に必死でついて行っただけだった。  
白いぬいぐるみをギュッと抱きしめ涙目になる。通りすがりの人に道を尋ねる勇気も無い。  
「ッ…どう・・・ヒッ・・・どうしよう・・・・・・」  
「何で泣いてんだ?」  
そこには――――――  
 
 
ピリリリリリリ!!  
ガバッと起きて目覚ましの音を止める。  
「ん・・・・・・ん〜・・・夢?」  
背伸びをしながら呟く。懐かしい夢を見たものだ。  
でも今でもそのことは覚えている。ただ記憶の中の人物が思い出せない。  
また同じ夢を見れたら思い出せるだろうか?  
なぜ覚えているかといえばこの思い出は形に残っているから・・・・・・  
 
「おはよう、みっちょん」  
「おはよう愛花」  
今朝の夢を思い出すと愛花もずいぶんと大人しげな可愛い女の子に成長したものだ。  
久美も自分が羨むほど驚きの成長をしている。私って・・・・・・  
「みっちょん?どうしたの、大丈夫・・・?」  
大丈夫・・・・・・痛いのは現実「が」だから。  
 
「おはよう乾」  
「え・・・?あ・・・おはよう」  
今日は珍しく九澄が深千夜に対して挨拶をしてきた。  
この人はよく分からない。愛花をいじめたりしてるかと思ったら必死で違うと否定する。  
時々ちゃらちゃらしてるかと思ったら真面目になったりする。  
困ってる人は大抵助けるけど大半が空回り・・・・・・・・・  
「乾?どうした、大丈夫か・・・?」  
この人も愛花と対応が同じ・・・・・・  
今日の私は周りから見てそんなに不自然だろうか?  
・・・・・・・不自然だから反応が一緒・・・・・か。当然の事。  
 
昼休み。皆それぞれ行動して一部が騒がしい。  
「・・・・・あれ?まち針がない・・・・・・?」  
どこかで落としたのだろうか?一本足りない。普段は別にいいことだけど今日は探す事にする。  
今日行った道を思い出しながらそこを手当たりしだい探し歩く。  
見つからない。探しているうちに九澄にあった・・・・・・  
「どうした乾、探し物か?」  
まぁ話すぐらい問題ないだろう。私は正直に針が無くなったといったらあろう事かその人は・・・・・・  
「な…何してるの・・・?」  
「何って・・・困ってんだろ?一緒に探してやるよ」  
いや、それはさすがに問題があるだろう。仮にも相手はゴールドクラスという少年。  
さらに私たち全体を取締まる一年生徒会の責任者だ。  
そんな「とんでも人物」に『針を探させる』なんてアイコン選択させる事自体とんでもない事だ。  
でもそのとんでも人物はお構いなしに探してくれている・・・・・  
「ねぇ・・・生徒会はいいの?一応仕事中でしょ・・・?」  
私は半ば引け目で言ってみた。嬉しいけどさすがに気まずい。  
「ん?別に収集の放送ないし暇だから俺はいいぞ?」  
『俺は』か・・・・・・それは私に対する質問。『俺は』という事は私が嫌なら別にやめるということだろう。  
「・・・あなたがいいなら私は別に・・・・・・」  
九澄はそれを聞くと「そうか、じゃあ勝手に探すぞ」なんて事言ってくる。  
何度も言うけど嬉しい事に変わりはない。それになぜか悪い気がどんどん薄れて九澄と一緒にいる時間が私を満たしていく気がした。  
昼休み中探したけど針は見つからなかった・・・・・・  
 
放課後になって私は教室をもう一度探す。なんでこんなに必死なんだろう?  
たかが針一本だ。本当は昼休み見つからなかったらあきらめるつもりだった。  
でも・・・それでも『教室』を探す。日が落ちて景色が紅くなっていく。  
暫くすると教室の戸が開く音。  
入って来たのは?決まってる。こんな時間に来るのは一人だけ。  
「乾?まだ探してたのか?んじゃついでだ。俺ももう一度手伝うよ」  
その言葉を予想していた。だからこんなに必死で探していたのかもしれない。  
少しでも会う機会のある教室を。  
自分の予想通りの応え。自分の信じていた事が実は違っていたというのは怖いものだ。  
でも九澄は思った言葉をくれた。それはよく言えば『素直』悪く言えば『単純』  
すこし安堵の息が漏れる。  
もし九澄が教室に来なかったら?  
もし九澄が探してくれなかったら?  
そんな心配必要なかった。九澄は九澄だったから。  
そんな九澄が・・・・・・・・・九澄が?・・・・何?  
私は・・・・・・・?もしかすると・・・・?  
でも今はそんなことより九澄といる時間が何より嬉しくて満たされていた。  
「乾。だいぶ暗くなってきたし・・・帰り道危険になるからそろそろ帰ろう。明日・・・また探すから」  
私は首を傾けて反応して九澄と帰る事にした。  
本当はもっと長くいたかった。その感情が嘘じゃないって気づいたからこそ・・・私は九澄のことを・・・  
帰り道はまだ夕日に照らされ紅い。あれ・・・・・?あそこで光ってるのって・・・  
針だ。いくら探しても見つからないわけだ。帰り道にあったから。  
「・・・・・・あ。・・・・」  
「どうした?」  
ここで黙っていれば多分明日も九澄は針を探してくれただろう。  
でも嘘はつきたくなかった。だって自分のワガママで見つからない針を九澄に探させるわけにはいかないから。  
私は針を見つけて。九澄に報告した。九澄は「よかったな」といってくれた。  
明日も九澄は私に挨拶してくれるのだろうか・・・・?  
 
 
「何で泣いてんだ?」  
そこには――――――男の子がいた。  
「ヒッ・・・友達が・・・」  
「あ〜いなくなったわけね。」  
すると男の子は公園の周りを見渡している。そして木に登って遠くを見ている。  
「な…何してるの・・・?」  
「何って・・・困ってんだろ?一緒に捜してやるよ」  
男の子はそういってくれた。でも男の子もいろいろあるんじゃないだろうか?  
そうだとしたら私はひょっとして迷惑なんじゃ・・・?  
そう思って言ってみた。すると男の子は・・・・・  
「別に用事ないし、暇だから俺はいいぞ?」  
「で・・・でも・・・・」  
「それとも嫌か?」  
少女はブンブンと首を振って応える。男の子はじゃあ一緒に捜そうと言った。  
どこか不思議な雰囲気の男の子。戻ってくるかもしれないからと言う理由で男の子は公園をあまり離れないで捜している。  
 
暫くして「ポツッポツッ」と・・・・  
「雨?おい!その木の下に行こうぜ」  
木に近づいた瞬間「ザーッ」と雨が降ってきた。  
男の子が引っ張ってくれたから濡れなかったけどこんなに降ってたら帰れない・・・  
男の子はそんな表情を察してか「多分すぐやむ」と言ってくれた。  
ベンチに座って雨がやむのを待つ。置き場所がよくベンチは端の方しか濡れない。  
雨が降ってる中、今日初めて会った男の子をまじまじと見つめる。  
どこまでも落ち着いた表情で真っ直ぐとした眼で前を見ている。視線に気づくと笑いかけてくれた。  
私は「カーッ」と顔が赤くなった気がして下を向いた。  
そうやってるうちに本当に雨がやんで男の子はまた愛花ちゃん達を見つけようと言う。  
「はぁはぁ…」  
「大丈夫か?水筒ならあるけど飲む?」  
男の子は水筒を差し出すと私は手にとって「コクッ」と飲んだ瞬間。  
「あ。さっき飲んだんだけど・・・・気にしなくていいぞ?」  
それを聞いた瞬間ふいてしまった。慌てて水筒を落として泥のついた水筒を拾おうとしたら・・・・  
「ドサッ」と白いぬいぐるみが落ちてしまった・・・・・  
「あ・・・あ〜〜〜〜・・・・」  
「茶色・・・・・」  
変わり果てたぬいぐるみを拾って泣き崩れる私。男の子は「俺が悪かった!」って謝る。  
多分洗っても取れないことをつげたら男の子はぬいぐるみをとって「ごめんな」と言いながら・・・・  
「ビリッビリリッ」とぬいぐるみの服をやぶりだした。  
「えぇ!?な・・・何するのぉ・・・・やめてよぉ・・・」  
男の子がやぶいたのは服の白い部分。その部分だけやぶると私の後ろに立って髪の両端を結んだ。  
「え?え?」  
「いや・・・どうせ汚れたままなら大丈夫な部分だけでも身につけられれば寂しくないんじゃないかと思ってさ」  
男の子は半分不安そうに言う。たしかにこうすればずっと一緒だけど・・・・・・  
「や・・・やっぱまずかった・・・か?でもさ・・・ほら・・・え〜と・・・そっちの方が似合ってるぞ?」  
ぬいぐるみは駄目になったけど・・・それでも似合ってるって言葉は嬉しかった。  
可愛いかなと訊くと男の子はテレながら「うん」と言ってくれた・・・・・・  
 
「そういえば・・・お名前聞いてなかったよね。私は深千夜。あなたは?」  
「俺?俺は ――――――――」  
 
 
「あ・・・・・またあの夢・・・」  
今日も同じ夢を見てしまった。いろいろ思いながらもたしかに残る感覚。  
多分これが初恋だったのだろう。今は・・・・・・  
あれ?そういえば・・・あの男の子の名前はなんだったっけ?  
 
「ねぇ・・・話したいことがあるんだけど・・・今日いい?」  
「ん?いいけど・・・遅くなってもいいなら・・・どこか行くのか?」  
私は承諾の言葉を聞くと「教室で待ってる」と言って逃げるように駈けて行った。  
ちょっと大胆だけど・・・それでも聞いて欲しい。私の気持ちを・・・・  
 
放課後・・・・・・私は教室で待っていた。  
昨日のように日がかたむき、水のような空が紅く染まる。  
正直に言おう。自分の気持ちを・・・伝えよう・・・この思いを・・・・・・  
「乾?来たぞ、言いたいことってなんだ?」  
「ん。正直に言うと私あなたが好き」  
率直すぎた・・・・・・かな?  
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・気まずい沈黙。まだやり直しできるかな?  
「好きです」  
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・だめ?  
「付き合ってください」  
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・九澄はいまだ沈黙している。口はあんぐり。  
「え〜と・・・乾?それ俺に?・・・・マジ?」  
「もちろん。マジ」  
・・・・・・・九澄は暫し頭の中を整理するように考えている。  
理解し終わったのか九澄は少し赤くなり口を開いた。少し私も緊張している。  
もし断られたら?ショックはある。でも本音を言ったことに悔いはない・・・多分。  
「俺で・・・・・いいのか?」  
「!・・・・・(コクッ)」  
嬉しかった。嬉しくて九澄をギュッと抱きしめる。  
抱きしめると言っても九澄が大きいから体をくっつけるに近い。  
九澄はいっそう赤くなって慌てだす。本当は私も鼓動が聞こえそうで恥ずかしい。  
表には出てない事を祈ってるけど、やっぱり私も嬉しくて恥ずかしくて、真っ赤だった。  
 
「ねぇ・・・公園いかない?」  
「?・・・・いいけど。俺もちょっと行きたかったし」  
公園へ二人で並んで歩く。途中九澄は先に行っててくれと言って商店街へ走っていった。  
なんだろう?不安に思いながらも期待を抱いて公園のベンチに座る。  
このベンチに座るのも久しぶりだ。私は髪を結っていたゴムをはずしてリボンに変える。  
白い形も大きさも違うリボン。待っていると九澄が来て、紙袋を持っていた。  
「なに・・・それ?」  
「ん?プレゼント・・・かな?何も無くても送りたい気分だったんだ気にしなくていいぞ」  
そういって差し出された袋の中を見る。見覚えのあるぬいぐるみだった。  
白い色で白い服を着た昔大切にしていたぬいぐるみ。  
「これ・・・・・なんで?」  
「ん〜・・・・・なんとなく昔を思い出したんだ。本当にさっきだったんだけど・・・」  
予測しなかったわけでもない。でもこんな偶然があるとも思ってなかった。  
でも・・・それでも嬉しかった。  
心も体も成長してずっと前から知ってたのに二人とも思い出すのに時間をかけて・・・・・  
 
九澄が隣に座る。私はそれに寄りかかって腕を絡める。  
そうやってるうちに私はもう一つステップを上げることにした。  
「九澄・・・私九澄としたい・・・」  
「!!? しししたいって!?」  
この反応は分かってる。断って欲しくはない。私はただ今日を残したいだけ。  
恥ずかしくないわけがない。体は熱いし顔だって真っ赤だ。  
でも九澄になら・・・・・そう思ったから・・・・・・・  
「ホテルとか・・・・行く?」  
「ここが・・・・・いい」  
九澄はさらに驚いた顔だ。それはそうだろう。初めてで外だ。  
誰だって抵抗する。一歩間違えれば犯罪なうえに最も恥ずかしい。  
でも九澄は何も言わずゆっくりと耳元で・・・・・  
「まだ明るいから・・・・しばらく待とう」  
九澄はそれ以上何も言わずに私を抱き寄せた・・・・・・  
 
「俺?俺は大賀だ」  
「虎?」  
「いや違うって・・・・」  
会って結構時間がたつのに今更自己紹介をした自分たちが恥ずかしかった。  
そういえばまだ愛花ちゃんたちが見つからない。  
心配になっていると「雨も降ってたし、気にする事ないって。多分来るんじゃないかな?」と励ましてくれた。  
二人で会話しているうちに足音が近づいてくる。  
「みっちょん、ごめ〜〜ん!」  
「あ。愛花ちゃん達だ!」  
二人とも元気に近づいてくる。それを見てて大賀くんを紹介しようとしたら・・・  
「んじゃ、見つかったし俺帰るな」  
「えぇ!?一緒に遊ぼうよぉ・・・・」  
大賀くんは「せっかく見つかったんだから遊んで来い」と言う。せっかく仲良くなったのに・・・  
大賀くんは走りながらどんどん遠くへ駈けて行く。最後に・・・え〜と・・・  
「と・・・・友達になってください!」  
 
『・・・・・・・・・・・・・・』  
 
よく聞こえなかった。でもそれが嬉しくて私は手を振った。  
「みっちょん。今のひと誰?って・・・わ〜みっちょん!その髪可愛い〜!」  
「本当だ・・・・って・・みっちょん!ぬいぐるみ汚れてるじゃないか!まさかアイツか!?」  
久美ちゃんがそんなこと言うから私がちゃんと説明しないと  
・・・あの男の子はとってもいい人で・・・私の友達だって!  
 
 
「ん・・・んん・・・・・あれ?夜?」  
「おぉ起きたか?んで・・・・本当にいいのか・・・?」  
その質問はもちろんさっきのことだろう。いいに決まってる。  
それが望みだから。  
「ん・・・・んん・・・・ちゅ・・・ふ・・はぁ・・・・」  
九澄からのキス。それは優しいけど激しい濃厚なキス。  
九澄の舌が私の舌を絡めとリ口と口の隙間からは二人の唾液が混ざり垂れ落ちる。  
それは長く、とてもじゃないが息が続かない。余韻に浸りつつ口を離す。  
「ん・・・はぁう・・・・・・はぁ・・」  
私の心情を察してか九澄はキスをしながら続きを始める。  
手つきはぎこちないがしっかりと双方の膨らみを揉みしごく。  
下着越しでもその感覚はたしかなもので声が出てしまう。  
「ひゃむ・・・ふぇ・・・・んぁぅ・・・・」  
手つきは少し荒々しいものがあったが徐々に私の反応から感じる位置と力加減が分かってきたのか体の反応が激しくなる。  
確実に私の体は九澄にいいように動かされている気がした。  
それこそがまるで人形遊びのように・・・・・・・  
「んひゃあぁぁ・・・ヒャ・・んむぅ・・・・・・ふぁ!はぁぅ・・・」  
キスから解放されても逃れられない体の快感にただただ悶えている。  
場所が外だと言う事もあって大きな声が出せない。  
でも見つかるのではないかと言う不安と期待に体の感度は上がっている。  
体が反応するという自分では抑えられない事がよりいっそう声を出させる。  
「んはぁ!ふぅ!んう・・・・」  
 
自分の服を噛んで声を抑えようとする。胸からの刺激にも押し負けそうなのに九澄は・・・・  
「!! んひゃぁう!ひゃ!こえがぁ・・・こ・・え・・・」  
九澄はいきなり胸の先端を摘み取り、誰も触れたことないところも同時に攻め立てられた。  
その快感に言葉を失い九澄の体にギュッとしがみつく。  
口からは唾液が止め処なく垂れ落ち指が小刻みに震える。  
「ひゃ・・・!あぁぁ・・・かふっ!ぁあ!」  
九澄は私を横にして下着を脱がす。暗くて見えてないと思うけどやはり恥ずかしい。  
外気にさらされた秘所はヒクヒクと痙攣していた。  
次の瞬間、指をゆっくりと挿入される。  
「ッイッ!ふぁむ!ん!ん〜!」  
自分の服のすそを噛み声を抑える。だが指の抜き差しを始められ体は言うことをきかない。  
それは拷問に近かった。声が出そうなのに出せない。出すことすら許されない。  
なのに体は否が応でも反応する。  
「くる・・・ひぃ・・・・よぉ!くず・・・みぃあ!」  
九澄は指を抜き、膨れ上がったその敏感な蕾を優しく摘んだ。  
「〜〜!!!」  
蕾をいじりながら九澄は秘所に舌を這わせ始める。  
既に十分濡れていたそこは舌を這わすと「グチュ」と言う音が鳴った。  
ッチュ・・グチュ・・チュル・・・ピチャ・・・・チュルルルル〜〜〜〜!!  
「ッ!!ん!んん〜〜〜〜〜〜!!!!」  
体が反り、いっそう痙攣したあと蜜が大量に吹き出て九澄の口を汚す。  
「はぁ・・・ぁぅ・・・ぃやぁ・・・・・ぁ・・・ぅぅ・・・・」  
「乾・・・・いいか?」  
分かってるくせに・・・でも気遣ってくれたことに嬉しい。  
九澄は自分のモノを出すとゆっくりと押し入れようとする。  
グッ!グッ!ズチュ・・・グチュ!!  
「ぃ〜〜〜〜〜〜!!!」  
体を貫くような痛み。体が一瞬で反り返る。だけど九澄はそんな私をギュッと抱き寄せる。  
「あ〜〜〜!ぁ〜〜〜〜!!」  
声が出るのを抑えようとする。でもそうしようとすればするほど声はいっそう出てしまう気がした。  
このまま誰かに見つかるのはすごく恥ずかしい。  
でもそれでもいいと思った。今九澄と繋がってる事が何より嬉しかったから。  
「〜〜!!〜〜〜〜!」  
ズチュ!ズチュ!グチュ!  
「〜!〜!〜!・・・・・ぁぁあう!」  
もう声すら出すことを許されない快感に体が反りそうだった。  
「〜〜!!〜〜〜〜!ッ〜!」  
九澄は限界そうな顔つきで最後の一突きで私を貫いた。  
「〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!」  
ビュルルルルルル〜〜〜!!!!!!!!!!!!  
九澄の全てを私は体の中へ受け止める。どうしようもないぬくもりと心地よさに全て奪われた気がした。  
 
「み・・深千夜」  
え・・・?今・・・・九澄名前で・・・・  
「だってさ・・・前は結局呼んだ気がしないし、いつまでも乾じゃ・・・・さぁ・・・」  
九澄のそんな気遣いに思わず笑ってしまう。  
九澄は頭にはてなを浮べなんで笑われてるのか不思議そうだ。  
 
「じゃあ聞いてもいい?私は九澄の彼女でいい?さっき言ってくれてない」  
 
―――― と・友達になってください!  
応えは一緒。私の大切な人の言葉  
 
『あ・あたりまえだろ!ていうか・・・もうなってるじゃないか』  
 
予想してたけどやっぱり同じだった。だから好きだった。  
「じゃあ名前でいいよ。大賀」  
 
――― 九澄の頬にキスをする。それは背伸びしないと届かない距離  
 
――――― 背伸び分遠いけど・・・それは背伸びだけで届く距離  
 
―――― だったら何度も私は背伸びをする  
 
―――――― その温もりと優しさを感じる為に・・・・何度でも・・・・・  
 

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