―――― その記憶は永遠に……
――― 直ぐに変わるモノだってある……永遠に変わらないモノもある……
――――― 私たちの関係に永遠は………
外は既に真っ暗。雪ははらリはらりと降り積もり、ところどころ灯りが燈されている。
雪がその灯りを反射し、夜の街を明るく照らす。その光景が幻想的だった。
「映画おもしろかったね愛花」
「見てなかったくせに……」
九澄は小声で呟くが私はそれを見逃さない。
すかさずボディに一発……しないで腕に抱きついてみた。
顔は灯りに照らされても分かるくらい赤だった。でも決して腕を振り解こうとはしない。
愛花はきっと剥れているだろう。そう思った。
でも……その顔は………
―――― 空には月明かりが照らし出され、街の灯りが少女の顔を映し出す。
――― その顔は何を映すでもなく"無"だった……
―――― その表情からは何も読み取れない。 "可"でもなく"否"でもなく……
――――― それは目の前の行為を怒ってはいない。もちろん優しい眼で見てもいない。
――― まるで人形のようなその顔は灯りのせいでより幻想的。
―――― そして不覚にも見とれてしまうほど……魅力的だった。
「…愛花?」
「……ぁ…ごめん…聞いてなかった…なんだっけ?」
その時の愛花は妙に上の空だったけど暫くしていつもの明るい愛花に戻った。
考えすぎ……か?
心配させちゃったかな……ごめんね久美。
でも……やっぱり私は……『…』………だと思う。
「なぁ九澄、愛花」
「何だ?」
後悔しない?― ううん…絶対する。
じゃあなんで?― このままだといけないから。
それは…あなたが望んでいること?― ………
それはあなたがしないといけないこと?― ……うん。だから……
「はぁ!?でも……」
「良いだろ別に。なぁ愛花」
「……へ?何が?」
また上の空だった。こんなんじゃいけない。分かってるのに。
でも九澄君慌ててる。何の話だろう?
「なんかもう遅いしさぁ。今日家に誰もいないから泊まりに来なって話だよ」
「あぁ…何だ。私はいいよ」
久しぶりの久美の家だし。何よりいろいろ話したいことがある。
九澄君と久美の会話をまた聞き流し、九澄君は顔を傾けている。心成しか赤い…かも。
「んじゃ決まったし行こっか二人とも」
…………………聞き間違い…かな?そうだよね。
「えと……久美?今なんて?」
「だ・か・ら。二人とも行こうって!」
『二人とも』?……二人とも……ふたりとも……フタリトモ……二人?私と…え?
それって…?え?でも…だって…え?え?
「『一つの』ベッドに3人寝る?」
「え〜〜〜〜〜〜!!?!??」
私の声は周囲がヒクくらい反響して一面に広がった……
とんでもない事になっちまった……まさか三国の家に泊まる事になるなんて…
いや!それは別に嬉しいからいいんだけど!……ひ・柊と三人って……
まさか寝床まで一緒ってことはないよな…?うん!だよな!さすがにそこまで……
「ほら、入んなよ。二人とも何そこで突っ立ってんの?」
いや……だれだってこうなるって……
中は綺麗だった。なかなか広く、片付いていてぬいぐるみとか飾ってある。
……『ぬいぐるみ』?不穏なモノがあったような……
「それみっちょんのだから」
「な!?何で分かったんだ!?」
「誰だってぬいぐるみ凝視してたらそう思うって…」
三国は支度があるからといって俺と柊を部屋に入れてどこかへ行ってしまった。
……話し辛い…場所が違うだけでこんなにも雰囲気が変わるものだろうか?
いや。雰囲気が違うのは私服と言うのもあるかもしれない。新鮮で魅力的だった。
って!?俺は何を!?柊は友達だぞ?俺は三国と付き合ってて!だから……
「九澄君!?ど・どうしたの?」
「何でもない!何でもないんだ!」
我ながら…馬鹿だな……柊のことまだ引っぱってんのかよ…!俺はもう…!
「九澄〜外で冷えただろ?風呂沸かしたから入んなよ〜」
ん…そうだな。三国の家っていう抵抗はあるけど…汚いままってのも悪いし…
何よりこの雰囲気に耐えられない…本当情けねぇな…
とりあえず行くか……三国に場所を聞いて脱衣所へつく。それと同時に柊の悲鳴が聞こえたような…?
「ほら!愛花行こ!」
「い・行くってそっちは……!」
そこは今九澄君がいるお風呂場……!
「元気になったな愛花〜ちょうど九澄もいるんだ行かないと損だって」
久美言ってる事がむちゃくちゃ!!?損てなに!?九澄君がいるのに入るって…ムグ!!?
口を押さえられて脱衣所に入る。久美はその場で服を脱いで……てぇ!?
「な…ング!?」
「静かにしろって愛花。窓から逃げられたらアイツ風ひくぞ?」
「で・でも久美…それって…ほらやっぱりいけないんじゃ……」
久美は何も言わないでバスタオルを巻いている。
ほ・本当に?入んのって……キ…ふぅぐ!?
「静かにしなって……ほら…愛花も入るよ…」
「フゥ!?ふぅうウィ!?ふぃや!?プは!…ぬ・脱がさないで……」
「九澄喜ぶかもよ…?」
ピクッと反応して考える。
そうなの?そうかな……そうかも……?もし…拒絶されても…やっぱり…
私は自分から服に手をかける。久美だって分かってるけど恥ずかしくてタオルを巻きながら脱ぐ。
「うぅぅ〜〜……恥ずかしいぃ……」
「大丈夫。綺麗だって。私もちょっと惜しいことしたかなって思ってるもん」
久美は息を整えてお風呂場の戸を開ける。九澄君の悲鳴はお風呂場に木霊した……
「どうだ九澄。感想をどうぞ?」
「ぅ…あぁあう…こ…こここれって?」
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
九澄は動揺している。愛花は何も言わず恥かしがって俯いている。そうだな…分かりやすく説明すると、
「九澄を真ん中にして私と愛花がバスタオル(着用中)を泡立たせてサンドイッチにしてる…でわかるかな?」
九澄と愛花は顔を赤くしてじっとその行為の役回りを実行している。
愛花は何も言わずただバスタオルを九澄に押し付けて体を動かしている。
心成しか愛花の声に変化がおとずれている様だ。でもまだ何も言わないどこう。
「九澄…感想は?気持ちいか…?」
「………気持ち…いい」
よく出来ました。ご褒美に愛花に合図して同時に強く抱きしめる。
愛花はもう限界といわんばかりに体中真っ赤になって……声を漏らす。
「んはぁぅ……やだ……声…でちゃうよぉ……」
相変わらず破壊力抜群の発言に九澄は元気になったようだ。想ったよりデカイな…
私は少し意地悪に九澄の耳元で囁く。
「九澄ぃ……あんたは私の彼氏だろう…?私を差し置いて…こんなにしてさぁ!」
「…グ!み…くに…ちょ…ヤメ…」
私は九澄のそれをタオル越しにつかんで擦る。愛花はそんな光景を半分涙目で見ている。
時々顔をそらしてはまた視線を戻す。可愛いなぁ愛花は。
愛花にもっと強く抱きつけと合図して、愛花はそれに従順に応える。
「ん……ん……はぁぅ……くみぃ…こ…擦れて…」
「なら脱ぐ?」
愛花はそれを聞くと顔を伏せてまた体を擦りあわせる。
私は私で九澄のモノを擦る。九澄は顔を上に上げてその行為に耐える。
「おい…三国…そろそろ…やばいんだけど?」
「ん〜?じゃあ出せば?」
私は愛花に最初に反応した事をネタにして九澄をいじめる。
九澄は我慢できないと言わんばかりの顔をして自分の液体を出す。九澄のタオルが落ちて目の前には裸体の九澄。
愛花は顔をそらすが私がそれを許さない。私は愛花に耳打ちする。
「ほら愛花〜愛花が抱きつくから九澄が気持ちよくなって出しちゃったじゃないか。」
「え…え?」
「愛花には責任として罰ゲームだな」
とりあえず横になれといって愛花はバスタオルをしっかり持って横になる。
上と下は完全にギュッと握り締めているがその姿は男であれば誰もが欲情するであろう程の完璧なものだった。
私は少し調子にのって愛花の腕を解き大事な所にある物をもって手を伸ばす。
持ってるものはシャワー。少し離して蛇口を捻ると勢いよくお湯が吹き出る。
「ッッッッ!!!ひゃ…クあぁぁぁぁああ!!!!」
バスタオル越しにはしている。だけど経験不足の愛花には十分すぎるほどの苦痛と快楽を与えた。
「アァァ…あ!く!みぃい!だめ!だめぇぇぇええええ!!!!」
少しずつ当てる場所を動かして反応を楽しむ。愛花は悶え体が避けようとするが私が押さえつけて許さない。
直後愛花が足を閉じ当てられなくした。愛花は息を整えようとしている。
唾液の零れ落ちる呆けた口をパクパク動く。体は半分痙攣していた。でも良い考えが思いついてしまった。
「ッ!!??いやぁぁぁぁアアアア!!」
私は『直接』シャワーを当ててみた。これなら避けられない。愛花は息も出来ないほど声をあげ悶え叫ぶ。
愛花の痙攣は激しくなり腰が浮く。瞬間愛花は壊れてしまったように崩れた。
愛花のバスタオルにしみが出来たような気がした。もしかして?
「愛花。イッちゃいながらお漏らし?エロいな〜」
「ひぃ…が…ゥ……ヒッ…ひが…ゥう……」
やりすぎた。汚れの知らない愛花が悶える姿に欲情して私は愛花を傷つけてしまった。
私は愛花の耳元で囁く。これが最後だ。「九澄を一緒に気持ちよくしてやろう」
愛花は涙目になりながら傾く。九澄はさっきの愛花を見てもう一度元気になっていた。
私と愛花は九澄に近づいて九澄のモノに口付けをする。
時折舌を這わせ側面から先端へ口を運ぶ。愛花はギュッと眼を閉じ先端を口にふくむ。
九澄は必死で我慢をしている顔で応えるが、眼を閉じる愛花にはその心情がつかめていない。
私も負けないように九澄のモノを舐っていく。愛花と口が近づきキスが出来る距離になり、私は愛花と舌を絡める。
愛花は驚くがそれに応え、舌を絡める。それと同時に九澄の先端を舐った瞬間。
「キャ……」「わ…」
白く濁った液が吹き出て私たちの顔を汚す。愛花は指で救い舐め上げる。
私は愛花の顔についた液を舐めとり、愛花も私の顔の液を舐めとる。
「す…まん……がまん…出来なかった……」
「ふふ…やっと素直になってきたね二人とも。んじゃ…本番初めよっか」
そういった瞬間私は愛花と自分のバスタオルを取る。
愛花はもう素直にこの行為に応じた。じゃあまずは……
「最初は久美からだよ…?彼女なんだから……」
愛花がそういった。私も九澄も驚いたけど九澄は私を後ろから抱きしめる。
「ちょ…九澄…」
「柊……その…初めてだから…苦しくないように手伝ってくれ」
なんてことを九澄は言いやがる。私は恥かしくなって顔が多分真っ赤だ。
愛花は私の秘所に舌を這わし九澄は私の膨らみを愛でる。
私は九澄と愛花に弄られているという現実に興奮し、余計に感度が上がった。
「あ!ヒャぁ……あう…ひあぁあ!」
愛花が私の敏感な蕾を口にふくむ。九澄は私の先端を摘む。
二つの刺激にいっそう高い声が出て私は悶える。
「ク…あぁあ…あ・んぁああ!!!」
愛花の舌の動きは繊細だった。ただ吸うだけではなく舌で奥の蜜も舐めとる。
そして中をかき回し、恥丘に指を這わせた。
暫くして波が押し寄せてきそうな瞬間九澄が「止めてくれ」といってきた。
九澄は私の前に立ってソレを突き立てる。遠慮がちに私は九澄を受け入れた。
「痛くしないでくれよ…?」
ズチュ!グ!グ!
「ぐ…ク…あっぁああアア………」
九澄が一気に私を貫く。痛い。でもこれは我慢しないといけない。
九澄の動きは入った直後は動かず、暫くして動かす。
それにあわせ少しずつ快感に目覚める私がいた。私はさっきイケなかった分の快感が大きく出た。
「く…ひゃあ!あ…ぁあ!」
思ったより早い。この瞬間は出来るだけ長くと思っていたのに……
自分の体は自由を利かなかった。九澄のモノが脈を打った瞬間。
「あ!ヒィ!あぁっぁあああああ!!!!!」
九澄は私の膣へ全てを注ぎ込んだ。
私は崩れこんで愛花を見た。愛花もなぜか倒れこんでいる。ふと愛花の手は自分の大切な場所に伸びていた…
「のぼせちゃったね」
私たちは私の部屋で冷たいジュースを飲んでいる。
「愛花。その…愛花は…いいのか?」
「うん。だって九澄君の彼女さんは久美だもん」
そう…私の考えは浅はかだった。愛花はまだ九澄を思っている。
だから私は二人で恋人になろうと考えていた。でも実際は駄目だった。
愛花が優しすぎたから……
「ジュース切れちゃったから買いにいってくる」
私はそういって逃げるように立ち去った……
「九澄君。行かなくていいの?」
「後で行く。それより…柊…ごめん」
九澄君が謝ることはない。実際九澄君は私に何もしていない。
「俺、三国を選んだのに…柊を汚してしまうところだった…!」
私は九澄君をギュッと抱き寄せる。最後だから…許してね。
「九澄君は優しいから…心配しなくていいよ…誰も…怒ってない…」
九澄君は私の腕の中で泣いている。こんな素直な九澄君が私は好きだった。
この時間は短かった。でも私の中でとても長く感じた時間。
私の最後の、好きでいさせてくれた男の子との最後の時間。
「九澄君…私…九澄君のことが好きだった…私のこと嫌いにならないでね…でも……」
それは最初で最後の大好きな人へ打明ける気持ち。
―――――――― 好きにならないで……
「三国。迎えに来たぞ」
「ん。ありがと……九澄……愛花」
本当はついてこない方がよかったのかもしれない。でも最後の時間に私は耐えられなかった。
この時間の終わりに私はただ泣くことしかできないことを選べなかった。
「大きな木だね。これって花が咲くんだよな」
「でも今は咲かない…咲いたら一緒に来よう。3人で」
―――――― それは友達としての誘い。 関係は永遠。思いは永遠ではない……
―――― 咲いた 花 咲かなかった 花
(叶った)(恋) (叶わなかった)(恋)
――――― 実った 実は 色鮮やかに……
(願った) (想い)
―――― 今日も雪が降っていた……
――――――― それは…今夜限りの…3人の叶った願い
――――――― 最初で最後の願った想い………