―――――― 空を全て覆う漆黒の夜   
―――― はらリはらりと雪の降る夜のしじまにゆっくりと歩く影が二つ  
――――― そこにあるのは壊れかけの街灯の照らし出す仄かな光だけ  
―――――― 影はやがて一つになりまた歩き出す……そう………  
 
―――――― それは少し前に遡る  
 
「おはよう観月」  
「な・なによ。ク…澄…その……おはよう」  
私と九澄の関係は相変わらずこんな感じだった。そりゃ私が…って…別に…  
そう…相変わらず素直になれないでいるから。  
今までろくな男なんていなかった。いや、会えなかった…が適切か……  
 
少し馬鹿で、気障な人間を装って、私にこんな思いさせて、迷惑ばかりかける私の気持ちを理解してくれる男の子  
 
「何で素直になれないんだろう……あいつがいるとなんか調子が狂う…」  
授業中にペンを回しながら窓の外を見上げて呟く。  
少し肌寒い季節になり空は白く覆われてる。今年は雪が降りそうだ。  
「観月。最近元気ねぇぞ?ちゃんと飯食ってるか?」  
小石川だった。一応心配してくれるのは嬉しいけど、今は小石川なんてどうでもよかった。  
「一人にしてよ。今調子悪いから」  
「ん?そうか……観月!トイレなら……グア!」  
何かを言いかける小石川のミゾのあたりを殴った。おもいっっっきり。  
だけど結局は女の攻撃。男で大柄な小石川には然して効いていない。  
だけどなぜか小石川は満ち足りる顔で「さすが俺が惚れた女だ!」とかいって大門とどこかへいった。  
「はぁ〜…心配してくれるのはありがたいけどデリカシーってのが無いのかしら」  
そういったなんでもない毎日が過ぎていく。  
このままあいつとも何も無いまま卒業して忘れていくのだろうか?  
そんなことは無い。少なくとも今は考えたくない。だから……  
 
「九澄いる?」  
「あっ。観月さん、こんにちわ!」  
柊さんが挨拶してくる。私もそれにあわせて挨拶をする。  
九澄はどうやら執行部の仕事で今はいないらしい。  
昼休みは長いしその場で待ってみることにした。  
「そういえばこうして話すのはまだ初めてだったな。知ってるかも知んないけど三国だ」  
たしかに柊さんとはあの日に面識あるし、乾さんにいたってはいい思いではない。  
4人で喋っていたらふと三国さんから意外な話題が持ち上がった。  
「そういえば九澄には何の用事があったんだ?」  
私は「え?」と声が漏れて動揺する頭の中で必死にいい口実を考えていた。  
さすがに好意を抱いている男に会いに来たなんていえない。って!そんな事考えてる暇なんて無い!  
「え・・え・ええ〜と?ただなんとなく会いに…」  
ってそれじゃ全然正直!?混乱する頭の中パチクリと眼を見開く目の前の3人を見て汗が流れる。  
どんな運動よりも私は今汗をかいているんじゃないか?多分。  
「観月さん?」  
あぁ柊さん!そんなに不思議なものを見るような眼で見ないで!  
いけない…落ち着きなさい…落ち着き…まだ修復可能のはず(多分)…考えて…  
「そ・そう!部長!部長にいつだったか使った植物を仕入れてくれて頼まれたの!」  
「でもそれは前に…」  
「別の薬!」  
柊さんが言い終わる前に素早く受け答えする。馬鹿か私は。  
冷静に考えれば、はたから見てどう見ても動揺してる人間じゃないか。でも今はそんな事考える余裕なんてない。  
「なるほど、んで念のため九澄って保険をつれて行くってことか」  
三国さんはそう受け取ったらしい。私も頷いたがその時の三国さんの表情に違和感を覚えた。  
「九澄遅いな〜〜〜」  
三国さんがなぜか変わった笑みでそういった。  
そんなこんなで時間は過ぎ、昼休みを終了する鐘がなる。  
「結局九澄君来なかったね」  
「うん。別にいいよ柊さん。時間はあるし、それに冷静に考えれば執行部が昼休みの途中で終わるってことはあまりないしね」  
柊さんと最後にそういってクラスに戻る。さっきまでの私は久しぶりに楽しいと感じていた。  
クラスに戻ると小石川がいきなり詰め寄って……  
「観月!アレか?アレならここに大門に頼んでつくってもらった特製下ざ……ぎぇ」  
今度はミゾではなく喉を殴ってみた。うえのほうで殴りにくいけどデリカシーの無い男の口をふさぐにはもってこいだろう。  
今度の小石川は悶え苦しんでいる。喉に力がこめられることはまず無い。  
女とはいえ喉への攻撃は少々卑怯で危険だったかもしれない。  
まぁこれで付きまとわなくなったら直いいんだけど。  
悶絶する小石川を無視して席に着く。いつの間にか外は雪が降っていた。  
 
―――ー 夕刻  
周りに人はもういない。  
結局今日は会えなかったな。そんなことを考えながら部室を出るとそこに思いの人がいた。  
「おっ観月。今帰りか?頑張ってるな」  
我ながら不思議だった。  
今まであんなに物事がどうでもよくなって沈んでいた気持ちが、ただ一人の人物にあっただけでこんなに変われるものだろうか?  
「…やっぱり私は…きなんだ」  
「ん?」  
「な・なんでもない!」  
 
―――― 外は雪がやみ、雲の隙間から夕日が差し込む  
―――――― 光は紅に輝くが雲に遮られ橙色に濁っている。  
 
今日は少し前に進んでみよう。そう思ったから……  
「ねぇ…九澄。今度の休み…ヒマ?」  
「あぁ」という九澄。少しホッとした。でもまだ早い。  
今度、一緒に映画見に行かない?答えは案外あっさり来た。いいぞって……  
 
―――― 日曜  
今日は九澄と約束した日。そして私の運命が変わる日。  
今日も雪が降っている。いつもより厚着をして待ち合わせ場所へ。  
しばらく待っていたら九澄が来る。時間はギリギリ。九澄は悪いといってくれた。  
正直映画なんてどうでもいい。私はこれから…思いを打ち明ける。  
外はすっかり暗くなっていた。まだ雪が降り、肌寒い。  
私が九澄を公園へ先導する。私の心臓は今張り裂けそうなくらい苦しい。それでも……  
「九澄……私、九澄に言いたい事がある」  
九澄は「なんだ?」といわんばかりの眼でこっちを見てくる。  
周りには人気が無い。夜の闇を照らすのは微かに光る街灯の灯りだけ。  
「九澄…私は……」  
本当の気持ち。私の素直な気持ち。この先の運命を知らずにつたえた…私の気持ち。  
「あんたのことが好き」  
 
―――――――― 短い静寂  
私の名で最も長かった時間。次の言葉は……貰いたくなかった。  
「悪い……観月。俺……お前の気持ちに応えられない……」  
え………?手が震える。差し出した手は触れられることなく虚空を彷徨う。  
涙が止め処なくながれる。私だって上手くいくなんて思ってない。  
ううん。少しだけでも期待してた。それが……今の結果へ導いた。  
「ァ……そっ…か……そう…なんだ……ごめん九澄…私……」  
九澄は何も言わない。気持ちに応えられない自分が今話しかけてはならないと理解したからだ。  
「ね…九澄……せめて…せめて……明日も…いつもみたいに…さぁ…」  
口を閉ざす九澄。もう何も考えられないくらいの衝動に私は涙をとめることが出来ない。  
もう戻れない? 楽しかった日々に  
もう戻れない? 好きでいさせてくれた夢の日々に  
『もう戻れない?』そんな言葉が私の頭を駆け巡る。  
私は……その日九澄をおいて帰った……私は…明日からどうすればいいのだろう?  
 
「おはよう観月!」  
「あ…おはよう」  
元気の無い返事しか今は出ない。  
失恋とはこうもショックが大きいものなのかと自分を疑う。  
そして今日、信じられない事を聞いた。昨日一緒にいた九澄が……入院したらしい。  
私は先生に病院を聞き、部活を休んで会いに行った。  
『行きにくい?』そんな事考える余裕なんて無い。行かないと……  
「九澄?」  
そこには窓の外を見ている大切な人と小さなかわいい女の子がいた。  
「あなた大賀の知り合い?」  
「ええ」ととっさに返事をする私。  
その少女は可愛い外見と裏腹に妙に冷静で大人びていた。  
とりあえず九澄は無事という事が分かりホッとする。その瞬間昨日のことを思い出し気まずくなった。  
私がじゃあ長居しちゃいけないから帰るねと言いかけた時、九澄から話しかけられた。  
言葉は単純。でも深い意味のある聞き流せない言葉。  
 
――――― 誰?  
 
「え………?」  
耳を疑う。今なんて……?その場にいた少女に腕を引っ張られ部屋の外へ連れ出された。  
少女は冷静にこっちの顔を見据えて話す。  
「あなた大賀の友達ね。聞いてのとおり、大賀はあんな状態。直る見込みはゼロではないらしいけど…」  
「ちょっと待って!どういうこと!?」  
「待って。一から話すから……」  
少女の話は単純明解。九澄は私が帰ったあと事故にあったらしい。  
ただ持ち前の反射神経で重傷にはならなかった。でも意識が戻ると炊いて似の人間を忘れていたとの事。  
医者のテストでどうやら記憶は入学する前かそれ以前のことしか覚えてないらしい。  
「つまり…今は学校の知り合いのほとんど…ううん全てが初対面って事になるわ」  
「そんな……」  
少女はこっちを再びじっと見据えて続ける。  
「一応あなたが最初にお見舞いに来た子よ。心配してくれてありがと。仲良くしてね」  
少女は用事があるといって九澄のことを私に任せてどこかへ行ってしまった。  
私は九澄の部屋に行った。  
そこにはいつもと変わらない、大切な人がそこにいる。今にも「よぉ観月」と言いそう。  
でも言葉は変わらない。私はそれに答える。  
「私は観月。クラスは違うけどいろいろあんたとはあった」  
少し皮肉な言い方で言ってみた。九澄は「悪ぃ」と言いながら顔を伏せた。  
別にいいと言うと九澄は安心した顔をする。いつの間にか私の心は安らいでいた。  
私とのことは覚えていない。でも変わらないまま私に接してくれる男の子。  
いつまでもと思う日常にも終わりは来る。九澄は退院するらしい。  
もとから怪我の方はたいしたことがなかったから案外早かった。  
 
今日は休み。退院後、私と九澄は九澄の部屋にいた。  
「へぇ〜結構片付いてるのね」  
「失礼だな。まぁ…俺も正直自信なかったけど」  
九澄は「はは」と微笑む。そんな時間が続いていた。今日でこの満ち足りた日々は終わる。  
そう思うと少し悲しい。ふっ切れたつもりだったみたいだけどやっぱり私はまだあきらめられきれてないらしい。  
九澄の横に座る。九澄の横顔をみていて私は明らかにおかしくなっていた。  
前にふられた筈なのに……でもいつの間にか私は止まらなかった。  
「んっ!?」  
「ン・・ふぁ…あ・ちゅ…ふぁあ……」  
短いキス。でもそれを補うほど深いキス。  
九澄を解放した後、九澄は驚きに満ちた眼でこっちを見る。当然か。  
「観…月…?」  
「九澄。私前にあなたに告白した」  
私は何を…?この先にまたあんな日々が続くのはイヤなのに…私はまた……  
「それでも…私はアンタが好き。ずっと…好き」  
言ってしまった…私はもう覚悟を決めた。今度こそ…終わりだと思った。  
「観月……そんな俺でいいのか?」  
え……?九澄の言葉はいつも私に深く残る。そう今回も……  
「何もかも忘れてるんだぞ!? そんな俺でいいのかよ!?」  
大きな声。でもそれでも好きな人だから……そっと頬に手を指し伸ばす。  
「馬鹿……アンタだから…好きなんじゃない」  
九澄の眼には涙が流れている。男の人が泣くのを初めて見た。そんな九澄の頭をなで、そっと抱き寄せる。  
私は…2度目の告白をした。我ながら卑怯だ。九澄は何のためあの時断った?  
好きな人がいたからだ……なのに…なのに私は…九澄がその人を忘れてるすきに付入って…  
最低だよ…私……  
 
しばらくして九澄は口を開いた。  
「俺…お前が好きだ。前はどうか分からない…でも…それでも今、俺はお前が好きだ」  
私は九澄の言葉が嬉しかった。それと同じくらい悲しかった。  
「さっき俺は嬉しかった。こんな勝手な俺を好きだって言ってくれて。本当に嬉しかった」  
私は何も考えられなかった。好きな人が欲しかった言葉をくれて。  
本気で嬉しかった。この瞬間を忘れたくない。だから………私は…  
 
「九澄……しよっか」  
 
九澄は顔を紅くしてこっちをじっと見つめる。私も負けないくらい真っ赤だ。  
私をぎこちなく抱きしめる。温かい。この温もりを私はどれだけ望んでいたのだろう……  
「ん……ふぁ…」  
優しいキス。外の空気で冷やされた体がとろけるように温かくなる。  
二人のキスは呼吸の続く限り長く…時折喉が鳴り、舌を離し口がまだ続きを求めるように糸が繋がっている。  
九澄は舌を絡めとリ、唾液が流れ込んだらチロチロとすくい上げ喉を鳴らす。  
「ァ……はぁぁ…ンふぁ…」  
延々と続くかと思われるキスも九澄がやめてしまった。  
「ァ……ん…んン…」  
私は名残惜しくキスを求める私に九澄はもう一度キスをしながら私のふくらみをなで上げる。  
「ン!んぁ……ひゃ…ひゅみ…ひゃ……ン…」  
先端の方を重点的に弄り上げられその感覚によってしまいそうだ。  
ふくらみを優しく、でも強弱をつけてもまれ、私はどうしようもない感覚にのまれる。  
昼間で恥ずかしいから声を必死でこらえるが、体が自由を利かなく喘いでしまう。  
「ン!ふぅ…ハァ!あ…アァ……」  
先端はもう自分ではどうしようもないくらいかたくなっている様だ。  
痛さの中に混じる快楽。このままおかしくなってしまいそうだ。  
ううん。おかしくなってもいいと思った。だって今の私はどうしようもないくらいに幸せだから。  
上の服を脱いで欲しいと頼まれて私は自分から脱ぐ。ものすごい恥ずかしい。  
「えと…恥ずかしいから…少しだけでいい?」  
九澄がいいぞと言ってくれたから私は胸の部分だけはだけさせて顔をそらす。  
これは失敗だったのだろうか?なぜかさっきよりも恥ずかしい。  
九澄はまた私にキスをしてくれて少しずつずらし襟首に口づけをする。  
「ンあぁぁぁぁ………」  
その合間にも胸への刺激は忘れずに続けられる。私は首の感覚から逃げようと体勢を変えると九澄は耳を甘くかむ  
!! 声を押し殺して我慢するが耳にかかる吐息と舌の動きにおかしくならないと言うのが無理だ。  
九澄は丹念に首や耳を攻め立てこわばる私の体を宥める。  
そして九澄は下着を脱がし顔を私の胸の谷間に押し付ける。  
それと同時に先端の蕾を摘み取る。  
「ヒャあ!あぁっぁあ…あ!…ひぃう!」  
顔をうずめた先を舐めあげられ両手で蕾を交互に引っ張られる。  
痛みはあるがそれでも快楽の方が大きく他愛なく反応する。  
九澄は直接的にはあまり責め立てずじわじわと焦らしながら攻め立てる。  
瞬間がくんと何かが来そうな感覚が襲う。だけど九澄はそれを察し私が行く前に責めるのをやめてキスをする。  
「んんんん……くぁ!きゅ…んじゅ…むぃ……」  
体が自由を利かない。まるで人形のように体を責められて思考が鈍る。  
足は悶え動き九澄のベッドに皺をつける。つま先がのび小刻みに揺れる。  
九澄は何を思ったか私の足をつかむ。  
「ふぇ……?くず…ンアアアあぁぁあ!!」  
九澄は足を口にふくむ。さらに指の股に舌先をうねらせる。  
「ア!ア!あぁ!ヒャア!ひゃメ…ヒタな…んあぁぁあああ!」  
自分でも驚くほど敏感だった。体の全てがまるで性感帯のように感じてしまう。  
足を解放したあとに秘所に指を這わす。  
既に濡れているそこは触っただけで音を鳴らし指が沈む。  
「んぁあ!ひゃメ……らぁめ…くじゅ…みぃあぁああ!!」  
下着越しに既に膨れ上がっている最も敏感な所を触られた。  
今までとは比較できないくらいの感覚に一気に腰が浮く。九澄はそれを見てそこを押す。  
「イひゃああ!!!!!」  
体の感覚が一瞬なくなり一気に力が抜ける。足が痙攣し、いっそう下着が濡れた。  
 
酸素を求め呼吸が荒い。頭がボーっとして九澄がいましていることに気づかない。  
? なんかスースーする……ふと自分の姿を見ると下には何もはいていない。  
「ふぇ!?く…ずぅぁぁあああ!」  
チュ…クチュピチャ…ジュ…ジュル……  
九澄は顔をそこにうずめ蜜を舐めとる。  
あられもない姿に対する羞恥と、一度もそんな責められ方をしたことのない事、  
逃れられない快感に対する期待と不安が入り混じり、観月は誰にも見せない顔であえぐ。  
「ひぃ!ひぅ!あひぃぃあ!ア!やぁ!く…る…キ…ちゃあ!!」  
九澄はとどめとばかりに敏感な蕾を剥き吸い上げた。  
痛み、苦しみ、快楽、全てが限界に達する責めに声すらあげられず達してしまう。  
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜!??!!??!」  
体が達し、足がガクガク震え九澄の顔を足ではさみ、指の色が変わるくらいシーツをつかんだ。  
口がパクパクと動き唾液が垂れ落ちる。九澄はキスをして唾液をすくい上げる。  
チロチロと繊細な動きで口の周りを舐めあげる。  
「……観月。いいか?」  
喋る余裕がない分体で反応した。九澄は気を使ってか裸になる。  
男の裸は初めてって当たり前だけど。九澄は少し赤くなるとゆっくり秘所をソレでなぞる。  
体がまだ感じたりないのか揺れはじめる。ふと力が抜けた瞬間九澄は一気にそれを入れた。  
「イ!ヒギィ!!つ…ぐ…んあぁぁあ!!」  
痛さしかない感覚をそのまま受け取る。目尻からは涙があふれ、異物を取り込んでいる感触が変だった。  
引き裂けそうな苦痛のなかで九澄の肩をおもいっきりつかむ。  
爪が立って九澄の肩に食い込み血がにじんだ。どうしても力が抜けず耳元で何度もあやまる。  
九澄は別にいいといってくれた。痛みに耐えるうちにだんだんと慣れてしまう体。  
「ぅえ?ァ…が…いぅ…へ…ん…痛かっ…たのぉ!…にぃ!」  
体の奥から湧き上がる快楽は表面の苦痛を押し流すようにあふれ出る。  
このまま一緒にいられたら…そんなことが脳裏をよぎる。  
この行為の中で私は快楽と関係以外の何を得られただろう?九澄を愛し続けるなかで。  
自分の感情にながされて、九澄の気持ちを無視しているんじゃ?  
そう思った。それと同時に体が痙攣しだした。  
「ク・・・ずみぃ!イッチャうよぉぉお!!」  
「み…ヅ…キ…俺ももう……」  
もう限界だった。一気に体が反り返り、九澄を締め付ける。  
「ハァァァああアア!!!」  
「クッ…」  
九澄は引き抜こうとするが一歩間に合わない。私の膣にほんの少し九澄が入った。  
二人で崩れ、息を整える長い時間の中、私は九澄の頬をなで上げる。  
九澄は私をじっと見据え、もう一度『優しいキス』をしてくれた……  
 
 
――――― 夜  
外は驚くほど真っ暗で大きな雪が降っている。  
二人で公園を歩く。そこを照らすのはほんの仄かな街灯の灯り。  
九澄と長い一つのマフラーで繋がり寄りかかる。  
「このマフラーどうしたの?」  
「姉ちゃんの部屋にあった」  
そんな他愛もない会話の中で私は話しかける。これからの事を。今の気持ちを。  
 
 
「九澄。私アンタが好き。誰よりも好き」  
――――― ……………  
「アンタは…私を一度ふった。好きな人がいたんじゃない?」  
――――― ……分からない  
「今日…限りにする?この関係」  
――――― ……………  
「アンタが…好きな人がいるならさ…私は……」  
――――― ……!!  
 
ギュッと抱きしめられる。大好きな人の体温はとても温かかった。  
しばらく抱き合い、九澄は言った。  
 
「観月。たしかに前の俺は誰か好きだったかも知れねぇ」  
――――― ……………  
「でも…今の俺はお前の事が好きだ」  
――――― ……………  
「お前が好きだって思ってくれたのは前の俺だからか?今じゃ駄目なのか?」  
――――― そんな事……  
「俺にもう一度チャンスをくれないか?もう一度…好きになるチャンスを」  
――――― え……?  
「二人目の…今の俺はお前をずっと愛し続ける。もう一度俺を好きになってくれないか?」  
――――― ……っク…ヒッ……  
 
そんなこと言われなくても……答えはわかってるくせに……私は……  
――――――― どんな時でも…あなただから好きです  
 
―――――――― 二人を照らす街灯のもと……  
――――― 二つの影は一つだった 雪が微かな灯りを反射し、ほんの少し周りを輝かせる。  
―――――――― 影は歩き出す。この場所のように先の見えない中で…  
――――― いつか……全てが明るく照らしだされるまで………  
 
 

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