私は広間を出る。
ジッとしてられなかった。
アイツは……九澄は………。
九澄は好きなヒト……いるのかな。
……いるよね……やっぱり。
聞きたいけどっ……ううぅ…。
さっき大門に言った台詞も。
アイツに会ったら…なんて言ったらいいの……?
……ってなんでそんな心配をしなきゃいけないの!?
それになんで私がアイツの好きなヒトなんか気にしなきゃならないのよ!!
言ってやらなきゃアイツが変わらないじゃない!
………ちがうわ!変わってもらわないと!!私が困るの!九澄に…私のこと………
それに……なんて誘えばいいんだろう。
普通に「ちょっといい?」かな…
言い方がきついかな?「九澄と…お話したいなぁ…」
…………………………………。
なにこれっ!!なんで私がこんな媚び売った言い方してんのよ!
……うーん。
そうか!夏休みの自主練習、一緒にしようっていう流れで行けば………!!
私は頭の中で想像してみた。
モワモワモワ………。
段々と想像が膨らんでく。
その時の理想は――――現実よりも甘く……幸福だった。
― EpisodeW 観月×大賀
翼を持たぬ少女、翼と為る少年 ―
「あっあのさ。九澄」
「観月か。どうした?」
「あのさ…次の月曜日、魔法の練習手伝ってくれない?」
「ああ、いいぜ。俺も月曜日は用事があって学校に行くし」
「(よかったぁ…でも……)こっちは練習っていっても真剣なんだからね!手を抜くような事はしないでよ!」
「おいおい、どうしたんだ?いきなり」
「女だからって手加減はいらないってことよ!そんなこと何度も言わせないでよ!話の流れでわかるでしょ!?まったく……」
「男ってやつは……だろ?」
「えっなんで言っちゃうのよ!」
「おまえの口癖だろ。毎回聞けば覚えるって」
「そんなこと覚えないでよ!……もう恥ずかしくて言えないじゃない……」
「そうか?俺はそういうの平気で言う観月が好きだけどな」
「えっ……九澄……いま…なんて……」
「!!!!(いったーっ!!!!)」
私は辺りを見回す…壁に頭をぶつけていた。
どうも自分の世界に入ると周りが見えなくなるわね。
うずくまってた私は顔を上げる……すぐそこに休憩室が見える。
少し扉が開いていた。
痛みも癒えて来たので、私はススッと其処へ足を運ぶ。
部屋からは光は漏れてこない。
電気は消えている。
………静かだ。
柊さんが眠っているから……当然よね。
でも、九澄は?
アイツは……何処にいるんだろう。
自分の部屋に戻ったのかな。
………………。
やっぱり……シャワーとか…浴びた方が……いいのかな。
!!!!ちょっと!いきなりなんてコトっ……/////
そりゃあ……もしかしたら……アイツと『何か』あってからじゃ……うん。
まだ心も揺らいでるから……胸が熱いから。
私は静かにその場を去り、着替えとパジャマを取りに自分の部屋へ……。
着替えを取り、シャワールームに行き……私は冷たい雨を全身に浴びる。
心を落ち着かせないと。
火照った顔を冷やさないと。
アイツに……もしかしたら……この肌に。
私の肌に…九澄の手が触れるの…かな……?
――――――恥ずかしい。想像しただけでも。
私はボディソープをスポンジにつけ、身体を洗う。
たくさんの泡が私を包む。
………ふわふわした柔らかい雲。
九澄にギュって………されたら……もっと……。
私はスポンジを肌の上で滑らせる―――首。肩。背中。そして、胸。
胸の先にスポンジが当たる。
身体がピクッと反応する。
スポンジが肌を滑る。
後ろから、九澄が私を……触ってるように。
片手は自分の手で胸を弄る。
スポンジは下へ。もっとも敏感な処へ。
「だめっ……抑えないと……でも……、、、」
止まらない。
ほんとに……九澄にされてるみたいに。
「やっ……いやあぁ………なにこれっ……おかしくっ…んアっ!!……なりそぅ…」
擦ると痺れが全身に満ちる。
意識の何処かにあった……願望。
男とそんな事……絶対無いと思ってたケド…。
アイツになら……わたしの……。
「ひゃぃっ!!!…、、、あぁあぅ……はぅんっ!!」
冷まそうとしたのに、逆に熱くなる。
乳首が硬くなる。下が……疼く。
入り口の上の突起物に触れたら………すごくキモチイイ。
「どうし……こんなっ……キモ……ち…」
全身の筋肉が快感に耐えかねず、私は身体を丸くしてうずくまる。
床のタイルに伏しても……手は止まらない。
止めたいのに……止まらない。
抑える自制心。駆り立てる本能。
「オカし………、、く!!?ひゃやぁあ!!!………、、、!!、んああぁっ、、、」
抑揚の無い声を出しながら……私の身体はビクビクと振動する。
九澄大賀。
アイツの事考えたら……胸が熱く、苦しくなる。
男なんてみんな……同じだって。
自分に言い聞かせてた。
実際、いい思い出なんて……なかった。
だから……男なんて。恋愛なんて。男を好きになるなんて―――――
九澄大賀。
不器用で、キザで、カッコつけで………。
でも。
でも………そんなアイツが………好きになったの。
わっ私だって、、、不思議で仕方なかったのよ!?
あんなに断固たる決意だったのに……。
最初は……私に抱きついた変態としか思ってなかったから。
でも洞窟では……身を挺して私たちを助けてくれた。
GPをもってるからって天狗になってるんじゃないかって思ってたけど、魔法は一切使わない。
柊さんに聞いた――――『魔法に頼りたくない』
クラスマッチでもそうだった。
今思うと……疑心暗鬼でアイツを疑ってた自分が……恥ずかしい。
もっと素直に……なれたら……。
「……ううん……??!わたし…なんで……」
眼が醒める。
……やだ!こんなとこで寝てたの!?
私は急いでその場を後にし、脱衣所へ。
身体を拭いて、パジャマに着替える。
時間は……11時半。
「一時間近くあそこで――――……くしゅん!!」
風邪ひいちゃったかな……?
でも……こんなとこで引き下がるなんてっ!
私は九澄の部屋に向かう。
いつものようにたくさん言葉が溢れて……。
気がついたら、もう目の前に目的地。
――――――私は大きく深呼吸して、扉をノックする。
………ガチャ。
直ぐに扉が開く。
「ん?観月か?どうした」
「あっあのさ。九澄……ちょっと…いい?」
「ああ。ちょっと待ってろ」
九澄は一端部屋に戻る。
………部屋を綺麗にしてるのかな。
そんな些細な事でも……私は嬉しかった。
「よし!入っていいぞ」
「それじゃあ……入るわよ」
あくまで客室だから九澄の部屋じゃないんだけど、九澄の匂いがする。
私はクマのスリッパをパタパタと音を立てながら部屋に入った。
部屋は自分のものとあまり変わらない大きさだった。
一人用だから、シングルベッドが一つあるだけ。
……って、なんですぐベッドを確認してるのよ……。
一人で色々な事を考えてたら……。
「どうした?観月。座れよ」
九澄はベッドに腰かけ、隣に手招きする。
「わ……わかってるわよ!」
私は恐る恐る九澄の隣に座る。
……やばい。
………………………………。
………会話が……言葉が出てこない。
「んで、話って?」
九澄が振ってくれた。
………そうだ。月曜の約束。
でも…約束なんて……恥ずかしくて……。
――――――こうなったらヤケよ!!!
「あのさ…次の月曜日、魔法のれんし…くしゅん!!」
私はとっさに手で口元を隠す。
「おい…大丈夫か?」
「だっ…大丈夫よ……ちょっとシャワー浴びすぎて………くしゅん!!」
「つうか、よくみたら髪まだ乾いてないじゃんか!!ちょっと待ってろ」
そう言って九澄は鞄から大きなスポーツタオルを取り出す。
「タオル取りに行ってる暇ないし、早く乾かさないと」
九澄はそのタオルで私の頭を包む。
自然とお互いの距離が近くなる。
「ちょっちょっと!!私は大丈夫だって……」
「いいから黙ってじっとしてろって。俺が乾かしてやるから」
九澄は優しく私の髪を撫でる。
タオル越しだけど……すごく温かかった。
そして……九澄の匂いも。
……九澄は黙って私の髪を乾かす。
「なあ…顔真っ赤だぞ?ホントに大丈夫か?」
「うっうるさいっ!!やるなら黙ってやりなさいよ!!」
アンタのせいなんだから……。
そんなに近くで頭撫でられたら……。
恥ずかしさで九澄を見れず、私は終始俯いていた。
「……でさ。観月はさっき言いかけてたのってなんだ?」
「えっ……それは………ほら…もうっわかるでしょ!?」
「いやいや、わかんねえから」
「だから……魔法の練習手伝ってくれないって言ったの!」
「………いいけど……どうすりゃいいんだ」
「(やった!!)えっと……とりあえずいま習得してる魔法を観て、色々とアドバイスでも……」
「………それ、別に俺じゃなくてもいんじゃね?」
「!!ちょっとなに言ってんの!!?私は…アンタじゃなきゃ……」
「へっ?」
「……私に恥かかせないでっ!!」
「怒ったりお願いしたり、忙しいヤツだな観月は」
「そうじゃなくて!!!」
もう…いつもこんな感じ…。
折角二人きりで居るのに……。
「――――よし!できたぞ」
九澄は丁寧に私の髪を乾かしてくれた。
「ちゃんと乾いてるかな……確認するぞ」
私の髪に直に触る。
よしよしと……撫でるように。
思いがけないたて続きの展開で私の鼓動は速くなる。
再び胸を指す痛みと熱。
知らぬ間に私の右手はパジャマの裾を握り締め、左手を胸に当てていた。
何度も深呼吸して九澄を……見る。
――――わたし。ドキドキしてる。
いつもキザで強気な九澄とは違った表情。
優しくて…本気で私の事を心配してる九澄の顔。
掌から伝わる九澄の温もり。
その温もりに同調して私の身体も熱を帯びる。
胸が…苦しい……。
次第に呼吸も荒くなってる。
………もう…ダメ……耐えられない……。
――――――ごめん神様。ほんの一瞬だから………。
私は眼を瞑っていた。
私の唇は九澄の唇に重なっていた。
強引でとても恋人同士がするようなものではなかったけど…それでもよかった。
私はぱっと離れる。
上目でゆっくり九澄を観つめる。
肝心の相手はポカーンとしている……。
「????………ええとっ……これって…」
「………そうゆうこと」
私は必死で強気な態度をとった。
内心は恥ずかしくて逃げ出したいのに……。
九澄の瞳をじっと捉える…離したらダメ…。
伝えなきゃ…その時は今しかない。
私は意を決してその言葉を放つ――
「九澄。あなたが好き」
―――――……漸く出た台詞。
「…観月…泣いてんのか……?」
九澄の言葉でやっと気づいた。
段々と視界が霞んでいた………やだ……私泣いてる?
「ちっちがうの!眼にゴミが―――……えっ」
呼吸が………止まる。
何故か。
其れは簡単だった。
私の傍に九澄がいたからだ。
私は九澄に抱かれている。
私の顔の直ぐ横に九澄の顔。
私の身体に触れる九澄の身体。
一番望んでたコト。それをしてくれた九澄。
私は嬉しくて涙を流した。
「……ううぅ…ひっく………ひぅあぅ…くずみぃ………」
一度声に出したら止まらなかった。
それと一緒に身体の緊張が解れた。
九澄にしがみ付く。
九澄は何も言わず私を抱きかかえててくれた。
私が泣き止むまで。ずっと。
「もう…大丈夫か」
「……うん。大丈夫」
ひとしきり泣いたからスッキリした。
でも……やっぱりこの密着感は恥ずかしい。
それは九澄も同じだったみたい。
「なあ……そろそろいいか?」
そう言って九澄は私から離れようとする。
ダメ。離れちゃダメ。
離れたくない。
もっと…強く抱いてよ。
ぎゅっと強く。強く抱いて。
―――――そう正直に伝えていれば……良かったのかな。
九澄はゆっくりと私から離れた。
………嫌な予感は何故か当たるもの。
「………観月」
九澄が重い口を開いた。
私は黙って答を待つしかない。
ほんの数秒の沈黙が悠久に思えた…
「俺は………観月とは付き合えない。ゴメン」
「……謝るなら………断らないでよ……」
「……ゴメン」
「………また謝ってる」
「それしかできない」
「断ったのは……好きな人がいるから?」
「いやっ……そういうわけじゃ…ほんとに悪い…」
やっぱりいるんだ…好きなヒト。
嘘が下手なヤツ。
「もうやめなさいよ……卑怯よ!謝ってばっかで、自分のせいにして」
「………」
「好きでもないのにさっき抱きついたの!?やっぱりヘンタイじゃない!」
「…………」
「サイテーね。絶対許さないから」
「だからただ俺は断ったことに対して謝ってるんだ」
「だからそれをやめてよ!何度言ったらわかるの!?」
「俺は観月にすまないと思ってるから謝ったんだ!なんで怒るんだよ!?」
「怒ってなんかないわよっ!!!」
「怒ってるじゃねえか!!」
「…………………………」
「…………………………………………」
それからお互い黙ってしまった。
気まずい。どうしよう。
でも…とても切り出せるような空気じゃないし…。
私はずっと下を向いていた。
「どうしたら許してくれるんだ?」
「えっ!??……」
私は言葉に詰まった。
さっきは許さないって言ったけど…
「さっき言いたいこと言ってスッキリしたから……もういい」
「よくねえよ!これからずっと気まずい関係は……イヤだし…」
「それは…そうだけど…」
「お前の好きにしろよ。殴るなり蹴るなり。抱いたのは俺からだしな」
「私は…………たい…」
「???いま……なんて…」
「エッチしたいって言ってるでしょっ!!!何度も言わせないでよ!こんな恥ずかしいこと…」
私は顔を真っ赤にして怒鳴った。
また泣きそう――――――……って。
ええええぇぇえええ!!???
「ちょっちょっと……何言ってんのよわたし!今の無し!忘れて!!」
「観月………」
「だから違うのっ!!あくまでそれは私の頭の中で行われる事であって……ってまた私ナニ言ってんだか……」
「………観月」
「!!はっはひっ」
九澄の声に思わず素っ頓狂な返事をしてしまった…。
………九澄は私の肩を持っていた。
私をじっと見つめる九澄。
……恥ずかしくて眼をそらしたいけど…ダメ。
九澄の瞳を見返す。
………九澄が私を手繰り寄せる。
黙って其れに従う。
そして―――――私は九澄に抱きつく。
九澄は私の腰に腕を回す。
「………アっアンタみたいなゴーマンな男に限って初めてだなんてコトは……」
「!!!……いや、、、なんつうか…………」
「……なんで黙るのよ」
「俺の事はいいんだって!!それよりも…観月………初めてなのか…?」
「なっ!!何言ってんの!私を誰だと思ってるの!?」
恥ずかしくて…自分が処女なんて言えなかった。
やっぱり…しなきゃだめよね…?
「――――………観月……?」
「……!!なっなによ!」
「いや…ずっと硬直してるから」
「なっなにもないわよっ!アンタは大人しくしてればいいの!」
…………マズイ。
もうやるしかないわね。
私は九澄に回していた手をズボンへ。
ベルトを緩め、チャックを下ろす……。
「っておいおい…いきなりそっちかよ」
緊張で九澄の言葉は耳に入らない。
私は勢いよく九澄のズボンをおろした………。
…………………………………………。
………………………………………………………………!!!!?!?
「きゃあアあァあshdjjうぇfd!!!!」
「だァー!!なんでパンツも脱がすんだよおまえは!!」
…パンツまで一緒におろしたみたい。
九澄のいきり立った……アレが私の視界を支配した。
男のって…こんなのなの??
初めて観たそのグロテスクなモノに私は思わず叫んでしまった。
「コントみたいに綺麗に脱がしやがって……」
九澄は急いでパンツを履こうとする。
「ちょ…ちょっとまって!」
私はモノから眼を逸らしながら九澄を呼び止めた。
「私は……大丈夫だから!大人しくしてて!」
そう言って九澄のモノに触る。
すごく……大きくて、硬くて熱い。
まだ直視はできないケド、次は……。
「観月…やっぱり………初めてか?」
「違うったら!アンタは観てればいいの!」
……こういうときのために勉強してきてよかった。
色んな本を読んできたから……多分大丈夫。
右手で掴み上下に……。
………なかなか難しいわね…コレ。
「どう?………」
「…どうって……きもちいいに………きまってるって……」
握って擦ってるだけなのに……そんなにキモチイイの?
次は………確か口でするのよね―――――
口!!?こんな汚いモノを……できるわけ……。
え〜っと……味のないソフトクリームって思えばだいじょうぶ……だと思う。
「………観月……」
九澄は切なそうにこっちを観てる。
もう!わかったわよ!!……やればいいんでしょ………。
ソフトクリーム…ソフトクリーム………。
私はソフトクリームを舐めるようにやってみることに。
先端を舐めてみる。
ペロペロペロペロペロペロペロペロペロ。
「うぅ……くはぁっ!………やべえ……」
よかった!喜んでくれてる!
でも…この皮が邪魔かな…。
こいつのせいで舐めるとこが少ないし…。
私は皮の下に舌を滑らせて下にずらそうとした。
唾液のおかげで上手くいきそう…。
「うおぃ!!なにやってん……!!うわあぁ…くああァアっ…」
……九澄の声が大きくなってきた…。
私ってマズイことしたのかしら…?皮はズルリと剥けた。
これで舐める面積が増えたわ。
現れた剥き出しの部分を舐める。
―――ペロペロペロペロペロペロ。
裏の筋の所も舐めてあげる。
―――――チロチロペロペロチロチロチロ。
「うぅうぅ……やべえっ……すげぇキモチいい…」
今度は出っ張ったところにある溝のところ。
舌を溝に這わせる。吸ってみる。
ペロペロペロ…チュウゥウチュパチュパチュチュ……。
「うはぁあ!!ちょっとストップ!!出しちまうって!!」
私はビクッとして口を離す。
「何よ!アンタがキモチよさそうにしてたから……」
「……いや…マジでやばかったからさ………!!観月!!?」
私は咥えてみることに。
…………ちょっと。
アンタの大きすぎだって。
「くふぃに…ふぁいりきなふぁい…」
口をめいいっぱい開けて九澄のモノを押し込める。
「やばっ……すげえあったけぇ……観月っ……」
「ふぉお?」
確か……こうだっけ?
私は咥えたまま前後に動かしてみる。
いっぱい舐めたおかげで唾液と九澄の体液で滑らかに動く。
九澄の……大きくて顎が外れそう…それでも動かす。
ギュチュ……ピチャ……ジュプっ……。
動く度に何か……厭らしい音がする。
…ジュプ………ププゥ……グチュ……。
「うはぁあァっ……観月っもういい!離せっ……」
「??……ふぇっ?」
口を離すと同時に、九澄のモノから白い液体が放たれた。
口の中に。顔に。派手に飛び散る。
「ぐああぁ……ぐうぅ…」
「!!!んううぅっ!……ううぅうァア………ううぅ」
なにこの味…マズイってもんじゃないわよ!!!
ネバネバして…熱くて生臭い。
「悪い……気持ちよすぎて……つうか離れろて言ったのに……」
「アンタが出したモノでしょ!!?もう少しガマンしたらどうなの!?」
「コレだけは……男にしかわかんないって」
「また男……都合が悪かったらすぐそれなんだから!だから“男”っていうのは……」
「お前こそまたそうやって……マジで大変なんだぞ?!」
「ちょっと馬鹿にしてんの!?知らないわよそんなの!!っていうか知りたくないから!」
……なんかムードぶち壊し。
でも……最初が………九澄なら……わたし―――――
「……わかったよ。観月が言い出したんだからな。どうなっても知らないからな」
「!!!……くじゅ………みゅ…」
突然の邂逅。
九澄の唇が触れる。
私の唇を覆う九澄。
じゅんとした熱さに…感触に……私の心は奪われた。
「……ふあ……九…ず……m…i…んあ…」
私の小振りの舌に九澄の舌が絡まる。
熱くて柔らかな九澄の舌……。
絡まって……時折息を吸い込むと九澄の吐息も感じる。
私は九澄の腰に手を回し、強くしがみ付く。
力が入らないから……ずっとこのままでいたいから。
チャプ……チュプっと互いの唾液が擦れる音。
「はあぅ……もっと………九澄…」
私は九澄の唾液を……熱を欲しがる。
喉が渇いてる。ソレが欲しい。
腕に力が籠もる。
九澄のガッチリした胸板が私の胸を押し返す。
―――――私たちは……ずっと互いを紡いでいた。
どれくらい絡まってたんだろう。
実を言うと……私が九澄を放さなかったからなんだろうけど……。
気がつくと私はベッドに横になっている。
九澄がゆっくりと私の着ているパジャマを脱がす。
「あっ…明かり……」
「ああ…消した方がいいか?」
「……いいわよ、消さなくて」
「……そうか。わかった」
九澄は私に反論しなかった。
……急に男らしくなる。
さっきまではしゃいでたと思ったら……これだもの。
………卑怯なんだから。
「私は!!……アンタが償いたいって言う理由でこうされてるわけで……そのお……」
私がもじもじしてたら……。
「ひゃあぁっ!!!」
パジャマがはらりと脱がされる。
………一応、勝負下着は用意したんだけど……。
お気に入りの花柄のピンク。
「ねえ九澄……この下着、お気に入りのやつなんだけど……どう?」
「どうって………俺、男だからどれがイイかなんてわかんね」
「なにそれ?!もうちょっとないの?『可愛い』とか『似合ってる』とか……一応……勝負下着なんだからねっ!」
「そうか……悪かった。でも、観月なら何着ても似合うと思うけどな」
「もう……またそうやって上手いこと…前にも聞いたことあるんだけど……」
「観月のお気に入りなら大事に扱わないとな……つうか大きいな…」
九澄は優しく胸に触る。
ブラの上から……そ〜っと花柄をなぞる。
「……んっ…あっ……んあ……」
男はすぐに胸を掴んでくると思ってたから……私は身構えてたんだけど……九澄は違った。
優しく……丁寧に……胸に触れる。
やっぱり。九澄になら……私のはじめて………。
「……んンっ!……はぁ……ひゃぁ…」
なぞっていた指が私の胸全体を覆い、九澄の掌がゆっくりと私の胸に圧を加える。
……ゆっくりと指がブラ越しに食い込む。
「……下着越しでも柔らかい。綺麗だ。観月」
「やめて……よ……んあ!、、、はぅ……」
九澄の大きな掌が強弱を繰り返す。
ブラ越しなのに……感じちゃう。
さっきシャワールームで……しちゃったからかも。
………九澄は楽しむようにずっと同じテンポで揉んでる。
「……ねえっ……下着…取らないの……」
「わかってるって……」
九澄は腰に手を回す。
そしてブラのホックに手をかけて…………………。
…………………………………………………………………………。
……………………………………………………????
「ちょっと。何してるの?」
「……上手く…取れない」
「……………」
「お前……苦手というか…こんなの触った事ないっつうの!!」
「えええぇ!!なにそれ!」
「なんだよ!俺まだ高1だぞ!?当たり前だろ」
「………じゃあ…九澄……はじめてなの?」
「それは………なあ?」
「わかんないから!さっきもはぐらかしてたし、ホントは……」
「………初めてだ」
「……そうなんだ………じつは……わたしも……なんだけど…」
「……いや…観月は言わなくて良かったんじゃ」
「………………」
私は黙る。
カミングアウトした恥ずかしさじゃない。
私の中に埋もれた不満が……感情が溢れる。
凄く辛くて……我慢しきれずに破裂する。
「………観月?」
「…………怖いの」
「…………怖い……」
「男にはわかんないでしょうけど……こういうコトして傷つくのって……私たちなんだよ?」
「……ああ」
「男って……自分がキモチよくて……それだけっていう生き物だと思ってたから」
「そんなの……考えすぎだって…」
「じゃあ九澄は!?したいからするんでしょ!!?元々私を振っといてこんなこと……」
「……………好きだのしたいだの言ったのは観月だろ」
「!!!……だって……だってぇ……」
……私は泣いてた。
お互い矛盾した言葉をぶつけてて……虚しかった。
「好きだから……じゃダメなの……?」
「………観月……」
「九澄なら……九澄じゃなきゃダメなの………」
そう。九澄じゃなきゃ……貴方しかいない。
私のコンプレックスを………一番奥の痛みを獲ってくれるのは……。
九澄は私に覆いかぶさり……―――――「もう何も喋るな」
「…………九澄……」
私は九澄に身を委ねた。
ブラが取れ……胸が露になる。
もう恥ずかしさはない。
九澄は臆することなく胸に顔を埋める。
………舌が胸の先に触れる。
「………ンんう!!、、ひゃあ……いやぁ!、、……」
さっき自分で触ってた時よりも……キモチイイ。
九澄が……触れてる。舐めてる。
そう思うと………お腹の下の処が疼く。
「!!……はぅん……ひゃあ!…あんっ……」
犬のスキンシップのようにペロペロと九澄は舐める。
そんな姿を見ると……かわいくて愛おしい。
「九澄……!!!ひゃめっ!!……吸っちゃぁ……らめ…」
チュウ……っと乳首を吸われる。
快感が脳を揺さぶる。
歯を食い縛っても……口から声が漏れる。
「だめぇ……んんぅ!!、、、アアん!!……ひゃ……」
下の疼きが……強くなる。
痒くて……熱くて………。
触って欲しい。
この疼きを……奪って欲しい……貴方に。
私は九澄の手を患部に誘導する。
多分、私の顔は真っ赤になってたと思う。
九澄の指がパジャマの上から強引にソコに当たる。
……脚を閉じてしまう。
九澄も熱は感じ取ってくれたの……かな。
九澄の指が動く。
不器用に……それでも確かに探るように。
「く……じゅ……ここ……」
「………ああ。わかってる」
九澄は下のパジャマもすうっと剥ぎ取る。
最後の着衣。
其の上から九澄の指が触れる。
……湿った生地。
其のぬくもりはきっと九澄に伝わってるはず。
「観月……凄い濡れてる……それに…熱い」
「………うん……」
「じゃあ……イクぞ…?」
九澄は顔を感部に……。
………!!!
「ひゃぅ……んはあ!……」
何かが奔る。
………九澄の……舌…。
生地の湿り具合が激しさを増す。
私の愛液と九澄の唾液が混ざるから……。
私は痛みと快感に耐える。
「…はぁんっ!……ああん…ふあ……」
隅々を舌が跳ねる。
時折、出っ張ったつぼみを吸われ……痺れる。
「!!!ひゃめぇっ、、、そこぉ……」
「……ココが………いいのか」
私は小さく頷く。
………身体が思うように動かない所為もあった。
九澄はそれを聞くと、ゆっくりと下着を脱がす。
互いの糸が絡む下着を取り……九澄はつぼみを中心に攻め始めた。
「ああぁア!ううッ……もうぅ……やっ…ダめェ……」
声が次第に大きくなる。
それに呼応し、指が患部に……差し込まれる。
グいっと二本の指が滑らかに侵入する。
グッショリと酷く濡れた壁は、九澄の指を拒みはしなかった。
「……おかしく……オカシ、、……、ク……なっ!!……ちゃ…」
指が踊る。
私の傷口の中で……九澄の意思で踊る。
ジュワッと溢れる愛液。
指に絡まり……出口で九澄自身に捕らえられ……味わわれる。
「ひゃあ!!!んふぁ…、、…あはぁ…。……」
漏れても漏れても……止まらない。
私はイきそうになり、壁をギュウ!!……っと強く締める。
……壁に九澄の指が食い込む。
「!!!ひゃああん!……く…ずみのゆび……あったかいよぅ…」
「……観月だって…火傷しそうだ」
食い込んだ指が動き出す。
ジュプっ!!……ズチュ!!……パチュ!!……。
先程よりもずっと深い感度……生れる快感。
そして―――――……絶頂は突然訪れた。
「んんんあぅァアア!!!!…、、、…、、!!!…!…っ……っ…」
身体が何度も痙攣する。
呼吸が出来なくて……喘ぎ声さえ出ず、パクパクと口を泳がす。
「……じゃあ……入れるぞ」
「!!……は…く……み…っ……」
間髪入れずにクズミが患部に……押し込まれる。
ガチガチのクズミをワタシが包む。
……皮膚に浮き出る血管さえも感じ取れる。
激しく脈打つ血管をワタシが圧で押さえ込む。
「!!!……くあぁっ…すげえ締め付け……」
クズミはゆっくり前後する。
それを赦すまいとワタシがしがみ付く。
「やばい……すげえキモチイイよ……観月…」
「……はぅ!…アン!……ひゃぁ!……、、、」
クズミが押し込む度に抑揚のない喘ぎ声。
私は九澄に手を伸ばす。
互いの指が絡まる。
後は……唇。
自然にそれも交わる。
投げ出したように私の顔の横に絡まる指。
目の前に霞んで見える九澄。
……涙の所為で九澄がはっきり見えない。
「くぅうっ……観月……出すぞ……」
「ふぅぁあ………ふア…ふじゅ……むみ…!!!ンアアっああ!!!」
クズミが大量に吐き出す乳白色の麻酔。
焼け付く患部を満たし……染み込む。
私とワタシの意識は薄れ―――――熱が癒える。
私は笑ってた。
笑いながら泣いてた。
泣き顔は誰にも見せたくなかった……ましてや男なんかに。
「アンタの前だったから……流したんだからね」
この台詞……その後何度も言った気がする。
私は……九澄が好き。
「このままでいてね。私も貴方も」
この言葉は、幸せな今がずっと続くよう願ったモノ。
それでもまだ……素直になれないのは………。
きっと来るよね?もう一度ちゃんと想いを告げれる刻。
それまで……待っててね。
…………ちがうわ。待ってなさいね!!
―――――この様子じゃ…まだまだそれは難しそうね……。