それは一夏の出来事……他の学校は長い連休であちこち賑わっていた頃。  
ここ、聖凪高校ではそんな中、大半の生徒が登校していた。  
 
「ん~……やっぱ時代はパワーアップだよね!」  
今日もいつもどおり帽子をかぶっている少女はそう言った。  
「今まで魔法試験とかクラスマッチとかなんやらでみんなの成長も見てきたけど……やっぱ得意分野をのばすって大事だよね!」  
彼女はこの夏休みを使って魔法の強化を目指していた。  
よく考えればそうだろう乾の指揮紙や津川のスケボーもそうだ。いつも皆、知らない所で努力してる。  
「はぁ~……私ってこういう時に頑張らないといけないよね……」  
まぁいつまでもウジウジしてられない訳だし、こういうことはテキパキとやんないとね!  
「よし!そうと決めたら早速実行にうつさないとね!」  
早速、桃瀬は魔法の本をめくる。こういうのから始めないといけないから大変だ。  
まぁ時間はあるんだし何より魔法が好きだからヘッチャラなんだけどね。  
それにしても……周りに誰もいないな…結構皆はペアを作っていろんな所でやってるみたい。  
まぁ暑いけど外は晴れてていい天気だから別に否定するわけじゃないけど……  
「私ってさびし~……」  
だってペアつくろうとしたら皆もう出来てるっていうんだもん。  
結局取り残されてしまった……私ってつくづく取り残されがちだなぁ~……  
「あ。これにしよ」  
ペラペラと本をめくっていてようやく目ぼしいのを見つける  
「『HENGE』って15分程度だからな~これ延ばせれば結構実用的になるかも」  
まぁとにかく手始めにやってみよう。  
インストール開始………………………………………  
こういうのって九澄くんがいたらもっと手っ取り早いんだけどな~……  
ん~……それにしてもやっぱりさみしい……って!?  
様子がおかしい。どうやら失敗したようだった。  
「きゃ!…………」  
インストール失敗により桃瀬の体が強制的に変化していく。  
 
「グルオオォオォォオォォオオオオオ!!!!」  
「ギャアーーーー!?」  
「化け物だーーーー!!」  
え?え?何、何?今私どうなってるの?わかんないよ~!化け物って何!?  
荒れる教室、勝手に動く体、怯える生徒。  
どれをとっても不安になる組み合わせ……ふと窓を見る。微妙に映っていたそれは誰がどう見ても化け物だった。  
―――――― 額にあるは鋭い一角。 牙は異常に長く鋭い。 既に荒らされている教室を見るにあるひっかいた跡。  
   体中の毛ですら鋭く、顔は獅子に近くとも近くない禍々しい顔の獣………  
なななななな何これ!!!???私?私なの!?やばいってこれ!!  
「おい!魔法執行部が来たぞ!道を開けろ!!」  
魔法執行部!?しゃれにならないよ~!とと兎に角!に・逃げないと!!  
「こりゃまたずいぶんな・・・・」  
やばいよ~!もう来たぁ!!  
目指すは窓。この巨体と素早さなら多分大丈夫!痛くない・・・・かも。  
「八条君おねがいね」  
考えるより実行!女は度胸だ~!!! バリーーーーーン!!!!!  
「あ…こら……」  
声が聞こえるより早く逃げた。とにかく姿が戻るまでどっかに。  
ここまでくれば……大丈夫だよね?  
「うお!?なんだなんだ!!?バケモン!?」  
聞き覚えのある声。同じクラスの津川だった。それと同時に魔法が解ける。  
「あ…よかった~……やっぱり15分だった~……」  
「んだ桃瀬か…ビビッたぞ」  
津川は草原で寝ていたようだ。起こして悪かったかな……  
「さっきそっちに化け物が行ったような・・・?」  
まずい!今はとにかく逃げないと……  
「ごめん津川!私今は忙しいから!」  
走ろうとした瞬間あろうことか腕をつかまれた。振り向くと津川はニカッと笑って…  
「逃げてんだろ?だったら手を貸すぜ?」  
「え……?」  
「スピードキングなめるなよ?」  
小さなスケボーに二人乗ることはできないから私は津川にしがみつく。  
体が密着して津川の体温を感じる。さっきより少し暑い…少し外の温度が上がったかな?  
「しっかり?まってろよ!行くぜ……韋駄天號!!!!」  
ものすごい速さで走るスケボーに振り落とされそうになる。  
だって実際足が浮いてるし……  
「きゃ~~~~~!!!???落ちる落ちる!??」  
「もう少し踏んばれよ?あとちょっとだからな!」  
悲鳴すらかき消してしまうほどの速さで私は死ぬかと思った……  
 
「ここまでくれば安心かもな。大丈夫だったか?」  
「死ぬかと思った…まだ目が回るよ……」  
フラフラとする桃瀬をみて津川は笑う。ここはどうやら屋上のようだった。  
「はは!でもおもしろかったぜ?漫画みたいに目がぐるぐる回ってたしな!」  
「ひどいよ津川…笑うなんて……グス……」  
安心したぶん涙が出た。津川は少し混乱して  
「わ・悪かったって!泣くなよな。な?」  
津川は泣き止むまでそばにいてくれた。さっきは余裕なかったけど意外と大きくてたくましい背中。  
何も言わなくても助けてくれた……ってこれじゃまるで私が…  
「もう大丈夫か?」  
「ひゃあ?!??」  
そんなに驚かなくても、と津川は苦笑いで答えてくれる。  
――――― 澄んだ青い色の空。途切れるように、でもしっかりとのびた白い雲。  
   その一角を眺める津川。景色と一体に見えたその横顔に私は見とれてしまっていた……  
「ん?どした桃瀬」  
「ううん……なんでもない。あっそういえば津川は何してたの?」  
答えは予想通り。気持ちよかったから木陰で寝ていたらしい。そして言おうとした事を津川は言ってくれる。  
「桃瀬。一人なら一緒に魔法やんないか?」  
一瞬驚いた。そして鼓動が激しくなる。この暑さで私はどうにかなってしまったのだろうか?  
そんな気さえしたがうれしいことに変わりはない。私はうんと答えた。  
それが全ての始まり。一夏の、悠久の思い出の序章……  
 
「津川おはよう~!」  
津川は「おう」とそっけない返事をくれる。  
休みだからなのか、暑いからなのか知らないけど津川の表情はいつもと違っていた。  
別にどっちの津川でもいいのだけれども休みに入ってからの津川は妙に大人びていた。  
「なぁ桃瀬。これってどう読むんだ?」  
「え~と・・・・」  
そんななんでもない毎日。休みとは感じさせない二人の時間。  
私の中では明らかに津川に対する思いが変わってきていた。そして夕刻。  
今日は雨だった。だけど今はすっかり天気もよくなっていた。  
「津川。明日は休みにしてどっか行かない?」  
「休むも何も休みだしな。いいぜ。どこに行く?」  
突拍子のない話でも津川は「いいぞ」と言ってくれる。津川は私のことどう思ってるのかな……  
そんなこんなで話を進めるうちに海に行こうと決まった。  
―――――― 二人の帰り道は、雨のあとが残り空の色を映す。紅い空に紅い地面。  
   紅い世界は二人の影も紅く染める。なんでもない、そんな時間がとても満たされていた……  
 
過ぎていく日々。夏の景色もいっそう濃くなり、津川との距離も縮まっていく気がした。  
「まだ津川来てないんだ」  
今日は早く来てしまったらしい。私は昨日二人で進めた魔法のインストールを始める。  
どうやったら津川が私を見てくれるのかな……?また私はこんな事を…  
どうやら集中しないと失敗するらしい。結果は失敗だった。  
「桃瀬いるか?悪ぃ。遅く……」  
ドンッと私は津川にぶつかって走っていく。さすがにこれは見せがたかったから。  
「桃瀬?なんか小さかったような…?あっちは…屋上か」  
屋上。今日の天気は晴れ。初めて津川とここに来た時のようだった。  
「どうしてにげたんだろう…べつにどうってことないのに…」  
キィーとドアが開く音。もちろん津川だった。  
「桃瀬、いるんだろ?」  
津川…来てくれたんだ。大丈夫だよ。今回はひどい失敗じゃないから。  
ギュ…と津川の背中に抱きつく。  
「桃瀬?って……小さ…」  
そう。今私は体形が小学生ぐらいだった。  
「で…何してんだ?桃瀬」  
私はいつも突拍子なくてタイミング悪くて…だから正直にいうことしかできないから…  
「わたしはあなたがすきです」  
風が吹き抜ける。津川は困惑しているようだ。  
「…そういうこと…その格好で言うか?普通」  
確かにそうだった。私はまたタイミングを誤ったようだ。でもいえた。言いたかった言葉を。  
「……もとの姿に戻ったらいうよ。んで、それはいつ戻るんだ?」  
多分いつもどおり15分だろう。その間二人で空を見上げる。相変わらずいい天気だ。  
「あれ……?」  
「おかしいな…15分経ったぞ?」  
戻らない。不安が押し寄せる。津川を見上げて  
「どうしよう…津川ぁ~……」  
不安をどうやったら消し去れるか分からない。でも津川は桃瀬を抱きかかえる…  
「あ・・・う」  
「大丈夫だって。いざとなれば九澄に頼むから」  
ギュ…と抱き寄せる津川。嬉しい…けど。  
 
「えと…津川…その……さわってるよ?」  
津川はあわてる。そんなにあわてなくていいよ。津川が…いいなら。  
「津川が…いいなら…いいよ?」  
津川は動揺したけどぎこちなく触ってくる。  
「えと…ごめん。いま、こんなかっこうだから」  
津川の指の動きは山にもなってない胸。体が変化しているとはいえ恥ずかしさはある。  
徐々に感じていく。津川は分かったように突起する蕾を重点的にいじる。  
「ん……は…あぁ…ひぅ…う」  
どうやら体の反応はあまり変わらないらしい。そのせいで体が反応する。  
津川の動きは止まらない。こねたり、引っ張ったり、つついたり。  
そして服の中に手を入れる。体が小さくなった分服が大きくて触りやすいのだろう。  
グイと服の奥に手を入れる。じかに触れられ、いっそう体が反応する。蕾への刺激が激しくなった。  
「ひっ……き…イ…あ…う…つ…がわぁ…」  
爪を立てたようだ。固い感触に驚く。息がはげしくなるのを感じる。  
「ふぅ…ん…ん…んんンン!」  
下の方へ手をあてる津川。下着も大きくなっている為、擦れが激しい。  
「ふぅ!…ン…く…う…あぁ…はぁん!!」  
とうとう声が漏れる。津川が一瞬、指を奥へ突き入れた。焦らすように少しだけ。  
「あぁぁ……あ!…ふ…くぅぅ…ひぃあ!あ!あ!」  
第一関節を突きいれ、出し、かき回す。体がそれにあわせて動いてしまう。  
青空から差す光と暑さに私はおかしくなってしまいそうだった。  
「ひゃぁぁっぁ…んんんん!!」  
「痛いなら言ってくれ。優しくする」  
ずるいよぉ……そんなこといわれたら私……  
体が痙攣しだし足が勝手に動く。そしてよりいっそう強い刺激が襲う。  
「ひゃああ!!つがわぁ…だめ…ダ…め…ひゃ……ら…めぇえ!!」  
未発達な体つきがはねる。足が津川の腕を挟む。  
「い…ひぅ…んあぁっぁぁぁああああ!!!!」  
ビクンビクン!!!!体の動きに翻弄され私の体はどこかに行ってしまう様だった。  
「ん…はぁぅ……あ…は……」  
「桃瀬…いいか?」  
首を縦に動かすと津川は体勢を変え、向き合う感じになる。正直恥ずかしい。  
グチュ…グッ…グッ!  
「つぁぁぁぁあああ!!!」  
はいってる…入ってる。正直引きちぎれるくらい痛い。でも…我慢する。  
「あああぁあぁぁぁ……つ…はぁぁぁああ……」  
どうしよう…少しずつ体が反応してしまう。こんなに苦しいのに…  
たまらなく愛おしい感覚になってしまう。  
「あ!あ!ひゃ!あぐ!う…くぅあ!!」  
津川はさらに体勢を変え、私が上になる。体重の全てが敏感な位置にかかり、たまらなく苦しい。  
「ひゃ!あ!つが…わぁあ!おか…ひく…なっちゃう…なっちゃうのぉお!!」  
「桃瀬…出す…ぞ?」  
カクカクとゆれ反応する。その瞬間……  
ビュクビュク!!ドピュ!!!ビュッルルゥル~~~~~!!!  
ビクンビクン!!!  
「あはぁぁっぁ~~~~~!!!!!!」  
崩れる私。次に起きた時私はもとの体になっていた。  
全て夢かと思った。その時津川は言ってくれた。返事を。  
「遅れてごめん。好きだ」  
たまらなく嬉しかった。涙の雫が落ちコンクリートの屋上に落ち、乾いて消える。  
明日は雨が降るらしい。そして夏休みが終わってゆく……  
 
 
次の日……  
「おい!逃げろ!また前の怪物が暴れてるぞ!!」  
津川は学校に来てそんなことを聞いた。全てを察し、走り出す。  
「韋駄天號!!」  
走り出した。どこにいるか分からない。でも、何かを察したように。  
ここにいたか…やっぱり…  
そこは屋上。全てが始まり、一つになった所。  
「グル…………」  
「雨、降ってんぞ?帰ろう。桃瀬」  
多分大丈夫だ。こいつは…桃瀬だから。  
今日は…来てほしくなかった。またやっちゃったから……  
「グルッァァァアアアア!!!」  
一閃。津川を襲う攻撃。津川は避けない。全て受け止める。  
そして津川は……無事だった。上には桃瀬の姿。  
「ちょうど…15分だ。結局成長してないな」  
微笑む津川。余計な世話だよ。  
「う・・・うわぁっぁぁあああ!!!」  
雨がやむ。全て予報のとおり。午後は晴れ。  
晴れた空の下。二人はまた屋上にいる……今日もいい天気だ。  
雨のあとの午後は風が涼しい……青い空と…白い雲……  
今日もまた変わらないで……また訪れる夏……まだもう少し…暑い日々は続く模様………  
 

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