クラスマッチ決勝戦当日、愛花達とはぐれた深千夜は1人で森の中を歩いていた。  
こんな所で敵にでも会ったら厄介だな…  
と周りを警戒しながら、とりあえずC組の陣地へと向かう。  
普通の女子なら気味悪がるであろうその森は  
うっそうと茂った木がなんとも不気味な雰囲気で、  
辺りにはシンとした静寂だけが流れていた。  
(ん、幸いここには誰もいないみたい)  
深千夜がホッと安堵のため息をついた瞬間、  
突如身体が硬直し、身動きが取れなくなった。  
「なっ…身体が…動かないっ…」  
訳もわからず辺りを見回していると、フッと誰かに担ぎ上げられ  
木の上へと引きずり込まれた。  
「か…影沼君!?」  
自分の身体を抱えていた人物が余りにも予想外だったため、  
深千夜は思わず素っ頓狂な声を上げてしまった。  
「シッ、もうすぐココをF組の奴が通るよ。さっきこっちに歩いて来てたから」  
「えっ…そうなんだ。ありがとう…ってゴメン影沼君!!」  
と、深千夜は自分が影沼の上に座っていることに気付き慌てて身を引こうとした。  
しかし、予想と反し影沼は深千夜の腰を支えていた手に力を込め  
逆にもっと密着する様に身体を引き寄せた。  
「え??影沼君?」  
抱っこされるような格好になった深千夜は訳もわからず影沼を伺う。  
影沼はそんな深千夜に構わずプレートを取り出すと  
深千夜の影に器用に枝を飛ばした。  
 
「!!」  
先ほどと同じ、突然身体の自由を失った深千夜は視線だけを動かすことしか出来なかった。  
「ちょっ…待って…なんでこんなコトするの?」  
「愚問だね、乾さんが可愛いからだよ」  
悪びれる様子もなくさらりと言い放った影沼はギュッとその身体を抱きしめた。  
少し力を入れれば折れてしまいそうなほど華奢なその身体を愛しむように包み込みながら  
影沼は甘い香りのする首筋に顔を埋める。  
「あっ…」  
チュッと軽く愛撫を繰り返す度に、深千夜の口から小さな吐息が漏れる。  
ゆっくり背中を擦っていた右手をおもむろに体操着の中へ忍び込ませると  
ピクリと身体が反応した。  
「もう感じた?」  
耳元で囁くように問いかける影沼に、深千夜はただただ驚くばかりだった。  
「やっ…やめてっ…」  
必死で声を振り絞るが、影を固定されている為抵抗することすら出来ない。  
そうしているうちにパチリと音をたてブラのホックが外された。  
幾分か開放的になった胸にスルリと大きな手が回されると  
深千夜は堪らず影沼を掴んでいる手に力を込めた。  
「やぁっ…ん。ダメ…影沼君…お願…い」  
ハァハァと肩で息をしながら小さな声で必死に懇願する深千夜だったが、  
頬を紅潮させ、潤んだ瞳で見上げてくる様子は逆に影沼を興奮させるだけだった。  
長い指で起用に胸の膨らみを撫で上げながら  
時折り先端の突起を刺激してやると、深千夜はビクビクと身体を震わせる。  
(ヤダ…足閉じなきゃ…気付かれちゃう…)  
ジワリと下着が濡れて着ていることに気づいた深千夜は  
こんな状況でも感じてしまっている自分を恨んだ。  
なんとか影沼にばれないように必死で足を動かそうとするが  
影縛りの拘束に太刀打ちすることは不可能だった。  
そんな深千夜の気持ちを知ってか知らずか  
影沼は自分の上に跨って腰をモゾモゾとさせている深千夜に  
ニヤリと不適な笑みを浮かべた。  
「乾さん…気持ちいいんだね」  
「っ…そんなこと…ひゃぁっ!!」  
グッと深千夜を支えていた手に力を入れると、  
大きく反り立った自分の性器の上に深千夜を引き寄せた。  
体操着越しに擦り付けられるその感触にゾワリと全身の毛が逆立つ。  
(これ…これって…こんなになるもんなの…?)  
布越しとはいえその大きさは伝わってくる。  
深千夜は驚きと恐怖と恥ずかしさとで自然に涙がポロポロと溢れていた。  
「もっ…ダメ…やめて…」  
「ダメ?こんなに反応してるのに?」  
影沼は胸を弄んでいた手をゆっくりと下へ移動させると  
下着の中へ指を割り込ませた。  
 
「ん…あ…ダメっ!!」  
既にぐっしょりと湿っているソコは、ビクビクと痙攣していた。  
深千夜は恥ずかしさの余り影沼の胸へギュッとしがみ付く。  
「ダメじゃないよ、すごく可愛い…」  
影沼は震える深千夜の頬に優しくキスをすると  
ゆっくり指を動かし始めた。  
「あっ…んぁ…」  
ねっとりと指に絡みつく熱い液体が溢れてくる。  
出し入れする指の角度を器用に変化させてやると  
深千夜の体がビクビクと痙攣する。  
「もっ…ヤ…んんっ…」  
身じろぎすることすら許されない深千夜は  
与えられる刺激に限界を感じていた。  
とその時、影沼はいきなり深千夜の身体を抱き寄せ  
シィっと耳元で囁いた。  
「誰か来たよ」  
「!!」  
深千夜はサァッと顔色を変え必死に離れようとしたが、  
何を思ったのか影沼は魔法を解除しようとはしなかった。  
「なっ…!?」  
指を入れられたまま口を塞がれ、深千夜の体は硬直した。  
「声出したらバレるよ。」  
影沼は舌を絡めながらここぞとばかりに深く口内を犯す。  
そうしている間にも、ガサガサと足音は近づいてくる。  
震える深千夜をよそに、影沼は更に激しく指を出し入れし始めた。  
「んー!!ふっ…あぁ…!!」  
深千夜は必死に声を殺し湧き上がってくる快感を押し殺した。  
クチュクチュと言う音と近づいてくる足音が妙に大きく深千夜の耳に響いた。  
深千夜は気を失いそうになりながらも、  
体の奥から何か熱いものが込み上げて来るのを感じた。  
(ダメ…ばれちゃう…)  
恐怖でパニックになりながらも、絶頂へと近づいていく  
気持ちを抑えられなかった。  
「こっちにはC組いないみたいだぞー」  
「!!!」  
すぐ下でF組の誰かの声がする。  
「イッていいよ乾さん…」  
クチュっと音を立て唇を離した瞬間、影沼はグッと力強く指を深めた。  
「あぁ…やぁっ…」  
深千夜は一際甲高い声をあげビクンと跳ね上がり  
ハァハァと定まらない呼吸を繰り返しながら影沼にもたれ掛かった。  
「もう行ったみたいだよ」  
影沼はヨシヨシと深千夜の頭を撫でてあげた。  
指をズルリと引き出してもなお  
深千夜の体の痙攣は収まらずビクビクと反応している。  
「乾さん…気持ちよかった?」  
影沼は愛液が伝う腕を嬉しそうに眺めると、深千夜を見下ろした。  
全身の力が抜けたようにグッタリと身を任せている。  
影沼はそんな深千夜の真っ白な肌に指を滑らせながら  
既にグチョグチョに濡れ使い物にならなくなったズボンと下着を一気に降ろした。  
そして自身のギンギンにそそり立った性器を取り出すと  
クチュリと音を立てて深千夜の秘所へとあてがう。  
「やっ…もぉ…ダメ…無理よ…」  
深千夜は抵抗する力もなく目だけで懇願した。  
「大丈夫。もっと気持ちよくさせてあげるから」  
影沼自身も、もう充分過ぎるほど我慢していた為  
焦る気持ちを抑えきれず強引に深千夜の中へ腰を落としていっ  
った。  
「ふっ…ぅ…んっ」  
先ほど充分濡らしていたにも関わらず、  
深千夜の秘所はきつく締め付けられその進入を拒もうとする。  
影沼は自分の性器を片手で支えてやり  
もう片方の手で深千夜の腰を掴みゆっくりと誘導してやった。  
「んぁっ…!!奥まで当たっちゃうっ…」  
重力に任せて腰を落とした深千夜は、  
より深いところで与えられる衝撃に思わず眉をゆがめた。  
深千夜の中は熱く影沼を包み込み  
気を抜いてしまうとすぐに果ててしまいそうになる。  
一旦際奥まで挿入し、影沼はふぅっと小さく息を吐くと  
下から腰を打ちつけ始めた。  
「きゃっ…あっダメダメ…影沼君動いちゃっ…」  
「無理…もう止まらないから…」  
深千夜は奥まで響く感触に思わず息を荒げた。  
影沼もまた、深千夜の腰を掴みながら一心不乱に突き上げる。  
「乾さん…」  
身体に指を這わせると  
深千夜はまるで怯えてるかのように敏感にピクンと反応した。  
そのたび、ピストンを続ける影沼の性器をキュウと締め付ける。  
「もうイきそう…」  
耳元でボソリと呟いた影沼を焦点の定まらない瞳で見上げると  
深千夜はギュッとその胸にしがみ付いた。  
「私…も…ダメ…」  
影沼は腰を深く落とし深千夜の体を激しく揺さぶった。  
「やっ…あぁ…っ…あっ!!!」  
「乾さん…好きだ…」  
深千夜が身を硬直させると同時に影沼は眉を歪め深千夜中で果てていった。  
 
 
「というなんとも破廉恥な夢を見ました。  
ええ、皆のご想像通りウレシハズカシ初夢精でしたよ。  
しかし奇しくも今日はF組との決勝戦。僕は鼻血の付いたシャツと  
生ぬるい精液の付いたズボンを洗濯しながら思ったのです。  
これは正夢じゃないかと。これこそ神様がくれたチャンスなんじゃないかと!!」  
決勝戦当日の朝っぱらからなんともおかしなテンションで喋りまくる影沼を前に  
C組の男子代表は空いた口が塞がらなかった。  
この愛すべき変態に掛けてあげる言葉が見当たらない…  
そんな皆の様子を気にすることもなくベラベラと興奮冷めやらぬ様子で話し続ける影沼に  
突如物凄い蹴りが炸裂した。  
「影沼ぁああぁ!!あんた黙って聞いてれば…  
何勝手にミッチョンで抜いてくれてんだこのやろおぉおおぉおぉおおぉおおぉお!!!!」  
「ひぃっ…三国さん…」  
「このド変態がっ!!私がたまたま通りかかったからいい様なものを!!!このムッツリ!!」  
聞くに堪えない罵倒を繰り返しながら三国は容赦ない蹴りを入れ続ける。  
「あんた今日はキングのガードだからね!!少しでもミッチョンに近づこうもんなら…わかってるね!!」  
「うぅ…はぃ…スミマセンスミマセン…」  
必死で謝る影沼に、もはや同情の余地はねぇなと男子連中はそそくさと退散する。  
こうして『一切うろちょろするなキングの護衛にだけ勤めろ命令』が出された影沼は  
文字通り影のようにその場を動くことを禁じられた。  
   
   
   
「うっ…グスッ…乾さん…」  
「影沼君…泣かないで…ほら、元気出しなよ…」  
(ったく…私が1番迷惑だっての!!)  
キングになった事を深く後悔する百瀬は、盛大にため息を付きながら必死に影沼を慰め続けるのだった。  
 
 
 
                            完  
 

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